« 2008年4月 | トップページ | 2008年7月 »

2008年5月

北アルプス 穂高連峰 滝谷(第四尾根)登攀 ~ 西穂高岳縦走

ゴールデンウィークに行った北アルプス滝谷の登攀記録を載せます。

200852()夜発~5()

メンバー:リーダーM上、ミノル、I

コースタイム:

2() 21:30東京発 中央道経由で松本IC 新穂高温泉Pで仮眠

3()【第1日】

     6:00起床 7:15出発(標高1,100m)10:30滝谷出合(標高1,750m)12:45合流点(標高2,250)15:05スノーコル着(標高2,700m) 18:00雪洞完成 21:00就寝

4()【第2日】

      4:00起床 6:30登攀開始~12:30ツルムの肩~稜線(登攀終了)16:30最低コル着 18:30雪洞完成 21:00就寝

5()【第3日】

     3:30起床 5:30出発~6:25穂高岳山荘~7:35奥穂高岳(標高3,190)10:00天狗  のコル~13:00西穂高岳~14:30西穂独標~15:40西穂山荘~16:35ロープウェイ山頂駅 道の駅で仮眠後、未明に帰宅

GW後半、北アルプスは北穂高岳の西面にある滝谷へ。その第四尾根を出合からアプローチして登ろうということで、K嶋さんが計画を提案してくれたのですが、そのK嶋さんが事情により参加辞退。別の山岳会のM上さんをリーダーに3人で行ってきました。

涸沢をベースにした日帰り登攀ではなく、泊まりの装備も全て背負って登ることになるので、荷物の重さを絞ることに努めました。

3()【第1日】スノーコルへ

未明に新穂高温泉の駐車場に到着しテントを張って数時間の仮眠。この日は、滝谷第四尾根の取付となるスノーコルまでのアプローチです。快晴の空のもと、右俣谷左岸の道を進みます。滝谷出合のところで前を行く山スキーの一行の横を通り過ぎようとしたら、突然「もしかしたらミノルさん?」と声をかけられました。驚いて見ていると所属する山岳会のNさんでした。それにFさんとK地さんも。スキーで槍ヶ岳を目指しているとのこと。タイミングが少し遅ければ、Nさん達は槍平方面へ、我々は滝谷へ進み、出会うことDsc01525はありませんでした。

さて、いよいよ滝谷に入ります。ここでアイゼン・ハーネスを身に付けます。

雄滝の通過が厳しそうとの話がありましたが、雪に埋まっていて小さな割れ目を越えるだけで無事通過。両岸が狭まった滑り滝のところで先頭をM上さんに代わってもらいました。滑り滝を過ぎるとAF沢が集まる合流点です。地形図やガイドブックの資料と見比べると、それらの沢の区別が良く分かります。目標のC沢は他の沢よりも少し幅が狭く、正面に見えます。

そのC沢に入ると傾斜が急になります。見ると滑り台のような雪の溝があります。皆でそこを登っていると、先頭の村上さんから雪が来るから除けろとの声。するとその溝通しに上から雪がぞろぞろと流れ落ちてきます。シリセードの跡のような狭い溝を雪が一列にゆっくり流れる様子は見ていて不思議な感じでしたが、これも一種の雪崩なのでしょうか。二俣あたりで右上方を眺めるとスノーコルらしき尾根の切れた部分が分かります。地形図と見比べても間違いないようです。正面の岩壁には他と色の異なる部分があり、そのあたりが10年前の地震で一部崩壊したグレポンのようです。

午後3時過ぎにスノーコル着。我々の他には誰もいません。ここに雪洞を造るのですが、雪が固くて苦労しました。計量化のため持って行かなかったのですが、スノーソーがあったら掘る作業がもっと捗ったことでしょう。苦労して造った分、その夜は快適に寝ることができました。

4()【第2日】滝谷第四尾根を登攀

Dsc01546_2この日も晴れ。我々が雪洞を出て登攀の準備をしているとC沢左俣を下りてくる人影が見えます。どうやら彼らも第四尾根を目指しているようです。さて、第四尾根のルートは全9ピッチ。7ピッチを登り、一度懸垂下降し、さらに2ピッチ登ります。前の6ピッチをM上さんがトップ、残りの3ピッチを私がトップで、50mロープを2本使い3人登攀のスタイルで登りました。

