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2013年9月

山形県 黒伏山南壁 中央ルンゼ ◆東北クライミングツアー③

2013.921(土)~23(月)  東北クライミングツアー

 東北ツアー3日目は、黒伏山南壁にある中央ルンゼでマルチピッチクライミング。

■9/23(月) 山形県 黒伏山南壁 中央ルンゼ マルチピッチクライミング

 黒伏山の南壁は、「日本の岩場 上」(白山書房)や2007年の岳人誌で知ってから、いつかは行ってみたいと思っていた。今回、O前さんからあっさりとその話が出て、なかなか実現できなかった黒伏山の登攀が急に目の前に現れたワケだ。
 それに、U松さん達東北クライマーが一緒なので、岩場取付までのアプローチで迷う心配がないのは大きなメリットだ。

 前夜酒盛りをした6人は、暗いうちに起き出して、5時半過ぎには車で出発。ジャングルジャングルというスキー場の駐車場まで車で行くのだが、30分とかからない。近いものだ。スキー場の反対側に黒伏山の南壁がどーんと迫力を持ってぶっ立っているのが眺められる。あの壁を登るのだ。

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(↑スキー場駐車場。奥に黒伏山南壁を望む)

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(↑黒伏山南壁)
 南壁の左上には大ピナクルと呼ばれるピークが見える。南壁は特に上部がブッシュに覆われているところがほとんどなのだが、このピークの右下側にある中央ルンゼだけはほぼ稜線近くまで岩が露出している。岳人誌の記事では、中央ルンゼルートのみがほぼ登攀対象となっているらしい。そのほか、三十路ルートや天の川というルートもあるようだ。

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 駐車場近くから林道に入り、すぐに草に覆われた踏み跡を下りて、単管パイプで造られた橋を渡る。林道から朽ちた標識のある左手斜面を登ると、森の中に登山道が続いている。しばらく登ると、そのあとはアップダウンの少ない道になる。
 駐車場から50分ほど歩いただろうか。キビタキの池という水たまりのような凹地から岩場取付までは10分ほどだが、行きではキビタキの池に至る手前の涸れ沢から詰めて左手に進んで取付きに行った。樹林の向こうに岩場が見えるので、迷うことはなさそうだけれど、通常はキビタキの池経由で行ったほうが無難だろう。

 南壁に出ると、すぐ目の前が竜王ルンゼルートの取付だ。我々6人は、2人ずつ3パーティーに分かれて登る。ルートを知っているU松‐T村さんPが先行して取り付き、O前‐私Pが続く。3番手のH野‐T橋さんPは、3P目まで中央ルンゼルートと共通で、その後は左に分かれて三十路ルートを目指す。

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(↑中央ルンゼルート取付から見上げる)

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(↑取付で登攀の準備をする皆さん)

 先行のU松さんPは、T橋さんのリードで登攀開始。50Mダブルロープを結んで我々も登り始めたのは午前8時過ぎ。奇数ピッチを私、偶数ピッチをO前さんがリードすることにした。以下、ピッチ長、グレードは「日本の岩場 上」による。

■黒伏山南壁中央ルンゼルート 9ピッチ(5.10b)

○1P目(30m,Ⅴ+)リード私
 少し登ったところで1ピン目のランナーが取れる。中盤のピンが短い間隔で打たれたところは微妙で悪い。その後、右手に残置支点のある岩のチムニー状を登り、その先の支点まで。さらに上側にはペツルの立派な支点があるのだが、先行Pが使っているので、我々はここでピッチを切る。

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(↑1P目をリードする先行PのT村さん)

○2P目(30m,Ⅲ)リードO前さん
 ここはⅢ級なので易しかったと思う。ここを登ると三人テラスというちょっと開けたところに至る。

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(↑2P目リードのO前さん)

○3P目(40m,5.8)リード私
 右上に向かって上がり、そこからボルトが短い間隔で打たれた直上部分が悪く、足元のボルトを一度踏んで使ってしまった。そこから、左トラバースするところはフリーでイケた。このあたりが5.8ということか。抜けたところでピッチを切る。このルートはピッチ支点ごとにペツルがきちんと打たれている。前後に古く錆びたリングボルトの支点もあるけれど、探せばペツルがあるはずだ。ルート中も残置が豊富。

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(↑3P目をリードする先行PのT村さん)

○4P目(50m,Ⅲ)リードO前さん
 いよいよ中央ルンゼの中に入って行くという感じのピッチ。50mいっぱい伸ばして右上していく。

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(↑4P目リードのO前さん)

○5P目(18m,Ⅲ+)リード私
 短めのピッチ。傾斜の緩い広い斜面で、どこでも登れそうに見える。並行して登れるので、先行のT橋さん達に追いついてしまい、このあとしばらく待つ。

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(↑5P目をリードする先行PのT村さん)

○6P目(35m,Ⅴ+)リードO前さん
 脆くて崩れそうな岩がグレード以上に難しく感じさせる。右上から左上に抜けるようなラインだったと思う。

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(↑6P目リードのO前さん)
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(↑三十路ルートを登るH野‐T橋さんP)

○7P目[前半](5.8)リード私
 すぐ先に垂壁があり、ここが5.8のようだ。事前にT村さんから、ここ7P目が崩壊しているから登れるかどうか分からないと言われたけれど、U松さんによると、新たにボルトが打たれており登れるとのことだった。
 この垂壁のすぐ上で先行のU松さんPがピッチを切ったので、我々もルート図にある25mも登らず、その半分くらいでピッチを切る。
 で、この垂壁部は、崩壊前はフレーク状のガバを伝って快適に登れたそうだ。それが崩れてしまったそうだが、新たに表れたらしい左サイドが効くので、ルート図にある5.8というグレードが難しくなったという感じはしない。というか易しい。
 しかしムーブそのものよりも、冷や汗モノだったのは、垂壁抜け口の板状の岩が剥がれかけて浮いていたことだ。本を立てたように層状の岩が壁に張り付く感じであり、その一部が過去に剥がれたらしいが、抜け口の畳サイズの岩(厚みは20㎝くらいか)の中央に亀裂が入り、観音開きの扉がわずかに開きかけたようになっている。
 垂壁下から見上げると、抜け口左手がその岩で、亀裂は視認できるが、開きかけの観音開き扉だとは登った後でないと分からない。先行したT村さんに注意するよう教えてもらったから良かったものの、知らずにこの岩に手をかけたら間違いなく崩落して下敷きになっていただろう。この岩に触れないように右寄りのリップを乗り越える。
 この観音開きの岩だが、誰もいない間に自然崩落してくれれば良いけれど、あの様子では崩落も時間の問題かも。
 なお、6P目までは緩々のシューズを履いていたが、このピッチからは背負ってきたソリューションに履き替える。キツキツサイズなので、ビレイ時は脱いでおく。

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(↑7P目[前半]垂壁部を見上げる)

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(↑垂壁部抜け口の浮いた板状の岩は写真中央から右上寄りにある)

○7P目[後半]リードO前さん
 垂壁のパートで短くピッチを切ったので、残りの部分をO前さんがリードする。正午になり、先行PのU松さん達はここ7P目終了点で登攀を終えて下降すると言う。

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(↑7P目[後半]リードのO前さん)

○8P目(40m,天の川ルート)リード私
 7P目終了点から頭上には広くブッシュまじりの岩場が続いている。頭上は比較的ブッシュが少ないが、右手の方はブッシュが濃い。U松さんによると、直上するのは天の川といるルートのラインらしい。中央ルンゼのラインは右手にあると思うのだが、ブッシュが濃いので直上することにした。一か所、小ハング気味を超えるところが悪く、ペツルにかけたヌンチャクでA0して突破。チョンボは3P目に続き2回目。

○9P目(40m,5.10b)リード私
 最終9P目も私がリードさせてもらう。ここは5.10bの箇所があるらしい。
 中央ルンゼルートに戻るため、右手にトラバースしていく。ガバが豊富で易しい。そこから直上が5.10bだ。カチやパーミングなどで慎重に登っていく。ヌメる手にチョークを付けたり、ホールドにもチョークを付けたりして、核心を超えてガバをキャッチ。こうして、この5.10bのピッチはオンサイトできた。
 ブッシュ帯の中の岩にペツルが打たれているので、そこで終了とする。ルート図によると、あとは100mほどブッシュを登ると稜線で出られるらしいく、黒伏山の反対側に下りる登山道に至るそうだ。
 我々は登って来たルートを懸垂下降するので登攀はここまで。時刻は12時半頃。先行Pの待ち時間を除けば、4時間かかっていないはずだ。悪くないスピードかな。

 O前さんが先行して懸垂下降を続ける。6回くらい懸垂しただろうか。取付では、先に下りたU松さん達が待ってくれていた。しばらくしてから、三十路ルートを途中まで登ったH野さん達も下りて来た。
 往路を戻りスキー場駐車場へ。途中、登山道わきにキノコが生えていた。O前さんによると、イグチとのこと。傘の裏がスポンジ状になっているのが特徴だ。美味しいハナイグチという種類ではないそうだが、食べるためにいくつか摘んでおく。このイグチは翌朝、味噌汁の具にして食べた。トロトロした感じ。

