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2012年8月

クライミングジム通い(8月)

■北アルプスから帰って、ベースキャンプへ

8/12()

 北アルプス縦走を終え、関越道・高坂SAで車中泊してから12日朝に帰宅。

所属山岳会の他のメンバー達と剱岳に行くはずだったN野さんから参加を取りやめたとのメールがあった。

 そこで、じゃあジムに行こうと返事をしたところ、オッケーの返事。

こちらは3日間の登山から帰って来たばかりで疲れているし両足は筋肉痛だけれど、日曜日を家でごろごろして過ごすのはもったいない。

午前中は選択したり片付けしたりして、昼過ぎにベースキャンプへ。

しばらくボルダリングしていると、昨晩お酒を飲み過ぎたというN野さんがやってきた。

18時頃までルート壁をトライしたけれど、身体ががたがたに疲れているので、前回登れたルートも登れない始末。足が筋肉痛で立ちあがって歩くのも億劫なくらい。

それでも、さらに身体を追い込む筋トレにはなったかな。それに、N野さんと山行の相談ができたのも良かった。その山行のことは、帰って来たらまたこの日記に書こう。

■終戦の日、B-PUMP荻窪へ

8/15()

 67回目の終戦の日、オギパンへ。

こうしてクライミングして遊べるのも平和だからだ。

オギパンに行くのは約3週間ぶり。

いまだに北アルプスの疲れが残っているのか、それとも山から帰ってドカ食いしてしまったせいか(野菜をたくさん食べているんだけれど)、前は登れた課題が登れない。

手のひらが痛くなってきてちょっと早めに切り上げた。

週末にクライミングをしない場合は、こうして平日夜にジムに通ってレベルを落とさないようにしないと。

■小川山から帰った翌日、久しぶりにB-PUMP秋葉原へ

8/27()

 週末の小川山では登り足りなかったので、週明けの月曜日にアキパンへ。

 7月中旬以来のアキパンだが、ホールドのレイアウトは中央の壁の一部だけが替わっていただけの様子。

 23級あたりをあれこれとトライして、いよいよ掌が痛くなってきたので終了。

 今日は昼休みにちょっと筋トレもしてみた。秋に向けて少し身体を鍛えないといけないかなと。

4ヵ月ぶりに、エナジー高田馬場へ

8/29()

 4月以来となるエナジーに行ってみた。

 エナジーに行くのは、カモシカスポーツで買い物をしたついでというのがこれまでだが、今日はカモシカには行かずエナジーへ直行。

 というのも、一昨日行ったアキパンのホールドのレイアウトがあまり変わっておらず新鮮味がなかったからだ。

 久しぶりに行ったエナジーは、一部壁の色が変わっていた。ホールドがくっついているコンパネが黒いため、貼ってあるテープの色が見づらいのがこのジムの欠点だったのだが(あと狭いのも)、一部だけ明るいグレーに替わっていた。少しずつ替えているのかもしれない。

 白色3級を中心にあれこれトライした。エナジーのグレードはパンプよりもカラめの感じがするが、3級は数便のトライでだいたい登れた(もちろん登れないのもある)2級は登れなかったなあ。

 というわけで、まだまだやっていない課題があるので、近くまた行っても良いかも。

小川山、土日とも午後から雨…

8/25(土)~26(日)
 8月最後の週末は、S木さんと小川山へ。S木さんは、お盆休みにヨーロッパアルプスでクライミングをして、数日前に帰国したばかりだ。

■8/25(土) ストリームサイドエリア
 前夜、調布駅で待合せて中央道経由で塩川ダムの某所でテント泊。翌朝、小川山入りして、テントを張ってから岩場に向かう。
 向かった岩場は、ストリームサイドエリア。S木さんが登れるくらいの手ごろなルートがいくつもあるし、私もこの際登っておきたいルートがあるからだ。それに、知っている人は知っていることだけれど、このエリアのルートはグレーディングがえらく甘い。1つどころか2つ、ルートによってはそれ以上に易しく感じるものもある。
 ということで、後述する2つの5.12台前半のルートも、登ったは登ったけれど、5.12を登ったとはちょっと言いにくい。
 沢を飛び石伝いに渡って、岩場へ。樹林の中の広場に荷物を広げてから、S木さんは5.9あたりからトライを始める。
 私は、星砂5.11a、鵯漏斗(ひよどりじょうご)5.11aを登る。オンサイトしたけれど、どちらも5.10台前半といった感じ。
 S木さんは、5.10a、5.10bとオンサイトして気分良さそう、さらにピットタッチ5.10cもオンサイトした。グレード的には2つほど下げて見ないといけなさそうだが、楽しめればこの際グレードは関係ない。

 私は2年間にこのエリアに来た際に、都忘れ5.12aや烈風5.12cを登っているので、それ以外の5.12をやることにした。
 まずは、鶯神楽5.12a。1便目は2ピン目のクリップができず思わずテンションしてしまったが、2便目で確実にレッドポイント。
 続いて、不如帰5.12b。1便目は1ピン目を掛けた先でヒールフックが外れて不意落ちして、その際に左腕にちょっと擦り傷。2便目は中盤のところのムーブが固めきれずテンション。ここでムーブを修正して、3便目でレッドポイント。

 あと、私がアブミを持ってきたので、ボルト間隔の近い烈風で、S木さんに人工登攀の真似事をちょっとだけやってもらった。
 ガイドのS崎さんがお客さんを10人ほど連れてこのエリアにやってきていた。午後2時半頃になると雨が降り出してきてしまい、一時撤収。S崎さん達は帰っていったが、我々は1階のエリアのちょっとハングしている下でしばらく雨宿りすることにした。
 1時間ほど座っていると雨が上がったので、岩はすっかり濡れてしまったけれど、登ってみることにした。
 3階のエリアのLet Me See5.11aをやってみたが、当然びしょびしょに濡れていて、滑って滑って怖いのなんの。トップアウトを諦めて、ヌンチャクを回収して下りる。
 最後に、午前中にS木さんがオンサイトしたLove or Nothin’5.10aに私が登ってトップロープを張る。少し濡れてはいたけれど登れないほどではなかった。
 そのトップロープを使って、S木さんがもう1本をバックロープにして、カムを左右のクラックにセットしながら登る練習をやった。この日はこれでおしまい。

 夕食は、私が用意した。先週、甲府幕岩に行った際にラタトゥイユを作ったのだが、今回再び作ってみた。野菜の量は前回よりも倍増して、ズッキーニ、ニンジン、ピーマン、パプリカ黄、ナス、トマト、カボチャ、タマネギ、ぶなしめじ、ニンニクと彩り豊かだ。

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 鍋にオリーブオイルをひきニンニクを炒めてから野菜を加える。ローリエ1枚とブラッックペッパー、コンソメを加えて、野菜から水分が出てきて煮込むとできあがり。サトウのご飯と一緒に食べる。今回もなかなか美味しくできた。キャンプらしく焼肉も良いが、これなら野菜だけでもご飯が進むし、なにしろヘルシーだ。しかし、ビールはやっぱり飲む。

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■8/26(日) 烏帽子岩本峰西面
 結果を先に書くと、この日は本当は烏帽子岩左稜線18Pを登るつもりだった。しかし、そもそものアプローチから間違っていたのだが、本峰西面に行ってしまったので、左稜線を登ることはできなかった。
 この日、朝食は、トウモロコシを茹でながら、別途マカロニも茹でてパスタソースをかけたものを食べた。あとはパイナップルの缶詰も。
 沢を渡ってマラ岩に至る道を分けて旧林道へ。私は本峰西面と左稜線は同じアプローチだと思い込んでいて、以前に裏烏帽子に行ったことがあるので、その分岐に注意しながらアプローチン道を登って行った。途中、それらしい分岐があったので、そこを左に進んでしまい、やがて踏み跡らしきものも消えて、樹林帯の中を二人で彷徨う羽目に。これで2時間以上ロスしてしまった。
 こんなバカなことをしてしまい、やっとたどり着いたところが本峰西面。ここに至って、旧林道からの入り口からして間違っていたことに気付いた。いまさら左稜線に戻るのも面倒なので、ここで登ることにした。S木さん、ごめんなさい。

 S木さんは森の天使という3ピッチのルートの1P目の三ツ星という5.10aをトライ。しばらくは易しいようで、核心は終盤らしく、そこでいろいろムーブを探っていたようだがテンション。
 私は、5.11aのルートを3つ登った。
 まずは、ひょうたんつぎ5.11a。左端にあるルートで特に出だしがザレザレと岩がもろい感じが怖い。なととかオンサイト。
 つぎは、エボシで日干し5.11a。カチが続くルートで、昨日登ったエリアの5.11aとはえらい違いだと思いながら、これもなんとかオンサイト。ちょっとカラいなあ。
 最後は、ウエストカンテの1P目5.11a。これはガバが多く、エボシで日干しよりはずっと易しく感じ、オンサイト。

 午後3時を過ぎていただろうか、またしても雨が降ってきた。遅れて岩場に着いて少ししか登れなかったうえに、再びの雨で撤収とは。朝から夕方まで思いっきり登るということができなかったのは残念だ。それに左稜線に行けなかったし。
 中央道からではなく、佐久方面から帰ることにして、途中で夕食。そのうち寄ってみようと思っていた、佐久海ノ口にあるストローハット。
 信州ポークのとんかつ定食1,050円を食す。なかなかおいしい。野菜を売っていたので、きゅうりとトウモロコシを買った。

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三ツ峠でアブミの練習

8/21(火)
 アブミ登攀の練習のため三ツ峠に行ってきた。三ツ峠に行くのは何年ぶりのことだろう。
同行のHN田さんは、別の人と月曜日から三ツ峠に来ているとのことで、その人と入れ替わりで火曜日は私とアブミの練習をすることになった。
 そこで、私は月曜日の夜のうちに三ツ峠の登山口まで来て車中泊した。翌火曜日、三ツ峠山荘の裏手の広場でテント泊をしているはずのHN田さんに合流するため、まだ暗い4時半に歩き出す。てくてくと歩いて5時半前には山荘に到着。快晴で富士山が間近に臨める。良い眺めだ。

