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奥秩父・小常木谷で沢登り

 13日(月)は今シーズン2度目の沢登りとして、奥秩父小常木谷(こつねぎたに)へ。先月行った丹沢鳥屋待沢と同じくHN田さんが同行者だ。小常木谷は入渓点となる丹波川が水量が多いと通過できないかもしれないと言うことで、代替案として竜喰谷(りゅうばみだに)も考えていた。あとでHN田さんが言うには竜喰谷もそれなりに水量の多い沢らしいのだが、この日は朝まで雨が降っていたのだが、結局は変更せず小常木谷に行くことにした。

 朝5時半に西武新宿線の某駅でHN田さんと待ち合わせる。弱い雨が降っている。雨が降っているのに沢登りできるかなぁと不安になりつつ、とりあえず現地に行くことにした。車を走らせ、奥多摩へと向かって行くと、だんだんと天気が良くなってくる様子だ。
 小常木谷へは、青梅街道から丹波山村に入り、道の駅を過ぎ余慶橋のたもとに車を停める。雨はあがり、雲を通して陽射しも感じられるくらいだ。しかし、下に見える丹波川は水が茶色に濁り轟々と流れている。本当にここを通れるのか。
 遡行の準備をし、8:20頃出発。

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 橋のたもとから踏み跡を谷に向かってすぐに降りて行くと、すぐ丹波川に入渓する。どうどうと流れる左岸側をジャブジャブと進んで行くにつれて深くなってくる。右手の岩につかまりながら進むも、水中の足が水流に押し返されそうになってきて危険を感じる。Imgp3649

小常木谷へ入る出合が少し先にあるのだが、この最後のところでいよいよ水流の中は進めず、岩の上に一段上がる。それにしても足場は狭い。
 ここでロープを出すことにする。先日カモシカスポーツで買ってきた8㎜30mがさっそく役に立った。ビレイヤー用にハーケンを1枚打ってから私がリード。狭いところを乗っ越し、少し広くなったところで灌木でセルフを取り、まずはザックをロープで引き寄せてから、フォローのHN田さんを確保した。

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その先ですぐに小常木谷への出合。ここからが滑瀞谷なのだろうか。出発から45分経った。いきなり大変な場面だった。あとで話したのだが、あそこで流されていたら奥多摩湖に死体が浮くことになっていたかも
 暗く狭い谷を進み、9時20分に火打石谷との出合に出る。ここを横切る登山道の木橋が見える。小滝をいくつか越えつつ進む。沢は倒木が多くちょっと荒れた印象だ。HN田さんは3年前にも小常木谷に来たそうだが、その時はもっと水量が少なく、倒木もこんなになかったそうだ。途中で雨が降り出してきて兆子ノ滝を越えた先あたりで引き返したのだと言う。なので、HN田さんにとっては、今回はリベンジ山行というわけだ。

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 なお、記述については「東京起点沢登りルート120」(宗像兵一編著/山と渓谷社 2010年発行)という沢登りのガイドブックにある遡行図を参考に述べることにする。
 10時50分、右岸から水量のある沢が合流している。花ノ木沢だ。兆子ノ滝は近いはずだ。
 兆子ノ滝が現れた。滝の左壁を登るらしい。上部がブッシュの間に入って行く感じのようだ。ロープを結んで慎重にリードする。上から頼りなげなボロボロのスリングがぶら下がっている。フリークライミングとしては決して難しくはないが、濡れているし岩が落ちるかもしれないから緊張する。何とか上に抜け、HN田さんをセカンドビレイする。滝の上部に短い懸垂下降。
 つづく滑り台状8m滝も緊張した。滝の下部で右岸側に水流をまたぐように移るのだが、HN田さんは渡れなさそうなので、再びロープをつけて私が行くことにした。足元が滑りそうで怖い。慎重にへつって行くが、万一落ちて流されないように、途中でハーケンを1枚打った。ハーケンを打つにしたって、ホールドも足元も滑り易くてガンガンとは思い切りハンマーを振れない。ハーケンを打った先をさらに進み滝を突破。ふう。つづくHN田さんをビレイしていると出だしでいきなりテンションがかかった。あとで聞くとやはり滑って水流に落ちたと言う。ロープを出しておいて良かった。ハーケンは回収できないと言うので残置した。

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 不動ノ滝12mは左岸側にある枝沢を上がりトラバースする。トラロープも一部かかっていた。

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 水の中をジャボジャボと進みながら、13時頃に14+4m大滝に出る。この滝が今回の核心となった。滝の左側の壁を登るのだが手強そうだ。

