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佐久湯川でアイスクライミング

2014.02.26(水)
 佐久湯川でアイスクライミングをしてきた。湯川にはクラックで4回訪れたことがあるが、アイスしに行くのは初めてだ。
 本当は西上州の相沢奥壁に行く予定だったのだが、先日の大雪のためアプローチで断念。転進先の神津牧場も通行止めで、内山峠を越えて信州は佐久湯川まで転進してきたというワケだ。
 メンバーは、所属山岳会のYT川さんとN野さん、私、某山岳会のクラックもアイスもうまいO前さん、別の某山岳会のY崎さんの5人。
 前日の夕方にこの計画を知った私は、彼らにお願いして急きょメンバーに加えてもらうことにした。夜には入間のクライミングジム・ベースキャンプでN野さん他とともにルート壁を登ったのだが、急きょ行くことになった翌日のアイスのため閉店1時間前に切り上げて帰宅した。
 なお、自身の過去の記録を見ると、相沢奥壁には2008.02.24、神津牧場には2010.01.31に訪れている。

 土曜日朝、埼玉県内で待ち合わせして、O前さんのパジェロで相沢奥壁を目指し荒船山方面へ。
 国道254号線の三ツ瀬という地名の辺りからか、遠くの山中に陽に当る氷瀑が見え、あれが相沢奥壁の氷瀑だとO前さんが教えてくれた。集落内を進んで行くと、先日の記録的な大雪で、車1台が通れるくらいしか除雪が済んでいない。対向車が来ると少し道幅が広がったところで避けないといけない。そうすると、アプローチとなる荒船山登山口に至る林道に入るところが完全に雪の山になっており、車で入ることができなかった。その先を歩いて見てみたのだが、トレースも無く、降雪以来誰も入っていないようだ。これではアプローチが大変なので、ここは諦めて別のアイスゲレンデを目指すことにした。

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(↑集落内の林道入口はこのとおり雪だらけ)

 ここからごく近い神津牧場に転進することにした。が、国道から神津牧場に至る道路入口に通行止めの看板が立っていた。ここも雪のため不通らしい。
 さらなる転進先として佐久湯川に行くことになった。当初予定した場所に行けなかったのは残念だが、前述のとおり、私は湯川でアイスをしたことがないので、不意のことだけれど初めて訪れることができて良かった。
 内山峠を越えて信州に入ると、晴れた空のもとこちらも雪景色が広がっていた。その時、そういえば長野県に来るのはずいぶん久しぶりだと気がついた。帰宅後に記録を見たら、長野県に来たのは昨年10月の体育の日の3連休の中日に小川山に訪れた以来だった。

 灯明の湯を過ぎて、林道入口付近だろうか除雪が途中で泊まっていて、駐車スペースのように少し広がっていた。そこから先はトレースがあるので、ここから歩くことになる。車が1台停まっていた。後で聞いたところでは、湯川のアイスゲレンデのうち白髪エリアというところで登っていたらしい。

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(↑灯明の湯を過ぎて、除雪終点で駐車)

 我々は乱菊エリアというところを目指すことにした。積雪に残るトレースをずっと歩いて行く。昨日あたりから気温が高くなり、ヤッケを着たまま歩いていると暑いくらいだ。ずっと歩いて行くと右上の樹幹越しに岩場が見える。クラックルートのある岩場だ。林道から遠目に見た限りでは岩は乾いているように見える。晴れて暖かければ冬でもクラックができるのかも。そうするとアイスとクラックの装備を用意しておけば、両方とも楽しめるのか。
 さらに少し歩くと、林道が上と下に下りていく二俣に出る。ここまで30分、いや40分くらい歩いたかもしれない。ここで二手に分かれる。O前さんとY崎さんはロープを持って上の林道を行く。残る3人は下に降り河原沿いを進みアイスの取付に行く。

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(↑林道を歩いていく)

