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小川山 烏帽子岩左稜線 屋根岩3峰 ソラマメスラブ

2014.05.05(月)~06(火)
 3~4日で白馬岳主稜を登ってきた私とY和さんは、道の駅南きよさとで泊まった。5日はHUさんと合流して湯川で登るはずだったのだが、それが白紙になったので、当初計画していたとおり、GW残りの2日間を小川山で登ることにした。

■5/5(月) 烏帽子岩左稜線 5.8 18P
 計画では、一日はマルチピッチのルートを登ることにしていて、なかなか機会のなかった烏帽子岩左稜線に登ってみたかった私は今回の出発前からY和さんい提案していたのだ。
 5日は午後から雨が降る予報だったので、全18ピッチもあるらしいこのルートに行くべきか迷ったけれど、とにかく急いで登ることにして、この日登ることにした。決めてしまえばあとはテキパキと行動するのみ。テントを撤収して、廻り目平へと車を駆る。1時間強で廻り目平着。6時半過ぎ。GW期間中ということもあり、駐車場はほとんど埋まっていたが、昨秋の3連休のような溢れかえるような満車状態ではなかった。たくさんのクライマーがこの日のクライミングの準備をしていた。
 我々も装備をまとめると、すぐに歩き出す。ヴィクター方面の林道から沢の堰堤上を渡渉する。3月に行った名張の岩場での渡渉に比べたらラクなものだ。妹岩・マラ岩への道と分かれ、旧林道から樹林帯からガレ場を登っていく。ネットの記録には、このガレ場の中に目印となる「白い落ちそうな岩」というのがあるはずなのだが、見当たらない。もしかしたら本当に落ちてしまったのかも。左稜線の取り付きとなる岩壁はガレ場に取り付いた時点でだいたい分っていたので、そのあたりを目指して登っていき、樹林帯に入ると岩場の基部に至った。まだ誰も来ていない。というか、この日ここを登ったのは我々だけだった。
 シューズを履き替えロープを結び、登攀を開始したのは8時過ぎ。ロープはシングルロープ1本。カムももちろん携行。日本100岩場のトポ図によると、このルートは5.8を最高に全18ピッチ。途中5.4とか岩稜歩きのようなピッチもあり、懸垂下降も2か所あるようだ。グレードは易しいけれど、とにかく長いので早め早めに行動しないと時間を食ってしまいそうだ。まずはY和さんのリードで登攀開始。

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(↑ガレ場を登る)
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(↑取付き)

1P(5.6 20m)Y和リード
 取り付きの岩は、左手につるっとしたきれいな面があるが、トポのコメントにあるとおり取り付きはその右手にある木の根っこのある汚い溝だ。一段上がったあたりから登り始める。

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(↑1P目をリードするY和さん)

2P(5.7 20m)私リード
 あまり覚えていないが、トポのコメントどおり。

P5050118
(↑2P目フォローのY和さん)

3P(5.6 20m)Y和
 出だしはダブルクラックっぽいところを登る。

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(↑3P目をリードするY和さん)

4P(5.8 40m)私
 コメントどおり見上げる岩塔のスカイラインに木が1本生えており、それを目指して登っていく。

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(↑4P目をリードする私)

5P(5.4 40m)Y和
 ごく易しい岩稜。どこでピッチを切るのか分らず、途中でピッチを切ったため2Pに分かれたけれど、トップにロープを手繰ってもらいながらごく易しい岩場を登る。

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(↑5P目前半フォローの私)
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(↑5P目後半をリードするY和さん)

6P(5.4 30m)私
 ここは樹林の中を抜けていく感じ。

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(↑6P目フォローのY和さん)

7P(5.5 30m)Y和
 トポには右から取り付くとあるが、岩の基部を右に回り込んで取り付くということではないらしい。ここを登れといった感じで見ればわかる。

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(↑7P目をリードするY和さん)

8P(5.5 15m)Y和
 続けてY和さんにリードしてもらう。右上の木を巻きながら登って行った。

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(↑8P目をリードするY和さん)

