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瑞牆山 十一面岩正面壁 ベルジュエール(7P目まで)

2013.8.31(土)
 瑞牆山十一面岩正面壁にあるマルチピッチルート・ベルジュエールを登った。
時間切れのため全9ピッチ中、7Pを登ったところで登攀を終えたので完登はならなかったが、ルート自体はフェイスに始まり、クラックありチムニーありの変化に富んだものだ。

■8/30(金)夜
 ウイルス性胃腸炎という診断を受けて体調が悪いにも関わらず、予定どおり瑞牆に行くことにした。同行は所属山岳会のO田さん。別途、H明さん、S原さん、M上さんの3人組がカンマンボロンのワイルド・アット・ホームを登るということで、今夜合流することになっている。
 当初は、O田さんと北アルプス方面の岩場に行く計画をしていたのだが、秋雨前線や台風接近の予報から、晴れが見込める瑞牆に行くことにした。そこで、先週H明さん達と行って雨で登り損ねたベルジュエールに登ろうとO田さんに持ちかけたワケだ。H明さん達は八ヶ岳の大同心を登る予定だったらしいが、やはり瑞牆に変更した。
 塩川ダムでテントを張って泊まったのだが、H明さん達はお酒を飲み始めたけれど、体調が最悪の私はすぐに横にならせてもらった。しかしなかなか寝付くことができず。

■8/31(土)
○蜂に刺される!
 4時半に起床。カンマンボロンに向かうH明さんパーティーと別れ、我々は植樹祭広場へ移動する。踏み跡を辿って行くが、途中で少し道に迷う。踏み跡は途中2ヵ所現れる二俣をどちらも右に取るのだが、その先でさらに右に入って小さな沢を渡ることになる。この右に入るポイントが早いと高野聖(初段)という課題のある百鬼夜行というボルダーに至ってしまう。もう少し先まで歩くと大きなスラブボルダーが現れるので、その手前を右に入っていくのが正しい。
 ここで迷っている間、ザックを下ろして休憩して再び背負う際にお尻を蜂に刺された。刺された瞬間は何事が起きたか分からなかったが、すぐに蜂に刺されたようだと分かった。ピシッと痛みが走り、その痛みが大きくなってくる感じだ。ポイズンリムーバーという毒を吸い取る道具を救急セットに入れていたので使ってみる。これで本当に毒が吸い出せるのかは分からないけれど。あとは、以前処方されて残っていた薬を塗った。これらの処置のおかげか、刺された患部が広範囲に腫れるというのは避けられたようだ。それでも歩いているとお尻が痛む。泣きっ面に蜂とは正にこのことだ…。

○ベルジュエール
 末端壁からガレ場を登ってようやく正面壁に到着。他には誰もいない。O田さんにベルジュエールの取付きはここだと教えてもらう。見上げるとハンガーボルトが打ってあるのが見える。準備を済ませ、8時過ぎに登攀開始。結果的には冒頭書いたとおり、全9ピッチ中、7P目まで登ったところで時間切れのため止めた。また、7ピッチ全て私がリードして登った。

P83100071p

(↑1P目を見上げる)

