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剱岳 早月尾根【2日】

 いよいよ下山する日。早めに起きて寝袋を片付けます。雪洞の外に出ると前日ほど積もっていません。雪の降り方もだいぶ弱くなっています。それでもまずは雪かき。それからイグルーでの最後の食事を済ませ、出発の準備をします。近くでテントを張っていた4人も下山するようです。ワカンを付け、一足早く下りて行った4人組のトレースをたどります。早月小屋の小屋番さんと警備隊2人も後から下山してくるそうです。私の先頭で歩き始めます。ほどなく行くと4人組に追いつきました。少し後を付いて行くとどうやら迷ったようで、後方にいる我々のリーダーが別の方に進むためラッセルしていきました。そこからしばらくが迷いに迷って苦労しました。

 高度計によれば標高2,000m付近。小屋から下り始めてそれほど進んでいないはずです。力のあるMさんが先頭でラッセルして下りて行きます。ラッセルしているのに後を追う我々よりも速いから驚きます。しかし、どうも違う斜面を下りてしまっているようです。地形図と高度計を睨んであれこれと進むべき方向を探ります。2度ほど別の斜面を登り返した末、その斜面と斜面の間に尾根が続いているのを発見し下りて行くことができました。それにしても深雪でトレースなど何もなく視界も見渡せないと現在地を把握するのが大変です。

 こうしてしばらくは雪面をどんどん下っていけました。時々、木の枝に結びつけた目印の赤布が目に入ります。標高1,600m付近で再び迷っていると、後から来た小屋番さんと警備隊員に追いつかれました。彼らの指示で右斜面の方に下りて行きます。そうするとまた赤布が現れてきました。彼らが後ろにいてくれるというだけで心強いです。
長い長い道のりにだんだん疲れてペースが落ちてきます。パーティーもばらばらになりがちですが、後を行く時は前を行く人のトレースがあるので助かります。

 ずっと下りて行くと最近までテントを張っていたような跡があり、そこから先はトレースが続いています。どうやら今朝までここでビバークしていたパーティーがいたようです。このトレースのおかげでさらに下山が楽になりました。それでも時々迷いましたが、松尾平まで来るとだいぶ下りたんだなあと感じます。雪はもう降っていません。ここから馬場島までは日差しを出るようになり何だか春山でスノーハイキングしているような気分になります。最後の斜面を下りるとそこは馬場島。ここもずいぶん積雪があります。“試練と憧れ”と彫られた碑の前で我々7人は小屋番さん、警備隊の方々と一緒に記念写真を撮りました。そのそばにあるコンクリート製のお社にお参りもしました。初詣です。

 馬場島の山荘前で、山行中ずっと首にかけていた山探(やまたん)を返します。ここから伊折まで車道を歩いて行くのですがこれが大変でした。時間は夕方4時近く。車道は車に踏まれているとはいえ雪が積もっています。そこを延々と歩いて行きます。最初701499066_246sの洞門までは頑張れたのですが、そこから先は私はずっと最後。それどころか6人にずいぶんと引き離されてしまいました。暮れゆく中、黙々と歩いて行きます。真っ暗な中、時々遅れて歩いているメンバーに追いつきます。そうしてゲートも過ぎ、さらに歩いて、7時前頃、ようやく伊折に停めた車のところに着きました。

 すると先についたメンバーらが何かをしています。なんと雪に埋まった車を掘り出しているのです。道路はきれいに除雪されているのですが、道路脇に停めた車は雪の中。1m以上は積もっているようです。私が着いた時は車の前方のスペースを概ね掘り終えたところで、2台の車はまだ雪の中。私もスコップを出して701499066_143s_2、車を傷つけないように雪かきをしました。車の前とドア側を優先して雪かきします。ドアが開けられるようになるとエンジンをかけて温めます。そうするとフロントガラスの雪は取り除けやすくなりました。

 そうして私が到着してからでも1時間は雪かきしたでしょうか、ようやく2台の車を道路に出すことができました。くたくたです。今夜の寝床となる24時間営業のスーパー銭湯に向かいます。食事もできるし仮眠室もあるそうで、ここで夜を明かし翌日変えるわけです。頑張り過ぎたせいか、どうも体調が思わしくありません。その銭湯は大きな建物で、お風呂がいくつもあって、ゲームや映画など娯楽施設がたくさん入っているようです。まずは入浴。入山していた5日間は当然お風呂に入ることはできませんから、ずいぶん久しぶりのお風呂です。ほっとします。
お風呂から上がってもしばらく私は体調がいまいちで、食事を済ませ仮眠室で眠りました。

【写真1】馬場島からの帰り道
【写真2 】屋根に雪の乗せたクルマ

つづく

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