9P(5.7 35m)私
 どんなピッチだったか覚えていないのだが、確かに途中リングボルトが2つあり、それを過ぎて左に回り込んだところにハーケンが2枚あった。足元に腰掛けられる岩があるので座ってビレイ。
曇天で風があり寒い。この辺りは私は雨具の上衣を着込む。

P5050134
(↑9P目フォローのY和さん)

10P(5.6 20m)Y和
 出だしのトラバースは、左下の岩に足を伸ばして降り立つ際に、トラバース部分の棚状にあるホールドを両手でしっかり持って身体を下げていけばよいだろう。クイのあるところまで。

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(↑10P目をリードするY和さん)

11P(5.6 20m)私
 トポ図にL字に曲がるとあるが、そのとおり岩稜が途中で右に曲がる感じ。

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(↑11P目フォローのY和さん)

12P(5.5 30m)Y和
 向こう側に13P目のクラックが見えている。少し降りてから登り返すとクラックの基部。

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(↑12P目をリードするY和さん)

13P(5.7 15m)私
 ハンドクラックが楽しい。クラック初心者の私でも極めて快適だ。クラックを抜けたところでピッチを切り、フォローが登ったところでロープを解く。ここが烏帽子岩本峰(三ノ楯)頂上らしく、明瞭な踏み跡を辿る。

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(↑13P目フォローのY和さん。クラックを越えるところ)

14P(懸垂下降20m)
 懸垂下降で鞍部に降りる。この辺りからだったろうか、いよいよ雨が降り出してきた。ビショビショに濡れるほどの雨脚ではないが、雨具を着ていてよかった。

15P(5.5 20m)Y和
 目の前の割れた岩を左側面を辿って越えたその先に、チムニーがある。確かにボロい感じ。

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(↑15P目をリードするY和さん)

16P(懸垂下降10m)
 短い懸垂下降を終えて少し行くと、右手の樹林帯の中にエスケープできる踏み跡がある。雨はこれ以上強くならずに、一時的にせよむしろ止みつつあるようだ。登攀を続けることにする。

17P(5.7 35m)私
 残りの2ピッチは私がリードすることにする。ワイドクラックを越えるところで岩がビショビショに濡れていたため、たまらずカムをつかんでA0する。ロープを屈曲させてしまい、引っ張るロープがえらく重くなってしまった。最後のチムニーの基部に至る。

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(↑17P目フォローのY和さん)

18P(5.8 15m)私
 最終ピッチのチムニー。チムニーの中に入り込み、チムニー内の石に背負っていたザックを掛けて残す。背中をチムニー内の片面に当てながらジリジリと亀のように上がっていくが、頭上に見えるハーケン(ボルトだったかな?)までわずかに届かず。カエルのような格好で正面の岩に足を押し当て、背中側も押し当てるとほとんど身動きが取れなくなる。岩が乾いているのが救いだが、足が滑ったら擦り傷だらけになりながらチムニー内を落ちると思うと動くに動けない。カチホールドを持った手指がヨレてくる。どれだけ留まっていたか分らないが、意を決して身体を挙げてハーケンにヌンチャクを掛けそのままA0。そこから左側にチムニーの外を出る。ホッ。少し登ると岩稜に出る。ここでおしまいだ。まずは2人のザックを引き上げてからY和さんがフォローで登る。こうして登攀終了。

P5050151
(↑18P目フォローのY和さん)

 樹林帯を少し降りたところでシューズを履き替える。13時半過ぎくらいだったか。要した登攀時間は5時間半ということか。易しいピッチが多いとはいえ、途中雨の降る中18ピッチを登ったにしては、思っていたより早く登れたかな。

