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八ヶ岳・赤岳鉱泉にて

  15・16日の週末は久しぶりに八ヶ岳・赤岳鉱泉へ。今年の無雪期には八ヶ岳を訪れることはありませんでした。冬になり沢の氷結も進んだろうということで、アイスの練習と雪稜を兼ねて出かけました。
 計画では、初日にジョウゴ沢あたりでアイスクライミングの練習、二日目に石尊稜を登ると言うものでしたが、結果的には天気が芳しくなく石尊稜は諦めました。


【アプローチ・その1】
 例によって金曜日夜、パートナーを乗せ中央道経由で諏訪南ICで降り、美濃戸口にある山荘のロビーで仮眠。翌朝はちょっと遅い6時起床。
 さて、ここ美濃戸口から赤岳山荘までの林道は歩いて1時間ほどですが、車で行くこともできます。昨冬は林道に入って早々に路面凍結で進めず車で行くのを諦めたことがあり、今回も歩くべきか車で行こうか迷いました。他の車はどんどん林道に入っていきます。また凍結した所で立ち往生するかもしれないという不安がありましたが、楽をしたい誘惑に負けて車で進みました。ところどころ凍っています。
 

 なんとか進んでいくことができたのですが、赤岳山荘がもうすぐというところにあるちょっと急な坂で空転していよいよ進めなくなってしまいました。林道の途中に停めていこうとも思ったのですが、翌日帰る際にさらに路面状況が悪化して帰ることもできなくかもしれないと心配になり、美濃戸口まで引き返すことにしました。
 この際、本当にうっかりしていました。引き返す際に、重い荷物だけをそこに置いておけば、美濃戸口からはそこまでは空身で歩くことができたのです。そのことに気づいたのは美濃戸口に戻り着いてから。悔しいです。また車で行くのも時間のロスになるので、そのまま歩くことにしました。
 

 それにしても、他の車は登っていけるのに私の車だけ行けないのは悔しいです。スタッドレスタイヤを履いていますが、四駆ではありません。他の二駆の車でも行くことができているはずなのに。う~む、運転技術の問題なのかも知れません。チェーンを着ければ行けるのでしょうが、私の車はタイヤスペースの関係でチェーンが装着できないそうなのです。

【アプローチ・その2】
 そんなこんなで、後からやってくる車に追い抜かれながら赤岳山荘までの道のりを歩いていきます。それにしても荷物が重すぎました。出かける前に家の体重計で量ったところでは29㎏。それにアックス2本にピッケルを加えると31㎏にはなっているでしょう。テント泊とはいえ1泊の山行にしては重すぎます。もっと荷物を切り詰めて軽くするようにしなければ、歩荷(ぼっか)訓練でもあるまいし、時間と労力の無駄になってしまい、本来の目的のアイスなどをする時間が削られてしまいます。反省しなければ。
 

 さて、ようやくの思いで赤岳山荘の前を通ったときに誰かに呼び止められました。振り向くとYさんです。Yさんは私のいる山岳会のNさんと組んでよくクライミングに出かけている人で、前週の春日渓谷でも一緒でした。今回、八ヶ岳に行くことはお互いに知らなかったのですが、いろいろな岩場に行くと以前にも別のところで見かけたことのある人に会うことを考えると、誰しも行くところは一緒なのだなあと思いました。
 

 Yさんは前日に一人で来てアイスクライミングしてここ赤岳山荘に泊まったそうです。明日はNさんと合流して神奈川の湯河原幕岩を登るそうで、今日は移動日とのこと。呼び止められて、山荘に入りストーブに当たることこと1時間弱。ここでも時間をロスです。Yさんと別れ再び歩き始めます。北沢の林道を進んでいきます。ところで、南沢にある橋が台風で流されて通行不能との情報がありますが、Yさんによれば大した渡渉ではないとのことです。
 

 堰堤広場からは山道になります。積雪が増えてきますが、道の雪は踏み固め658737405_45sられており問題ありません。それよりも背中の荷物が重くて辛いです。ようやく11時過ぎに赤岳鉱泉の山小屋が見えてきました。アイスキャンディーも見事に凍っています。アイスキャンディーとは人工の氷壁のことで、工事現場で使うような足場を組んでその側面に水をかけて凍らせた施設です。裏手の階段から上に上がりロープを張ることができるので、手軽にアイスクライミングの練習ができるのです。