 お世話になったU松さんと駐車場で解散。宮城県に出て、東北道へ。福島県内でこれまたお世話になったT村さんを下ろす。その後もずっとO前さんが運転してくれて、夜遅く埼玉県内でO前さんと解散。O前さんにもお世話になりました。
 こうして、3日間の東北ツアーを終了。ドライツーリングに始まり、行きたかった山寺でフリークライミング、これまた行きたかった黒伏山のマルチピッチルートも登ることができ、満足の3日間となった。
 機会があればアイスクライミングでこちら方面にまた訪れたいものだ。

山形県 山寺 フリークライミング ◆東北クライミングツアー②

2013.921()23()  東北クライミングツアー

 東北ツアー2日目は、観光名所・立石寺で知られる山寺の奥にある岩場でフリークライミング。

9/22() 山形県 山寺 フリークライミング

 行った人の話だと、山寺など東北のグレーディングは、関東よりもカラめらしい。山寺は11.5くらいカラいからそのつもりでトライして、と言われていた。つまり、5.11aといっても5.11b5.11b/cくらいということか。T村さんの話だと、高グレードほどその差はなくなり、5.13台は変わらないらしいとのこと。

 夕べはお酒を飲み過ぎたけれど、夜中に目覚めた際に水を飲んだこともあり、ヒドい二日酔いは避けられた。泊めてくれたU松さんは、今日はマイタケ取りに行くとのことでクライミングには行かず。

 O前さん、T村さん、私の3人で山寺の岩場へ。立石寺の前を素通りし、林道を走り、岩場に至る登山道入口にある広い駐車スペースへ。

 まだ他に車は来ていなかったが、我々が登山道を歩き始めたところで、林道を何台か走ってやって来た。T村さんによると、おそらくH野さんやK沢さんとのこと。

 20分ほど山道を歩いて、着いた岩場は午前岩。まずはここでアップを兼ねて登ることにした。O前さんは二日酔い気味で足取りがちょっとツラそう。

・「セイフティ」5.10a OS 御前岩

 T村さんのおススメで、セイフティをトライしてみる。5.10aのはずだけど、けっしてナメてかかれない。直上してから、木の下を右にトラバースするところもフットホールドがちょっと悪いし、そこから終了点までも気が抜けない。

 やはり山寺のグレードはカラいのは事実のようだ。それに蜂が周りを飛び回っていて、生きた心地がしない。小川山や瑞牆も今年は蜂が多いらしく、全国的に蜂の当たり年なのだろうか。

 我々が御前岩で登っている間に、続々とクライマーがやって来て、H野さん達もいた。錫杖で会った私を見て、ちょっと驚いた様子。皆、奥にある仙人堂エリアに行ったらしく、我々も後を追う。途中、直角ハングというエリアを通過。

・「壱番」5.11b OS 仙人堂

 仙人堂に着くと、10人ほどのクライマーがいた。壱番という4つ星ルートがあり、ヌンチャクがかかっていたけれど順番待ちがいなかったので、さっそくトライすることにした。

 壱番は2ピッチのルートだけれど、通常は5.11b1P目のみを登っているとのこと。ラインが「マールボロ」5.12a/bと交差しているので、間違えないように下からよく観察しておく。

 前傾気味のこのルートに登り始める。チョーク跡を追えるので、ホールドに迷うことはあまりない。比較的ガバが連続しているので、疲れを溜めないように丁寧に登っていく。

 途中、左手パーミングしたところから、右上カチを右手で取るところがあり、ここがルート中の核心となった。左手はマントル気味に残して、右手カチに耐えつつ、右手をデッドで出してすぐ上のリップのガバをキャッチ。取れた。

 その後もレストできるところでは前腕をほぐしながら登り続け終了点へ。オンサイト。やった。

 山寺は花崗閃緑岩という岩質らしいが、ザラついていてフリクションが効く。

・「茶色の小瓶」5.11a 敗退 直角ハング

 O前さん達が直角ハングエリアにある「ブラック&ブルー」5.10aを登るというので、私は隣りの「茶色の小瓶」をトライすることにした。直前に、男性がこのルートに取り付いていたのだが、中盤が難しいらしく、隣りのブラック&ブルーに逃げて、ヌンチャクを回収して敗退していた。

 それを見ていた私は、どれほど難しいのかと思い、マスターで登り始める。序盤は良いのが、その男性が苦労していたパートに入ると、とたんにホールドが悪くなった。カンテ状のところを行くはずなのだが、まともに保持できそうなホールドが無い。しばらく試行錯誤したものの、結局私もB&Bに逃げて敗退することにした。

 この茶色の小瓶というルート。T村さんによると比較的新しいルートらしいが、どこが5.11aなのかちょっと分からない。

・「大行進」5.11d 2RP 仙人堂

 再び仙人堂へ。「マールボロ」をススメられたけれども、残った時間でレッドポイントするのはキビしいので、ここは手堅く5.11台のルートを選ぶことにした。

 そこで、隣りにある「大行進」を登ることにした。このルートも2つ星なので、そこそこ面白そうだ。午前中架かっていたヌンチャクが外されていたので、まずはマスターでトライ。しかし、このルートは長く、ヌンチャクは14本を要す。

1便目

 前半はガバを伝っていくのがほとんどで、壱番よりも易しく感じるくらいか。中間に数手カチをつなぐところがあり、そこが第一核心となった。23手カチを繋げられたのだが、その上で力尽きてフォール。

 第一核心を抜けると、再びガバ地帯。しかし、終了点直下に第二核心が待っていた。マッチできる小棚状ホールドから左上のカチを左手、そこから右手で右上リップを取りに行くのが核心だ。ここでもフォール。2便目にRPを賭けよう。

 T村さん達が、仙人堂の奥にある苦四楽岩で登ったあと、大行進の2便目を出すことにした。ちなみに、苦四楽と書いてクジラと読むそうだ。

2便目

 前腕をパンプさせないように、要所でレストさせながら登っていく。第一核心のカチもしっかり保持できる。夏の間、岩場でのクライミングは遠ざかっていたけれど、ここのところジムによく通っているので、指の保持力は以前くらいに戻りつつあるのかも。

 終了点直下の第二核心も小棚状マッチホールドから、左手カチは人差し指を隅に当てる感じで保持、それから足位置を変えて、右手をリップ下のおつまみホールドで中継してすぐにリップに飛ばす。このリップにぶらさがって、左手でクリップ。やった。

 壱番の星4つと大行進の星2つの差は良く分からないけれど、この大行進もおススメだ。

 今回は、「マールボロ」5.12a/bをトライしなかったけれど、これも3つ星ルートで、この日も何人もの人達がトライしていたので、また山寺に来る機会があればその時はこのルートをやってみよう。

 U松さんが自宅で芋煮を作って待っているということで、午後3時と早めに岩場を切り上げることにした。今夜は我々3人のほか、山寺で登っていたH野さんとT橋さんもU松さん宅に泊めてもらい、明日は6人で黒伏山南壁に行くのだ。

 H野さんはもともと宮城の人らしいけれど、今は仕事で長野に住んでいるとのこと。今回のために長野から山形まで来たのだ。若者のT橋さん、岩手から来ているそうだ。ずいぶん年季の入ったランクルに乗っていた。

 東根市内にあるおおた湯という立ち寄り温泉で汗を流し、U松さん宅へ。牛肉の入った里芋の煮込みが美味しい。山形と言えば巨大な鍋と重機を使って作る芋煮会が有名だ。

 ビールに続き、差し入れの天童ワインや日本酒「上善水如」などが出てきて、前夜に続き飲み過ぎ気味になったけれど、ほどほどのところでブレーキをかけておいた。この日もアイス談義が続く。

 明日は出発が早いので、早々に寝ることにした。

宮城県 作並・鎌倉山 ドライツーリング ◆東北クライミングツアー①

2013.921()23()  東北クライミングツアー

 秋分の日の3連休は、宮城県と山形県の岩場を巡ってきた。

 初日は、宮城県は作並・鎌倉山でドライツーリングをやった。

 2日目は、山形県は山寺でフリークライミング。

 3日目は、やはり山形県にある黒伏山南壁の中央ルンゼでマルチピッチクライミング。

 

 私は3ヵ所の岩場とも行くのは初めてだ。

人工壁で少しだけマネ事をやったことはあるものの、岩場でドライツーリングするのは初めての体験でとても新鮮だった。

 また、山寺も黒伏山南壁もどちらも行ってみたかった場所なので、今回どちらも行けたのは本当に良かった。

 東北のクライマーの人達に会うこともできたし、充実した3日間だった。

9/21() 宮城県 作並・鎌倉山 ドライツーリング

 クラックとアイスがめっぽう強いO前さんに、東北の人に誘われてるということで、山寺や黒伏山に行こうとお誘いをもらった。

 山寺は前から行ってみたいと思っていたフリーの岩場だし、黒伏山南壁のマルチも一度は行ってみたくてネットで山行記録などを調べたこともあった。O前さんからの電話でこの2ヵ所の地名を聞いた瞬間、この話に飛びついた。

 おまけにドライツーリングもやるかもしれないとのこと。アックスとアイゼンを使って、岩場を登るという未知の体験もとても楽しみだ。

 それに、東北のクライマーの人達も合流して一緒に登るとのこと。

 彼らはアイスクライミングをやり込んでいるそうで、宮城県の二口渓谷などにはアイスができる氷瀑がたくさんあるそうだ。彼らに会うと、そんなアイスの話もたくさんでてきて、アイスはかじる程度にしかやったことのない私にはこれまたワクワクする話だった。

