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北アルプス・剱岳でクライミング

2007年8月10日夜発~16日朝 

 黄蓮谷の疲れが残ったまま、お盆は剱岳(つるぎだけ)へ。黄蓮谷に一緒に行った人と二人です。
 日程は、10日夜に東京を起ち、16日早朝に帰ってきました。
 まず、登ったルートを先に書いておきます。
 12日:チンネ左稜線
 13日:八ツ峰Ⅵ峰Dフェース富山大ルート
 14日:  〃   Cフェース剣稜会ルート・RCCルート

■11日
 黒部川上ノ廊下を遡行するという同じ山の会の人達二人を乗せ、立山黒部アルペンルートのある扇沢へ。到着してテントを張り寝たのが既に明るくなった4時頃。トロリーバスの始発に乗るために5時には起きます。わずか1時間し か寝れませんでした。この日の行程の長さを考えると寝不足が心配です。黒部ダムで上ノ廊下に行く二人と別れ、さらに乗り物に 乗り富山側の室堂に着いたのが8時半。そこから重い荷物を背負って歩き始めます。
 地獄谷、雷鳥平を過ぎ、別山乗越への登りが始まります。真夏の日差しがきついです。この登りで同行者が早くもバテ気味です。荷物がずいぶんと重いようなので聞くと、食料の量を勘違いしてかなり余分に持って来てしまっているようです。私のザックに荷物を少し移し替え、頑張って登ってもらいます。何とか別山乗越に着。ここから剱沢へと下って行きます。途中の剱沢小屋のテント場に着いたところで、同行者が今日はここで泊ろうと言ったのですが、まずは休息を取ってそれから考えようと説得しました。この日のうちに長次郎雪渓を登り熊の岩まで行っておけば、明日、チンネに挑戦できるからです。
 少し休むと同行者の調子が回復したので歩き始めました。剱沢をさらに下って行くと途中で雪渓が出てきてそこでアイゼンを付けピッケルも手に持ちました。雪の上をザクザクと下りて行きます。いかにも岩登りに来ている他のパーティーはそのまま真砂沢方面に降りていくのですが、我々は5月の時と同じように長次郎雪渓に入ります。ここから長い長い登りが始まります。
 黙々と雪の上を進んで行きます。同行者も辛そうです。数時間ののち、ようやく熊の岩に到着。幕営指定地ではないのですが周辺の岩場の登攀のベースにするには最適の場所なのです。他にも10張りくらい既に張っていました。何とかひ1張り分のスペースを見つけテントを張りました。良かった。二人ともクタクタです。これで翌日のチンネのアプローチが楽になります。

■12日
 今日はチンネ左稜線。天気は上々。暗いうちに起きて食事と支度をしてヘッドラDsc00308ンプの明かりの中、テントを出て池ノ谷乗越(いけのたんのっこし)を目指します。50分ほどで着。そこから池ノ谷ガリーを降り三ノ窓へ。ここにも何人かが幕営していました。チンネの下部の雪渓をトラバースすると左稜線の取り付きには既に数パーティーが取り付き、我々が登り始めるまで30分ほど待つことに。チンネ左稜線はピッチの切り方にもよるが、我々はたしか全14ピッチほど。1ピッチ目は私のリードでしたが、身体がまだ慣れていないためちょっと怖かったです。しかし数ピッチ登って行くうちにだんだんと慣れてきました。背中のザックにDsc00320は登山靴とアイゼン、ピッケルが入っており重いです。つるべで登って行きます。登るスピードはおよそ速いとは言えないのですが、後続パーティーも待っているというわけではないので助かりました。
 どんどん高度を上げて行き、ピナクルの続くリッジを通過するとT5と呼ばれる場所に出ます。T5からのピッチがこのルートの核心です。時間がかかるため前に数人待っています。ここは私のリード。ホールドがたくさんあるので難しいということはありません。さらに数ピッチ登るとチンネの頭に出ます。やった。八ツ峰の頭側に少し降りて、そこから懸垂下降し池ノ谷ガリーに出ます。すぐに池ノ谷乗越。雪渓を降り熊ノ岩のビバーク地に帰着。

