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八ヶ岳・天狗尾根 積雪期登山

2013.3.8()夜~10()

 所属山岳会の人達と八ヶ岳の天狗尾根を登ってきた。このところの春の陽気を感じる暖かさが続く中で八ヶ岳に向かったのだが、その八ヶ岳でもそれほど寒い思いもせず登山ができた。けれど、天狗尾根を登り終えてからシャリバテでヘロヘロになってしまったのは今回の反省点。

 今回の山行は、会に入会して1年未満くらいの人たちに雪山登山の体験をしてもらうという企画の一つだ。1月には赤岳鉱泉から行者小屋を経て赤岳に登る山行がありそれにも参加した。

 今回も10数人と人数が多いので、私を含む天狗尾根のパーティー(A)と真教寺尾根P(B)、杣添尾根(C)3つに分かれて登ることになった。

 私個人としては天狗尾根を7年前の10月に登ったことがあるが、積雪期に登るのは今回が初めてだ。

○前夜発

 前夜発ということで、金曜日夜のうちに八ヶ岳の近くまで行って泊まることにする。

参加者は3班計14人だけれど、車を出せるのはMZ谷さんと私の2台だけなので、車に乗りきれない人は電車で向かうことになった。

荷物の受け渡しなどもあり韮崎駅に寄ったあと、A班とB班の計9人は「道の駅南きよさと」に移動してテント泊。C班は某駅で仮眠するらしい。

道の駅に着いた我々は、深夜1時に就寝。起床は4時半としたので、3時間ちょっとしか寝られないけれど、明日の行程を考えるとゆっくり寝ているわけにもいかない。

9()

○出合小屋へ

 4時半に起床。荷物をまとめて、車で美し森の駐車場に移動する。天狗尾根に向かうA班と真教寺尾根に向かうB班に別れて、610分頃それぞれ歩き出す。

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 A班は5名。MZ谷さんをリーダーに、MY田さん、NG野さん、N島さんと私。しばらく川俣川左岸にある雪の残る林道を歩いていく。堰堤をいくつか越えるようになると川床を進むようになる。トレースがあるのでそれを辿って行けば良いのだが、そのトレースの中でも踏まれて固くなっているところはほんの狭い幅だけのようで、それをわずかでも外すとズボリと足が沈んでしまう。これが続くと結構疲れる。N島さんは何度も雪に足がはまっていて大変そう。けっこう体力を消耗するはずだ。

 8時半頃に出合小屋に到着。高根山岳会という地元山岳会によって管理されている小屋だ。7年前に来た時にもここを利用させてもらった。

P3090013

 当初の予定では、このまま天狗尾根を登って、主稜線をツルネ側に行ったところにあるキレット小屋でテント泊して、翌日、真教寺尾根を下る計画だった。

しかし、N島さんの体調が思わしくないため、N島さんは出合小屋で待ってもらうことにして、残った4人で天狗尾根を登ってその日のうちにツルネ東稜から出合小屋に下山してくることにした。

 そのため、寝袋などの不要な装備は全て小屋にデポしていくことにしたので、背中の荷物は大幅に軽くなった。結果的にこれが良かった。泊まりの装備を全部背負って天狗尾根を登るというのは相当に大変なことになっていただろう。

○天狗尾根

 N島さんは小屋の中で寝袋に包まって休むことにして、天狗尾根に向けて9時過ぎに4人で出発。トレースを辿って少し行くと赤岳沢への出合だ。そのまま行くとツルネ方面に行ってしまいそうになる。赤岳沢へのトレースはうっすらと残るものの、少なくとも今日は先行者はいない様子。

 赤岳沢をしばらく詰めてから天狗尾根に取り付くとは分かっていたものの、10分ほどで尾根に向けて上がっていくトレースを登って行く。今更戻って沢を詰めても面倒なので、このまま尾根を上がって行くことにした。だんだんと雪が深くなってくるので、小屋から先頭を歩いていた私はラッセルを替わってもらう。