○宮城県へ

 土曜日の未明に埼玉県内でO前さんと待ち合わせ、O前さんのトヨタ・アクアで東北を目指す。このアクアはご存知ハイブリッドカーなので燃費がとても良い。遠方に行く今回は特に、ガソリン代の安さの恩恵を感じた。

 東北道を走り、福島県に入って福島飯坂ICでいったん下りる。今回東北ツアーに声をかけくれたT村さんをピックアップする。再び東北道に乗り、仙台宮城ICで下りる。

 作並街道(国道48号線)を走ると、右手に鎌倉山という岩山が現れる。この作並・鎌倉山は別名ゴリラ山というらしい。仙台方面から来て眺めると、山肌にある岩場の形がゴリラの横顔に見えるらしい。言われれば、そう見えなくもない。

 道路脇に駐車スペースに車を停め、ザックにアックス、アイゼンなどを入れ岩場へ。麓の民家の手前を横切る農道を左に入ると、単線(JR仙山線)の小さな踏切を渡る。渡ってすぐの踏切脇の草むらに入ると、山道が続いている。

 山道を20分ほど歩くと、樹林の中に岩場が現れる。ゴツゴツと凹凸が顕著な岩でハングしたところもある。思っていたより気温が高く、ここまで歩いてくるだけで汗でシャツがビショビショだ。

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(↑鎌倉山)

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○ドライツーリング

 ペツルのボルトが打たれたルートがいくつか見て取れる。T村さんによると、Ⅳ級くらいのマルチピッチルートもあるそうだ。

 我々がドライツーリングをやった場所は、山道から岩場取付に出て、少し右に歩いたエリア。T村さんによると、ドライツーリングの難易グレードで、M6からM10くらいのルートがあるらしい。この日我々が登ったのは、M6、M8、M9くらいのグレードの3本で、エリアの左から順に並んでいる。グレードが上がるほど、ハングの張り出しが大きい。さらに右手のほうにはM10くらいのルートが3つほどあるそうだ。

 Mはミックスの頭文字らしく、要は、氷の部分と岩の部分があるところをアックスを使って登るスタイルのグレード付けのようだ。

 ところで東北行から帰宅後、ネットで鎌倉山の記録を調べたら某ブログにトポ図が載っていた。そこには、ルート名やDのグレードも載っていたので、ここではそれも使わせてもらう。Dはドライツーリングの頭文字だろう。

 それによると、我々が登った3本は左から順に、

 ①小ハングルート D6

 ②つばさ D6

 ③こまち D7

 さらに、右手のほうにあるM10くらいのルート3本というのは、

 ④はやて D10

 ⑤やまびこ D9 (出だしは、はやてと一緒。中間で右上し、はやてからMaxやまびこにリンク。終盤ではやてと合流らしい)

 ⑥Maxやまびこ D9+ (終盤は、はやてと合流)

 アイスクライミングをやるために数年前に買ったものの、高いお金を払った割にはほとんど使う機会のない私の得物は、アックスはペツルのクォーク(旧型)と、アイゼンはやはりペツルのM10。ブーツは、カモシカスポーツのガラクタ市で半額で買ったボリエールのアイスマスター。グローブはブラックダイヤモンドで掌側が皮製のもの。

 人工壁でドラツーを少しやったと前述したが、一時期あった群馬県六合村(くにむら)の人工アイス施設アイスエクストリーム六合ができたシーズンに2回行っただけに過ぎない。

①小ハングルート D6

 まずはT村さんがリードして、小ハングルートにトップロープをかけてくれる。O前さんは何でもないようにこれを登る。

 続いて私。凹凸の大きい岩の隙間や割れ目などにアックスの先をひっかけて取付く。下部を何とかこなし、小ハングの抜け口へ。ハング先のホールドというかアックスをひっかけるポイントを探りながらハングを乗っ越し、なんとかノーテンで抜けられた。

 しかし、ずっとアックスを握っていたので前腕がパンプ気味だし、必死になって登ったので汗だくだ。普段やっている素手とフラットソールで登るフリークライミングとはまた異なる登り方だ。ドラツー特有の技術が必要らしい。

 アックスを反対の手に持ち帰る際に、いったん一方のアックスを肩に掛けたり、口にくわえたりと、O前さんはスムーズにこなしていた。

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(↑小ハングルートを登る私)

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(↑小ハングルートを登るO前さん)

②つばさ D6

 このルートにはT村さんがフラットソールでヌンチャクを掛けながら登りトップロープをかけてくれた。このルートは先ほどの小ハングルートよりもハングが顕著で、O前さんも大変みたい。私はハング部分でテンションしまくり。トップロープでなかったら、激しくフォールしまくっていることだろう。ロープに半分ぶらさがりながら、何とかトップアウト。小さな溝に両方のアックスをかけてマッチしたり、片腕チンニング状態から、もう一方のアックスを伸ばしたりと、腕力を使いまくる。

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(↑つばさを登る私)

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(↑つばさを登るT村さん)

③こまち D7

 このルートには私がフラットソールを履いてリードし、トップロープをかける。出だしのカチの垂壁は悪すぎてチョンボしたものの、ハングの部分はガバガバなので難なく抜けられた。出だしを除けば5.10台半ばのグレードか。

 しかし、ドラツーで登るとなると、まるで勝手が違う。出だしの垂壁は、アックスの先をわずかにひっかけ、じりじりと上がりながら上のポイントにひっかけるという登り方で、フリーで越えられなかったところを登れた。ハング下まではノーテンでいけた。

 ハング越えはつばさよりもさらに長く難しい。ぐいぐいと身体をあげていけるところもあるのだが、あとはテンションしまくりながら身体を引き上げる感じ。

 O前さんは、2度目のトライでこのはやてをノーテンで抜ける。さすが。

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(↑こまちを登る私)

 私はあとは、こまちとはやてをもう一度ずつ登って、計5便出した。二度目のトライもハング部分はテンションだらけで、腕はヨレヨレだ。それでも、ドライツーリング体験はとても新鮮で楽しかった。

 今夜は、山形県東根市のU松さん宅に泊めていただくことになっているので、お隣り山形県へ移動する。山形県に入り、天童市郊外にある湯ピアという立ち寄り温泉施設で汗を流してから、U松さん宅へ。

 先月、北ア錫杖岳の「注文の多い料理店」を登りに行った際に、やはり注文を登りに来ていた東北から来たという4人組パーティーに会った。U松さんはその一人だったのだ。その時、同行のH明さんと東北の人達はアイスの話をずいぶんとしていたが、今回別の伝手で私は東北に来たのだが、錫杖で会った人とこうしてまた会うというのは、クライミングの世間は改めて狭いものだと思った。翌日、山寺で会うH野さんとK沢さんもやはり錫杖に来ていたメンバー。

 U松さん宅で座卓を囲み、アイスクライミング談義をする。O前さんは東北のアイスクライマーと話して、来たる冬の東北アイスツアーを考えていることだろう。アイスは初心者だけれど私も行ってみたいものだ。

 

 ビールから始まって日本酒「出羽桜」も出てきて、ついつい飲み過ぎてしまう。明日はこれまた楽しみにしていた山寺で登るというのに、二日酔いになってしまうのはマズい。

北関東クライミングジム巡り (栃木県小山市「ボルダリングスペースH」、群馬県前橋市「ウォールストリート」)

2013.915(日)~16(月)
 敬老の日の3連休は、初日の土曜日は日帰りで小川山に行ってきた。残る日月の2日間は台風18号接近の予報のため、出かける予定もなくなってしまった。
 のんびり読書でもして過ごしても良かったのだが、2日間ずっと家の中で過ごすのも運動不足になりそうなので、特に目的地を考えずに車を走らせることにした。車中泊やクライミングジムに寄れる用意だけはしておく。

■9/15(日)
○ 栃木県小山市「ボルダリングスペースH」
 前日の小川山で疲れているし、右足首は蜂に刺されて腫れているし、台風は近づいているし、出かけようか出かけまいかダラダラしながら午前中を過ごす。
 お昼が近づいてきて、ようやく車で出かけることにした。これと言って目指す場所もないので、とりあえず北に向かって車を走らせる。
 大宮~蓮田あたりを走って、幸手あたりまで来たところで、クライミングジムの場所を調べて、栃木県小山市に今年オープンしたらしい「ボルダリングスペースH」に行ってみることに。自宅周辺では雨が降っていたけれど、埼玉県内を北東に向かって走っていると晴れてきた。

 15時前にボルダリングスペースHに到着。高架鉄道近くの住宅地の中にあって、倉庫を改装したような造りだ。入ってみると、数人のお客さんがいた。男の人が一人で経営しているのだろうか。会員登録不要のビジター料金というのがあったので、それにする。2,100円。
 易しいグレードでアップする。右足首が腫れているので、シューズがちょっとキツい。前日の疲れが残っていて、少々体も重い。
 青色3級がいくつか登れたので、緑色2級もやってみる。できない課題もあったけれど、かぶった壁のものから垂壁のものまで、3つの2級課題を登ることができた。B-PUMPでもこれくらいのを登っているので、グレーディングはほぼ同じか。でも普段、2級をこんなに登ることはできないな。
 夕方になるにつれ、お客が増えてきた。文庫本を読みながらレストしつつ、18時過ぎまで登った。精力的にガシガシ登ったワケではないけれど、今日はこのくらいでいいかな。

