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タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記③ (12/25 タイワンドウォールのマルチピッチ[前編])

 クリスマス。宿から海辺に向かう途中、朝から開いているお店があって、バナナの皮で包んで蒸したチマキ(ご飯状の中に肉みたいのが入ってる)とか揚げパンを安く売っているところがある。地元の人もお弁当にするのか、お客が何人もたくさんいる。毎年来ているU野さんもよく買うそうで、コンビニのパンだけでは味気ないので、私も買うことにした。結局、ツアー中、毎日ここで日中の行動食を買い込んでからボートに乗るのが日課になる。

アオナンのボートの乗船券発券所は朝8時にならないと開かないし、人数も8人くらい集まらないと船を出してくれない。前日も乗船まで30分くらい待たされたので、この日は浜にいるボート乗りに声をかけて乗せてもらった。8時前でも乗れるし、3人でも一人100Bで済んだ。もちろん他に同乗する観光客もいれば、プラナンで仕事している現地の人も通勤のため同乗することもある。沖に停泊してあるボートまで他のボート乗りが乗ることもある。帰りに迎えに来る時間を約束して下船する。

そんなわけで、普段の私の出勤時間よりも早く、プラナンの岩場に毎日ボートで通勤?する。仕事よりもよほどがんばっているなあ。

Imgp4855

U野さんがマルチピッチのルートを登りたいと言っていたので、この日はタイワンドウォールへ。トンサイビーチではなく、となりのライレイウエストで下船する。タイワンドウォールのある巨大な岩塔は海上からもそそり立つように目立つ。マルチピッチのルートはいくつかあって、ピッチ数は4ピッチほど。壁はあちこち洞窟状にえぐれていて、オーバーハングを登ることもあれば、下降では空中懸垂になりそうだ。

ところが、リゾート気分で安易にマルチピッチに取り付いたのだが、あとで痛い目を見ることになる。というより、本当は致命的ともいえるヤバい場面だったのだが、結果的に助かって(助けてもらって)、ものすごく反省させられることになる。このことは、自戒を込めてきちんと書いておくことにする。

 ライレイはトンサイよりもずっと高級そうなホテルが並んでいて、白人の宿泊客がのんびり朝食をとっていたり、砂浜でくつろいでいる。勤勉な日本人である我々は、その傍らを重いザックを背負ってビーチ端まで歩き、山道に入る。しばらく山道を歩くと、タイワンドウォールの取り付きに着く。

 左端の「Primal Scream6a(5.10b/c)で各自アップすると、白人クライマー達もやってきた。U野さんが薦める「Organ Grinder5,6c(5.8/9,5.11b)2ピッチ分まとめて登る。巨大な縦長洞窟状の右側壁を登るもので、楽しくオンサイト。Imgp4859

N川さん夫妻もやってきたところで、私はU野さんとマルチピッチに出発することにした。U野さんは過去数回登ったことあるらしい。選んだルートは「Circus Oz」という4ピッチのルートで、3ピッチ目までのグレードは1P6a+(5.10b/c)2P6b+(5.11a)3P7a(5.11d)となっており、4ピッチ目は別ルートに入り、「Inaka(The Country)(つまり「田舎」。日本人が初登したらしい)5ピッチ目を行くことにして、6b(5.11a)

この日はとにかく風が強く、土ぼこりがヒドい。この強風にあとあと苦しめられることになる。ロープはシングルロープで登るのだが、長い懸垂下降のために、もう1本をバックロープとしてフォローが引っ張って行くことにする。

■「Circus Oz1-3P~「Inaka(The Country)4P

 1ピッチ目。私のリードで登はん開始、1ピッチ目は易しくこれと言って書くことはない。後から2パーティーも登って来て、混雑気味となる。が、これが結果的に良かったのだが。

 2ピッチ目はU野さんのリード。フォローで登る私はバックロープをハーネスから垂らして登ったので重い。しかし、このピッチはテンションせず抜けることができた。U野さんが右寄りのラインを登ってしまったため、正規の左寄りを登った後から来たイタリア人ペアに先を譲ることにする。このイタリア人ペアは強そうな若者と年配者だ。

 3ピッチ目は45mと長いのだが、表記の5.11dというほど難しくはなく、イタリア人のすぐ後に続いて、私もリードしてテンションせずに4ピッチ目に続くテラスに出る。テラスと言っても壁に凹んだ形になっている。ここでルートは3つに分かれ、右上がCircus Oz4ピッチ目。真ん中は7c(5.13a)でイタリア人年配者がトライしていた。Imgp4864 

4ピッチ目。リードのU野さんは左トラバースから直上するInakaを登る。フォローで登った私がバックロープが重くて途中でランナーのスリングをつかむことになる。それくらいロープが重かったわけだが、岩角に引っかかって重かったというより、風がそれくらい強かったのだ。60mのシングルロープが斜め45度くらいになってたなびくほどの強風で、誰かが下でロープを引っ張っているのではないかと思うほど重い。ロープ自体が4㎏ほどあるし、そのロープが長さ60mに渡って斜めにたなびくほどの風圧を受けるのだから大変な力だ。強風で知られる南米パタゴニアのクライミングではロープが真横にたなびくと聞いたことがあるが、うなずける話だ。結局は判断ミスで、バックロープを垂らすのではなく、束ねて背負って行かなければならなかったのだ。

ギザギザで痛い4ピッチ目を登り終える。風は強いが、眺めは最高だ。眼下にはライレイのビーチとボートが浮かぶ海が見え、ホテルが並ぶ。ここまで登って来れる者にしか見られない眺めだ。

次号につづく

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