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北ア 4/27槍ヶ岳(小池新道 途中敗退)・4/28西穂高岳・4/29右俣谷(滝谷出合手前まで)残雪期登山

2013.4.26(金)夜~29日(月)
 ゴールデンウィークの前半、所属山岳会の人達と北アルプスの槍ヶ岳を目指した。
しかし、大量の降雪のため、槍ヶ岳には遠く及ばず初日での敗退となった。
残った日数で、西穂を登ったり、槍平に至る右俣谷を歩いたりした。

想像以上の降雪で撤退は仕方ないけれど、余力を相当残して終わってしまったので、不完全燃焼の山行となったのは残念。

 さて、先々週に北ア五竜岳の遠見尾根に登ったけれど、これは会に入会して1年未満くらいの人達に雪山登山を体験してもらうという企画の一つで、今回の槍ヶ岳登山はその総決算となる計画だ。
 人数が多いので、3パーティーに分かれ、一つは上高地から横尾尾根を経て槍ヶ岳を目指し、もう一つは新穂高から中崎尾根を経て槍ヶ岳を目指す。私のいるパーティーは、新穂高から小池新道~双六岳~西鎌尾根を経て槍ヶ岳を目指す距離あるルートだ。

■4/27(土) 小池新道で敗退
 前夜、車3台に分乗して各車北アルプスに向かう。上高地から入山する横尾尾根パーティーのメンバーを沢渡(さわんど)で降ろし、新穂高にある深山荘の無料駐車場へ。天気予報では今夜から明日27日にかけてかなりの降雪があるとのことで、すでに雪が舞っている。安房トンネルを抜ける道中もうっすらと雪が積もりつつあり、すでにノーマルタイヤに替えてしまっていたので、慎重に運転する。
 雪の降る中、中崎尾根Pと西鎌尾根Pの計10人で、テント泊と車中泊に分かれ仮眠。

 翌27日朝、少し雪が積もっている中、荷物をまとめ出発。中崎尾根に向かう5人Pとすぐに別れ、我々小池新道~西鎌尾根Pの5人は左俣谷に入って行く。S藤さんをリーダーに、HGSさん、S旗さん、N島さん、私の5人。

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 ヤマテンの予報では30㎝くらい降雪があるとのこと。降りしきる雪の中、確かにそれくらいの雪が新たに積もっている感じだ。先行するスキーヤーのパーティーのトレースと辿りながら、中崎橋、わさび平小屋と過ぎていく。林道が中崎尾根側に渡る橋のところでスキーヤー達が立ち止っている間に、我々は小池新道方面の雪面に入って行く。小池新道といっても、夏道が分かるわけはなく、深雪をラッセルしながら進んで行く。ラッセルの深さはヒザどころではなく、腿さらに腰くらい。ある程度ラッセルすると先頭は疲れるので、順次2番手が先頭になってラッセルを繰り返す。
 最初の休憩は歩き始めてから2時間後だったけれど、深いラッセルが始まってからは全員で休憩を取るということはせず、先頭ラッセルを終えたものは休憩してから列に追い付くという形になった。

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 ガスっているので遠くが見渡せないが、時々ガスが薄くなった際に見える遠方の地形や、地形図とコンパスから判断して進む方向を判断する。
 ワカンを持ってきていなかったのだが、あってもなくてもあまり変わらなかったかも。それよりもストックは大いに役に立った。ピッケルよりもストックを前方に刺してそれを引き寄せるようにすると次の一歩を出しやすい。
 途中、デブリの上を通過した。冷静に考えれば、降雪中はもっとも雪崩の危険が高いのは雪山に入るものの基本。
 地形図を見ながら、秩父沢があるらしき凹状部を通過する。左手の山側斜面からいつ雪崩が襲ってきてもおかしくなかったのだろう。
 秩父沢を過ぎ、ほぼ真北に進路を取りながら小池新道があるはずの前方の沢に入って行く。もちろん雪で覆われている。沢の最底部を行くのではなく、左斜面側を辿って行った。
 プロトレックで高度を見ると1時間で100mほどしか上がっていない。この積雪のラッセルではなかなかはかどらないのは仕方ない。