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○ 栃木県小山市 「めん家 海十(かいと)」魚介味玉濃厚醤油ラーメン
 夜の腹ごしらえのため、ネットでお店を調べる。北に数㎞行ったところに「めん家 海十」というラーメン屋があるらしいので、そこに行く。券売機で食券を買う。魚介味玉濃厚醤油ラーメンを注文。750円。
 出てきたラーメンは、少なめのドロッとした濃そうなスープに、うどんのように太い麺。スープの味はやはり濃い。濃いけれど量が少ないので、ほぼ飲み尽くす。私はラーメンに詳しいワケでは全くないけれど、最近はこの手の濃い味付けが流行っているのだろうか。何度も通ってまで食べたくなる味ではないかな。

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○ 栃木県佐野市 「めん一番」しょうがラーメン
 もっと普通のラーメンが食べたくなり、もう一軒ハシゴすることにした。ということで、佐野ラーメンを食べるべく国道4号~50号と車を走らせる。20時を回っており、調べるとすでに閉まっているお店もあるようだ。
 行った先は「めん一番」。50号から佐野市役所への道路沿いにある。普通のラーメン屋さんという感じで、家族連れも多いようだ。しょうがラーメンを注文。650円。
 出てきたラーメンは、透けた醤油味のスープに細麺。これが佐野ラーメンの定番なのかな。しょうがの香りが良い。無難な普通のラーメンといった感じで、これなら地元の人が頻繁に通っても飽きがこないのでは。2杯目なので、さすがにスープを飲み尽くすことはできない。満腹だ。

 近くの道の駅に移動して車中泊。時折雨が降ったり止んだりしたけれど、台風本体がやって来るのは明日の日中らしい。

■9/16(月)
○ 群馬県前橋市「ウォールストリート」
 佐野市から前橋市方面へ車を走らせていると、台風18号は午前8時前に愛知県豊橋市付近に上陸したとラジオのニュースが言っていた。このあと関東にも近づいてくるようだ。今も雨は降っているが、風雨がもっと強くなるのだろうか。ドライブ2日目も結局クライミングジムに行くことにした。映画館とか美術館とか、ほかに行ってみるという発想が無いのが悲しいかな。調べた先は前橋市内にあるウォールストリート。群馬県のクライマーが行くジムとして、名前だけは知っていた。
 開店時間が10時なので、マクドナルドに寄って読書をして時間をつぶす。今は「世界史(下)」(W・H・マクニール著/中公文庫)を読んでいるところだ。
 10時半頃にウォールストリートに到着。前日行った小山のジムよりは、ずっと年季が入った感じの建物だ。
 チョーク使用禁止のビジターエリアとメンバーズエリアに分かれているらしい。会員登録料525円、一日利用料1,575円を払って、メンバーズエリアへ。ボルダー壁のほか、ロープ壁もある。
 グレード表は1級ごとには分かれていない。赤色は3~4級らしい。アップを済ませたあとは、この日はずっとこの赤色の課題を片っ端から片付けるという感じでトライした。
メンバーズエリアはロープ壁を登る人達が数人いるだけで、まだ空いている。台風が近づいているのだから当然か。
 ツライチという壁やその隣りのどっかぶり壁には赤色3~4級課題が10本設定されている。1撃できるものもあれば、何度もトライしてやっと登れるものも。これら10課題中、1つを残して9課題は登れた。ほかの垂壁にある赤色課題もだいたい登れた。
 台風が最接近していたのだろうか、正午頃が最も風雨が激しかった。入り口ドアのガラスから外を見ると、ものすごい雨だった。建物の屋根を打ち付ける雨の音もその雨足の強さを感じさせた。それもしばらくすると弱まり、気が付くと晴れ間も出てきて、それに合わせてお客もみるみる増えてきた。その中に、二子の常連K田さんもいた。K田さんは地元だからこのジムに来るのは当然として、私の姿を見て驚いていた。
 ジムには備え付けのマンガ本がたくさんあるので、それを読みながらレストして、赤色課題ばかり登った。3~4級というけれど、グレーディングはちょっとカラいかなあ。1撃できたのは4級くらいにしても、3級でもちょっとカラそうなのもあったし。

06

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○ 群馬県高崎市 「麺屋 大谷」魚介豚骨ラーメン
 16時半頃にジムを出る。お腹が空いていたので、前日同様ラーメン屋に行くことにした。国道17号を走り、高崎にある「麺屋 大谷」へ。券売機で食券を買う。魚介豚骨ラーメンを注文。750円。水槽の置かれたテーブルに座る。
 出てきたラーメンは、前日食べたラーメンほどではないけれど、かなり濃厚スープで麺は中太くらい。まずまず美味しい。お腹が空いていたので替え玉を注文。替え玉は100円で細麺。これで満腹になった。

 あとは関越道に乗ることなく、国道17号をひた走り東京へ帰った。せっかくの3連休を台風にやられてしまったけれど、北関東のジムを2軒巡って身体を動かせたのは良かった。ラーメンもたくさん食べられたし。
 台風が通過したあとからがらりと秋の空気に入れ替わった感じで、夜、Tシャツ1枚で自転車を漕いだ際は涼しいというより肌寒いくらいだった。
 これからの季節、岩場のコンディションも良くなってきて、本格的なクライミングシーズン到来というところか。

小川山でクラッククライミング

2013.9.14(土)
 当初、この3連休は新潟県にある岩壁に登りに行く予定だったのだが、日月の天気予報が芳しくないため中止となってしまった。直前になって台風18号も発生して上陸までしたので、中止はやむを得ない。
 で、土曜日だけは晴れが期待できるので、YT川さん、O前さん、私の3人で日帰りで小川山に行くことにした。O前さんはクラックのベテランで、先日、湯川に初めて一緒に行って、その巧みな登りに感心したものだ。
 例によって今回もO前さんがあちこちのルートにトップロープを張ってくれて、そうそう機会のないクラックのルートに触れたのは良かった。
 親指岩の「クレイジージャム」5.10dや最高ルーフの岩峰の「最高ルーフ」5.10d、仏岩の「バナナクラック」5.11dなど、私にはどれも初めて触るルートだった。
ここのところクラックにトライする機会が続いて、その難しさを増々痛感しているところだ。

 早朝、埼玉県内で待ち合わせ、上信越道経由で廻り目平へ。小川山に来るのは梅雨の最中の6月以来だから約3か月ぶりだ。晴れた廻り目平の駐車場は車がぎっしり埋まっていた。車の台数の割にはこの日巡った岩場の人影は少なく、帰りがけに人に聞いたのだが、妹岩周辺もそれほど混雑していなかったという。ボルダラーやキャンパーが多いのかも知れないらしい。明日は確実に雨のはずだが、それでもこうして小川山まで来るんだなあ。人のこと言えないけれど。

○親指岩「クレイジージャム」5.10d

 親指岩の「小川山レイバック」の1P目(5.9+)は、以前に何度か登ったことがあるけれど、その反対側にあるクレイジージャムはその見事なクラックを下から眺めたことがあるだけだ。
 O前さんが何でもないようにスルスルと登ってトップロープをかけてくれた。
続いて私もトップロープで試みる。履いたシューズは先日買ったばかりのハイカットのものなのだが、サイズがちょっと緩過ぎたかも。出だしは壁にステミングしつつ乗り上がれた。そこからはジャムが下手な私はレイバックで登る。ここら辺が最初の核心かも、ロープにぶらさがりまくる。
 その上のハンドジャムが効くセクションに入るところで身体を返す。ハンドジャムは確かにきめやすい。足もつま先をクラックにきめられる。さらに登るとクラックが開いてきて、オフィドゥスになり左半身をクラックに入れながら登る。ここも大変だ。左足を前の壁に当て、右足は後ろの壁の角に土踏まずを当てるよう、O前さんがアドバイスしてくれるのだが、なかなか言われたとおりにできない。ずり落ちそうだ。とてもリードなんてできなさそう。オフィドゥスから抜け出ると、上部の岩の基部に右上するクラックに沿って登り、親指岩の平らな天辺に出る。
 今回初めてクレイジージャムを触ってみたけれど、これをリードするのは相当力をつけないと無理そう。とにかく触れただけでも良かった。

 なお、クレイジージャムの取付近くには地蜂の巣がある。今年は蜂が多いらしい。2週間前に瑞牆で蜂にお尻を指された私としては蜂をみると神経質なほど怖くなる。
 と、このあと再び蜂に刺されるという悲劇が起きる。クレイジージャムのあと、最高ルーフの岩峰に向かうため、途中のお殿様岩へ。お殿様岩に向かうアプローチの途中、右端にまた地蜂の巣があったのだ。先頭を歩くO前さんは大丈夫だったのだが、2番手のYT川さんがその巣を踏んでしまったようで、怒った蜂に腕や足、胸など3~4か所を刺されてしまった。巣を通り過ぎて、もう大丈夫だろうと思った頃、私も右足首あたりに痛みを感じた。うわわ、刺されてしまった。瑞牆でも使ったポイズンリムーバーで毒を吸い出そうと試みるが、本当に毒を吸い出せているのかはよく分からない。マイザーという塗り薬を患部に塗っておく。私よりも被害が重いYT川さんにも薬を渡す。
 最高ルーフの岩峰取付に到着するも、YT川さんは腕などが広い範囲で腫れあがってきて、少し気分も悪いと言うのでしばらく休むことにした。
 そういえば、お殿様岩のイムジン河より右の壁の中に大きな蜂の巣がぶらさがっていた。あれだけ大きなものはスズメバチだろう。付近のルートをトライするのは控えたほうが良いだろう。下のアプローチ道を歩くだけでも怖いのに。