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 テントが一張りある。私が到着した物音でHN田さんは起きたようだ。早々と合流できたのは良いが、週末からの疲れが抜けていないうえに寝不足気味の私は、HN田さんが朝食を済ます間に、テントの中でちょっと休ませてもらう。短い時間横になって、ほんの少し頭がすっきりした。
 7時前に岩場に向けて出発。三ツ峠の岩場に来るのはずいぶんと久しぶりだ。6月に来た大幡川四十八滝沢の沢登りで山頂には寄ったけれど。クライミングを始めたころにマルチピッチの練習で何度か来たことがあるのだ。

 今回、アブミの練習をしようとなったのは、HN田さんと秋に人工登攀のあるルートに行く話しをしていて、HN田さんがあまりアブミで登ったことがないからというもの。私もアブミを使うルートに行くなんて稀にしかないけれど。
 マルチピッチルートを登る前に、1本だけアブミで登ろうとなり、確かアパッチハングだったろうか、錆びたリングボルトが短い間隔で打たれているルートを登ることにした。まずは私がリードで登り、HN田さんがトップロープで登った。人工登攀をする時はいつも思うのだが、サビサビのリングボルトやハーケンに全体重をかけて乗り込むというのは、やっぱりイヤなものだ。何㎜かしか埋まっていないボルトなんて、いつ抜けるか分かったものではない。

【逆V字ハング】
 続いて逆V字ハングを登ることにした。このルートは私は登ったことがある。
1ピッチ目は私がリード。ボルトにヌンチャクを掛けロープを通し、さらにアブミをかけて乗り移る。ハイステップでなるべく上段に乗り込むと、後が楽になるらしい。第一バンドまで登ってしまえばよかったようだが、スリングがたくさんかかっていたのでピッチを切ったところは、バンドの少し下だったようだ。
 2ピッチ目はHN田さんのリード。ハイライトの逆V字ハング部分をHN田さんにリードしてもらうためだ。ロープの長さが足りなかったわけではないが、ハング下でピッチを切ることができたので、いったんそこでピッチを切る。

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 3ピッチ目もHN田さんのリード。頭上の逆V字ハングは、かぶった凹角といった感じ。HN田さんはアブミの最上段に乗り込み、ひざを巻き込み、かかとの上に座り込むようにしている。そうすると安定するらしい。私は最上段に乗らなくても、つぎのピンが届くのでやらなかったけれど。ハングを越え少し登った先でピッチを切る。
 4ピッチ目は私のリード。Ⅲ級らしい。上部のライン取りがいまいちよく分からなかったのだが、フリーも交えて小テラスに出た。太い木でビレイ。
 懸垂下降2回で取付の登山道へ。逆V字ハングから下は空中懸垂になって、富士山を眺めながら懸垂するのは気持ちが良い。

【岳ルート】
 逆V字ハングを終えて下りてきたのは昼過ぎ。アブミ登りを一通りやったので、今度はフリーのルートを登ることにした。そこで、新しく造られたらしい岳ルートというのを登ることにした。映画「岳」の撮影がここ三ツ峠で行われたそうで、映画の中でも確かそれらしい場面があったように思う。それを記念して撮影を手伝った山岳ガイドがこのルートを造ったらしい。HN田さんはちょうど撮影しているところに出会って、主演俳優も見かけたそうだ。
 中央カンテダイレクトと中央カンテの真ん中あたり、取付に白いテープが張ってあって、岳ルートと書いてある。
 1P目5.10aはHN田さんのリード、2P目は私とつるべで登り、4Pを登り終える。他のルートの間を縫うように造られたルートといった感じで、ライン取りに迷う。懸垂2回で登山道へ。午後3時半くらい。

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 残った時間で、まずはHN田さんが1ピッチのみ再びアブミの練習。4段ハングの1P目らしいラインを登る。荷物をいくらか入れたザックを背負って登って行く。空身と違い、やはり大変なようだ。ピン間隔がちょっと遠いらしく、最上段に乗ってもぎりぎりというところでは、背中の荷物のため立ち上がれないようだ。荷物をボルトにぶら下げて残し、残りを登り終える。お疲れさま。
 とうにアブミのやる気がなくなっている私は、三ツ峠に来たことだし、ルート図を見るといくつか5.11台のルートもあるようなので登ることにした。

【トラペジアス5.11a】
 探してみて、選んだのは草溝ルートの隣りにある「トラペジアス」5.11a。草溝の凹角の左にあるうすかぶりの壁にペツルのボルトが打たれていて、乗っ越した先は草溝直上ルートに合流するようなので、カムもいくつか持っていく。
 1便目は、ガバっぽいのが見いだせるのだが、ラインが右の凹角寄りなのか左のカンテよりなのか分からずテンション。カンテ側からも行けそうに見えるが、3ピン目がペツルのボルト2本なので、とりあえずそこまで登ってトップロープラインを探る。
 夕暮れが迫っているのであまりのんびりしていられない。しかしアブミ練習で身体は疲れていて、ガバでも身体をあげられない。数度目のトライで凹角寄りの序盤をこなし、ガバを伝って左カンテ上部をとって、乗っ越す。ふう。あとは落ち着いて、カムをきめながら草溝直上の上部を登り終了点へ。

 最後にHN田さんが草溝ルートを登る。陽が落ちてだんだんと暗くなりつつある中、登り終え、懸垂で降り立ったときは18時半。

 荷物をまとめてヘッ電を点けて、三ツ峠山荘裏手の広場に張りっぱなしのテントに戻る。テントを撤収して下山を始めたのは、19時半。下山には1時間はかからなかったはず。各自の車に乗り込み、とりあえず富士吉田の街で夕食を食べるため移動。手早く済ませるため、寄ったのは河口湖IC近くのなか卯。空腹だったので、牛丼をかき込むように食べる。HN田さんとはここで解散。
 HN田さんは一路家に帰ったはずだが、寝不足だし疲れていた私は今夜中に無理に帰ることもないので、談合坂SAで車中泊。
 車を買い替えて気兼ねなく車中泊ができる広さになったうえに、こうして一人で帰るときは同行者をどこかの駅まで送る必要もないので、車中泊するパターンが多くなってきた。
翌水曜日はもちろん普通に仕事があるので、明るくなりつつある4時半には起きて、空いた高速道路を走って家路へ。

雨と晴れの甲府幕岩

8/18(土)~19(日)
 お盆後半の週末、N野さんと甲府幕岩へ行ってきた。当初、谷川岳に沢登りに行くつもりだったのだが、土曜日の天気予報が悪く増水を心配して中止。代わりに、クライミングに行くことにした。
 土曜日は、予報どおりと言えばそのとおりなのだが、甲府幕岩でも雨が降り出してほとんど登れず。一転、日曜日は快晴で終日クライミングが楽しめた。

■8/18(土)
【甲府幕岩】
 早朝、西武鉄道の所沢駅でN野さんと待ち合わせ、入間ICから圏央道~中央道と走り、甲府昭和ICで下りる。観音峠から甲府幕岩へ向かおうとオートキャンプ場を過ぎたところで、犬の散歩をしているおじさんが手を振っている。車を停めて聞くと、すぐ先で通行止めになっているから観音峠からは行けないという。
 仕方がないので、通行止めになっているところから分岐している林道に入る。途中ダート区間もあり、明野方面に出てから岩下の十王から甲府幕岩に行った。
 クリスタルラインは瑞牆方面は通行止めになっているのは知っていたが、観音峠のところは土砂崩れで不運にも前日に通行止めになったばかりのようだ。
 そんなわけで、林道の通行状況は刻々と変わりえるので、事前にネットで「山梨県 県営林道通行規制情報」などで調べてから行くのが無難だ。
 ただでさえ、いつ雨が降り出すか分からない天気予報のこの日、予定より遅れて岩場に到着。駐車スペースには他の車はまだ来ていない。
 前日も雨が降っていたはずだが、岩はそれなりに乾いている。まずはアップでメルヘンランドにあるHIVE5.10aを登る。
 それから、私は森の散歩道エリアにあるオンリーワン5.11d/12aをやってみることにした。

○オンリーワン5.11d/12a 1便目 ×
 まずはヌンチャク掛け。限定があるのかどうかは知らないけれど、右側にある凹角クラックは手も足も使わない。クラックそばのホールドまでは使うけれど。1便目はヌンチャク掛けのつもりだし、やはり難しいのでテンションしまくり。岩は乾いてはいるけれど、湿度が高いので保持しているとヌメってくる感じがする。なんとかヌンチャクを掛け終える。

 数組のクライマーがあとからやって来たようだ。N野さんがGATE5.10b/cに1便出してみる。時々陽が射していた空もいつの間にか雲が厚くなってきて、そのうちごろごろと雷鳴が聞こえるようになってきた。まだ午前中なのに~、と空に向かって文句を言う。N野さんは何とかトップアウトしてヌンチャクを回収する。いつ雨が降り出してくるか分からないからだ。
 まだ降り出してきていないので、私はもう1便オンリーワンに手を出してみることにした。

○オンリーワン5.11d/12a 2便目 ×
 テンションしながら不確定なところのムーブをさらにあれこれと確かめる。しかり雷鳴が近づきつつあるので、ヌンチャクを回収して下りる。明日は晴れてくれることを期待しよう。

 降り出す前に荷物を撤収して、いったん車に戻ることにした。正午前頃だ。まだ登っているパーティーもいる。駐車スペースに戻る途中、先月末に小川山に行った際に久しぶりに会ったKきさん達にばったり会う。Kきさん達も観音峠が通れずに今頃到着したという。
 降り出していた雨は、車に入ったとたんにザーザーと雨足が強くなってきた。夕立のようだ。絶妙のタイミングで切り上げたおかげで濡れずに済んだ。しかし、これで今日の岩場はもうダメだろう。Kきさん達もすぐに車に戻ってきた。

【サントリー白州蒸留所】
 午後丸々空いてしまったので、どうして時間をつぶそうかと話して、白州のサントリーのウイスキー工場を見学に行ってみることにした。
 私もN野さんも何度も見学に行ったことがある。私は、前回行ったのはちょうど2年前で、甲斐駒・黄蓮谷の沢登りから下山してきて、HN田さんとO形さんと行った時だ。このときは見学後のウイスキーの試飲の際に、10分ほどの限られた時間でO形さんが4杯くらいおかわりして、べろべろに酔っぱらっていた。ドライバーの私はもちろんジュース。