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 ロープを結んでリード開始。下部は易しい。斜めにかかる倒木をくぐって、この倒木にスリングを巻いてランナーを取る。ここからが厳しかった。壁に張り付くようにある草付きはグズグズで足を乗せるとズルズルと下がって行く。これはやばい。上部に錆びたハーケンを見つけ、これにヌンチャクをかける。ハーケンはグラグラしてはいないが、ヌンチャクを引っ張るとハーケンがしなる。ほとんど気休めかもしれない。
 と、その瞬間足が滑ってフォール。一瞬のことだが目の前を壁が流れる。そして止まった。残置のハーケンが持ち堪えてくれたのだ。助かった。下を見るとHN田さんがしっかりロープを張ってくれている。HN田さんに後で聞いたら、背丈分くらいはすとんと落ちたらしい。普段のフリークライミングを除いて、こういう場面でまともに落ちたのは初めてかもしれない。ハーケンが折れていたら、滝つぼに真っ逆さまだったはずだ。こういう目に遭っても意外と冷静なものだ。
 残置ハーケンにあまり荷重をかけたくないので、登り返して少し右上の壁にハーケンを打った。そこから滝の落ち口寄りに行くのは岩がハング気味で無理そうだ。左手を見るとトラバースすると岩の上に灌木が生えていて手がかりになりそうだ。ジグザグとしたライン取りになってしまいロープが重い。遠い灌木をつかむと、またもや足元の草付きが崩れ出す。灌木や岩をつかんでの乗っ越しにフリークライミングの核心のように思わず声が出る。その先は灌木が多く助かる。そうして落ち口を下に見るところに太い木があり、ここでピッチを切ることにした。いやあ、かなりやばかった。小常木谷、侮るべからず。とにかく登りきったことで気分が高揚している。
 HN田さんがフォローで登ってくると、数mの懸垂下降。次に現れたのは8m+10mねじれの滝。先ほどの滝でクライミングは嫌というほど堪能したし、時間も押してきているので、ここは左岸をさっさと巻くことにした。岳岩沢を分け、いくつか滝を越えるが、大変な滝登りはもうなくなってくるし、水量も減ってくる。時間に追われるようにずんずん進んで行く。

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 4mチョックストーンらしき滝を過ぎてすぐ、左手に枝沢が現れる。16時20分頃。これが遡行図にある枝沢らしい。急がないと。枝沢をつめ上がる。石があんまり安定していないようで、ごろごろと崩れる。

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 やがて枯れたササが現れる。手でつかんでもボキボキと折れてしまう。山に詳しいHN田さんによると、鹿の食害だという。鹿のヤロー。さらに登ると今度は枯れていないササになり、ヤブ漕ぎとなる。しばらくヤブ漕ぎをして進むと岩岳尾根の登山道にひょっこり出る。17時10分過ぎだ。ここでHN田さんと遡行完了を祝って握手。沢靴を登山靴に履き替える。日が長い季節とはいえ、ゆっくりとはしていられない。
 17時30分に下山開始。ガイドブックには下山時間は2時間とある。HN田さんの所属山岳会は下山時刻の期限が20時と早いが、間に合いそうだ。まだまだ明るい中、岩岳尾根をどんどん下って行く。昭文社の山と高原地図「雲取山・両神山」では点線表示だが、道はけっこうしっかりしている。ところどころ細いところもあるが。Imgp3729 
 少しずつ暗くなってくるが、まだ見えるうちはヘッドランプを点けない。点けると返って周りが暗く見えてしまうからだ。しかしけっこう道のりが長い。19時を過ぎてもまだ点けずに済んだが、いよいよ暗くなってきて明りを点けた。もう真っ暗な中、ジグザグと降りて行くと沢を渡る木橋に出た。滑りそうで怖い。とても立っては歩けないので、腰を下ろして少しずつ進んだ。橋を渡った先は真っ暗で方向が分からない。19時半。道が沢の方に続いているように見えるが、途中で沢につき当たってしまう。真っ暗なので遠くの様子が分からない。迷いそうだ。うろうろするがどっちに行けば良いか分からない。うーむ。どこかで火打石沢を渡る橋があるはずなのだが。
 そのうち、HN田さんが意を決して沢にジャボジャボと入って行くので、私も付いて行った。よく分からないまま徒渉すると再び登山道に出た。さすがHN田さん、山ヤの勘だ。私だったら道を見つられないままずっと迷っていたかもしれない。こんなところでビバークせずに済んだ。しかし、20時が迫っている。ヘッドランプの灯りを頼りに、登山道をどんどん歩いて行くが、なかなか登山口に着かない。思ったよりも長い。とうとう20時を過ぎてしまった、と思ったら下に車道が見えた。HN田さんはすぐに下山報告の電話をかける。
 が、まだこれで終わりではなく、目の前にフェンスがあり、その下がよう壁になっている。最後の最後で再びロープを取りだし、フェンスを乗り越え懸垂下降した。車はすぐそばに停めてある。振り返るとフェンスを反対側の端まで歩けば、階段状のコンクリートを歩いて降りられるようになっていた。暗かったから仕方ない。こうして20時20分、丸12時間の行動を終え無事下山できた。再びHN田さんと握手。疲れた~。
 もう温泉に寄っている時間は無いし、月曜日は定休日が多い。遅くなるので、このまま帰ることにした。道の駅たばやまで着替え、青梅を過ぎて山田うどんで遅い夕食を済ませる。HN田さんを途中の駅まで送って解散。
こうして、今回の沢登りは終了。先月の鳥屋待沢よりもずっと登り応えがあったというより、想像以上に大変だった。大変だったけれど楽しかった。同行してくれたHN田さんに感謝。買ったばかりのロープも使いまくって大活躍だった。
 翌日は疲れと寝不足のうえ、必死に登攀した前日の記憶が頭に浮かんで、仕事をしていてたまにボーっとしてしまうことがあった。いかん。ああ、また沢に行きたくなってきた。

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コメント

水量が多くて厳しそうですね!
近近、このあたりへ行きたいと思っています。
水は冷たかったですか?

全身水に浸かるということはなかったのですが、身を切られるほど冷たい~ということはないです。
フリークライミングも楽しいですが、たまに沢登りに行くとやっぱり楽しいですね~。

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