○最高ルーフの岩峰「笠間のピンキー」5.10c、「最高ルーフ」5.10d

 O前さんが笠間のピンキーを登る。前半がクラックで、後半がスラブの短めのルートだ。O前さんが登る姿を見ていて、私にもリードできそうだったのでやってみることに。
 クラック部分はカムを固め取りして、必死になって登り右上ダイクのガバを取って何とか抜けられた。後半のスラブでは右手ガバに手に足して乗り上がるのがポイントのようだが、最初はそれが分からず堪らずテンション。惜しくもフラッシュを逃す。

 フォローで再びO前さんが上がってきて、続いて最高ルーフを登ることにした。全3Pの最高ルーフの1P目は別ラインのようだが、笠間のピンキー終了点のテラスから右に回り込めば2P目に合流できる。その2P目は易しい。ハイライトの3P目は、右上の凹角からルーフを左にトラバースして左端から抜けていく。O前さんはそのルーフ下を巧みにジャムをきかせながら抜けていった。フォローで私も続く。O前さんがセットしたカムを回収しながら登っていく。トラバース部分では、O前さんはルーフクラックにジャムをきめながら身体をまっすぐにのばした感じで横移動していたと思う。一方、私はそこでジャムをするという発想にならずアンダー持ちした。足を置けるようなフットホールドがないので、アンダーで耐えて、足を高めにあげてステミングしないと怖いのだ。左抜け口のガバホールドを取りルーフを抜ける。フォローだったけれど、テンションせずに登れた。懸垂下降2回で取付に戻る。

 先ほど登れなかった笠間のピンキーをもう一度リードでトライしてみる。小指と薬指を使うピンキージャムが一か所必要なのがこのルート名の由来らしい。しかし、先ほどできたクラック部分のムーブが今度は分からなくなってしまいテンションしてしまう。あらら。後半のスラブは微妙なバランスに耐えて登れた。RPできなかったのは残念だ。機会があればまたトライしたいものだ。少し復調したYT川さんも笠間のピンキーに1便出す。
 隣接する最高ルーフ左の岩のスラブ壁では、二子の常連、熊谷のH本さん達が登っていた。また二子に通いたいものだ。そのためには落ちた力を少しでも戻しておかないと。

○仏岩「ノーリターン」5.10c、「バナナクラック」5.11d

 3ヵ所目のエリアは仏岩。例によってO前さんがノーリターンを登ってトップロープをかけてくれたので、我々もトライ。序盤の左側に大きく開いた大フレークをぐいぐいと登る。易しいところを過ぎると、最後の5.10cのフィンガークラックだ。ここでテンションしてしまうが、ヨレていなくて、きちんとフィンガーをきめていけば私でもリードできるかもしれない。

 続いてバナナクラックにトライ。O前さんはこのルートも既登だそうだ。すごいなあ。そのO前さんもトップロープで核心部分を試みるが相当に難しそうだ。
 私もやってみる。ガバフレークが右上にいくところからが核心だ。フレーク縁近くに小さな凹みがあり、そこに左手親指を当てながらフレークをピンチ。左足は左壁、右足はフレークのクラックにつま先。そうしてクロスで右手を伸ばして上部クラック内へ。それが悪い。ばっちりジャムできるわけではなく、右手の人差し指と中指で上から押さえる程度だ。右手の親指を当てることもできない。そんな微妙な状態に耐えて、左手をその上にあるクラックが開いたところにジャム。この左手はジャムだけど、クラック内のホールドをちょっとつかめる。続いて右手を左手とクロスさせてそのすぐ上の穴に突っ込むようにジャム。しっかりきまると足ブラにできるくらい。すぐ左にコブ状ホールドがあるので、これを左手で取るとずっと楽になる。O前さんはこのコブ状を使わずに、続くクラックにジャムしながら登っていくのだが、私にはとても無理。コブ状から右足をハイステップで右壁にあげながら、レイバックの体勢でクラックに乗り込んで行く。このクラックを伝うと左上に大ガバフレークをキャッチでき、あとは易しい。
 と、ムーブらしきことを書いたけれど、描いたとおりには身体が動かない。この日これまで何本も登ってヨレていることもあるけれど、トップロープでもこのバナナクラックの核心部をこなせるようになるためには、相当登りこまないとキビしい。これをカムやナッツをセットしながらリードするというのだからすごいものだ。ちなみに、前述の右手人差し指&中指の箇所ではクラックの中にナッツがばっちりきまるそうだ。ナッツがすっぽり奥まで入るので、手と干渉することもないとのこと。
 3人でバナナをトライする。夕方が近づいてきて、私はもう一度バナナをトライ。しかし、もはやヨレヨレで先ほどよりもホールドを保持できず。テンションしまくりで、何とか核心を抜ける。上部5.10cも登って、終了点のヌンチャクを回収。

 大日広場の駐車場に戻ると、Sのさんがいた。妹岩やマラ岩で登っていたという。朝よりは雲が多くなってきた。やはり明日は雨が降りそうだ。今日中に帰るのが正解のようだ。
 今回は、期せずしてクレイジージャムなどなかなかトライする機会もないクラックルートを触ることができて良かった。基本はフェイスだけれど、こうしてクラックの機会を設けていくのも良さそうだ。

クライミングジム通い(9月前半)

■1年ぶりにTウォール東村山

2013.9.1()

 何年かに一度しか行かないTウォール東村山に一年ぶりに行った。瑞牆から帰って、K寅さんと連絡を取り、午後からジムへ。すでにK寅さんが来ていたほか、Mぽりんさんもいる。5月に韓国ツアーでご一緒したS野さんも来ていた。

 壁を見てみると、この一年でホールドががらりと替わったようだ。以前は何年たってもホールド替えされないイメージだったけれど。

 さて、疲労と体調不良のため、ボルダリング自体はほどほどにしかできなかった。合間にK寅さんと山に行く話などをする。夕方まで登っていよいよ疲れてきたところで終了。

ベースキャンプ

2013.9.4()

 ウイルス性胃腸炎ではないかと診断された先週からの体調不良が続いていて、身体に力が入らない。お腹の調子は治ったというより、なんだかずっとしっくりこない感じだ。そのため食欲もわかず、食べる量も減らしている。

 Sのさんと連絡してこの日はベーキャンへ。やはりぐいぐいと登ることができない。

先日、湯川でクラックをやったこともあり、2日前にカモシカスポーツで買ったハイカットのクライミングシューズ(5.10グランドストーン)を履いてクラックを登ってみた。これまでも何度かトライしてみたことはあるが、ジャミングは手も足もなかなか難しい。

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そういえば、カモシカで聞いたところでは、ファイブテンは買収された関係で、売れ筋ではないこのグランドストーンやバイパーといったモデルが廃番になるらしい。それから、沢登りのシューズのソールであるアクアステルスをキャラバンだとかに卸すのを止めるとか。

マルチピッチで履くようなこれらのシューズや沢靴のソールが無くなるというのは、ちょっと困ってしまいそう。

Tウォール東村山

2013.9.8()

 瑞垣に行った翌日の日曜日に東村山に行くという先週と同じパターン。少し前から体調不良だとは書いているけれど、未だに続いている感じ。ウイルス性胃腸炎というのが本当だったのかどうか分からないけれど、薬の服用を終えて1週間経つ。お腹は以来ずっと便秘気味。そんなもんで、身体に力が入りにくいヘンな感じなのだ。

 そんな状態だけれど、ジムで少しでも登っておかないと思い、先週に続き東村山へ。

先週よりはほんの少しだけ回復しているけれど、続けてどんどん課題にトライできるという勢いは無い。合い間に持参した文庫本を読みながらトライした。

今読んでいるのは、「世界史()(マクニール著/中央公論新社)1年前に上下巻2冊を買って、上巻を読み終えたところで、下巻には手をつけず仕舞いだった。

数年前にちょっと話題になって売れた「これからの「正義」の話をしよう」(マイケル・サンデル著/ハヤカワ文庫)を読み終えたので、つぎは放っておいた本を読もうと思ったわけだ。

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B-PUMP荻窪

2013.9.10()

 20日ぶりにオギパンへ。1週間ほど休業して改装工事をしていたらしく、トイレや更衣室が新しくなっていた。2階のR壁とその隣りのかぶった壁がゴテゴテした塗装で仕上げられていた。

 ホールド替えもされていたので、あれこれトライ。1階の水色2級を1撃できたり、2階の前述の新しい壁の2級も2撃できたりと、グレーディングがちょっと甘い気もするが、思った以上に登れて良かった。

 ここのところ体調を崩していたのだが、日毎に回復してくるのが実感できる。まだ本調子とはいえず、2時間ほど登ったら疲れてしまったので早めに切り上げる。

Tウォール東村山

2013.9.12()