 で、今回も私はドライバーなのでジュースのみ。夏休みだからか見学者が多い。
見学後に、ほとんど登らず大して疲れていないけれど、むかわの湯という立ち寄り温泉で汗を流す。
 温泉後に買い出しに行ったスーパーやまとでは、ウイスキーを飲んでいる人たちを見て自分も飲みたい気分になっていたので、発泡酒のほかに缶のハイボールも買って、今夜の寝場所へ。

【ラタトュイユ】
 某所の駐車場に車を停め、近くの東屋にテントを張って、お酒を飲みながら夕食の支度をする。
 今晩の食事は私が用意した。考えた献立は、先日、上越の万太郎沢に行った際にHN田さんが用意してきたラタトュイユという野菜煮込み。こういう料理もあるのかと、自分も作ってみることにしたのだ。元々予定していた沢登りで試してみるつもりで食材を買ってしまっていたので、使ってしまわないといけないし。
 あれこれと夏野菜を鍋に入れて、水は一切加えずに、コンソメやコショウでで味付けするだけ。
 用意した野菜は、ピーマン、パプリカ黄、ズッキーニ、ニンジン、カボチャ、ぶなしめじ、トマト、たまねぎ、ナス、ニンニク1片。あと、コンソメとコショウ、オリーブオイル。
 オリーブオイルをひいてニンニクを炒め、あとは火の通りにくい野菜から入れ、調味料も入れる。はじめは炒めるような感じだが、しばらくすると野菜から水分が出てきて、あとは煮込むだけでできあがり。いたって簡単だ。
 食べてみるとなかなかイケる。ご飯のおかずに合う。また、作ってみよう。
 食事を終え、外にいるのがちょっと寒くなってきたので、テントの中に入って残りのお酒を飲みながら枝豆を食べる。寝たのは21時半頃だったと思う。

■8/19(日)
【甲府幕岩】
 5時半に起きる。夕べお酒をちょっと飲みすぎた。頭がちょっと重い。お酒の強いN野さんは何でもなさそうだけど。深夜のうちに、同山岳会のA山さん達4人も来たようだ。
 簡単に朝食を済ませ、我々はA山さん達より一足先に甲府幕岩に向かう。まだ7時半。まずはペンタゴン5.9でアップ。私は前日トライしたオンリーワン、N野さんはピリカにトライするということで、ほぼ中間地点のペンタゴンに荷物を残して、2つのルートを行き来することにした。明け方にも雨が降ったようだが、岩はよく乾いていて、HIVEのアプローチ部分が濡れていたくらいかな。

○オンリーワン5.11d/12a 通算3便目 ×
 前日雨で回収したヌンチャクを改めて掛け直す。このヌン掛け便であれこれムーブを確認して固めておく。

○オンリーワン5.11d/12a 通算4便目 RP
 N野さんがピリカにトライしてヌンチャクを掛けた後、オンリーワンに戻る。
 ところで、普段履いているクライミングシューズをリソールもしないまま履き続けているので、いよいよエッジが擦り減ったシューズしかなくなってしまっていた。スポルティバのシューズを買うことが多いのだが、値段が高いし、あまりこだわってはいない。そこで、金曜日に目白のカラファテに行って、スカルパのインスティンクトというレースアップを買ってみた。ソリューションもリソールしないとなあ。
 どんなシューズでもそうだが、新品はエッジが立つので小さなホールドでも安心して立ち込める。前便で固めたムーブを忠実に再現して、またレストできるところでは前腕をシェイクさせながら、じっくりと登って行き、無事レッドポイントできた。ほっ。

○初夏5.11d 1便目 ×
 オンリーワンが登れたので、荷物をHIVEのところに移す。N野さんがピリカにトライしたあと、初夏5.11dをやってみることにした。グレードがちょっと辛めという人もいるらしい。
 出だしの草が生えた斜面はちょっと濡れている。右カンテを使う終盤まではアプローチみたいな感じで、終盤にこのルートの難しい部分が凝縮されている。
 右カンテを使いながら身体をあげていくもテンション。あれこれホールドを探るが、終了点一つ下のピンに至るところが核心のようで届かない。右手でカンテを持ちながら、左手でいったんカチを二つ中継して、ピンそばのクリップホールドをキャッチするというのができない。ちょうど一日で一番暑い時間帯で、壁にも陽が当たって暑い。
 フォールを繰り返すも、数回目でクリップホールドをキャッチできて、ようやくトップアウトできた。終了点直下では、カンテを回り込み気味にカンテをあがり、カンテ上部のリップを取りに行って終わりのようだ。

○初夏5.11d 2便目 ×
 まだ陽があたっているが2便目を出す。例の核心部分に至るもカチに手が出せずフォール。うすかぶっているので、落ちてもどうせ空中だ。ふわーっと落ちる感じが悪くない。しかしヨレてきた。

○初夏5.11d 3便目 ×
 陽が西に傾いて、初夏の壁は日陰になった。上を見上げてもまぶしくないし。しかし結果は同じ。5.11dくらい一日お持ち帰りしなければいけないとは思いつつも、夕べちょっと飲みすぎたことを言い訳にする。
 涼しい秋にトライすることがあれば、きちんとRPしておきたい。

 N野さんもピリカのムーブを概ね解明できたようだが、残念ながらRPには至らず。代わりに、以前一度だけ触ったという動物がイッパイ5.10bをRPできた。
 残った時間で、私は木の実がイッパイ5.10c、ピリカと登り、A山さん達を含む他のパーティーが帰っていく中、最後にHIVEを登る。ずいぶんヨレてきたらしいN野さんにもトップロープで登ってもらった。

 岩場を離れたのは18時過ぎ。今日は一日良く晴れてくれた。中央道は大渋滞しているだろうと推測して、上信越道~関越道経由で帰ることにした。
 いったん信州峠を越えて川上村に入り、中込から国道254号線で内山峠を越え、下仁田で高速道路に乗る。鶴ヶ島付近で短い渋滞があったほかは順調に流れていて、22時過ぎにN野さんを自宅近くまで送って解散。

 6月23日に納車されたエクストレイルの走行距離はこの日までに4,300km弱。週末に岩場や山に行くのに、基本的に早朝か夜しか運転しないことを考えれば、ひと月に2,000km以上だから、けっこう走ったものだ。

北アルプス縦走(北鎌尾根~前穂北尾根)

8/8()夜~12()

■行き先・ルートの検討

 ひさしぶりに北アルプスを歩いてきた。以前は縦走をしていたものだが、クライミングを始めてからは歩く登山からは縁遠くなっていた。

 今回、行き先を考えるにあたり、5月に入会した山岳会の人達の多くは早々に夏の計画を固めていたので、それに加わらなかった私としては、こういう時でもなければ一人で行きそうもないところを考えてみた。

 そこで、夏山と言えば北アルプスというのは良いとして、ただ一般登山道を歩くだけでは物足りないし、せっかくクライミングをやっているのだから、登はん要素のあるバリエーションルートに行くことにした。

【北鎌尾根】

 すぐに思いついたのは北鎌尾根。言わずと知れた槍ヶ岳の北側に突き上げるクラシックルートだ。古くは加藤文太郎や松濤明の遭難が有名なので、無雪期とはいえ一度は訪れてみたいと思っていた。いちおう、「単独行」も「風雪のビヴァーク」も読んだことがあるし。

 尾根の末端から取り付くというのは相当大変そうなので、行く人の多くが選んでいるはずの北鎌沢を詰めることにした。

アプローチとしては主に3つあるようだ。①高瀬ダム~湯俣~千天出合~、②中房温泉~合戦尾根~大天井岳~貧乏沢~、③上高地~水俣乗越~。

②は、合戦尾根を登って沢をまた下りるというのがどうも面倒くさい。③は、上高地を起終点にできるが、文字どおり縦走するという感じがしない。

③は、水俣川の渡渉が心配されたが、高瀬ダムから南に向かってずっと歩いて北鎌尾根をこなし、後述する穂高方面への縦走とすれば、北から南へのきちんとした縦走という感じがする。ということで、高瀬ダムからアプローチする案に決めた。

【前穂北尾根】

 貧乏性の私としては、交通費をかけて北アルプスまで行くのに、北鎌尾根ひとつだけではもったいないので、もう一つどこかのルートを登ろうと考えた。そこで、これまた行ったことのない前穂高岳の北尾根にした。ガイドブックを紐解くと、涸沢から五・六のコルにあがり、北尾根の上半部だけを登ることができるようだ。核心が3峰のようなので、おいしいとこ取りだ。

 日数を足して北穂東稜も登ってしまおうかとも考えたが、そこまで欲張るのはやめた。

 そこで、計画した行程は以下のとおり。

【計画】

8/8():仕事を終え、夜に車で信濃大町駅へ。

8/9():タクシーで高瀬ダムへ、湯俣~千天出合~北鎌沢出合泊

8/10():~北鎌沢右俣~北鎌のコル~北鎌尾根~槍ヶ岳~肩泊

8/11():~北穂~涸沢泊

8/12():~五・六のコル~前穂北尾根~前穂~岳沢~上高地、帰途へ

 結論を先に書くと、行程はそのままに実際の日程を以下のとおり縮めることができた。

【実施】

8/8():仕事を終え、夜に車で信濃大町駅へ。

8/9():タクシーで高瀬ダムへ、湯俣~千天出合~北鎌沢出合~北鎌のコル泊

8/10():~北鎌尾根~槍ヶ岳~北穂~涸沢泊

8/11():~五・六のコル~前穂北尾根~前穂~岳沢~上高地、帰途へ

【装備】

 装備についてちょっと触れておく。ザックは40L。日数分の食料やガス・鍋類。着替えは必要最小限。今回のために、モンベルの通気性の良い襟付き長袖シャツとハット型帽子を購入。これで少しはヤマケイJOYっぽい格好にはなるかな。

荷物が重くなるけれど沢の遡行に備えて沢靴、それから前穂用にクライミングシューズも。120㎝スリング2本に環ビナ2枚、ヘルメット。それから補助ロープとして720m。懸垂下降にしか使わない。