 樹林の中の踏み跡を辿り旧林道に出て、駐車場に戻る。まだ15時くらいだったので、欲張って近くの岩場に行ってみることにした。行ったことのない屋根岩1峰に行ってみることにした。使用禁止の展望台の東屋から降りていくようだが踏み跡がほとんど分らない。何とかたどり着いた岩場に3人組がいて、その岩場のルートは「バイシクルダイク」5.11dだった。ということは屋根岩1峰東面下部スラブというところか。バイシクルダイクは見るからにホールドのほとんどなさそうなドスラブなので、取り付く気はない。この岩場の上に屋根岩1峰があるはずなので、スラブの左側から樹林を上がっていく。上方に岩場が見えてきたが、そばまで行ってみるとルートが全くない。どこにあるのか分らないまま諦めて下山することにした。無駄足になってしまって、Y和さんごめん。

P50501591511
(↑バイシクルダイク5.11d)

 車もテントの数も朝よりずっと少なくなっていた。空いた広場にテントを張る。夕食はY和さんがポトフを作ってくれた。疲れた私はテントの中でビールを飲みながらごろごろした。
夜中に再び雨が降ったようだ。予報では明日の天気は良いはずだから岩が乾いてくれますように。

■5/6(火) 屋根岩3峰、ソラマメスラブ
 朝、テントの外を見るとひどく霧がかかっている。天気は回復するだからと思い朝食を食べながら様子を見ていると、霧が晴れてきた。白馬岳主稜と烏帽子岩左稜線のこれまでの3日間の行動で身体がずっしりと疲れているのだが、思い身体を押してクライミングの装備をまとめる。
 Y和さんと乾きの良さそうな屋根岩に行くことにした。私は小川山に詳しくないし、屋根岩も数えるほどしか来たことがない。訪れたことがあるのは2峰と5峰だけだ。ということで着いたところは3峰。南稜神奈川ルートや南稜レモンルートといったマルチピッチルートを登るパーティーが何組かいた。

 まずは、JMCCルート5.9でアップ。が、アップのつもりで取り付いたけれど出だしが何だか難しい。1ピン目が高い。右の凹角から取り付こうと思ったけれど(結果、ここから取り付くのが正しいようだ)、1ピン目にたどり着くまでに落ちそうなので、左のトランキライザー5.11cの1ピン目を経由してJMCCにトラバースした。
 トップロープで登ったY和さんは、右からレイバック気味に登って行った。
 続いて、終了点が同じ同志会ルート5.10bを登る。Y和さんもTr.で登る。

○「メルトダウン・ダイレクト」5.11b ×
 このエリアではこの3つ星ルートをトライするつもりで来たのだが、ここに来る前に駐車場でA井さんに会った。直前にA井さんのメルトダウン・ダイレクトについてのブログ記事を読んでおり、ちょうど良かったので、ルートの様子を聞いた。100岩場には25mとあるけれど、実際は45mくらいあるので、下りる際は途中でロープを結び直すことになるとのこと。
なお、ピンの数はトポのコメントにあるとおり11本。核心を越えて傾斜が緩んだ最後は4mとか10mとかランナウとするけれど。
 ということで、立て掛けてあるような基部の岩から取り付く。この基部の岩にはボルト2か所。このスラブも気が抜けない。それからいよいよメルトダウンのスラブ壁に取り付く。小さいホールドを拾いながらじわじわと登っていく。何度もチョークアップしながら慎重に身体をあげていく。普段こんなカチカチホールドのルートなんて登らないので、スラブは苦手だ。
9ピン目のクリップを済ませると、その先のホールドがさらにワルくなった。その上にはリップ状のホールドが見えているので、あれを何とか取れればと思うのだが、手で持つホールドもそうだが、立ち込めそうなフットホールドもない。相当粘ってみたのだが、ついに力尽きてフォール。ああっ。登ったことのある人がわかると思うが、この9ピン目先が核心だったのだ。それでも、ここに至るまでもかなり難しいので、初見でここまで登れただけでも御の字かも。
 核心がどうしてもできず、9ピン目のボルトを踏みながらリップを取る。凹んだところを通過すると傾斜が緩まり、10~11ピン目間は4m、11~終了点間は10mくらいランナウトする。傾斜が緩く、慎重に登れば落ちることはないのだろうが。
 Tr.で核心部分のムーブを探る。右足ハイステップ気味に無理やりに身体を上がてリップのホールドを取ってみたけれど、ちょっと無理がありそう。諦めて下りる。もう1便出す気力はないので、ヌンチャクを回収する。
 A井さんには、長くてもう一度登る気にならないからオンサイトがんばってねと言われていたのだが、よく分った。