 2週間前から崩していた体調も今週になってほとんど回復して、食欲も以前にまで戻った。

今月2回行った東村山へ、平日夜に初めて行った。

3級課題だと登れるのがあるけれど、それ以上となると完登はキビしいといった感じ。

ひとしきりボルダリングしたあと、キャンパスボードを登ったり、鉄棒で懸垂したりと筋トレして終了。

瑞牆山 十一面岩左岩壁 山族79黄昏ルート

2013.9.7(土)
 瑞牆山十一面岩左岩壁にあるマルチピッチルート・山族79黄昏ルートを登った。
 先週、正面壁のベルジュエールを7P目まで登ったのだが、今回は午後から雨が降り出す天気予報だったため、ピッチ数の少ないルートを選んだ。

■9/6(金)夜
 先週以来、内科でウイルス性胃腸炎ではないかと診断された体調不良は未だに続いている感じだ。お腹の調子は逆に便秘気味が続いていて、食欲もわかず身体に力が入らないという調子だ。
 同行は先週も一緒にベルジュエールを登った所属山岳会のO田さん。我々とは別に、H明さん達3人も今週も瑞牆で、フリーウェイを登りに行くという。金曜日の夜、塩川ダムを臨む東屋で2パーティー5人が集まる。
 体調が芳しくない私は、350mlの缶ビールを1缶空けることができなかった。いつもならごくごくと飲めるのに、お酒を美味しく感じられないとは悲しいばかりだ。というわけで私は先に眠らせてもらう。

■9/7(土)
 4時半に起床。行き先が異なるH明さんパテーィーと別れ、植樹祭広場へ。前回アプローチで少し迷ったけれど、今回はそれもなく末端壁を経て正面壁へ。正面壁から燕返しのハングの下を通って左岩壁へ。とある凹角が山河微笑ルールの取付だと、O田さんが教えてくれた。さらに左上へと登っていくと開けた場所に出る。錦秋カナトコルートや目的の山族79黄昏ルートの取付があるところだ。準備を済ませ、7時過ぎに登攀開始。
○山族79黄昏ルート
1P目(5.9)リード私
 手前に見えるピナクル状の岩を左から抜けて、その後ろ側にあるスラブ壁に取付くようだ。最初、O田さんがリードを試みると、このスラブの出だしが悪いらしくりーどを私に交替する。
 5.9とはいえ慣れない微妙なスラブ登りは確かにちょっと怖い。小川山にあるような薄いホールドを指先で保持してじわじわと身体を上げるようなムーブで登り、リングボルトにランナーを取る。
 右に上がってから、今度は左に大フレークが見えるのでそこに向けてトラバースする。このトラバースもいやらしいが、ここまでは何とかフリーでいけた。最後は大フレークのオフィドゥス状を抜ける。ここがまたいやらしく、持参した5番キャメはフォローのO田さんに預けてしまったので、何とか伸び上がって奥に3番を決める。ここでたまらずA0してしまう。岩の間を抜けるとテラス状でピッチを切る。

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(↑1P目フォローのO田さん)

2P目(5.10d)リード私
 出だしのスラブが5.10dととても悪い。まともにトライしていたら時間がかかってしまうので、フリーはさっさと諦める。短い間隔でリングボルトが打たれているので下のボルトにかけたヌンチャクをつかみながら、上のボルトにヌンチャクをかけていく。いくつかリングボルトを使って登るとペツルが一つ打ってある。宴会テラス下の壁の下側を左にトラバースしていく。壁の下を通り過ぎ、さらに左寄りに進んだところから登って宴会テラスに向かって右に登った。ここで私が抜けた個所はカナトコと重なっていたのかもしれない。手前のクラックから登るのが黄昏のラインなのかも。

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(↑2P目フォローのO田さん)
3P目(5.8)リード私
 O田さんがリードを試みるが、やはり出だしが悪いらしく私に交替。出だしは確かに一見悪いが、フットホールドを見つければ、最初のクラックを上がれる。そこから左上するのだが、大きなカムをきめながら斜めの大フレーク状を這うように左上するのがちょっと怖い。そこを抜けると、目の前に凹角が現れるので、この凹角にカムをきめ、凹角の右側のスラブに一つ打たれたリングボルトにランナーを取りつつ登り、左上の樹木でピッチを切る。ここはフリーで登れた。

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(↑3P目フォローのO田さん)
4P目(5.8)リードO田
 O田さんのリード。樹木を抜け、右上に抜けるように岩を登る。水平部をトラバースするがカンテ状を回り込むところがちょっと怖そう。右に回り込んだ奥でピッチを切る。
5P目(5.10a)リード私
 前半は反対側が抜けて見える岩の隙間を登る。出だしで5番が使える。あとはランナウト気味にレイバックで身体をあげていくと狭いテラス状に出られる。後半の出だしはスラブというには急すぎる壁で、リングボルトにA0して登ることにする。最後が開いた溝状のところを登るのだがちょっと怖い。大きめのカムを溝状に浅くきめながらここでもA0。すると終了点のボルトは目の前だ。フォローでO田さんが登ってくる。

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(↑5P目フォローのO田さん)

 登攀所要時間は3時間20分。先週ベルジュエールで時間がかかり過ぎたことを考えると、今回は速く登れた。それにポツポツと弱い雨が降り出している。さっさと懸垂下降してしまおう。
 懸垂3回で山河微笑の取付に降り立つ。下降の途中、2パーティーが山河微笑を登っているのに会った。黄昏ルートの取付にデポ下荷物を回収して、末端壁を経て下山。瑞牆山の上の方は雲の中で雨に降られたが、末端壁まで下りてくるとまだ降っていない。
 時刻はまだ昼過ぎと早いけれど東京に帰ることにする。H明さんの車にメモを残して、まだ渋滞の始っていない中央道を走る。
 秋雨シーズンで、週末のたびに雨に見舞われているが、先週今週と、ひとまず瑞牆のマルチのルートを2つ登る機会を得られたのは良かった。カンマンボロンを含め、自分でも登れそうなルートが他にもいくつのあるので、またそのうち登りに来たいものだ。

瑞牆山 十一面岩正面壁 ベルジュエール(7P目まで)

2013.8.31(土)
 瑞牆山十一面岩正面壁にあるマルチピッチルート・ベルジュエールを登った。
時間切れのため全9ピッチ中、7Pを登ったところで登攀を終えたので完登はならなかったが、ルート自体はフェイスに始まり、クラックありチムニーありの変化に富んだものだ。

■8/30(金)夜
 ウイルス性胃腸炎という診断を受けて体調が悪いにも関わらず、予定どおり瑞牆に行くことにした。同行は所属山岳会のO田さん。別途、H明さん、S原さん、M上さんの3人組がカンマンボロンのワイルド・アット・ホームを登るということで、今夜合流することになっている。
 当初は、O田さんと北アルプス方面の岩場に行く計画をしていたのだが、秋雨前線や台風接近の予報から、晴れが見込める瑞牆に行くことにした。そこで、先週H明さん達と行って雨で登り損ねたベルジュエールに登ろうとO田さんに持ちかけたワケだ。H明さん達は八ヶ岳の大同心を登る予定だったらしいが、やはり瑞牆に変更した。
 塩川ダムでテントを張って泊まったのだが、H明さん達はお酒を飲み始めたけれど、体調が最悪の私はすぐに横にならせてもらった。しかしなかなか寝付くことができず。

■8/31(土)
○蜂に刺される!
 4時半に起床。カンマンボロンに向かうH明さんパーティーと別れ、我々は植樹祭広場へ移動する。踏み跡を辿って行くが、途中で少し道に迷う。踏み跡は途中2ヵ所現れる二俣をどちらも右に取るのだが、その先でさらに右に入って小さな沢を渡ることになる。この右に入るポイントが早いと高野聖(初段)という課題のある百鬼夜行というボルダーに至ってしまう。もう少し先まで歩くと大きなスラブボルダーが現れるので、その手前を右に入っていくのが正しい。
 ここで迷っている間、ザックを下ろして休憩して再び背負う際にお尻を蜂に刺された。刺された瞬間は何事が起きたか分からなかったが、すぐに蜂に刺されたようだと分かった。ピシッと痛みが走り、その痛みが大きくなってくる感じだ。ポイズンリムーバーという毒を吸い取る道具を救急セットに入れていたので使ってみる。これで本当に毒が吸い出せるのかは分からないけれど。あとは、以前処方されて残っていた薬を塗った。これらの処置のおかげか、刺された患部が広範囲に腫れるというのは避けられたようだ。それでも歩いているとお尻が痛む。泣きっ面に蜂とは正にこのことだ…。

○ベルジュエール
 末端壁からガレ場を登ってようやく正面壁に到着。他には誰もいない。O田さんにベルジュエールの取付きはここだと教えてもらう。見上げるとハンガーボルトが打ってあるのが見える。準備を済ませ、8時過ぎに登攀開始。結果的には冒頭書いたとおり、全9ピッチ中、7P目まで登ったところで時間切れのため止めた。また、7ピッチ全て私がリードして登った。

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(↑1P目を見上げる)