山岳会のS木さんに貸してもらったパイネのソロテント。シュラフカバーのみとし、代わりに薄いダウンジャケットを携行。無線機も。

88()夜 信濃大町駅へ

 ウェザーニューズの天気予報を見ると、松本や高山方面は、土曜日は曇りっぽくて、日曜日になると雨マークがある。山行後半の天気が心配だ。

仕事をちょっと早引けして帰宅。荷物はまとめ終わっているので、シャワーを浴びて18時半に車で出発。関越道~上信越道と走り、22時を過ぎてから麻績ICを下り、23時前に信濃大町駅に着く。あらかじめ電話でタクシー利用を申し込んでおいた、駅前にあるアルプス第一交通㈱の営業所の声をかけると、残念ながら翌朝乗るタクシーの同乗者はいない見込み。営業所裏手にある駐車場に車を停めて車中泊。

89() 高瀬ダムから北鎌のコルへ

【高瀬ダムへ】

 4時過ぎに起きて、着替えて車を出る。営業所を覗くとすでにタクシーが待機していて、5時前に出発。やはり同乗者はいなかった。5時半に開くという七倉のゲート脇に建物があり、そこで登山届を書いて提出。そこにいる女性の管理人がちょっと個性的な人で、登山行程などを聞かれたあとに「あなたにとって山ってナニ?」と質問された。何と答えたものかちょっと迷ったが、山に遊びに来たんです~とかなんとか答えておいた。タクシーの運転手さんの話しでは、「あなたはなぜ山に登るのか?」とか聞かれた登山者もいたらしい。

 七倉から高瀬ダムまでは、トンネルを抜けダムの堤体を登っていくと着く。車を降りると、思ったよりも風が冷たい。Tシャツ一枚では寒いので服を重ねる。

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【湯俣へ】

ほかのタクシーで来た登山者たちが真砂岳方面に向かっていくのを横目に、5:45に歩き出す。湖面左岸側にあるトンネルに入る。長いトンネルを歩いていると、何か作業のためか車が通り過ぎていく。延々と歩いていると、道路下の広場で何人かが作業をしている。荷物が積んであるので、山小屋にヘリで荷物を運ぶベース地なのかな。なおも歩いて6:40頃、車が通れる幅だった道が途切れて、この先は車は入れなくなる。

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途中、無名避難小屋と書かれた建物を覗く。昔、八ヶ岳の天狗尾根に行った際に停まった出合小屋にあったものと同じ形のストーブがあった。

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真砂岳方面から下山してきた登山者だろうか、数組とすれ違う。7:45、対岸に晴嵐荘が見えてきた。

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と、登山道のすぐ左上に湯俣山荘の廃屋が建っている。晴嵐荘に渡る吊り橋のたもとに道標があり、北鎌尾根を経て槍ヶ岳まで10㎞とある。長い道のりだ。

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高瀬川が右手に曲がっていく先に取水施設があり、そこを通り抜けると水俣川と湯俣川の出合となっていて、水俣川側に吊り橋がかかっている。昔、流されたという吊り橋がこれだとすると、架け直されたのか。それでも古びた感じだけれど。

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吊り橋を渡ったところの出合の突端にお社がある。ここで安全登山を祈願する。

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空は抜けるような青空だ。吊り橋のたもとから河原に下りる。

【水俣川~天上沢遡行】

今回、水俣川から天上沢を遡行するにあたり、登山靴を濡らすまいと山の斜面から無理に巻くよりも、濡れるのを承知で沢の中を行ったほうが帰って安全だし速いだろうと考え、沢靴を用意してきた。ここでその沢靴に履き替える。ズボンも沢用タイツに履き替え、ハットをヘルメットにかえる。

ほかに誰もいない沢を歩いていく。強い陽射しで辺りがきらきらと光って、いかにも夏山という感じできれいだ。

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千天出合まで渡渉を20回近くは繰り返しただろうか。沢がカーブするたびにその外側は河原が途切れ崖になっているので、その手前で対岸に渡らないといけない。水量は私の身長でひざ上くらい。女性だったら股下くらいになってしまうだろう。慎重に足を出さないとバランスを崩して流されそうになる。落ちていた木の枝を杖にして渡渉する。この杖、千天出合を過ぎて水量が減るまで大いに役立った。雪解け水のためか水が冷たい。

中東沢を分けても水量が減った印象はなかったが、9:45頃、千天出合に着くと、明らかに減ったのが分かる。

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一方、これまでほとんど平坦だったのが、天上沢からは沢らしくなってきた。小滝には巻き道があるのでそっちを行く。

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水量も減ってゆきどんどん歩いて行くと、河原が広く開けてきた。北鎌沢の出合が近いかもしれないと思い、右岸側を見ながら歩いて行く。1120頃、どうどうと水が流れる沢の出合に着き、そばにケルンもあることから、北鎌沢出合であることが分かる。ここでも誰にも会わず。上を見上げると、北鎌のコルらしきところへ続く沢筋が見える。ここで、沢靴やタイツを脱ぎ、湯俣までの靴とズボンに戻る。

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【北鎌沢】

 当初の予定では、ここ北鎌沢出合に泊まるはずだが、まだ昼前なので北鎌のコルまであがることにした。

 北鎌沢は右俣と左股があり、行った人の話しで、間違って左俣に入ってしまうことがあると聞いていた。眺めると、コルに突き上げる沢には雪がなく、明るい緑色で覆われた沢筋が続いているように見える。ここを詰めて行けば良いはずだ。と、思っていたら結論から書くと、愚かにも左股に入ってしまったのだ。

 右俣はかなり上のほうでも水が汲めるらしいので、出合では水を補給せずに出発。しばらく沢筋を左右に行ったり来たりしながらどんどんと登って行く。やがて見上げると正面に雪渓の突端があった。ここでルートを誤っていることに気づかなければならなかったのだ。

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 左俣は延々と大きな雪渓が続いている。それと気づかずに雪渓左岸側を登って行く。

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 時計の高度計が2,150mを示しているあたりに着いたとき、見上げる雪渓が左に大きくカーブしている。さらにその先で右にカーブしているようだ。谷を埋め尽くす設計は谷の斜面際では切れていて、その隙間に落ちたらヤバい。今頃になってやっと間違ったことに気づいて辺りを見渡す。左俣は左にカーブしていくが、涸れた沢が正面に分かれている。とりあえずここを詰め、なんとか右俣に出ようと考えた。これがまた大変だったのだ。地形図とにらめっこして現在地を推定し、左俣の現在地から上部には枝沢がいくつもあり崖マークもあるのが分かる。

 涸れた沢を少し詰め、左岸側を見ると、枝尾根の傾斜が緩んでいるところを見つけたので、そこを目指す。斜面に生えた草を掴みながらのトラバース。枝尾根を回り込んでも、すぐには右俣らしきところには出ない。延々とヤブ漕ぎを続ける。途中、踏み跡らしきものを見つけるが、こんなところを人が通るはずがない。二度、大きな糞を見つけた。このサイズからすると熊か。ということは獣道か。野生の動物もなるべく通り易いところを選んでいくはずだから、私のヤブ漕ぎのライン取りも悪くないらしい。そもそも右俣と左俣を間違ってしまって入るけれど。

 細くても木の枝は良い手がかりになるのだが、草はつかんでもブチブチと千切れてしまう。と、足を滑らせる。滑り落ちながら目の前にある草を掴むがやはり千切れる。とっさに掴んだ細い枝で止まった。見上げると2mほど斜面を滑り落ちていたようだ。危ない、危ない。こんなところでケガをして身動きが取れなくなったら助けを求められない。水を汲みそびれてしまったので、あまり残っていない。水が少ないというのはやっぱり不安だ。

 このヤブ漕ぎで、買ったばかりの長袖シャツはすっかり使いこんだ感じになってしまった。右俣方向へ、そしてなるべく上のほうに延々とヤブ漕ぎしていくと、大きな谷が出て来た。これが右俣か。と言っても、谷そのものの幅が広く、北鎌のコルらしきところは谷の上部奥のようだ。向かいにピークがあり、それがP7のようだ。

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 やがて崖に突き当たった。ここをクライムダウンするのは手がかりもなくちょっと厳しそうだ。大きな木があったので、懸垂下降することにした。スリング2本を股と両腕に架け、環ビナでつなげる。720mを木にかけて下に下ろすと、なんとか下に届いているようだ。環ビナに半マストでロープをかけ、懸垂下降して行く。背中の荷物が重いし、スリングでは身体に食い込むが、ちょっとの距離なら問題ない。崖を下り着き、ロープを回収。右俣の中を歩いて、まずはコルらしきところを目指す。そして15時前にようやく北鎌のコルに着いた。誰もいない。約2時間ヤブ漕ぎしたわけだ。とりあえず無事にコルに着くことができ安心。コルは狭いながらも平坦になっている。

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【北鎌のコル】

 北鎌沢をさっさと登ってしまうことができれば、今日のうちにさらに北鎌尾根を歩き通してしまえるかもと欲張った考えも、北鎌沢を登り始めた頃はちょっとあったが、今となってはそんなことは諦めて、まずは水の確保が先決だ。

 今回S木さんに貸してもらったソロテントを張ってから、右俣を下りて水を汲みに行く。某ガイドブックに、少し下れば水があるとあったので、ザックに水筒を入れて出発。今回用意した水筒は、ナルゲンボトル1L、プラティパス2L0.75L3つ。

 標高差にして50mほど下ると、石の隙間に小さな流れを見つけた。汲みづらそうだったので、なおも下って行くが再び涸れた沢はなかなか水が現れない。諦めて登り返し、先ほどの流れで汲むことにした。0.75Lのプラティパスを横に寝かせて、水の流れに口をあてがい、一度に200mlくらい入れてから、ほかのボトルに移すというのを繰り返す。時間はあるのだから慌てる必要はない。汲み終え、喉の渇きも癒してからコルに戻る。

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 とにかく疲れた。テントの中で横になって休む。

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 一時間ほどごろごろと横になっていたら、誰かがやってきた。テントから顔を出すと、若者が一人でやってきたようだ。聞くと、上高地から水俣乗越を経てやって来たという。水俣乗越からの下りはけっこう雪渓があったという。確かに、あちこちに雪渓があって、水俣乗越らしきところにも貧乏沢らしきところにも雪渓があるのが眺められた。