 斜度があるせいか、ラッセルもヒザより高く感じる。途中でハーネスとアイゼンを装着する。あらかじめ決めておいた周波数でB班と無線交信して、こちらの班の状況を伝える。当初はA班も真教寺尾根を下降する計画だったので、いずれB班と合流するはずだったのだが、ツルネ東稜から下降するので、それがなくなったことを伝えておかないといけないし。MZ谷さんも無線機を持っているが、私も持っている。もちろんきちんと無線局の登録をしている。

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そうやって少しずつ高度を稼いでいき、樹林帯を抜けて、大小二つの岩塔が立つカニのハサミに着いたのは12時半頃。3名は左から巻いたけれど、私はハサミの間を抜けて向こう側へ。Ⅲ級あるかどうかの易しい岩登りなので、せっかくだから真ん中を抜けたほうが良い。

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 第一岩峰に着く。7年前にもこの岩峰のどこかに取り付いて登ったはずだ。岩峰の左側にトラバースするように踏み跡が続いているのでそれを辿って行くと、踏み跡が切れ落ちたところに行き当たったので、右上に見える岩斜面を登ることにした。トラバース中、どこからでも登れそうに見えたけれど、いずれにしても岩を登って上部に抜けないといけないのだ。木のある小テラス状の場所なら待機できるので、そこでロープを出して私がリードすることにした。岩にはほとんど雪が付いておらず寒くもないのでグローブを外して素手になる。焼き石で登る冬の二子と比べたら岩はぽかぽかだ。

 どこでも登れそうなのだが後続のことも考えて、なるべく段差状の易しいラインを求めて登っていったので、多少じぐざぐしてしまったけれど、50m近く登ったところで太い木で支点をとる。もう1本のロープを連結して、3人が間隔を保ちつつフォローで登ってきた。

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 ここからは再び踏み跡がある。おそらくもっと手前から岩を登ってこの上部の踏み跡に出るのだろう。踏み跡から第一岩峰を回り込むとその向こうに新たな岩峰が現れた。第二岩峰のはずだ。第二岩峰を右から巻くように行くとその背後にもう一つ岩峰が現れる。これが大天狗だ。14時半頃。大天狗は右から巻けるけれど、直登もできるらしい。MZ谷さんとMY田さんは右の巻き道へ。念のためロープを持って行く。私とNG野さんは直登ラインへ。

○大天狗

 左上に緩い斜面を登って行くと、ハーケンとスリングのビレイ支点があった。そこでNG野さんにビレイしてもらい、私がリードする。岩場を登って行くと、凹角状の数メートルほどのちょっと立った岩がある。取り付いてみるとガバがたくさんあり、ぐいぐい登って行ける。せいぜいⅢ級程度。

そこを越えると大天狗の反対側が望める。小天狗の岩塔も見える。下を見ると数メートル下に踏み跡がある。それを辿れば小天狗への鞍部に下りられるようだが、その踏み跡までクライムダウンするのがちょっと危なそうだ。大天狗の上をそのまま辿るとハーケン3枚にロープが結ばれた懸垂支点があったので、ここでフォローをビレイ。この時、真教寺尾根を登っているB班が我々を写真に撮ってくれていたらしい。

支点にロープを架けて懸垂下降する。50mロープ折り返しで、25mでぎりぎり緩い斜面に降り付く。最初からクライムダウンするのはさすがにちょっと危ないだろう。

大天狗を巻いたMZ谷さんとMY田さんが鞍部で待っているところに合流。向かいの真教寺尾根にはB班がいるはずで、それらしい人影もあった。

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(↑左が大天狗。ピークにいる人影は私らしい。真教寺尾根のB班撮影)

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(↑小天狗との鞍部にいるMZ谷さんとMY田さん)

○ツネル東稜

日暮れを考えるとあまりのんびりとしていられない。小天狗を巻いて最後のひと登りをすると主稜線の登山道に出た。赤岳から権現岳に向かう登山道だ。赤岳の山頂を往復している時間も体力的余裕もないので、ツルネに向かって下って行く。

今回、私の行動食は菓子パンとチョコレートで、休憩のときに食べていたのだが、このチョコレートが良くなかった。板チョコをばりばりとかじっていたのだが、お腹が気持ち悪くなってしまったのだ。