1P目(5.11b)
 ウイルス性胃腸炎のうえに蜂にも刺され、身体に力が入るかというと入らない。まずは、出だしの台を登る。もう少し登ると最初にボルトに届く。頭上に迫るハングは右から抜けるらしいが、持ち良いホールドを辿るとハング左下に至る。ハング下を右に移るところでテンション。トンボしてハング上のボルトにヌンチャクをかける。ハングを右から抜けるとスラブ状のところを登っていく。途中ホールドが乏しいパートがあり、ここが5.11bなのだろう。無理に頑張って時間を費やすわけにもいかないので、近いボルト間隔に助けられてチョンボして突破。小ハングが頭上に迫る手前の支点でピッチを切る。左側にも支点があるのが見える。アレアレアというルートのようだ。O田さんがアブミも駆使しつつフォローで登ってくる。
2P目(5.10a)
 頭上の小ハングは下を左に辿って抜ける。右上に遠い間隔でペツルのボルトが光っているが、それは達磨バムというルートのようだ。出だしはそのペツルを使うが、左にトラバースするところが悪くやはりチョンボ。小ハング下縁に打たれたハーケンにランナーを取りながら登ると、バンドの樹木に至る。上側の樹木まで登ってピッチを切る。
3P目(5.7)
 O田さんがリードを試みるが、ガバ地帯からマントル気味にスラブ帯に出るところがちょっと悪いらしい。リードを私に交替する。スラブを登ると再び樹木がある。ルート図ではここでピッチを切るようだが、短いのでそのまま登ることにした。いくつかある樹木を辿って右上すると、凹角になった岩のうち左手の岩にハンドサイズのクラックが走っているところに至る。白クマのコル直下の5.9クラックのようだ。手持ちのカムが足りなそうなので、ここでピッチを切る。
4P目(5.9)
 白クマのコル直下のクラック。ハンドサイズで、ジャミングというほど大げさではないがとにかく快適に登れる。足もフットジャムというよりは、クラックに足を入れれば立てる。抜け出たところのピナクルでピッチを切る。

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5P目(5.9+)
 白クマのコルからはルンゼを挟んで反対側にルートが続いている。登れそうなクラックが2つほど見分けられるが、ベルジュエールのルートとなる大フレークは右側。左側はアレアレアの5.12bらしい。
 白クマのコルの岩場を大フレーク近くまで歩いて移動する。大フレーク出だし垂直部分では5番など大きめのカムが使える。
 垂直部を半分ほど登るとフレークがちょっとかぶり気味になる。ここからは身体をフレークの外に出してレイバックにすると簡単だ。出だしで気前よく大きめのカムを使ってしまったので、上半部でも使う大きめのカムのカムはもうない。でも、レイバックでぐいぐい上がると大フレークの縁は垂直から横向きになってくる。縁がガバで持ちやすく、登っていて落ちる気がしないので構わずそのまま左手のテラスまで行ってしまう。テラス床面にリングボルトが2つ打ってあるので、ここでピッチを切る。テラスに腰かけてビレイ。

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(↑大フレークを登る私)
6P目(5.7)
 このピッチがある意味最も大変だった。ビレイ点のテラスから小さな岩を一つ乗っ越しながら左トラバースしていく。その岩の天辺に立つと壁の中に打たれた残置支点にランナーが取れる。
 トラバースから壁を凹角に入り込むとチムニーだ。幅は何十㎝だろうか。横向きになると身体が入る。チムニーのずっと上のほうにチョックストーンが嵌っているのが見える。チムニーは、上に向かってわずかに右側に傾いているようだ。
 最初、左を向いて(右手側がチムニーの奥)登り始める。途中一つだけリングボルトが打ってあるのでランナーを取る。登るにつれてチムニーが狭くなり、身動きが取れなくなってきた。カムをきめようにも、カムをきめるには幅がはるかに広すぎる。いったんクライムダウン。
 身体の向きを変えて右向きで再びトライ。やはり狭くなってきて身動きが取れなくなってきた。足と手を突っ張って、背中を数㎝ずつズリズリと上げていく。これは大変だ。息が上がる。これが本当に5.7か?
 自分の足を手で持ち上げてハイステップ状に窮屈なチムニー内の岩面に当てる。右手はチムニー外縁に届いたので、これを頼りに少しずつ身体を上げる。ようやくチョックストーンの下まで近づいた。CS下にカムが決められそうなので、5番を突っ込んでセット。これでひと安心。
 今度はチムニーの外に身体を出す。CSを掴みながら乗っ越していく。何とかチムニーから脱出できた。疲れた。しかし、CS下でランナーを取ったせいか、ロープの流れがとても悪くなってしまった。もう少し登った樹木のところでピッチを切りたかったので、ダブルロープのうち重いほうを解いて、途中の残置ピンに留めていく。
フォローのO田さんもこのチムニーには相当苦労したようだ。O田さんはサブザックを背負っているので、チムニーを登る際はスリングで足元にザックをぶら下げながら登ったそうだ。
7P目(5.10b)
 樹林帯を少し潜ったところでビレイをし直す。樹林帯から取付く7P目も出だしはチムニーのようだが、登るところを間違えたようだ。どうやら秋一番のルートで使うチムニーというか凹角を登ってしまったらしい。正規のラインは右隣りらしい。その凹角から右手に岩をトラバースし、上部垂直壁部との間に開いたフレークを伝ってベルジュエールに復帰。
 この先、ひらがなの「く」の字のようにクラックが走っていて、ここのグレードが5.10bらしい。このうち、くの字の下半部がキビしい。時間が圧しているので、ゆっくりとトライするワケにもいかないので、ここはクラックにカムやナッツをきめながらA0で抜ける。くの字上半部は易しくなり、その先にあるそれぞれカラビナがかかったボルトでピッチを切る。
 O田さんがフォローで登ってくる間、人の声が聞こえてきた。登攀を終えカンマンボロンに立ったH明さん達が我々に向かって声をかけてくれているようだ。声は聞こえるので返事をしたのだけれど、見渡してみても彼らの姿を認めることはできなかった。どこにいたんだろう?

 さて、O田さんが登り終えた時には既に15時半。朝8時に登り始めて7時間半かかっていることを考えると、さらに残り2ピッチを登るとその下降も含めて、下降の途中で暗くなってしまいそうだ。H明さん達もすでに下降し始めているはずだ。ここまでよく頑張って登ってきたことだし、多少心残りではあるが、無理をせずここで登攀終了とする。
 7P目終了点からルート取付までは同ルート下降で懸垂下降4回。1回目で7P目を下降。樹林帯を抜け、樹木にかかった支点を使った2回目で6~5P目分を下降し、懸垂下降状態のまま白クマのコル下の斜面を登り返すようにして4P目終了点へ移動。3回目で4~3P目分を下降し、4回目で2~1P目分を下降すると、ベルジュエール取付にぴったりと降り立った。懸垂下降自体は1時間ほどで済んだ。
 荷物をまとめて下山。途中、末端壁では何人かが登っていた。ここにあるクラックルートは前に少し触ったことがあるけれど、完登できたものはないので、いつか機会があればトライしてみたいものだ。キビしそうだけれど。明るいうちに植樹祭広場に帰着。私の車のワイパーにH明さんのメモが挟んであった。先に下山したらしい。

 18時半、増富の湯に寄ると、ちょうどH明さん達がお風呂から出てくるところだった。疲れた身体を温めのお湯で癒す。蜂に刺されたお尻を鏡で見てみると、刺された箇所が1㎝ほど赤くなっているだけで、広範囲に腫れあがっているということはなかった。とりあえず安心。
 塩川ダムの某東屋でH明さん達に合流し、宴会を催す。今日の行動中、私はポカリスエットとウィダーインゼリータイプしか摂らなかったけれど、少し食欲が回復したので、M上さんが作ってくれた富山料理などを堪能する。でも、量はごく控えめ。ビールもひと缶飲み切ることができず。
 暗くなってから一時猛烈な雨が降る。22時頃に寝たと思う。

■9/1(日)
 朝起き出すと空は晴れていたけれど、皆帰るというので解散することになった。晴れたのだがら、どこかでクライミングしたい気分ではあったけれど、とりあえず東京に帰ることにした。空いた中央道を走り、O田さんと別れる。
 K寅さんと連絡を取って、午後から東村山にあるTウォールに行く約束をする。

 以上、ベルジュエールの完登はならなかったので、いつか機会があればまた登ってみたい。チムニーは大変だけれど。

クライミングジム通い(8月)

B-PUMP荻窪

2013.8.6()

 ひと月ぶりのオギパン。久しぶりにMぽりんさんに会った。

 ずっと沢登りに行っているので、すっかり外でのクライミングから遠ざかってしまっている。

 せめてこうしてジムには行くようにしているワケだが、二子に通っている頃に比べたらてき面に力が落ちているのが分かる。

 何とか白色3級をいくつか登れたものの身体は重い。

 少しずつ登り込んで、以前くらいの力まで頑張って戻さないと。

B-PUMP荻窪

2013.8.20()

 お盆の先週は利根川本谷に行っていたので、ジム通いはレスト。

 2週間ぶりにオギパンに行くと、1階の壁の一部がホールド替えしてあった。

 2階のどっかぶりBig-West壁にある白色3級課題を何とか落とせたものの、他にあれこれトライした3級はどれも完登できず。

 沢登りばかりしていて、すっかりクライミングの力が落ちてしまったようだ。筋トレもやって、また力をつけないと。

 来週、オギパンは店内改装のため休業するらしい。

B-PUMP秋葉原

2013.8.22()