【アイス658737405_238sキャンディー】
 到着が遅くなってしまったので、予定のジョウゴ沢行きを止めアイスキャンディーで練習することにしました。昨シーズンまでは山小屋宿泊者しか利用できない決まりだったのですが、今期からテント泊でも一日1,000円で利用できるようになりました。なお、登録料としてさらに500円が必要です。
 

 テントを張って、山小屋のストーブに当たりながら昼食を済ませ、午後からキャ658737405_225sンディーを登ります。トップロープを張って練習開始です。前週の春日渓谷でも感じたことですが、前ツメ2本のアイゼンで登るよりも1本のほうが足裁きの自由度が増して登りやすく感じます。二人で交替しながら数本登ったのですが、パートナーがしきりに寒い寒いというので早々に切上げることになりました。

 再び山小屋で暖をとった後、テントに戻り夕食の準備にかかりました。夕食と言っても温めるだけのものばかりです。今回は私が食事担当で、これまでの山行で残っていたものを処理すべくここに持ってきました。夕食は湯煎するご飯のパック2つ、レトルトカレー2つ。これだけで800gはあります。500mlの缶チューハイも持って行きました。さらに朝食はお汁粉で、お汁粉300g、お持ち200gはあります。計1.8㎏。重すぎます。やはりもっと荷物を切り詰めることを考えなければなりません。
夜から雪が降ってきました。明日の石尊稜は諦めることになるかもしれません。

【ジョウゴ沢】
 二日目は4時前に起きてお汁粉の食事を取ったものの依然雪が降り続いており、石尊稜に行く気が失せてしまいました。寒さのせいもあり再び寝袋にくるまって二度寝。1時間ほどして起き上がり外に出ました。雪が少し降ってはいましたが頑張れば石尊稜に行けるかもしれません。しかし、これから出発するには遅すぎるので諦め、ジョウゴ沢に行くことにしました。一晩の間に雪は20cmほど降った感じです。

 F1に着くと、数人がロープを張ってアイスの練習をしていました。まずはF2へ行こうと思っている我々はロープを出さずに左端の易しいところから越えて行きます。少し歩くとそのF2が見えてきます。左端を登っている人たちがいます。私のリードで同様に左端の易しいところから登りました。途中、2か所ほどアイススクリューをセットします。トップロープを張って何度か練習しました。そのうち、パートナーが前日に続き今日も寒いから山小屋に戻りたいと言い出したので練習を切り上げて早々に下りました。ナイアガラの滝まで行きたかったのですが。
 まだ昼前で下山するには早すぎます。山小屋のストーブで身体を温めた後は前日と同じくアイスキャンディーを登ることにしました。

【ケガ】
 トップロープを張ってアイスキャンディーを何度か登っているうちにだんだんと晴れてきて、見ると大同心や小同心、さらには赤岳も見えてきました。今回登れなかったのは悔しいです。さて、そうやって何度か登っているうちに時間が経ちそろそろ切り上げて帰る時間が近づいてきました。最後の1本を登ろうということで、氷が幾本もツララ状に垂れ下がっているあたりを登ることにしました。

 ツララがあるのは出だしすぐのところで、私はそのツララにアックスを打ち込みました。と、その瞬間ツララが折れて頭にぶつかり、私はロープにぶら下がりました。どうやら血が出たようです。下に降りてパートナーに見てもらうと、右目の眉の上のところをケガしたようです。しかし、寒かったせいか血はすでに固まっています。テントに戻り、救急用品入れからガーゼを出して傷口に当てました。ヘルメットを被ってはいたのですが、それを外れて氷が当ったようです。

 キャンディーに戻ってみると先ほどのツララが砕けて転がっています。砕けた氷を並べて見ると太さ約20cm、長さ1mほどありました。一つ一つの氷の欠片でもけっこうな重さがあります。これらの体積から想像すればやはり相当な重さになるはずです。これほどの氷の塊がぶつかったのですから、痛いわけです。ケンカで殴られたような感じで右目のまぶたもちょっと腫れてしまいました。

 ここのところ、山や岩場で死亡を含む事故を見聞きすることがあり、ホンの軽傷とはいえ気をつけなければと思います。ツララが落ちることをしっかりと認識していなかった私の軽はずみな行動が今回の原因です。

 そういうわけで、テントをたたみ荷物をまとめ美濃戸口へと下山しました。美濃戸口に着く前にはすっかり暗くなりヘッドランプを点けました。
写真(1):これが人工氷壁アイスキャンディーです。
写真(2):左が大同心、右が小同心の岩峰です。真っ白に雪をまといカッコいいですね。
写真(3):八ヶ岳の主峰・赤岳です。

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