 午後2時頃、標高1,900m付近の左斜面岩場基部で、リーダーが撤退の判断をする。当初の予定では双六小屋まで行くはずだったが、それどころではなく、今日中に鏡平まで行けるかどうかも難しい。しかも、鏡平に至るには夏道では、前方の大きな沢を西から東へとトラバースするように上がっていくことになる。雪崩が危険だ。3日間の日程では、頑張れば双六小屋くらいは往復できるかもしれないが、槍ヶ岳は無理だろう。
 リーダーのS藤さんは、ラッセルしながらも様々に考えていたはずで、これ以上前進すべきか引き返すべきかというところで撤退の判断をしたわけで、ここはもちろんリーダーの判断を尊重して下山することにする。
 少し前に付けたトレースも新たな降雪で埋まりかけている。うっすらと残るトレースを目で追いながら進んで行くも、途中でトレースが途切れていた。どうやら雪崩れてトレースが埋まったようだ。少しラッセルするとまたトレースが現れる。規模の大小はあれ雪崩が頻発しているのだ。少しずつ天気が回復してきて、視界がきくようになってきた。振り返って下りてきたトレースを見ると、つい5分ほど前に付けたトレースが雪崩れて消えている。
 下って行くと、横切る右手斜面の沢という沢から雪崩れたデブリが堆積している。小さなものなら巻き込まれても埋まることはないのかもしれないが、大きな雪崩跡はトレースのずっと下まで続いていて、そのボリュームも大きい。これに巻き込まれていたら完全に埋没していてもおかしくない。
 雪崩れた瞬間をみることはなかったけれど、登ってくる際に付けたトレースが随所で埋まっているのを見て、あそこまでラッセルして登っただけでも、雪崩の危険の中、十分だったのだろう。
 下山後に知ったのだが、この日北アルプスでは白馬岳の大雪渓で雪崩遭難事故は発生したり、横尾から先では入山規制をしていたそうだ。

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 わさび平小屋の前に着いた頃には空が晴れてきていた。今日はここでテントを張る。

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 テントの中で話し合って、今後の行動を相談する。とりあえず再び小池新道を辿るという選択肢は無くなった。明日早々に新穂に下山して解散という雰囲気になってきたのだが、まだ槍ヶ岳を目指して登っているはずの中崎尾根Pや横尾尾根Pもいて、計画では彼らも29日には新穂に下りてくるのだ。
 残り2日間をどう過ごそうかと相談して、このまま東京に帰るのはもったいないと考えていた私は西穂に行こうと提案した。これにHGSさんとS旗さんが乗ってくれたので、急きょ西穂に転進する計画を決めた。
 西穂そのものは、5年前のやはりゴールデンウィークに滝谷4尾根を登った後に西穂まで縦走したことがある。今回、好天は確実だし、他の登山者もロープウェイを使ってたくさんいるだろうから、槍ヶ岳に比べたら本当にお気楽スノーハイキングになるのは分かっていたけれど、槍ヶ岳に行けなかった悔しさを少しでも薄めるため、高いところに行きたかったのだ。

■4/28(日) 西穂高岳登山 & 雪洞掘り
 西穂ロープウェイが動き出すのは8時くらいだろうと考え、4時に起床に朝食を済ませ新穂まで下山する。S藤さんとN島さんはこの日のうちに東京に帰るとのこと。
●西穂へ
 にわかリーダーの私とHGSさん、S旗さんの3人は、動き出したロープウェイに乗り込む。登山者姿のほか、普通の格好をした人達もたくさんいる。前日の降雪が一転、空は晴れ渡っている。ロープウェイからは前日ラッセルした小池新道のある谷が眺められる。遠方からも雪崩れた跡があるのが分かる。やはり危険地帯の中にいたのだ。
 2つのロープウェイを乗り継いで山頂駅へ。そこから小1時間ほど歩いて西穂山荘に到着。山荘前にはテントがいくつも張られ、登山者でごった返している。

 テントや寝袋など不要な装備を袋に入れて山荘前にデポして、西穂山頂までの往復に出発。多少風はあるけれど、荷物は軽いし、晴れ渡っているし、本当に気楽は山歩きで、春山ジョイっていう感じだ。

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 1時間ほどで独標に到着。西穂まで行かず独標で引き返す登山者が多いようだが、西穂方面に行く人ももちろんいた。独標北面が危険という情報が独り歩きして、ここから先に足を延ばすのをためらう登山者も多いのかもしれないけれど、北面を見下ろしてみれば、ただの階段状のところを下りるだけだ。時間はまだまだ早いので我々はもちろん西穂に向かう。