 河原に向かって下りていくも、トレースが無くなりラッセルとなる。あまり水際を歩くと雪を踏み抜いて水に落ちそうだ。途中、頭上に導水管の橋のようなものがあり、その下の右岸側ちょっとしたアイスがある。帰宅後にアイスのガイドブック「チャレンジ!アイスクライミング」(廣川健太郎著/東京新聞出版局)を見たら、ミクロトワンソンというアイスらしい。トレースが残るところでは少し歩きやすくなるけれど、途中2回飛び石を伝って沢を渡り返したりする。そうすると左岸側に崖に氷柱がいくつも並んでいた。乱菊の氷柱エリアだ。氷には陽が当っていて明るいのだが、そのためか少し融けて水が垂れているように見える。崖を埋め尽くすほど氷で覆われているわけではなかったので、氷が最も発達した頃よりは量が少ないのかもしれない。対岸にあるアイスは修行の滝みたい。

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(↑ここで林道を離れ沢へ下りていく)

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(↑沢筋を進む)

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(↑乱菊の氷柱が見えてきた)

○乱菊の氷柱
 さて、上の組が林道のガードレールを支点にトップロープを張る作業をするのだが、ロープを下ろす箇所がちょうどアイスのところになるように、上と下の組は無線機で交信する。下から大声を出しても聞こえるのだろうが、なるほどこのほうが確実だ。林道からアイスの上端までも距離があるので、補助ロープを伸ばした先にトップロープが下がるようにする必要があり、ロープの本数はそれなりに必要だ。

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(↑乱菊の氷柱)
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(↑トップロープを2本張った。写真横向き)

 こうして乱菊エリアの崖の大きな木を挟んで左右の氷柱にそれぞれトップロープを張る。上で作業をしてくれたO前さん達が来るまでに、我々3人はトップロープで先に登ることにした。私のギアは旧型クォークとM10。まずは右の氷柱から登り易そうなラインを適当に選んで登っていく。日が当っているためかやはり氷の表面がシャリシャリと柔らかい感じ。テンションするようなことはなくトップアウト。
 今季、クォークを振るうのは12月にYT川さん達と行った甲斐駒坊主ノ沢以来だ。坊主ノ沢はずっと緩傾斜だった。昨季は、笛吹川東沢の乙女ノ滝に一度行っただけだ。それ以前にも何度かアイスに行く機会はあるが、普段フェイスのクライミングをやっていて、たまにクラックをやるという以上に、アイスは稀にしかやらない。
 O前さん達も合流して、2本のロープを使ってあれこれ登る。アイスのベテランO前さんは他の人とはやはりムーブが違う。アックスをサクッと一発できれいに打ち込むし、アックスをただ真上に刺して正対でワシワシ登るだけでなく、斜めや横向きに刺したりクロスして左右のアックスを持ち替えたりとムーブが多彩だし安定感がある。

 一つの氷柱でも、右側とか左側とかラインを変えながら私は乱菊を5本登った。これまでやったアイスクライミングでは、正対でアックスをとにかく上に上に刺して、アイゼンの爪も同様に上げていくという風にワシワシと登っていくだけだった。今回はトップロープの安心感もあるだろうが、アックスを横向きにツララ状の裏側に刺してサイドプルのようにしたり、凹角状に身体を入れた際はキョンしたり、さらに軽くニーバーや背中を氷柱に預けたりして荷重を軽減したりと自然にできた。
 今回思ったのはコルネの発達した石灰岩を登っているのに似ていると感じたことだ。コルネも垂直方向に伸びているので、ホールドを横から持ったりキョンしたり、ヒザなど手足の先以外の身体を岩にあてるのは普通のことだ。特に先日、トルコの石灰岩で登り込んできたばかりなので、アイスをしながらそれに通じる体感を得たのだろう。O前さんが「○○くん(私)はフリーやってるから、手に持つものを変えただけだよね」と言ってくれていたけれど、確かにそんな感じに近いのかも。

 ミクロトワンソンで登ったあと、再び乱菊に戻って右の氷柱を1本登った際は、午前中にO前さんが左端から登って、氷柱を右に回り込むようにトラバースするラインを真似て登ってみた。氷柱を回り込む際はその向こう側にアックスは刺せてもアイゼンは刺しづらい。右手右足でスタンスを取ると、オープンドアのように身体が左から開いてしまうので、ここでは自然とフラッギングをやってみた。そうして右手右足に乗った状態で左のアックスを近づける。そうすればさらに右のアックスを右に打てて、氷柱を回り込んでしまえばアイゼンの爪も刺しやすくなった。フリーだってそうだけれど、これがハングした氷の乗っ越しとなればさらに立体的なムーブが求められるのだろう。本格的なアイスからしたらおよそ何でもないことなのだろうけれど、今回初めてアイスでムーブらしいムーブの一端に触れることができた感じだ。