1P目(5.11b)
 ウイルス性胃腸炎のうえに蜂にも刺され、身体に力が入るかというと入らない。まずは、出だしの台を登る。もう少し登ると最初にボルトに届く。頭上に迫るハングは右から抜けるらしいが、持ち良いホールドを辿るとハング左下に至る。ハング下を右に移るところでテンション。トンボしてハング上のボルトにヌンチャクをかける。ハングを右から抜けるとスラブ状のところを登っていく。途中ホールドが乏しいパートがあり、ここが5.11bなのだろう。無理に頑張って時間を費やすわけにもいかないので、近いボルト間隔に助けられてチョンボして突破。小ハングが頭上に迫る手前の支点でピッチを切る。左側にも支点があるのが見える。アレアレアというルートのようだ。O田さんがアブミも駆使しつつフォローで登ってくる。
2P目(5.10a)
 頭上の小ハングは下を左に辿って抜ける。右上に遠い間隔でペツルのボルトが光っているが、それは達磨バムというルートのようだ。出だしはそのペツルを使うが、左にトラバースするところが悪くやはりチョンボ。小ハング下縁に打たれたハーケンにランナーを取りながら登ると、バンドの樹木に至る。上側の樹木まで登ってピッチを切る。
3P目(5.7)
 O田さんがリードを試みるが、ガバ地帯からマントル気味にスラブ帯に出るところがちょっと悪いらしい。リードを私に交替する。スラブを登ると再び樹木がある。ルート図ではここでピッチを切るようだが、短いのでそのまま登ることにした。いくつかある樹木を辿って右上すると、凹角になった岩のうち左手の岩にハンドサイズのクラックが走っているところに至る。白クマのコル直下の5.9クラックのようだ。手持ちのカムが足りなそうなので、ここでピッチを切る。
4P目(5.9)
 白クマのコル直下のクラック。ハンドサイズで、ジャミングというほど大げさではないがとにかく快適に登れる。足もフットジャムというよりは、クラックに足を入れれば立てる。抜け出たところのピナクルでピッチを切る。

P83100174p_3
5P目(5.9+)
 白クマのコルからはルンゼを挟んで反対側にルートが続いている。登れそうなクラックが2つほど見分けられるが、ベルジュエールのルートとなる大フレークは右側。左側はアレアレアの5.12bらしい。
 白クマのコルの岩場を大フレーク近くまで歩いて移動する。大フレーク出だし垂直部分では5番など大きめのカムが使える。
 垂直部を半分ほど登るとフレークがちょっとかぶり気味になる。ここからは身体をフレークの外に出してレイバックにすると簡単だ。出だしで気前よく大きめのカムを使ってしまったので、上半部でも使う大きめのカムのカムはもうない。でも、レイバックでぐいぐい上がると大フレークの縁は垂直から横向きになってくる。縁がガバで持ちやすく、登っていて落ちる気がしないので構わずそのまま左手のテラスまで行ってしまう。テラス床面にリングボルトが2つ打ってあるので、ここでピッチを切る。テラスに腰かけてビレイ。

P8310026_2

(↑大フレークを登る私)
6P目(5.7)
 このピッチがある意味最も大変だった。ビレイ点のテラスから小さな岩を一つ乗っ越しながら左トラバースしていく。その岩の天辺に立つと壁の中に打たれた残置支点にランナーが取れる。
 トラバースから壁を凹角に入り込むとチムニーだ。幅は何十㎝だろうか。横向きになると身体が入る。チムニーのずっと上のほうにチョックストーンが嵌っているのが見える。チムニーは、上に向かってわずかに右側に傾いているようだ。
 最初、左を向いて(右手側がチムニーの奥)登り始める。途中一つだけリングボルトが打ってあるのでランナーを取る。登るにつれてチムニーが狭くなり、身動きが取れなくなってきた。カムをきめようにも、カムをきめるには幅がはるかに広すぎる。いったんクライムダウン。
 身体の向きを変えて右向きで再びトライ。やはり狭くなってきて身動きが取れなくなってきた。足と手を突っ張って、背中を数㎝ずつズリズリと上げていく。これは大変だ。息が上がる。これが本当に5.7か?
 自分の足を手で持ち上げてハイステップ状に窮屈なチムニー内の岩面に当てる。右手はチムニー外縁に届いたので、これを頼りに少しずつ身体を上げる。ようやくチョックストーンの下まで近づいた。CS下にカムが決められそうなので、5番を突っ込んでセット。これでひと安心。
 今度はチムニーの外に身体を出す。CSを掴みながら乗っ越していく。何とかチムニーから脱出できた。疲れた。しかし、CS下でランナーを取ったせいか、ロープの流れがとても悪くなってしまった。もう少し登った樹木のところでピッチを切りたかったので、ダブルロープのうち重いほうを解いて、途中の残置ピンに留めていく。
フォローのO田さんもこのチムニーには相当苦労したようだ。O田さんはサブザックを背負っているので、チムニーを登る際はスリングで足元にザックをぶら下げながら登ったそうだ。
7P目(5.10b)
 樹林帯を少し潜ったところでビレイをし直す。樹林帯から取付く7P目も出だしはチムニーのようだが、登るところを間違えたようだ。どうやら秋一番のルートで使うチムニーというか凹角を登ってしまったらしい。正規のラインは右隣りらしい。その凹角から右手に岩をトラバースし、上部垂直壁部との間に開いたフレークを伝ってベルジュエールに復帰。
 この先、ひらがなの「く」の字のようにクラックが走っていて、ここのグレードが5.10bらしい。このうち、くの字の下半部がキビしい。時間が圧しているので、ゆっくりとトライするワケにもいかないので、ここはクラックにカムやナッツをきめながらA0で抜ける。くの字上半部は易しくなり、その先にあるそれぞれカラビナがかかったボルトでピッチを切る。
 O田さんがフォローで登ってくる間、人の声が聞こえてきた。登攀を終えカンマンボロンに立ったH明さん達が我々に向かって声をかけてくれているようだ。声は聞こえるので返事をしたのだけれど、見渡してみても彼らの姿を認めることはできなかった。どこにいたんだろう?