 若者はテントを張らずに地面にごろ寝するという。今夜は天気が良さそうだから大丈夫か。若者は食事を済ませて早々に寝るようだったので、私も食事をとる。アルファ米にフリーズドライのマーボーなす丼、あとはスープやコーヒーなど。

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 あと、ウイダーのリカバリーパワープロテインという粉末を持ってきたので、水で溶かして飲む。今回、筋肉痛になるくらい歩いているのに、翌朝にはなんとか回復していたのは、少なからずこのプロテインのおかげかも。この製品はプロテイン100%でなく、むしろ糖分が多いので、こういう一日中身体を動かしたあとのケアには良さそうだ。

 荷物を削ってシュラフを持ってきておらず、薄いダウンを着ているとはいえシュラフカバーだけでは寒かった。とくに夜が更けてくると気温が下がってきて、腰や腿まわりが冷えるとなかなか寝付けない。若者は4時くらいに発つといっていたので、私もそれくらいの出発を目指して起きることにした。途中、トイレにテントを出ると、空は良く晴れていて星がきれいだった。こうして長い第一日目が終わった。

810() 北鎌尾根から槍、北穂、涸沢へ

【北鎌尾根】

 まだ暗い2時半頃に起きる。若者も起き出しているようだ。残しておいたアルファ米をお茶漬けにして食べて片づけをしても3時過ぎでまだまだ夜明けには遠い。暗い中を岩稜歩きするのもイヤなので、テントの中で横になって時間をつぶす。若者が一足先に出発していった。今日中に上高地に下りるらしい。まだ暗かったがテントを撤収。ヘルメットにヘッ電を付けて4時に発つ。しばらく急登が続く。4時半をまわってようやく明るくなってきただろうか。やがて開けたところに着く。天狗の腰掛け2,749mか。ここら辺で若者を追い抜く。Imgp5818

岩稜の中にははっきりした道もあれば踏み跡程度のところもある。稜線を行ったり岩峰を巻いたりとルートファインディングに迷うところも多い。5:35頃、独標2,899mに着く。朝日に照らされた北鎌尾根の先に槍ヶ岳が聳えている。ここから再び標高を下げて進んで行く。稜線上を行くこともあるが、千丈沢側の斜面を行くところも多い。踏み跡が複数あるのだろうか。斜面側を行く時は、岩屑が堆積しているところを行くことも多く、稜線を行くよりも返って危ないのかもしれない。一般登山道ではないので、やはり浮き石が多く、手で叩いてみながら慎重に進んで行く。途中、大きめの石を落っことした時は、轟音を立てて谷底に転がって行った。後続の若者も無事に来ているだろうかと思い、振り向くと後方の稜線に一度だけ姿を確認できた。その後は見ていないので分からない。Imgp5824 Imgp5825

735頃、北鎌平らしきあたりに着く。槍ヶ岳が近い。小槍も見える。Imgp5826

途中、ザックが2つデポしてあった。誰かがどこかを登攀しているのかと思っていたら、後で槍に登頂した際に、小槍を登っている人達が見えた。彼らの荷物だったらしい。

槍ヶ岳山頂への最後の登り、やがて山頂にいる人の姿が見えてきた。最後は岩をさくさくと登って山頂着。やった。810分頃。高校生らしいグループを含め、10数人ほどが山頂にいた。登山者に、北鎌尾根から来たのかと聞かれたので、そうですと答える。

今日は金曜日。職場の始業時間は8時半だから、職場の面々が仕事を始める前に、私は北鎌尾根を登るという一仕事を終えたわけだ。コルから4時間10分。5時間くらいかかると見ていたので良いペースだ。素晴らしい眺めだ。穂高方面もよく見える。下には槍ヶ岳山荘が建っている。

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【槍~北穂~涸沢】

 槍ヶ岳には、高校生の時に初めて登り、縦走をしていた頃にも数回登っている。以前所属していた山岳会にいた2006-07年の年末年始には、横尾尾根を往復して登ったこともある。この時は天気に恵まれ、冬山の厳しさをあまり感じることなく快適に登ることができた。

 さて、槍の山頂にいるのもつかの間、さっさと下山にかかりたいところだけれど、梯子が順番待ちでしばらく待つ。山頂からの下りは、北鎌尾根側に比べるとはるかに安定しているので、他の登山者をどんどん抜きながらあっという間に槍ヶ岳山荘に到着。ここで一休み。小屋の自販機でCCレモン300円を買う。ああ、おいしい。

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休憩中脱いでいた靴を履き直し、9時頃に北穂に向かって歩き出す。ヘルメットも帽子にかぶり直して。まだまだ一日は長いので、この日のうちに涸沢まで行ってしまおう。一般登山道をヤマケイJOYな気分でどんどんと稜線を南下していく。大喰岳は山頂が登山道からちょっとはずれているので、気が付いたら通過していた。中岳を過ぎ、南岳を越えると、下に南岳小屋が見える。南岳小屋に着いたのは10:45頃。まだ午前中だ。木製の台の上で横になってしばし休憩。

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 ここから北穂までは、槍穂縦走路中の難所と言われるところを通る。ガスが少し山にかかってきた。まずは長谷川ピークに登る。

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 その先で、飛騨泣きというところがあり、ここではピンや鎖を遠慮なく使って越える。さすがに疲れてきた頃に、北穂高小屋が頭上に見えてきた。小屋に着いたのは13時半過ぎ。ここで再び大休憩。

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 さくさく歩いて、計画していた山行日程を縮めてきているので、背負ってきた食料も余ってしまう。お湯を沸かしてカップラーメンを消費する。ビスケットなども我慢せずにぱくぱく食べる。トイレに行く。100円。小屋から前穂北尾根も涸沢も見える。明日はあそこを登るのだ。

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 北穂山頂を経て、分岐から北穂南稜の登山道を涸沢に向かって下りていく。涸沢山荘といくつものテントがはるか下に見える。その向こうには前穂北尾根が連なっており、明日取り付く五・六のコルに至るアプローチをじっくりと眺める。大雪渓がテント場の正面に大きく広がっているのはもちろん、雪渓右岸側から五・六のコルに至る谷筋にも雪渓が伸びている。大雪渓の右岸に沿って登っていけそうに見えるが、五・六のコルへの谷筋の手前の小さな谷筋にちょっと食い込んだ雪渓は渡らないといけなさそうだ。五・六のコルへの谷筋に残る雪渓の左側の斜面にはうっすらとジグザグの踏み跡が見える。どうやらあそこを辿っていけば良いようだ。北穂南稜を下りながら、五・六のコルへのアプローチに目星をつけることができた。

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 ついでに、北穂東稜へのアプローチも見ておきたかったのだが、よく分からなかった。ゴジラの背と呼ばれる岩稜らしきギザギザはよく分かったけれど。

【涸沢】

 涸沢小屋を横目に、テント場に着いたのは16時過ぎ。昨今の山ガールブームで、北アルプスのメジャーなテント場はソロテントで埋め尽くされていると聞いていたけれど、この日は思ったほどテントの数はなかった。涸沢には、穂高から下山してきたときに一度通過したことがあるだけだったので、一度くらいは泊まっておこうと思っていた。

 テント場そのものは、石が堆積した中にあるので、決して快適とは言い難い。なるべく小石が平坦になっているところを探してテントを張った。マットが無かったら背中が痛くて寝られないだろう。

 テン場代500円を払って、涸沢ヒュッテでビールを買う。キリン一番搾り500ml缶で700円。ちなみに350ml缶は500円。テントに戻って、柿ピーをつまみながらビールを飲む。ああ、うまい。

近くの大きな岩で女性2人がボルダリングをやっている。クラッシュパッドまで用意している。わざわざここでボルダリングをするためだけに背負ってきたとは思えないから、小屋のスタッフなのかな。フラットソールを持ってきていたから自分もできないことはないのだが、ビールを飲んでふわふわと気が抜けてしまったし、そもそも両足が筋肉痛で今更動くのもイヤだった。

先ほど小屋で見たウェザーニューズの天気予報では、明日は曇り、明後日は雨マークがある。やはり頑張って日程を縮めたのは正解だった。明日、前穂を登って下山しよう。

アルファ米をお茶づけにして夕食。寝る前には前夜同様、プロテインを飲んでおく。なるべく寒い思いをしないために、ダウンジャケットを腰まわりに巻いて寝る。その分上半身が寒くなってしまい、夜中に起き出して、シュラフカバーの中でザックカバーを両肩と両腕を包むようにかぶせた。使えるものは何でも使わねば。

811() 前穂北尾根から上高地へ

【前穂北尾根】

 3時頃に起床。残ったアルファ米にフリーズドライの中華丼をかけた昼食。ほかにコーヒーなど。テントを撤収し、ヘルメットにヘッ電を付ける。クライミングシューズやスリング・カラビナはザックの上部に入れておく。真っ暗な中、大雪渓のほうに灯りが見える。先行パーティーがいるようだ。あとを追うように4時に出発。

雪渓を右に見ながら、そのすぐそばのガレ場をヘッ電の灯りを頼りに進んでいく。10分ほど進むと、五・六のコルへの谷筋の手前の谷筋にかかる雪渓を渡るところに着いた。前日のうちに見ておいて良かった。うっかりするとこの谷筋を詰めて行ってしまうところだ。

雪渓の上を2030mほどだったか慎重に歩いて越える。再びガレ場を歩いていくと、先行パーティーの灯りが見えない。五・六のコルへの谷筋に向かって、左に曲がっていったようだ。

少しずつ夜が明けてくる。先行パーティーは何を迷ったのか、谷筋の雪渓を対岸にトラバースしたかと思うと、再び戻ってきた。どうやら少なくともガイド登山ではないようだ。初めて来るところで、迷っているみたいだ。その間、私はガレ場のジグザグした踏み跡を忠実にたどって高度を稼ぐ。ヘッ電を消す。先行パーティーとはほとんど同時にコルに着く。5時。地形図では涸沢の標高は2,309m、五・六のコルは約2,730mだから標高差420mを1時間で登ったことになる。

見ると先行パーティーは男性3人。ザックからハーネスを出して履いている彼らに、おはようございますと声をかけてから休憩を取らずに北尾根に取り掛かる。こちらはそもそもハーネスを持ってきていないから、その準備に時間を取られることもない。