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 ほかの登山者を見ていると、アイゼンも6本爪程度の人達もいて、おっかなびっくり歩いている様子。慣れない人こそしっかり前爪のあるアイゼンを履いて歩いたほうが楽だと思うのだが。
 あと、ガイド登山なのだろうか、ロープを腰に結んで後ろの人に繋がれて歩いている登山者もいた。何でもないような緩い斜面でもロープを結んだまま歩いている様子は、まるで犬の散歩のようで人間としての尊厳は…、とちょっと思ってしまった。
 下降する緩斜面でお客がバランスを崩した際にロープを張って確保するのだろうが、斜面をトラバースしている場面を見た時は、万一お客が滑落したら、前方向から下方向に引っ張られてそのまま引きずりこまれるだろう。ほとんど形だけの確保にしか見えなかった。
 そんな光景も見ながら、ピラミッドピークを越え、西穂の山頂に到着。前穂から明神岳も見え、西には加賀白山。乗鞍岳の先には御嶽山も少し見えた。中央アルプスや南アルプスも。

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●雪洞を掘る
 西穂山荘に帰着してから、今夜の寝床を作る。テントを持ってきているが、時間もあるし雪洞を掘ることにした。
 山小屋の近くに掘るため、黙って勝手に掘るワケにはいかないので、きちんと山小屋の人に雪洞を掘る旨を伝えたら、今後除雪車が入る可能性があるので、掘るなら夏期の診療所となる建物脇の斜面に掘ってくれと言われた。そして、幕営料と同じく一人500円を払う。テントを張らず、穴を掘って寝るのにもお金はかかるのだ。ショバ代だからね。
 私は以前所属していた山岳会時代には、登山中に何度か雪洞を掘ったことがあるのだが、かれこれもう5年も掘っていないので、今日はよい機会なのでぜひ掘ろうと考えていた。HGSさんもS旗さんも雪洞を掘って泊まった経験がないとのことで、よい練習になるし。

 N島さんに借りたスコップ1本とスノーソーで作業開始。独標から山荘に下りてくる複数のトレースの一つが近くにあるので、斜面の上から人が浸入してこないようにストックをクロス状に雪に刺して立ち入り禁止の意思表示をする。雪洞を踏み抜いて、人が落ちてきたら大事だからだ。
 それから入口となる横穴を掘っていく。スコップが一つしかないので、掘り出した雪をさらに遠くに捨てるのに手間がかかる。最初は3人で交替しながら作業したけれど、効率が悪いので、私とS旗さんで雪洞を掘り、HGSさんには雪を融かして水づくりをしてもらうことにした。山荘で水を得られるけれど有料だし。

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 ある程度横穴を掘ってから、少しずつ横にも掘って居住スペースを広げていくのだが、少し掘った奥のところで固い氷の層にぶつかってしまった。スコップをたたき込んでも歯がたたない。融解と凍結を繰り返したらしい氷の層がバウムクーヘン状に幾重にも重なっているようだ。スノーソーで切れ目を入れていくのだが、スノーソーの歯を食い込ませていくだけでも大変なほど固い。二人で交替しながら少しずつ氷の層をブロック状に切りだしていく。こんなのがずっと奥まで続いていたらどれだけ時間がかかるだろうか、ちょっと心配になったが、根気よく氷を切っていく。
 氷の層は幅は居住スペースいっぱいにあるが、奥行きは20㎝ほどしかないことが分かり、その奥は再び雪になっていた。二人の身体が雪洞に入るようになると、スコップとスノーソーを同時に使えるので作業も捗る。
 床面も氷った部分がありこれもスノーソーで削った。天井は水滴が落ちてこないようにドーム状にきれいに均したかったのだが、固いところもあるし疲れてしまったので、適当なところで止めておいた。
 掘り始めて2時間20分。氷の層がなければ、1時間近くは縮める自信はあったのだけれど。とりあえず3人がぎりぎり寝られそうなスペースが確保できた。テントの本体と銀マットを中に敷いて荷物を運び込み、入口はフライシートで覆ってピッケルで固定した。フライシートのチャックを開けると中に入れるというワケだ。