■13日
 登攀二日目は八ツ峰Ⅵ峰Dフェース富山大ルート。この日も天気は晴れ。熊ノ岩を出て雪渓を横断しすぐに取り付きに到着。熊ノ岩からだとアプローチが短くで楽ちんでDsc00330す。このルートは全6ピッチ。3ピッチ目が核心のようです。この3ピッチ目も私がリード。これといって難しくはないので無事通過。さらに登り続けてDフェースの頭に到着。時間がまだ早いのでもう一本登ろうと思い、まずはⅤ・Ⅵのコルへの下降。ところがここで降りるところを間違え、登り返すのに時間を食ってしまいました。下降点を見つけ無事降りることができたのですが、何かと疲れてしまったので、Dフェース一本で今日はおしまい。再び熊ノ岩へ。

■14日
 熊ノ岩での3回目の朝を迎えました。この日も天気良し。連日天気に恵まれて良かったです。今日はまずCフェースの剣稜会ルート。5ピッチのルートを終え、八ツ峰主稜を下り昨日のⅤ・Ⅵのコルを降ります。今度はAフェースの魚津高ルートか中大ルートを登ろうかと思ったのですが、学生のパーティーが先に取り付いていました。待っていると、長次郎雪渓を登ってくる二人組がいました。我々より一日遅れで剱岳入りしていた同じ会の人達で(正確には、一人は別の会の人ですが)、前日にチンネを登り、この日はDフェースを目指して登ってきているとのこと。連日、真砂沢小屋から登って来ているのには感服します。我々はそれが嫌で熊ノ岩にテントを張っているわけですから。
 学生パDsc00333ーティーがずいぶんと時間がかかりそうなので、諦めてCフェースへ移動。ここでピッケル片手にフラットソールのままで雪渓を登ったところ、同行者が滑り落ちてしまいました。距離にして10mほどでしょうか。足を擦り剥いてしまい痛々しいです。落ち着くのを待って、RCCルートを登ります。ここも別の学生パーティーが先行していて待たされましたが、途中で抜かしてもらい登りました。
 同様にⅤ・Ⅵのコルを降り熊ノ岩に戻りテントを撤収。アイゼンとピッケルを持ち、長次郎雪渓を降りて行きます。雪渓を降りている間、背中から冷たい風と暖かい風が交互に吹いて来て変な感じです。やがて真砂沢に到着。先の同会の二人組もすでに戻っていました。

■15日
 同会の二人は剱沢を登り返し室堂経由で扇沢に戻るとのこと。我々はハシゴ谷乗越経由で黒部ダムまで歩きます。
 真砂沢小屋から少し下ったところから雪渓を渡りハシゴ谷乗越への登りが始まります。暑い。乗越からは内蔵助平が一望できます。内蔵助平までの下りも長くて大変でしDsc00369たが、そこから先も大変でした。途中、右手上方には黒部の巨人と言われる丸山東壁が見えます。同じ会にこの壁によく登りに来る人もいます。黒部下ノ廊下に出ると水流が増えます。それを眺めながら延々と歩くと遠くに黒部ダムの巨大なコンクリートの壁が見えてきます。ダムの上を観光客が歩いているのも見えます。
 暑さに喘ぎながらダムの脇にある山の斜面をジグザグを登り、アルペンルートのトロリーバス乗り場へ続くトンネル入り口に到着。あまり待つことなくバスに乗れ、数日ぶりに扇沢に到着。5月にも行った薬師の湯という立寄り温泉に着いたところで同会の二人組から電話あり。今、扇沢に着いたとのこと。先にお風呂に入っていると、後から入ってきました。どうせ高速道路は混雑しているだろうからということで、この日に変えることはせず、スーパーで買出しをし、安曇野松川という道の駅へ。ビールを飲みながら買った総菜を平らげました。

■16日
 暑くて暑くてテントの中は蒸し風呂状態。未明に起き出して、がらがらの中央道経由で東京に帰りました。
 5日間の充実した山行が終わりました。

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