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冬の八ヶ岳で「中山尾根」「石尊稜」「大同心南稜」の3ルートを登る【15日 中山尾根・石尊稜】

15()

 まだまだ暗い午前315分に起床。中山尾根だけでなく石尊稜も登る欲張った計画なので、とにかく早め早めの行動が肝心だ。暗いうちになるべくアプローチをこなして明るくなったら岩場に取り付くくらいのつもりで早く出発したい。

 テルモスのお湯を温め直したり粉末飲料を飲んだりして、朝食は棒ラーメンにお餅などを入れたもの。登はん具や食料などをサブザックに入れて、テントの中でハーネスをつけてスパッツ、登山靴を履く。空は曇っているようだ。ヘルメットにヘッ電をつけ、小屋の前でアイゼンを装着し、5時過ぎに歩き始める。まずは中山乗越を目指す。行者小屋に至る幹線道路みたいなものだから、トレースというより道としてはっきりしている。乗越からは右手に入るトレースがある。中山尾根に至るトレースだが、右手の斜面に下っていくようなトレースを辿ってしまい少しだけタイムロス。すぐに戻って樹林帯を登っていく。ゆっくり登っていって、樹林が疎らになってきたあたりで明るくなってきて、ヘッ電を消しただろうか。

 やがて中山尾根の下部岩壁が見えてくる。我々より先に登っているパーティーはいない。下部岩壁の取付は狭いらしいので、少し手前でロープを出して結んだ。コピーしてきたルート図には下部岩壁はⅢ級+とある。昨年からクライミングを始めたO石さんもずっとフォローではなくリードしたいと言っていたので、ここはO石さんに行ってもらうことにした。O石さんが登り始めると、後続パーティーが下から登ってきた。少しあがったところから、右側に少しトラバースするようだが、右のほうにガバらしきホールドが見えるがそれが遠いようだ。しばらく試行錯誤していたが、諦めて下り、私と交代することにした。

 登ってみると確かに悪い。分厚い手袋をしている状態は、普段の素手のフリークライミングとはまるで勝手が違う。私も掛けたヌンチャクをつかみながら何とか登って行く。ダブルロープの掛け方がこれまた悪かったらしく、全力で引っぱっらなくてはならないくらい重かった。あんまり大変だったので、どのようなピッチだったかうろ覚えだが、その後の雪稜はコンテで進んで行く。上部岩壁では、再び私がリードする。目の前の凹角が難しそうで、右寄りを上がるがここも大変でテンションしまくり状態。もとの凹角に戻り、さらにそのうえのチムニー状を上がるところが核心のようで、ここを上がったところでピッチを切った。その後もコンテで登って行ったはずだが、ピナクルは左から巻いた。トラバース気味に進むと主稜線に出た。

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 風を避けるため岩陰でロープを解く。O石さんが持っていた温度計では氷点下12度を示している。時折強く吹く風は少なくとも風速10m以上はあるとO石さんは言う。風速1mで体感気温が1度下がるというから、体感では氷点下20度を下回っているということか。見通しの良い稜線を南に向かう。しばらく歩くとお地蔵さまの立つ地蔵尾根に出る。地蔵尾根を下っている人達がいる。後ろの人が前の人をショートロープで結んでいる。ガイドとそのお客さんのようだ。地蔵尾根を前半は急だが、やがて斜面の傾斜が緩くなり樹林帯に入ると、どんどん歩くペースが上がる。樹林帯に入ってもロープでつながった人がいたが、いくらなんでもここで結ぶ必要はないだろう。滑ってもそこで転んで止まるだけなのに。冬の八ヶ岳に来ること自体が間違っているような気がするけれど。

 そうしてあっという間に行者小屋に出た。登はん中は、今日は中山尾根だけにして石尊稜はやめようと話したのだが、まだお昼くらいなのでやっぱり行くことにした。中山乗越を越え、赤岳鉱泉方面に未明に来た道を戻ると、右手にロープが張られたトレースがある。トレースはもっと下の方にもあるのだが、上の方のトレースから入った。谷状のトレースをたどると真南に向かってしまうので、東を目指して樹林の間を抜けるともう一つのトレースに出た。結局、下の方のトレースから入れば良かったようだが、あとはこのトレースをたどって行くと、やがて石尊稜らしきものが見えてくる。石尊稜の取付までは結構歩く。左手には側壁が切り立ったルンゼが見える。三叉峰ルンゼだ。

R9291255 

石尊稜の下部岩壁ではO石さんにリードしてもらうことにした。中山尾根に比べて、グローブをはめた手で岩を掴んで登るよりも、ピッケルを刺しつつ登る場面が多そうだ。ランナウトしながらもO石さんは着実に登って行く。クライミングを初めて間もないO石さんは雪山などは結構行っているらしいから、フリークライミングよりも、こうした雪稜のほうが得意なようだ。それでも落ちればヤバい距離を支点を取らずに登っている。

その後の雪稜はコンテで延々と歩く。長い。上部岩壁もO石さんがリードする。あまりよく覚えていないのだが、その後は右のほうにトラバースするように進んで稜線に出たと思う。結局、石尊稜はO石さんのオールリードで登ったワケだ。すでに暗くなり始めているのでのんびりしていられない。再び地蔵尾根を目指すが主稜線を歩く距離は今回のほうが長い。ヘッドランプを点けて、途中ピークを巻くところでちょっと迷ったりしたが、寒い中お地蔵さまのところに着いた。昼間に通った時よりも寒くて長くて疲れた。地蔵尾根を慎重に下るが、かなりヘトヘトだ。途中何度か休憩を取りながら、行者小屋、中山乗越を過ぎ、夜7時前くらいだったろうか、赤岳鉱泉に帰着した。

テントに入ると、一息つける。持ち寄った具材でキムチ鍋を鍋いっぱいに作る。疲れた身体にうまい。明日は大同心南稜と小同心クラックを登る計画にしてあるので、未明の330分に起床することにして寝袋に入る。

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