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 お酒を飲みながら夕食を作る。本日の夕食担当はS旗さんで、仙台麩や春雨を使った料理が美味しい。調味料は味の素の鍋キューブというもので、これは重宝しそうだ。
 明日はロープウェイの運航開始に合わせて、山頂駅に下りるだけなので急ぐ必要がない。寝ている間、上から水滴がポタポタと顔に落ちてくるのにはまいった。起き出して天井の雪を削って水滴が落ちてこないようにしたけれど、もっと天井をきれいに作らないとこういうことになる。

■4/29(月) 右俣谷を歩く
 5年ぶりに雪洞で過ごした翌朝、朝食を済ませて荷物をまとめる。スコップで雪洞をつぶしてからロープウェイ山頂駅へ下山。9時前くらいにロープウェイが動き出す。新保高温泉に下りてくる。メールチェックすると、横尾尾根Pは予定どおり槍ヶ岳に登れたらしい。いいなあ。中崎尾根Pのことは書いてなかったので不明。
 いったん駐車場に戻る。中崎尾根Pも横尾尾根Pも、計画通りなら本日中に新穂に下りてくることになっている。我々だけ先に帰ってしまうこともできるが、私の車にはあと2人乗れるので、彼らを待とうと考えた。それでも車3台のうち1台はすでに東京に帰っているので、計算上2人はバスか電車で帰らなければならなくなるのだが。
 さて、彼らがいつ下山してくるか分からないので(翌日も予備日としてあるのでこの日のうちに下りてくるという保証もない)、槍平に向かう右俣谷を歩いて彼らを迎えに行こうと、HGSさんとS旗さんに提案した。
●右俣谷
 S旗さんは足のマメをつぶして痛むということで新穂で待つことになり、私とHGSさんとで行くことにした。
 快晴のもと、林道を歩いていく。道端にはフキノトウが芽を出している。山菜にはまるで詳しくない私だが、HGSさんに教えてもらってあまり芽が開いていないフキノトウを摘む。天ぷらにしたりすると美味しいのだ。
 だんだんと林道にも雪が出てくる。上から下山してくる人もいて、聞くと今朝槍から下りてきたと言う。穂高平小屋や白出沢を越えていく。なかなか横尾P達と落ち合わない。本当に下山してきているのだろうか。
 S旗さんを待たせていることもあるし、どこまでも歩いていくわけにはいかない。3時間近く歩いた12時半頃、標高約1,650mの滝谷出合手前のチビ谷付近で引き返すことにした。

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 帰り道、白出沢を渡るところでトレースを間違え20分ほどタイムロス。新穂に向かってどんどん戻っていき、新穂に着く直前で知った顔ぶれが前を歩いているのを発見。我々が白出沢で迷っている間に行き違ってしまったのだ。
 無駄足みたいになってしまったが、5時間くらい散歩できたし、彼らと合流できたので良かった。HGSさんはとにかく健脚だった。
●帰途へ
 ずっと待っていたS旗さんと駐車場で落ち合い、計12人で帰りの交通手段を相談する。2台の車に乗れるのは5人ずつ10人までなので、2人には電車やバスで帰ってもらうことになった。
 平湯からバスが出ているので、まずは私が2人を平湯に送ることにして、その間に他の面々は深山荘の温泉に入って待つことに。
 私は2人を平湯に送って、トンボ返りで新穂に戻り、急いで深山荘の温泉に入った。ゆっくり浸かってはいられなかったけれど、3日間の汗を流してさっぱりした。
 2台で平湯に移動して食堂へ。10人全員ともカツ丼を注文。上信越道~関越道で帰るF士車と別れ、私の車は中央道へ。H光さんやS旗さんに運転を替わってもらう。大月から先で18㎞の渋滞とあったので、これくらいなら渋滞に突っ込んでも良かったのだが、都留ICで下りて山中の抜け道を走って渋滞を回避。22~23時ころに同乗者を駅や自宅に送ってから帰宅。ああ、疲れた。

 今回、槍ヶ岳にとどくずっと前に敗退となり残念な結果となった。これについては、降雪時に入山しないとかコースの変更など反省すべきことはいろいろあるだろう。
 冒頭に書いたように不完全燃焼に終わってしまったが、3週続いた雪山登山は今期はこれで終了。さて、5月からの山行計画は…、それもその都度このブログにアップしていこう。

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