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クライミング in 沖縄

 3月11~14日、3泊4日で沖縄に行ってきた。メンバーはU野さん、S木さん、Mさんと私の4人。

【11日 残波岬(ざんぱみさき)】
 朝、羽田空港のANAチェックインカウンター前で集合。11時半頃、那覇空港に着陸。送迎バスで日本レンタカーの営業所に行き、そこでホンダ・エアウェーブを借りる。
 U野さんの運転で、初日は沖縄本島の中部西海岸にある残波岬へ。駐車場に車を停め、遊歩道を数百m歩くと、東シナ海を望む断崖に懸垂ポイントがある。すでに午後2時半頃。懸垂下降で海際へ。曇り空で風もあり肌寒い。沖縄はもっと暖かいと思っていたのに。

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 すぐに準備をしてクライミング開始。岩は琉球石灰岩というものらしい。「Squeeze」5.10b/cや「Zampa Crack」5.9+でアップする。潮でちょっとヌメる感じだ。その後、エリア左側の「Roof Canal」5.12aをやろうと取り付く。下半は何とか登って行けるも、後半で壁がかぶってきてからホールドもいきなり悪くなってきて、たまらずテンション。ヌンチャクを残置するわけにはいかないので、チョンボしながら何とかトップアウトする。降りてから分かったのだが、左隣りの「Fear of Flying」5.13aと間違っていたようだ。難しいわけだ。
 ヘリが空を飛んでからしばらく経った午後4時前だったろうか、我々が登っているところに階上から船が近づいてきた。見ると海上保安庁の船だ。船のスピーカーから「聞こえていたら手を振って応えて下さい」という声が。手を振る。「東北地方で地震があって高さ1mの津波が来るので上がって下さい。津波の到達予想時刻は午後5時40分頃です。」とのこと。
 東北の地震で沖縄に1mの津波?本当に?そう言えば2日前の9日の昼前にも東北で地震があったね、という話になった。後で街に戻ってから知ったことだが、超巨大地震による大津波で想像を絶する事態が起きていたのだ。
 現実感が湧かなかったが、さすがに津波が心配になってきたので、到達時刻になる前に上がることにした。1人ずつ登るのだが、まずは荷物とともに3mほど上がった中段のテラスに上がっておく。これなら海面ぎりぎりよりは安心だ。それから荷物を引き揚げたり、1人ずつ登った。時刻になっても津波らしい変化は分からなかったが、断崖上の草地に上がってひと安心。夜が近づく中、駐車場に戻る。短い時間だったが、残波岬でクライミングできた。懸垂下降が大変なので、あまりおススメとはいえないかな。
 車で移動中に兄から携帯電話に着信がある。名護市内の食堂に着いたところでこちらから電話をかけると、東北地方でとてつもない地震が起きて大津波が襲い、東京でも震度5強だったという。はじめは何を言っているのかよく分からなかったが、食堂に入ってテレビのニュースを見て、破局的な事態が発生していることを知った。ニュースが伝える惨状に、食べていても美味しいはずの食事が楽しめなかった。

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 宿泊するホテルは名護市街から南に行った「オキナワマリオットリゾート&スパ」という立派な建物。普段のクライミングではとてもこんなきれいなところに泊まることはない。それに、地震のことを思うと、あまりの平穏さに何か後ろめたさを感じてしまう。部屋ではすぐにテレビをつけてニュースを見た。大津波が街や田畑を飲みこむ地獄絵図に衝撃を受けた。こんなことが同じ日本の中で起こったのだ。未曾有の災害の犠牲になった人達の冥福を祈るとともに、救援を待つ人達にお見舞い申し上げます。無くなった人達に、合掌。

【12日 Kの岩場】
 起きるとすぐにテレビをつけて、NHKで地震のニュースを見る。被害の規模が広すぎて全体像がつかめない。バイキングの朝食は種類が豊富で美味しい。ここは平穏だ。荷物をまとめてレンタカーで出発。今日も曇り空だ。昨日行った残波岬や明日行く辺戸岬などはROCK&SNOW 035に載っているので知られているが、この日の行き先は、一般に公開していない岩場とのことなので、場所は内緒。U野さんがあらかじめ知り合いのクライマーから情報を得ているのだ。とはいえアプローチが分からない。現地近くまで行き、U野さんが人が集まっている某所で聞いてみることにした。するとYさんという人が案内してくれるという。Yさんもクライミングをしているそうだ。徒歩20分くらいだろうか、Kの岩場に到着。ここは1階のエリアらしく。アプローチ道を少し戻って脇の踏み跡を登った右手にある2階、逆に左に進んだ斜面にある3階のエリアも案内してくれた。Yさんの案内がなければ、絶対に辿りつけなかっただろう。ありがとう。Yさんは案内を済ませ下山。

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 U野さんが入手したルート図は1階エリアだけなので、この日はここで登ることに。「The Complete Package」5.10‐、「Hydraulic Failure」5.10、「South Pacific」5.10と易しめルートをどんどん登る。それから「Nankurunaisa(なんくるないさー)」をマスターオンサイト。ルート図には5.11+とあったが、体感5.11‐といったところ。かぶったところをガバを伝ってぐいぐいと登る楽しいルートだ。そのうち、Yさんも仲間を連れてやってきた。沖縄にもクライミングを楽しむ人たちがいるのだ。