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(↑YT川さん)
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(↑O前さん)
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(↑Y崎さん)
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(↑私)

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(↑私)

○ミクロトワンソン
 乱菊に至る途中、導水管の橋の下の右岸にあるのがミクロトワンソンのはずだ。高さは10mくらいか。O前さん達がすでにトップロープを張っておいてくれたのだが、せっかくなのでリードしてみることにした。
 乱菊でのトップロープのつもりで、アイススクリューを車に置いてきてしまった人もいたので、YT川さんの2本、私の5本の計7本を使う。YT川さんが右寄りを登るのに4本持って行ったので、同時に左寄りから登ることにした私は3本。取り立てて難しくはなかったのだが、刺したスクリューが足よりも下になると、落ちた時のことを考えるとやはり怖い。3本しかないので2.5~3mくらいの間隔でスクリューを打ったと思う。
 左寄りよりももう少し傾斜がキツい右寄りもリードする。この時は手持ちの5本を全部使ってしまった。この滝で5本も使っていては、もっと高い滝では何本必要になることか。もっとランナウトに慣れないといけないのだろう。
 O前さんに言われたのは、スクリューを打つ際の姿勢。右手でスクリューをセットしている間、左手はアックスを握っているワケだが、その左手のヒジが曲がったままだと腕が疲れてしまうので、アックスはなるべく腕を上に伸ばした状態に打って、両足の位置を決めるようにするとのこと。アックスを打ったら、改めて両足の爪を刺して安定した状態にしたほうが良いようだ。
 しかし、やってみるとこれが意外と慣れない。アックスを打って足位置を決め直す際についつい足位置が上がり、結果上体が上がり、腕ぞ曲がってしまう。普段やってるフリークライミングだって、クリップはもっと短時間で済むけれど、身体を上げる際にはいつもいつも腕を引き付けていてはヨレてしまうので、身体を振ったりして腕をなるべく伸ばした状態で、一方の腕で上のホールドを取りに行くようにしている。要は慣れだ。

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(↑ミクロトワンソンを登るN野さん)

○修行の滝
 修行の滝は、乱菊の対岸にある。O前さんとYT川さんが上から回り込んでトップロープを張ってくれた。滝の流身にも氷ができているが、内部は水が流れ落ちていて筒状のごく薄い氷に見えるけれど、滝の左側にある氷は日陰ということもありしっかり氷っているようだ。
 出だしの低い氷柱を登って、テラス状を右にトラバースして流身の氷の左側に取付く。そこを登ると木の根っこがあるのでそこで終了とした。

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(↑修行の滝)

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(↑YT川さん)

 夕方になり撤収することにした。YT川さんが修行の滝を懸垂下降してロープを回収してくれる間に、O前さんは乱菊にかけた補助ロープを上の林道から回収に行ってくれた。Y崎さんも含め、皆さんにはお世話になりっぱなしだ。
 積雪の林道を歩いて帰るうちに暗くなってきた。40分くらい歩いたのだろうか。もっと歩いたような気もする。疲れた~。でももうすぐ3月。真冬よりは陽が伸びたものだ。
アイスではトップロープ7便とリード2便で、思ったよりもたくさん登れたのは良かった。駐車スペースには白髪エリアで登っていたらしいパーティーがテントを張っていた。明日も登るのだろう。上信越道~関越道経由で埼玉県内で解散。
 東京へ帰る途中、山田うどんに寄って日替わり定食を食べる。埼玉県内を中心に展開する山田うどん、特別美味しいわけではないけれど、この安っぽさが好きなので一人で行動する時はちょくちょく利用している。
 今回、急ながらアイスをする機会を得られて良かった。トップロープばかりだったけれど、ムーブらしいムーブも試せてアイスの面白さが少しだけ分かったかも。

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