 アキパンに行くのはちょうど3ヵ月ぶり。久しぶりに行くと、当然ホールドがあちこち変わっていた。白色3級ばかりをトライしてみた。あっさり登れてしまうのものあるけれど、歯が立たないものもあって力不足を感じたけれど、後半はそれなりに調子がノッてきて、結構な数の3級課題を登った。週に2回ジムに行くのも久しぶりだ。

■ベースキャンプ

2013.8.25()

 十一面岩で登るつもりで前日から瑞牆に行っていたのだが、天気予報が外れ未明から雨が降り出してきたため、クライミングは中止。午前中に帰宅したため、昼からベースキャンプへ。ボルダリングをやってヨレヨレになったころK寅さんがやってきた。ヨレヨレだったけれどルート壁もいくつか登った。

 そのボルダリングでは、茶色3級がいくつか登れたあと、緑色2級にもトライしたところ2つの課題が登れた。これは思っていたより上出来だ。沢登り続きで、落ちてしまった力を少しずつ取り戻しつつあるかな。

 二子山の面々もたくさん来ていて、聞くとこの夏の間も二子に行ってる人も。そういう話を聞くと、沢登りからフリークライミングのモードに切り替えたくなってきた。前傾した石灰岩の壁をまた登りたいなあ。

○夏風邪?悪寒がヒドい…。

2013.8.29()

 朝、目が覚めるとやたらと身体が重い。昨日の湯川での慣れないクラックで頑張り過ぎて身体中の筋肉が悲鳴をあげているのだろうか?トイレに行くとお腹を下していた。とりあえず正露丸を飲む。

身体がヒドくだるい感じで、なんとか出勤。悪寒を感じるので夏風邪ではないかと思い、市販の風邪薬を飲む(ベンザブロックIP)

夜帰宅すると、ほとんどそのままベッドに倒れ込む。扇風機の風が当るだけでヒドく悪寒を感じる。それなのに沢山イヤな汗をかく。正露丸が効いたのかどうか、お腹のほうは少しキリキリ痛むくらいだが、膨満感がある。日中あまり食事を取っていないのだけれど。

夜中にトイレに起き出し、ベッドに戻る際に立ち眩みでバランスを崩し、机にぶつかってベッドにもんどり打って倒れ込む。ああ、これはツラい…。

○ウイルス性胃腸炎?内科医院で診察、カイロプラクティックにも。

2013.8.30()

 前日の症状は、やはりクライミングによるものなどではなかったのだ。朝のうち、症状が少し治まった感じがしたので何とか出勤するが、午前中電話で話している途中で身体がガタガタと震えてきて悪寒が走ってきた。電話を終えると、椅子に座っているだけでもツラくなり横になることにした。

 症状がヒドいので、職場の近くの内科医院に行くことに。点滴を打ってもらえば少しは回復するかもしれない。診察してもらうと、貧血を起こしているワケではないので点滴はせず、おそらくウイルス性胃腸炎ということで薬を渡された。これで治ってくれればよいのだが。

 一方、先週クライミングジムに行った際に尻からマットに落ちてムチウチのように首を痛めてしまっていた。昨年末に初めて行って以来これまで3回行ったのだが、夕方、仕事を終えてから職場の最寄駅前のカイロプラクティックに行くことにした。

過去3回とも、ジムでマットにどか落ちして頸椎を違えてしまったためだ。なんだかクセになりつつあるのかも。

 しかし、このカイロのおやじの腕は信頼できるので、いつもここに通っている。首以外にも骨盤が歪んでいるということで、いつも腰骨周りもゴキゴキと矯正してもらうのだが、今回は大腿骨の外側付け根あたりを思い切りゴリゴリやられ、その痛みで思わず悲鳴をあげてしまった。まったく遠慮がない。

首のズレた骨を治す際も、頭部をグリンと回転させてパキパキパキと見事に治してしまうのだが、どこのカイロでもこれができる技術があるかというとそうでもないらしい。

というわけで、お腹は最悪なのだが、首や腰、背中などはすっきりして、身体が妙な感じだ。どうしよう、今夜から瑞牆に発つことになっているのだが、こんな状態で明日クライミングできるのだろうか…。

佐久湯川でクラッククライミング

2013.8.28(水)
 佐久湯川でクラックを登ってきた。湯川に行くのは今回で4回目。

 過去3回の分を含め登ったルートを備忘録的に書いておく。
 TRはトップロープ。RPはレッドポイント、OSはオンサイト、FLはフラッシュ。NTはノーテンションで登った意(正しい略し方かどうかは甚だ怪しい…)。

■1回目 2009.10
・デゲンナー5.8 TR NT
・同 RP
・バンパイア5.10c TR NT
・同 RP
・北京の秋5.10b TR NT
・サブタナル5.9 TR NT

■2回目 2010.05
・デゲンナー5.8 再登
・コークスクリュー5.9 OS
・サイコキネシス5.10c(当時) TR ※数回トライ、テンションだらけ
・北風小僧5.9 ※OSできたかは記憶無し

■3回目 2013.06
・コークスクリュー5.9 ×テンションだらけ
・サイコキネシス5.10d(現在) TR NT ※2回トライ
・コークスクリュー5.9 再登

■4回目 2013.08(今回)
・デゲンナー5.8 TR NT
・同 再登
・北風小僧5.9 RP ※2010.05トライ時はOSしていないかもしれないので
・フォーサイト5.10a/b TR NT ※疑似リード練習
・同 RP
・バンパイア5.10c TR NT
・コークスクリュー5.9 再登
・サイコキネシス5.10d TR NT
・同 TR ※疑似リード練習、テンションだらけ
・テレポーテーション5.10d TR NT

 ということで完登できているルートは、コークスクリュー5.9、バンパイア5.10c、デゲンナー5.8、フォーサイト5.10a/b、北風小僧5.9の5本だけだ。

 今回のメンバーは、YT川さん、O前さん、O田さんと私の4人だ。O前さんは、クラックがうまく、またアイスクライミングも相当やっているとのこと。関越道~上信越道を経て湯川の岩場に着くと、コークスクリューを3人組が登っていた。この日は平日ということもあり、我々とこの3人だけだった。
 最初にアップとして皆でデゲンナーを登る。O田さんはこのルートが登れるようになるのが当面の目標らしい。私は既登のこのルートをトップロープで登ってみて、さすがに易しいのでリードしておいた。
 続いて、私は北風小僧にトライ。過去の記録を振り返ると、トライはしているのだがオンサイトしたのかどうか判然としない。ちょっと大変だったけれど何とか登れたのでRPとする。カムだけでなくナッツも使った。ナッツは効くところではカム以上にばっちり効く感じがするので、私は使えるところではなるべく使うようにしている。
 O前さんが登って張ってくれたトップロープでフォーサイトにもトライ。バックロープを引っ張っていって、カムをきめながら疑似リードで登ってみる。これが意外とノーテンで登れてしまったので、つぎに本当のリードでトライ。前便ではさくさくできたカムのセットに手間取り、腕が張ってきて大変だったけれどこれまたRPできた。
 湯川に初めて来たときにRPしているけれど、バンパイアもトップロープで登ってみた。このあとサイコキネシスも登るので力をセーブするためリードはやめておいた。それでもこのくらいならリードできるだろう。
 サイコキネシスをトップロープで登るために、となりのコークスクリューを登る。先月来た時はこのコークスクリューですら苦戦したけれど、今回は軽く登れた。
トップロープを張ったサイコキネシスにトライ。1便目、フィンガージャムの痛みに耐えながら何とかノーテンでトップアウト。2便目、バックロープを引いて疑似リードしてみるが、フィンガージャムした片手で身体を支えながらエイリアンをきめるのは本当に大変でテンションしまくり。サイコのトライは2便に留める。

 最後にテレポーテーションに、これまたトップロープでトライ。外傾テラスに至るまでのクラックはレイバックをぐいぐい登っていく感じで、サイコより易しい。テラスから終了点までがフェイス的ムーブの核心部らしいのだが、事前にムーブのヒントを教えてもらっていたこともあり、ノーテンでトップアウトできた。右上クラックの開いたところを右手で取り、その右手の上に左手を重ねるリービテーション風のムーブがポイントらしく、やってみると意外ときまる。まっすぐ上に伸びたクラックではないので、純粋なリービテーションではないけれど。
 このテレポ、今回はリードしなかったけれど、次回機会があればやってみよう。でも、前半のレイバックの姿勢ではクラックの中を覗き込めないので、カムをうまくきめられるかはちょっと分からない。

 湯川3大クラックというのがあって、サイコキネシス5.10d、テレポーテーション5.10d、バンパイア5.10cの3ルートを指すらしい。
 このうち、サイコキネシスのグレードは、日本100岩場では以前5.10cだったのが、瑞牆ボルダーが追加された改訂版から5.10dに改められたようだ。確かに、サイコキネシスがバンパイアと同じグレードということはないだろう。
 また、トップロープだけれどサイコとテレポの両方を登ってみて、やはりサイコのほうがキビしいように思う。でも、クラックがうまい人にしてみればグレードの差が出るほどの違いはないのかな。

 こんな感じで、計10本登って身体はクタクタだ。それでもこうしてクラックをトライできて良かった。ジャミングやカムのセットなど、もっと上達しないとね。

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