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 私は続いて「なんくるないさー」の右隣りにある「Open Project」5.??とあるルートにトライ。ボルトはしっかり打ってあるのだが、5.??ということはこのルート図作成時点ではまだ完登できていないということか。かぶった大ガバアンダーから上部を取って抜けるのが核心のようで、1便目はそれが分からずテンション。ムーブを探りながら何とかトップアウト。どうやらイケそうだ。しかし2便目は足さばきに迷って再びテンション。Yさん達が持っていたイラスト無しのトポでは、このオープンプロジェクトのルートには5.13aと記載してあった。
 3便目でようやくレッドポイント。グレードは5.11+といったところ。5.12もない。もちろん5.13も絶対にない。しかし、しっかりとしたガイドブックに載っているわけではない、こういったルートを登るのも良いものだ。これからも地元クライマーに静かに登っていてもらいたいから、やっぱり場所は内緒。
 下山して、集まりが行われている所で、福島第一原発の建物が爆発したと聞く。事態がさらに深刻になっている。どうなってしまうのか?クライミングは楽しかったのだが、重い気分のままホテルへ。

【13日 辺戸岬宇佐浜】

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 起きてすぐにテレビで地震のニュースを見る。被害の全体像が依然分からない。昨日と同じくバイキングの朝食。今日は天気が良さそうだ。行き先は沖縄本島最北端の辺戸岬(へどみさき)。そのすぐそばの宇佐浜(うさはま)というビーチの端に岩場があるのだ。ホテルから辺戸岬まで数10㎞ある。昨日からレンタカーは私が運転している。右ハンドルのオートマ車を運転するのは久しぶりだ。
 R58号から岬方面への道に入り、ドライブインのある辺戸岬に至る前に右に分かれる道に入る。沖縄独特の墓地が並ぶ所に駐車スペースがあるので、そこに停める。その少し先からビーチに下りることができ、そのビーチの反対の端に岩場が見える。

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 それにしても良い天気だ。Tシャツを脱いで上半身裸になる。他に誰もいないし。岩壁の手前にアンダギー岩という大きな岩がそびえ立っている。さらにその手前にハーフドームボルダーという岩が立っている。

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 まずはアンダギー岩の東面にある「ハブバリ」5.10a/bをアップ。陽が当たって暑いくらいだ。続いて「初日の出」5.11aにトライ。出だしが核心で手順を誤りフォールするも、すぐに登り直してレッドポイント。

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 北面に移って「アンダギーマン」5.11a/bをマスターオンサイト。おススメのルートだ。アンダギー岩の裏に位置する岩壁のアンダーウォールにある、人気ルート「うるま」5.12aに手を出すも、2ピン目付近のホールドがヌメって登れない。何度かトライするもどうも無理そうなので、ヌンチャクを回収して敗退する。
 再びアンダギー岩に戻り、北面の「アンダギーカンテ」5.11bをマスターOS。下部は易しく、上部カンテで左に回り込み上がるところが核心。続いて「シークワサー」5.11bとその延長版である「シークワサー茶」5.11b/cをフラッシュ。他の皆もいろいろ登っている。最後にアンダーウォールの「ブエノチキン」5.11bもマスターOS。5.11台前半をたくさん登った。浜辺でのどかなクライミングだった。

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 展望台や辺戸岬を見物して、国道を名護方面に戻る。名護近くのレストランに入り、ステーキをがっつり食べる。おいしい。

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ホテルの部屋では毎晩のことだが、つまみを食べながら泡盛を飲む。しかし地震のニュースを見ながらなので、楽しめる気分ではない。東京も相当揺れたらしく、家の様子が心配だ。その東京に明日には帰るのだ。

【14日 再びKの岩場】
 最終日は再びKの岩場へ。アプローチの道はもう覚えた。2階エリアに行き荷物を広げるが、ここは岩が苔生しているのでパスし、3階エリアに行く。山の斜面にある岩壁にボルトがいくつも打ってある。ルート図がないので、適当に見繕って登ることにするが、多くは易しいものばかりだ。上のほうに登ったところに、3階エリアで唯一とも言えるコルネが発達したルートを発見。いくつものコルネを伝っていくルートで、このエリア一番のおすすめルートかも。

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 さらに右上・中央・左上とルートが3本固まったところがあり、そのうち右上するルートは、出だしから右へトラバースし上に抜けるのが核心で、これもおすすめだ。
 そんな感じで7本くらい登って午後3時に終了。すぐに荷物をまとめて下山する。6時までに那覇のレンタカー会社に車を返さないといけないのだ。無料化されている高速道路を走り、5時過ぎにレンタカー会社に到着。少し早いが那覇空港にバスで送ってもらう。

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 空港から東京の実家に電話をすると、スーパーが買い占めで商品ががらがらで、電池も売り切れているという。電車も動いていないらしい。仕事などを無視できれば、このまましばらく沖縄で過ごしていたい気分だが、帰京しないわけにはいかない。夜7時半に予定どおり離陸。9時半過ぎに羽田空港に着き、預けた荷物を回収し、解散した。電車の運行は大きく減らされているらしい。U野さんとS木さんは今夜は空港内で泊まるという。Mさんは家が遠いので、都内の知り合いの家に泊めてもらうとのこと。私は電車が動いているようなので、何とか自宅を目指すことにした。
 東京モノレール~都営大江戸線~西武池袋線と乗り継いで行ったが、どれも車内は空いていて座ることができた。ぎゅうぎゅうに混雑していると思っていたので、ちょっと意外だった。日付が替わる頃に自宅に到着。部屋の中がどれだけ地震の被害を受けているか心配だったので、ドアを開けるときはちょっとドキドキしたが、棚の上の物が多少床に落ちた程度で済んだ。食器が割れているということもなかった。ひとまず安心。
 現在でも大震災の被害の全貌は分かっていない。死者・行方不明者は膨大な数だ。あまりにも痛ましい。亡くなった方々のご冥福を祈るとともに、避難されている方々がより良い救援を受けられることを願うばかりです。私にできることは節電と募金くらい。今は便利なもので、日本赤十字社のHPからカード決済で簡単に募金できた。献血にも行こうっと。

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