 さて、O田さんが登り終えた時には既に15時半。朝8時に登り始めて7時間半かかっていることを考えると、さらに残り2ピッチを登るとその下降も含めて、下降の途中で暗くなってしまいそうだ。H明さん達もすでに下降し始めているはずだ。ここまでよく頑張って登ってきたことだし、多少心残りではあるが、無理をせずここで登攀終了とする。
 7P目終了点からルート取付までは同ルート下降で懸垂下降4回。1回目で7P目を下降。樹林帯を抜け、樹木にかかった支点を使った2回目で6~5P目分を下降し、懸垂下降状態のまま白クマのコル下の斜面を登り返すようにして4P目終了点へ移動。3回目で4~3P目分を下降し、4回目で2~1P目分を下降すると、ベルジュエール取付にぴったりと降り立った。懸垂下降自体は1時間ほどで済んだ。
 荷物をまとめて下山。途中、末端壁では何人かが登っていた。ここにあるクラックルートは前に少し触ったことがあるけれど、完登できたものはないので、いつか機会があればトライしてみたいものだ。キビしそうだけれど。明るいうちに植樹祭広場に帰着。私の車のワイパーにH明さんのメモが挟んであった。先に下山したらしい。

 18時半、増富の湯に寄ると、ちょうどH明さん達がお風呂から出てくるところだった。疲れた身体を温めのお湯で癒す。蜂に刺されたお尻を鏡で見てみると、刺された箇所が1㎝ほど赤くなっているだけで、広範囲に腫れあがっているということはなかった。とりあえず安心。
 塩川ダムの某東屋でH明さん達に合流し、宴会を催す。今日の行動中、私はポカリスエットとウィダーインゼリータイプしか摂らなかったけれど、少し食欲が回復したので、M上さんが作ってくれた富山料理などを堪能する。でも、量はごく控えめ。ビールもひと缶飲み切ることができず。
 暗くなってから一時猛烈な雨が降る。22時頃に寝たと思う。

■9/1(日)
 朝起き出すと空は晴れていたけれど、皆帰るというので解散することになった。晴れたのだがら、どこかでクライミングしたい気分ではあったけれど、とりあえず東京に帰ることにした。空いた中央道を走り、O田さんと別れる。
 K寅さんと連絡を取って、午後から東村山にあるTウォールに行く約束をする。

 以上、ベルジュエールの完登はならなかったので、いつか機会があればまた登ってみたい。チムニーは大変だけれど。

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