我々が1ピッ チ目を登っている時には先ほどのパーティーが既にスノーコルに到着しました。1ピッチ目も2ピッチ目のAカンテも重い荷Imgp0683物を背負って登るのは大変です。厳しいところではアブミを使わないととても身体が持ち上がりません。そうして3ピッチ目のBカンテや5ピッチ目のCカンテをM上さんが頑張ってリードして行きます。岩のところはグローブまたは素手、雪のあるところはピッケルを頼りに登ります。

落石が怖いもので、凹角をピナクルまで 登る6ピッチ目は特にぐらぐらした浮石を落とさないように神経を使います。ピナクルからの7ピッチ目以降は私がトップで登ります。岩、雪、岩と登りツルムの肩に出ます。ここでいったん懸垂下降したところで、後続のパーティーに先に行ってもらいました。荷物の重い我々ではペースが捗りません。

Imgp0687_2Ⅳ級の8ピッチ目の出だしがこのルート中もっともクライミング的な感じでした。10㎏台後半の荷物では大変でしたが、先のパーティーの登り方を参考にして登りました。ここでもアブミも使いました。続く最終9ピッチ目は某ルート図にあるカンテ2つ越えというのがよく分かりませんでしたが、どうにか登ると稜線へ至る雪面のトレースが見えます。

稜線に出ると既に午後4時半。10時間もかかりましたが、滝谷第四尾根を登りきることができました。やった。登攀中、水分補給も食事も十分にできないので相当疲労しています。この日は穂高岳山荘まで行く予定でしたが、疲労と時間も遅いため、涸沢岳側に少し歩いた最低コルに雪洞を掘って泊まることにしました。遥か下に涸沢のテント場があり、たくさんのテントが見えます。それを眺めながら雪洞を掘るのですが、稜線の東側のためかどうか、前日よりも雪が柔らかく1時間半ほどで雪洞が完成。雪洞の中の壁を削っては溶かしてお湯を作り食事を取りました。午後から雲が増えてきたので、翌日の天候が心配です。

5()【第3日】西穂高岳へ縦走

この日、計画書上は西穂山荘までの行程ですが、すでに天候が崩れており、できれば今日中に下山しようという考えでいました。そうなると西穂のロープウェイの終発が16:45なので、のんびりしているわけにはいきません。もちろん天候次第ではザイテングラートから涸沢に降りるなどのエスケープルートも検討しました。

3時半に起床し雪洞を出ると外はガスっていて風もあります。歩き始めたのは5時半。長い長い一日の始まりです。

涸沢岳を越え穂高岳山荘までは1時間ほど。そこから奥穂高岳山頂までも順調に着きました。天気が悪いとはいえ、ここには登山者が何人もいます。

風だけでなく雨も降ってきましたが、予定どおり西穂に向かうことにしました。奥穂から西穂独標までは一般登山道とはいえ険しい道のりです。馬の背では両側が切り立ったスノーリッジを歩き、ジャンダルムでは岩場が続きます。

風雨の中、雪のあるところではピッケルを使い、岩場ではアイゼンをガチャガチャいわせて進みます。そうして天狗のコル、間ノ岳と越え、西穂高岳に着いたのは既に13時。ロープウェイの終発には間に合わなさそうです。風雨で全身びしょ濡れで雨具の下の服も濡れてしまい、靴の中も水でガボガボです。休憩しても寒いのでゆっくりできません。

名前のないピークをいくつも越え、ようやく西穂独標に到着。ここから少し下れば道はなだらかになり危険な場所はありません。西穂山荘に着いたのは終発の約1時間前。奥穂からここまで他の登山者の姿を見ることはありませんでした。ビショ濡れでは泊まるのも大変なので、頑張って下山することにしました。雨はザアザア降り。ロープウェイ山頂駅に着いたのは発車10分前。朝から11時間歩いて、ぎりぎり間に合いました。

ふう。道の駅でちょっと仮眠してから東京に帰りました。

 今回、滝谷というなかなか来ることができない岩場を登ることができて楽しかったです。穂高周辺のまだ登ったことのない岩壁にも行ってみたいです。

おしまい

« 2008年4月 | トップページ | 2008年7月 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