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(↑メルトダウン・ダイレクト5.11b)

 3峰を撤収して、ソラマメスラブに移動した。ここでは、裏ジェットストリーム5.11bと下部スラブにあるスラブの逆襲5.11bなどを登っている。
 Y和さんがソラマメ5.9+をリードで登る。

○「ソラマメハング・スーパー」5.11d 2RP
 ソラマメスラブの岩のうち、右のほうはスラブのルートばかりのようだが、左のほうは裏ジェットを含め出だしの部分がえぐれたハングになっているルートがある。そのうち、ソラマメハング・スーパーというルートも裏ジェット以上い出だしのかぶりがキツそうで面白そうだ。若者が掛けていたヌンチャクを回収していたので、今度は私もトライすることにした。
 1便目。ハング下の1ピン目含め3ピン目までは棒でヌンチャクを掛けておく。ハング下に取り付き、ハング右下の真っ白にチョークが付いたコブホールドを左手で持ちながら、ハング先の右上の外傾棚状の小さな割れ目を右手で取る。ここまでは足を基部の岩に残しておけるが、身長のない人は届かないだろう。そうして、左上がガタガタしたところの下端の出っ張りをがっちり左手で取る。ここまでは行けたのだがこの先がワルくてテンション。
 あれこれとムーブを探る。ガタガタのところに右手も出したいのだが、かぶっているので両足をどこかにきめたい。右足は手に足になるように外傾棚状にヒールフック。さらに探って左足はコブホールドに左足ヒール。両足ヒールでどっかぶりに張り付くような感じで、ガタガタに右手を出せば何とかなるようだ。さらに身体を引き付けて左手でガタガタ上方のガバをキャッチし、足を移して、伸び上がるように右上方のガバフレーク取ると核心部は終わりだ。
 2便目。先ほど探ったムーブで核心部をこなす。こんなムーブ、普段岩場でやることはなく、まるでジムのボルダー課題をやっているようだ。コブホールドにヒールする際は見えないので、ヒールがかかったかをビレイしているY和さんに教えてもらった。登り始める前に、Y和さんにお願いていたのだ。見えないから、かかっているかいないか教えてねと。ガタガタの右手は決して良くないのだが耐えつつ、左手を出してさらに上のガバを取る。足を移して、右上うガバフレークをキャッチ。思わず吠える。なんだかやけに岩が冷たい。さっきはこんなに冷たくはなかったはずだ。
 こうして2便目でレッドポイント。やれやれ、よかった。メルトダウン・ダイレクトは登れなかったけれど、これが登れてこの日は満足。

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(↑ソラマメハング・スーパー5.11d)

 私のトライの合間に、Y和さんは三色すみれ5.10aを2RP、甘食5.10bをオンサイト。
 最後に私は、別パーティーがトライしていたソラマメハング5.10cを登らせてもらう。先ほどのスーパーに比べたらずっと易しく、きちんと身体を振れば、無理やりホールドに手を出すこともなくスタティックにいける。フラッシュ。

 キャンプ場に戻り、テントを撤収して廻り目平を離れる。帰りは十石峠~志賀坂峠経由でずっとした道で帰ることにした。ナナーズから小鹿野町のセブンイレブンまでの約2時間の運転は疲れた。ようかみ食堂で、私はニラレバ炒め定食830円をいただく。Y和さんはラーメンセット850円。

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(↑ようかみ食堂のニラレバ炒め定食)

 ようかみ食堂から飯能まではY和さんに運転してもらった。Y和さんを家まで送り、帰宅。疲れた。
 疲れたけれど、白馬岳主稜をばっちり登り、小川山では烏帽子岩左稜線のマルチも登って、さらにどっかぶりのソラマメハング・スーパーも楽しく、充実した4日間となった。Y和さん、本当にお疲れさまでした。

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