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ツルネに向かう途中から気持ち悪さが増してきて、空腹になっているはずなのに食べる気になれなかった。ほかにもパワーバーやカーボショッツまで持っていたというのに、胃がムカついて口にする気になれなかった。そのため、エネルギーが切れたように身体に力が入らなくなってきた。だんだんと夕暮れが迫る稜線は風があって寒い。MZ谷さんやMY田さんが心配してくれているのが分かり申し訳ない。フラつく感じでゆっくりと歩いていく。

水分摂取も足りていなかったのだと思う。500mlのテルモスは持っていたのだが、プラティパスに入れた水は小屋に置いてきてしまったのだ。

 キレット小屋近くで休憩した際に、MY田さんにロープを持ってもらった。すみません。ひと登りでツルネの山頂に着く。そこからは東稜を下って行けば良いだけだ。樹林帯の中に入って行くと風も遮られる。暗くなっていく中、東稜を下りていく。ここは登山者が入っているようで、トレースがしっかりある。やがてヘッドランプを点ける。バテバテの私は頻繁に休みながら下って行く。MZ谷さんによると、ハンガーノックという状態らしい。要は車でいえばガス欠だ。山用語ならシャリバテか。テルモスのお湯が尽きてしまったので、MY田さんの水を分けてもらう。

 急だった下り道もやがて緩やかになると、平坦なところを延々と歩くようになる。真っ暗なので先の様子が分からないが、ずっと先を歩くNG野さんの灯りが見えるので、出合小屋はまだ先なのだう。

○出合小屋

そうして19時頃にようやく小屋に着いた。近くには数張りのテントがある。我々が帰るのを小屋の中で待っていたN島さんは調子がだいぶ回復したらしい。といっても、到着した時の私はそれどころではなく、小屋の板張りの上に横たわると、再び起き上がる気になれなかった。MZ谷さんが外でテントを張っているようだ。N島さんが沸かしてくれた飲み物を少しずつ飲む。温かい。水分を摂ると少し回復してきた。小屋の中には数名の登山者がすでに休んでいた。

夕食はテントの中で取ることにした。起き上がるくらいに回復した私もテントに移動する。夕食の担当はMY田さんで、通称MY田鍋というのが美味しいと聞いていたので楽しみだ。

どっさりと鍋の具が袋から出てくる。すごい。ネギやシイタケなどはカットされてるし、豚バラ肉は下茹でまで済ませてあるという。そのままでは煮崩れするからと、お餅を油揚げに入れる。生ニンニクもスライスして加える。最後は雑炊でしめる。準備が大変だったろう。おかわりごとに次々と異なる具の鍋を食べて、バテバテだった私もすっかり回復できた。MY田さん、ありがとうございます。

満腹になってお酒も飲んで、一日頑張って歩いて疲れたので寝袋に包まって寝る。

10()

 6時に起床。今日は美し森に下りるだけなので気楽だ。NG野さんが用意した朝食はうどん。小屋の中で食べてから、出発の支度を済ませる。行きではずぼずぼと雪にハマっていたので、帰りはワカンを付けることにした。トレースを辿って美し森へ。振り返ると山の上はまっ黒な雲に覆われている。昨日のうちに山から降りてきて正解だった。

 真教寺尾根から下りてくるB班はもう下山しているらしい。美し森の駐車場に帰着した我々は、車でサンメドウズスキー場へ。スキーかあ。7年くらい前まではちょこちょこスキー場に行っていたけれど、今のように登山やクライミングに行くようになって、すっかりスキーからは遠ざかってしまった。

下山していたB班の人達を車2台に乗せて、甲斐大泉にある温泉施設へ。お風呂に入ってさっぱり。2台の車はここで解散。

地図を見て、近くに中村農場という鶏肉や卵を使った料理が美味しいお店に行くことにした。このお店は昨夏、T沢さんに連れられてきたことがあるのだが、濃厚な卵が美味しかったことを覚えている。前回食べた親子丼を今回も食べる。

まだ午後も早い時間なので中央道も渋滞無しで走れた。皆を駅や自宅まで送ってから帰宅。今回、シャリバテしてしまったけれど、無雪期に続き、積雪期の天狗尾根も登ることができて良かった。

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