ちなみに、今回の登山で履いている靴は、ファイブテンのイグザムガイドというアプローチシューズ。ステルスソールだから岩場でのフリクションは抜群だ。

さて、まずは5峰。これは易しい。明瞭な道を辿って登っていく。振り向くと3人組はまだコルにいる。

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つぎに4峰。涸沢側にある踏み跡をたどっていく。5峰よりは難しい感じ。Imgp5853

ルートの参考にしたのは「チャレンジ!アルパインクライミング北アルプス編」(廣川健太郎著/東京新聞出版局)。これに書いてあるとおり、3つほどの大岩が左上に迫って来る。

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残置スリングがかかっているのが見える。この大岩を登ることもできるそうだが、ロープで確保していない私は絶対に墜ちられないので、そのまま右から巻き気味に行った。そうすると3峰が正面に迫って来る。Imgp5857

平坦な三・四のコルに着いたのは、6:15頃。ここでクライミングシューズに履き替える。ここで履かなかったら、このシューズはずっとお荷物だったことになる。履かねば。後続の3人組も登ってきているようだ。Imgp5860

前述のガイドブックにあるルート図を見ながら登り出す。少し上がったところから左寄りのところを登って行くと、大きなチムニーの上に大きなチョックストーンが挟まっているように見える。このチムニーの中に入って行くと、屋根のように乗っかっているチョックストーンの下に来る。左下の斜面には踏み跡らしきものも見えるがそちらには行かず、右上のチョックストーンをくぐって抜ける。

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さらに進むと、先ほどよりはずっと小ぶりのチョックストーンがやはりチムニーの上に挟まっている。このチムニーではなく、その左側の凹角を登る。

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そしてなるべく易しそうなラインを探してガタガタとしたところを登って行くと、いつのまにか3峰を越え、2峰のピークに出る。ガイドブックに2峰から懸垂下降するとあるので、それと分かったが、実際は懸垂下降するほどではなく、普通にクライムダウンできた。仮に懸垂下降する場合でも、持参した補助ロープの長さで足りそうだ。とにかく短くて易しい。

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再びガタガタしたところを登っていく、景色が開けてきてその先に人がいる。前穂の山頂だ。7時過ぎ。五・六のコルから2時間だ。

【岳沢】

 前穂山頂で再びアプローチシューズに履き替え、やはりヘルメットもハットに替える。まずは紀美子平に向かって下りていく。登山者がたくさんいる。岳沢をどんどんと下っていき、8:50頃に岳沢小屋に到着。小屋の屋根の上では、干していた布団をスタッフが小屋の中に取り込んでいる最中だった。明日から天気が崩れてきそうだと話している学生グループもいる。

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 岳沢小屋から再び下っていく。道がだんだんと緩やかになってくる。登山者の中には外国人もいる。途中、風穴というのが道端にあり、顔を近づけると、穴の中から涼しい風が吹き出しているのが分かる。Imgp5877

 木道も現れてきて、上高地が近づいているのが分かる。やがて、平坦な道に出たかと思うと、登山者の格好ではない観光客が散策している遊歩道に出た。少し歩くとそこは河童橋。10:15頃。4日間の山行予定を、3日間で、それも午前中に終えることができた。振り返って下りてきた岳沢を見ると上部は曇っていて見えなくなっている。

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【上高地】

観光客でごったかえしている河童橋のたもとで、まずはプロテインを飲む。携帯電話の電源を入れ、所属山岳会の下山担当者に電話する。担当者のTさんは、一日早い私の下山連絡に、前穂をやめたのだと思ったので、きちんと北鎌尾根も前穂北尾根も登ってきたことを告げた。

縦走をしていた以前は、数日かけて歩いてきて上高地に下りてくると、下界に帰ってきたという感じがして、その雰囲気を味わうために山行の終点を上高地にすることが多かった。今回、ひさしぶりに上高地を訪れたが、こうも観光客で混雑している上高地にはあまり長居したい気分ではなかった。小梨平のほうはもう少し静かなのかもしれないけれど、雨が降りそうな予報なので、余った一日をキャンプして過ごすことはせず、すぐに帰ることにした。

バスターミナルに行き、11:30発の乗車券を買う。その間、お土産を買ったりジュースを飲んだりして過ごす。

【帰途へ】

新島々駅までバスに乗っている時間は思っていたより長かった。新島々駅から松本電鉄で松本駅へ。お腹が空いていたので、駅前のお店で肉うどんを食べる。けっこううまい。

 14:08発の大糸線・信濃大町駅行きに乗る。一時間ほど経ったか、三日ぶりに信濃大町駅に帰着。タクシー会社の駐車場に停めておいたエクストレイルにザックを積み込み、帰途につく。

急いで帰る必要もないこともないので、した道をずっと走っていき、ようやく碓氷軽井沢ICで上信越道に乗る。3日間お風呂に入っていないので、途中、日帰り温泉施設にでも寄りたかったのだが、入りそびれてしまった。途中、けっこう大雨に遭ったりする。渋滞しているところはなかったけれど、さすがに疲れてきたし、ここ数日の未明の起床のせいか、関越道に入ってから眠くなってきた。高坂SAに寄ったところで、車中泊することにした。21時頃。

12日の5時頃に起き出して、再び運転し帰宅。ああ、疲れた。荷物をひろげ、洗濯をしてシャワーを浴びる。

北アルプスから帰ったこの日は、このまま家で休んでいたわけではない。所属山岳会のN野さんが、行くはずだった剱岳を取り止めたらしいとのメールがあったので、ではジムに行こうと誘ったので、昼から入間のベースキャンプへ。

両足は筋肉痛だし当然疲れているので、散々だったのは予想どおりだけれど、ジムのことは別途、日記に書く。

【おわりに】

 こうして、北アルプス縦走を無事完遂することができた。もっぱらクライミングばかりで山を歩いていない割には、北鎌尾根も前穂北尾根も一人で登ることができて、やり遂げた感がある。背負って長く歩けないと、アプローチの長い岩場に行くのに苦労するから、こういう体力もつけないといけないなあ。

 さて、北アルプスの余韻にいつまでも浸っていられない。つぎの山行の準備をしないと。

「パストラル」5.12a RP、「ヒーリング・レッジ」5.12b RP 甲府幕岩

8/4(土)~5(日)
 8月最初の週末、Mぽりんさんと甲府幕岩に行ってきた。

■8/4(土)
 Mぽりんさんと待合せ、圏央道~中央道と走って、観音峠経由で甲府幕岩の駐車場に着いたのは、朝7時半。ほかに停まっている車はなく一番乗りだ。
 Mぽりんさんは先週、幻の右5.12cを登ったそうで、その前にもア・ラ・ポテト5.13aを登っているので、豊穣の森エリアはやめて、山椒王国や森の散歩道エリアに行くことにした。7月にトライした幻の右はムーブ自体はできているので、涼しい秋に来た時にでもトライしよう。

50への扉5.10をアップで2度登る。私は2年前にトライしてやりかけとなっていたパストラル5.12aをやることにした。Mぽりんさんはヒーリング・レッジ5.12bをやるとのこと。

○パストラル5.12a 1便目(通算6便目) ×
 2年前にトライしていて、核心とされる序盤の部分のムーブ自体はできていたのだが、中盤のカチカチ地帯で力尽きていた。
 1ピン目にプリクリップしておいて、2ピン目にもヌンチャクだけはかけておいて登り始める。序盤部分は無難にこなすことができたが、カチのところでテンション。トップアウトしてヌンチャクをかけ終える。1テンで抜けられたし、カチのところさえできればレッドポイントできそうな感触。

○パストラル5.12a 2便目(通算7便目) RP
 序盤部分は自分にとっては核心というほどのことはなく、懸案のカチのところもそれこそカチカチとつないで抜けることができた。ハング下を右上にトラバースして、5.10c/dと合流してカンテを登り完登。やった。2年前と比べて少しだけ強くなったのかなと思う。

○ヒーリング・レッジ5.12b 1便目 ×
 Mぽりんさんがトライしているヒーリング・レッジに、私もトライすることにした。前半を登っていって、アンダーホールド部分から上がるところが大変なのだが、本当に大変なのはさらにその先。カチに耐えてどのように身体を上げていったものかあれこれ試してみるもムーブを見つけられず。チョンボして上がり、とりあえずトップアウト。

○ヒーリング・レッジ5.12b 2便目 ×
 核心部分のムーブをあれこれ探る。カチをずっと持っていると指が痛くなってくる。

○ヒーリング・レッジ5.12b 3便目 ×
 核心部分のムーブ探りで、なんとなくできそうなムーブを見つけたのだが、翌日になって再びやってみると、これができないことが分かった。下からきちんとつなげないとダメなんだろう。
 MぽりんさんがRPしていたので、私のヌンチャクにかけ替えながら下りる。明日がんばろう。

 残った時間で、ザ・ショート5.11cをやってみる。左の凹角クラックは限定だろう。2年前にも一度触っているのだが、そのときはほとんど何もできなかったことを記憶している。今回も中間から、左にあるアンダーと上にあるアンダーをどうすればとれるのか、まるで分からず断念、諦めて回収。えらくキビしい。
 登れないまま帰るのは気持ちが悪いので、地震・雷・火事・台風5.10cをオンサイトして終了。
 この日は、H野さん、H原さん達エ○ジー軍団も甲府幕岩に来ていた。
 いったん須玉に下りて、温泉・夕食・スーパーで買い出し後、塩川ダムの某所でテント泊。

■8/5(日)
 岩場の駐車場には前日よりもさらに少し早く着いた。やはり一番乗り。地震・雷・火事・台風をアップで2度登る。
 Mぽりんさんは、鉄の爪5.12b/cをトライするとのこと。私は当然ヌンチャクを残したヒーリング・レッジ。

○ヒーリング・レッジ5.12b 1便目(通算4便目) ×
 核心部分でやはりテンションしてしまう。ここのムーブを解明しないことにはトライするだけ無駄だ。
 頭上にあるホールドを右手で斜めアンダーで保持するところが悪いのだが、これまではそのすぐ左側にある薄いホールドを左手で取ってから、何とかして右手斜めアンダーとして、足上げに苦労していたのだが、どうやらこれではダメらしい。
 左手は下のカチのままで、まず右斜めアンダーをとってから、左足右足と少し上げて、さらに左足を小棚に乗せるとグッとアンダーが効いてくる。このムーブを見つけたことで登れる可能性がでてきた。足が痛くなってきていたけれど、数回ムーブの練習を繰り返す。

○ヒーリング・レッジ5.12b 2便目(通算5便目) RP
 15分ほど昼寝をしたので、頭がちょっとすっきりした。力まずにのんびりとスタート。チョークアップをしながら核心部分に入っていく。カチホールドが続くところでは、もたもたしているとヨレてくるので、覚えたムーブでさくさくと進む。先ほど固めたムーブも確実にこなし、核心部分を突破。あとは落ち着いて終了点へ。やった。
 前日のパストラルに続いて、ヒーリング・レッジも登れて上出来だ。陽が当たって岩が温かくなってくる前の午前中のうちにトライしたのも良かった。

○鉄の爪5.12b/c 1便目 ×
 Mぽりんさんがトライしている鉄の爪を私もやってみることにした。出だしから右上しハング下を左にトラバースし、3ピン目にクリップしたところでたまらずテンション。そこから先のこまかなカチは、もはや指がヨレて保持していられずテンションだらけ。チョンボしながら鉄の爪と言われてるホールドまでたどり着いたところで止めて下りる。もっと涼しくて元気な時でないとまともなトライもできない。

○イーブイ5.11c OS
 5.11台を一つ登っておこうと思ったが、甲府幕岩にある11台前半はほぼ登りつくしているはずである。なので、近くにあるイーブイをやってみることにした。ブラッキー5.11bの左面の壁は苔むして見えるのでこれまでやる気が起きなかったのだが、よくよく見るとホールドは苔っていないようである。上のほうは分からないけれど。
 ということで、取り付いてみる。苔た壁の中からホールドをよく探して、こまかなホールドを保持してヌンチャクをかけながらじわじわと登っていく。同じような細かさを続けて行って完登。マスターオンサイトできるとやっぱり気分は良い。

 Mぽりんさんは鉄の爪に5便出して終了。RPは涼しい秋まで持ち越しか。最後に、森からのおくりもの5.10bを登って、夕方5時前に終了。
 中央道は31㎞の渋滞との情報を得て、高速道路を避けて、柳沢峠~奥多摩経由で青梅街道をひた走り、Mぽりんさんを家まで送る。
 2年前からの宿題だった5.12aが登れたし、5.12bも5便で登れて、おまけに5.11cもオンサイトできて、成果としてはまずまずだった。

上越・魚野川・万太郎沢で沢登り

7/29(日)夜~31(火)
 谷川岳の北西側に突き上げる万太郎沢を登ってきた。初日は雷雨&増水のピンチに見舞われたが、2日目は一転快晴の谷川岳山頂を踏むことができた。

■7/30(月)
前夜、小川山から帰って40分ほど自宅に寄ったあと、すぐに車に乗って、HN田さんと待ち合わせている駅へ。
小川山からの帰路で先ほど走ったばかりの関越道を今度は反対方向に走る。途中で少し仮眠しながら、水上ICからJR土合駅に深夜に到着。すぐにテントを張って寝る。

 土合駅から新潟県側の土樽駅まで鉄道に乗って移動するのだが、下りの始発が8:34と遅いので、翌朝は早く起きる必要がない。それでも私は沢登りの荷物をまとめきれていなかったので、HN田さんよりは早く起き出して荷物を整理する。Imgp5691
 土合駅を利用するのは初めてだが、この駅の下り線ホームは地下70mにあるらしく、そこまで400何十段という階段をずっと下りて行くらしい。
 かつて谷川岳での登攀が激しく行われていた時代、東京方面からやってきたクライマー達が先を争ってこの階段を駆け登ったという。
 霧がかかってぼんやりとしか見えない地下のホームで列車が来るのを待っていると、遠くからガタガタと列車が近づいてくる音がする。長いトンネルをこちらに向けて走ってきているのだ。この時間、土合駅から乗ったのは我々だけだったが、列車には思ったよりも乗客がいた。全然いないだろうと思っていたのだ。それにしても、霧のかかったトンネルの中から列車が現れるのは不思議な光景だ。

Imgp5694
 一駅分230円を車掌さんに払う。トンネルを抜けて新潟県側に出るとよく晴れている。土樽駅で下りて、入渓点に向けて歩き出す。始発電車が遅いため、すでに10時近い時刻だ。

 関越道の下をくぐったり、土樽PAを横に見ながら吾策新道への林道を歩いて行く。それにしても暑い。時々ダンプカーが通り過ぎて行く。この先で大きな砂防ダムを造っているのだ。

Imgp5697
 建設中の砂防ダムを左下に眺めながらなおも林道を進むと、新しめのこれまた巨大な砂防ダムが現れる。林道はここまで。ここで沢靴に履き替える。

Imgp5698
 しばらく河原を歩いて行く。

Imgp5700

 岩畳というのだろうか、平たい岩の光景がきれいだ。

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 深いところでは腰まで浸かっていくところもある。冷たい。

Imgp5705

 晴れていた空はだんだんと曇りがちになってくる。やがて巨大なコンクリートの塔が現れる。関越トンネルの換気塔だ。

Imgp5707

 さらに行くと、ゴルジュが現れる。

Imgp5711

 オキドウキョウのトロ場というところか。HN田さんは持参したライフジャケットを着て泳ぐ。

Imgp5715

 私はそんなものは持っていないので、そのまま水の中へ。冷たい。足が届かなくなって泳ぎ出す。ヘルメットがザックに押されて頭を上げづらくなる。泳ぐ前にメットを脱いでおけばよかった。数メートル泳いで越える。

 再び泳ぐ場所が現れる。

Imgp5717

 朝までの陽射しが無くなっているので、あまり積極的に泳ぎたい気分ではない。やがて雨が降り出したかと思うと、雨足がどんどん強くなってきて、木がつけば夏の夕立のように本降りになっている。ごろごろと雷が鳴っている。
両側が崖になった狭い場所にいたのだが、HN田さんの指示で、左岸の2~3メートルほど高い狭いテラスに上がる。増水から避難するためで、上がったところには草が生えているから、HN田さんによると、通常の増水ならこの草までは水は上がってこないだろうとのこと。
その時、私はまだ水かさが増してくるという実感がなかったのだが、狭いテラスに上がってしばらくすると、みるみるうちに水が増えてきた。濁った水が轟々と流れるようになって、先ほどまで歩いていた沢底の岩が見えなくなった。時刻は正午前くらいだったはず。Imgp5718 Imgp5719
 狭いテラスから濁流の中に落ちないとも限らないので、カムやハーケンで荷物と身体のセルフビレイをとる。
 ここで座ったまま今夜はビバークすることになるかも知れないとHN田さんが言う。それにしても、HN田さんの判断でここに上がっていなかったら、もしかしたら流されていたかもしれない。
 その濁流を見ると、木の枝のほかにときどき雪の塊が流れてくる。上流に雪が残っているのだ。スノーブリッジとか残っていたらどうやって越えようかと頭によぎる。
 じっと座って過ごすこと1時間ほどだったろうか、雨足が弱まってきて、水量も見ていると少しずつ減ってきているのが分かる。午後1時半前くらいだったか、行動を再開する。

Imgp5723 Imgp5726

 歩いて行くと、岸辺に少し雪が残っていた。行きに備えて4本爪の軽アイゼンも持ってきていたのだが、結果的には必要なかった。小滝を越えて行き、午後2時40分頃、一ノ滝30mが現れた。と、ここで再び雨足が強くなり、雷も鳴りだした。Imgp5730
 ここではロープを出して私がリードすることにする。それにしても滝を見上げると雷が光っているというなかなかドラマチックな光景の中を登るというのは悪くない。水流右側の凹角に入る。残置ピンや自分で打ったハーケンにランナーをとる。後半は支点が取れずランナウトしたが、傾斜が緩くなってきて、灌木帯に入ったところでピッチを切る。50mロープでちょうど足りた。先日行った西丹沢の悪沢F2に比べたら登りそのものは易しい。
 フォローでHN田さんが登ってきて、再び歩き出す。しばらく行くと今度は二ノ滝だ。時刻は午後4時過ぎ。ここではロープを出さず、右側の階段状のところを登る。易しい。

Imgp5733 Imgp5735 Imgp5737
 途中、オオサンショウウオを見つけたりしながら、二ノ滝先にあるはずのビバーク適地を探していると、右岸側に良い場所を見つけた。ちょっと小広くて泊まるにはばっちりだ。

Imgp5739

 灌木にロープを張って渡し、HN田さんが新調したタープをプルージックで吊り下げ、タープの四隅を石でピンと張ると雨をしのげる寝床が完成。地面には私のツエルトを敷いておく。
 焚き火を熾したかったのだが、濡れていることもあるがそもそもほとんど枯れ枝が辺りに見つからず、やむなく焚き火は諦めた。沢泊まりといえば焚き火だが仕方ない。濡れた服を着たままで着干しするというのはツラいので、下着から全部着替えた。
 食事担当のHN田さんが野菜をたくさん持ってきてくれていた。茹でたトウモロコシを食べながら、HN田さんが野菜炒めを作っていると思ったら、ラタトゥイユという料理を作っているのだという。アルファ米にできたおかずをのせて食べる。うむ、おいしい。
 雨は止んでいて、このまま降らずに済んでくれれば良いのだが。轟々と近くの小滝の水音を聞きながら寝ることにする。が、ヌカガというのだろうか、小さな虫がまとわりついてくる。この虫がかなり凶悪で、翌日になると左手が腫れてしまった。
 薄いダウンジャケットやウインドブレーカーも着込んでいたので、シュラフカバー1枚で十分寝られた。それも、最初のうちは暑いのでそのままエアマットの上に横になり、夜が更けて気温が下がってきたところでシュラフカバーに入った。携帯電話のアラームを5時にセットしておく。

■7/31(火)
 5時起床。前日の雨から一転、空は夏山らしく晴れ渡っている。上流を見ると、昨日は見えなかった稜線も眺められる。朝食は、前日残した野菜にポタージュスープを絡めたものをパスタに乗せてもの。これまたお腹いっぱいになる。Imgp5744
 一晩お世話になったタープを片付け、荷物をまとめ、7時ちょうどに出発。しばらく歩くと、正面に急峻な三ノ滝沢を分けるところで、すぐ左側に三ノ滝が現れた。ここで今山行2度目のロープ使用。

Imgp5747
 1ピッチ目はHN田さんがリードする。水流右側を登り、抜けたところでピッチを切る。Imgp5751
 2ピッチ目は私のリード。水流を左に渡り、登りそのものは難しくないのだが、ぬめっているので慎重に進む。残置ピンやカムをセットしてランナーをとる。登って行った先の左側の灌木でピッチを切ったが、50mほとんどいっぱいだった。万太郎沢に行くなら50mロープ要ということ。

 二俣で枝沢を分けるごとに水流が減ってくる。小滝をいくつも登っていくと、だんだんと源流が近づいてくる雰囲気だ。花がたくさん咲いていて、草やササも丈が低いので周囲が見渡せる。ササの草原状の山肌に万太郎沢の石の続く源頭部を詰めていく。ザレザレの泥斜面でないので、どんどんと登っていける。時折吹く風が気持ちよく、夏山を登っているという気分にさせてくれる。

Imgp5755 Imgp5762

 西の方の稜線が我々よりも低くなって、高度計からもそろそろ谷川岳の肩ノ小屋に近い稜線に出られそうだ。と、小屋が見えたと思うと、登山道に出た。午前10時半。
 肩ノ小屋のベンチに落ち着き、無事に万太郎沢を登ったことを労う。天神平方面から登ってきたらしい登山者がたくさんいる。上はTシャツに着替え、沢靴もガチャ類も脱ぎ、二人とも沢登りをしてきたという痕跡を残さず、ハイカー姿に着替える。群馬県側は雲海が広がっている。

 小屋を覗いてから、空身で山頂を目指す。まずは手前のトマノ耳。マチガ沢が眼下に広がる。右手が西黒尾根で、左手に見えるのが一ノ倉東尾根か。山頂は登山者でごった返している。

Imgp5770
 さらに最高地点のオキノ耳1,977mへ。山頂で記念写真。じつは私は谷川岳に登のはこれが初めて。山歩きをしていた頃は、日本百名山をいくつも登って60数座は登っているはずだ。最後に新たに登った百名山は何年前のどの山だったかちょっと思い出せない。
 谷川岳そのものは、昔天神平にスキーで一度来たのと、クライミングを始めてから一ノ倉沢の南稜などのルートに数回来たことがある。湯檜曽川本谷や西ゼンなどの沢登りは場所的に離れているし。
 今回こうして一般登山道からではなく、沢を詰めて谷川岳を登れたのは良かった。同行のHN田さんに感謝。

Imgp5774
 下山路は西黒尾根。山頂や肩ノ小屋にあれだけいた登山者はほとんどが天神平からのようで、西黒尾根では数えるほどしか人に会わなかった。途中一度休憩したほかはどんどんと下って行って、約2時間20分で登山口に到着。午後2時半頃。登山指導センター近くにできた谷川岳山岳資料館を見学後、土合駅に向かう途中にある田遭難者の慰霊碑も見学、数百名の遭難者の名前が刻まれた石板にはまだ余白が残されている。一ノ倉沢の登攀が活発だった昭和の時代は、毎年たくさんの死者が出ていたのが分かる。

 土合駅に停めた車に乗り、仏岩温泉鈴森の湯という立ち寄り温泉へ。食事は水上の古びた商店街の中にある大衆食堂フライパンというお店へ。水上にもある山岳資料館のとなりだ。新聞を見ると、開幕したロンドンオリンピックの日本選手団の成績は芳しくないようだ。

Imgp5778_2 Imgp5779

 関越道を駆って、HN田さんを送る。
 数年ぶりに谷川岳周辺の沢を登ることができた。それも冒頭書いたとおり、初日は雷雨と増水に見舞われながらも、2日目は一転快晴の谷川岳山頂を踏むことができたという充実した内容だった。

屋根岩2峰セレクションを登る 小川山

7/27(金)夜~29(日)
 7月最後の週末は、先週末に続きS木さんとクライミング。先週行けなかった小川山で、初日は妹岩・マラ岩周辺で登り、2日目は屋根岩2峰の人気マルチピッチルート・セレクションを登った。

■7/28(土) 妹岩・マラ岩周辺
 前夜、調布駅でS木さんと待合せ、中央道を駆って塩川ダム付近の某所でテント泊。地面のアスファルトからの熱のせいか、やたらと暑いうえに、安眠用のまくらを忘れてしまったため、十分睡眠をとることができなかった。
 翌朝、信州峠を越え廻り目平キャンプ場へ。駐車場で、久しぶりにKきさん達に会う。下の広場にテントを張ってから、妹岩・マラ岩を目指す。しかし眠い。

 岩場が空いているうちにマラ岩のレギュラー5.10cをアップで登ることにした。S木さんも登ってみるとのことで、トップロープを張る。S木さんにとっては限界グレードを越えているけれど、テンションを交えつつトップアウト。極端なカチもなく適度にホールドが続くこのルートは、S木さんには一つの目標にしても良いかも。
 続いて、S木さんが川上小唄5.8をリードで登る。左にちょっとトラバースするところで惜しくもチョンボしてしまったが、その後はするすると登っていた。

○ノーモアレイン5.12a 1便目(通算5便目) ×
 私は昨年からやりかけになっている妹岩のノーモアレイン5.12aをやることにした。しかし、眠くて眠くて身体に力が入らず、どうせろくに登れないことがトライ前から分かる。
 出だし部分が湿気っているけれどテンション交じりでヌンチャクをかけていく。中間のハング越えで苦労し、その後のスラブ部分でもっと苦労して、ヌンチャクを掛け終わる。

 S木さんが姉岩にあるた・タんか5.10aとうさぎと踊る女5.10aをトライしたあと、再びノーモアレインに戻る。

○ノーモアレイン5.12a 2便目(通算6便目) ×
 ほとんどヌンチャク回収のための便だが、ハング下まではノーテンでいけた。その後は、前便と同様テンションしまくりながら終了点へ。いつか調子のよい時にトライするとしよう。

 翌日にセレクションを登ることにしているので、クラックに慣れておこうということで、持ってきたカムをいくつもぶらさげて龍の子太郎(2P)5.9,5.8NPを登ることにした。慣れないクラックは、フェイスでは何でもないグレードでも大変だし怖いのなんの。
 それでも何とか1ピッチ目を登り、S木さんもフォローで続く。つぎの2ピッチ目も苦労するも登る。龍の子太郎は2年前にも登っているけれど、まるで慣れないものだ。
 まだ時間があったので、同じグレードの愛情物語5.8NPを登って、トップロープでS木さんにも登ってもらった。今日はこれでおしまい。

 キャンプ場に戻り、ビールを飲みつつ、野菜を加えたパスタをメインに夕食を済ませる。翌朝はセレクションに早く取り付きたいし、寝不足もあって早々に就寝。

■7/28(土) 屋根岩2峰セレクション

 5時に起床。レトルトの朝食を済ませ出発し、屋根岩2峰を目指す。途中、5峰に行くというO形さん達に会う。
 セレクションの取り付きに着くと、まだほかに誰もいない。我々が一番に取りつけることになったが、人気ルートだからじきに人がやってくるだろうと思っていたら、準備中に何人もやってきた。
 結論から言うと、私のオールリードで登った。S木さんはずっとフォローだったけれど、良い経験にはなったと思う。私も小川山に来ている割には、こういうマルチピッチルートには行ったことがなかたので、一度は登っておきたかったのだ。

○屋根岩2峰セレクション(5P)5.8
1P目
 日本100岩場には6ピッチとあるが、1~2ピッチを続けて登った。出だしの1ピッチ目部分は数メートルのクラックだが、2ピッチ目部分はずっとスラブが続く。事前によく調べていなかったので、途中でヌンチャクが足りなくなり、最後は使わないカムのスリング部分とビナでランナーをとった。スラブはやっぱりイヤだなあ。

Imgp5678
2P目
 右手に見えるちょっくストーンをくぐってチムニーをよじ登ると、その奥がテラス状でピッチを切る。
3P目
 木登りから頭上の大フレークを目指し、確かハング状の脇を通って、2つ目の灌木でピッチを切る。ぐいぐい登れる快適なピッチ。
4P目
 灌木から少しクライムダウンし、下の灌木の間を抜けて、左にあるハングした岩の下縁の広い隙間にカムをとりながら左にトラバースしていく。見た目よりも易しい。
5P目
 最後のピッチは、Vの字にクラックが左右にあるが、オリジナルラインらしい右ではなく左を上がると、広いところに出る。いい眺め。

Imgp5686

 こんな感じで私が終始リードして登り終えた。S木さんはフォローだったけれど、もっと登れるようになってからここを再訪した時にぜひリードしてほしい。
 下降は、5P目の支点にも使った枯れた木にかかったスリングで懸垂下降。50mロープでちょうど足りるくらいだった。
 時刻はまだ昼前なので、取り付きに戻って少し休んでから水晶スラブあたりで登ろうと少し下山する。水晶スラブの隣りにひょっとこ岩というのがあり、そこにある精神カンテ5.10aを登る。けっこう悪いのでS木さんにはリードではなくトップロープで登ってもらう。
 私は隣りにあるダウト5.11aもやってみるが、最初の便は出だしのラインを間違っていたようだ。テラスから上の部分が核心のようで、あれこれトライしている時に誤ってメガネにロープが当たって落としてしまう。
 落としたメガネを2人でさんざん探したけれど、どういうわけか見つからない。昨夏も岩を登っていてメガネを落として失くすという全く同じことをしでかしていて、これで2度目だ。モチベーションがさがってしまい、ダウトは登れないままヌンチャクを回収する。
 ちょっと早いけれど、荷物をまとめて帰ることにした。帰路は内山峠経由で下仁田ICから上信越道~関越道と走り、S木さんを私の自宅近くの駅まで送った。高速道路ではところどころ小渋滞。
 今回、ノーモアレインはまたも登れなかったけれど、セレクションが登れたので良しとしよう。
 帰宅したのは夜10時過ぎ。しかし、このまま家のベッドで眠れるわけではない。急いでシャワーを浴びて、古いメガネを取り出し、枕を持って再び車に乗る。つづきはつぎの日記へ

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