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瑞牆山 不動沢屏風岩 カサメリ沢前絵星岩

2014.05.10(土)~11(日)
 瑞牆山でクラックを登ってきた。
初日は不動沢にある屏風岩の正面壁とエンペラー・タワーで登り、2日目はカサメリ沢にある前絵星岩で登った。
 どちらの岩場も行くのは初めてだ。特に不動沢にはワイドクラックがたくさんあると以前から聞いていたので、どのようなところなのか楽しみにしていた。
 同行者はT橋さん。

■5/10(土) 不動沢 屏風岩
 早朝、京王線某駅近くでT橋さんと待ち合わせ、私の車で植樹祭広場を目指す。植樹祭広場を通り過ぎ、ダートの林道を進むと、不動沢やカサメリ沢に至る駐車スペースに出る。ここに来るのは数年ぶり。以前何度かカサメリ沢にあるモツランドやコセロックなどに通ったものだが、すっかりご無沙汰している。他に2台ほど停まっている。
 私は不動沢に足を踏み入れるのは初めてだ。T橋さんは特に昨年は足しげく通ったそうで、そのT橋さんの案内で、駐車場から最も近い屏風岩で登ることにした。
 しばらく歩くと樹林帯の中に大きな岩が現れた。屏風岩正面壁らしい。さらに左に回り込んでいくと、岩小屋ルーフやエンペラー・タワーがあると言う。
 まずはアップを兼ねてここ正面壁で登る。他のクライマーはおらず、時々登山者が通り過ぎるだけだ。

【屏風岩正面壁】
○「おしん」5.8 OS
 左端にあるおしんというルートを登る。途中の木を通過してチムニー状を登る。これくらいならオンサイトできる。

P510000658
(おしん5.8を登るT橋さん)

○「不動沢愛好会ルート」1P 5.10a (出だしフレーク) OS
 出だしのスクイーズチムニーを避けて、左側のフレークを辿って後半のハンドクラックを登った。これもオンサイト。
 トップロープを張る。

○同 (出だしSq.) Tr.
 トップロープで、愛好会ルートの出だしのスクイーズチムニーをT橋さんも私もやってみる。スクイーズチムニーとは、身体の厚みぴったりくらいの狭いチムニーで、身体が外に絞り出されるような狭さという意味らしい。絞り出されるならまだ良いが、身体がスタックして身動き取れなくなったら大変そう。
 やってみると、完全に身体を入れてしまうと息苦しくて身動きが取れず、身体を上にあげるどころではない。身体を左向きにして(身体の左側がチムニー奥側)、右足を外に出してチムニー外の壁に足を当てながらだと何とか身体を上げていける。これをリードするとなると、チムニーの奥のほうにカムをきめるのが大変そう。

P5100011
(↑不動沢愛好会ルートのスクイーズチムニーを登るT橋さん)

 正面壁で登り終えて、エンペラー・タワーに移動しようと荷物をまとめていたところ、所属山岳会のHUさん達4人がやってきた。もうお昼近い。この日、HUさん達も不動沢に来ると聞いていたのだが、なかなか来ないので他の岩場に行ったのかと思っていた。聞くと、中央道の事故渋滞に巻き込まれてしまったそうだ。顔ぶれは、HUさん、YT川さんOK田さん、それから先日白馬岳主稜や小川山に一緒に行ったY和さんの4人。
 HUさん達も正面壁で登ってからエンペラー・タワーに行くということで、我々は先に移動する。
 途中、画竜点睛5.12dなどのルートがある岩小屋ルーフを見る。ルーフクラックを登るらしく、私にはおよそ歯が立たない。

P5100014
(↑岩小屋ルーフ)

 岩塔を回り込むように斜面を登っていくと、エンペラー・タワーの取付に至る。T橋さんのこの日の目標は、ここにあるよろめきクラック5.10aとのこと。

【屏風岩エンペラー・タワー】
○「エンパイア・ジャム」5.9 ×
 エンパイア・ジャムはよろめきクラックの左側のクラックからスタートし、中間でよろめきと合流し、後半はよろめきと共用するルートだ。
 T橋さんが登ったあと私もトライ。出だしは3番キャメがきくサイズで、さらに登るとハンドジャムが快適にきまるクラックがある。水平クラックが走るところから右側のよろめきクラックに合流する。最初はフィストがきまるのだが、さらに上がるとクラックが広がってくる。頭上に見えるチョックストーンに手を伸ばしたいのだが、こういうワイドクラックの中で身体を上げるムーブが分らない。ここでテンション。テンションしながらチョックストーンまで手が届き、何とかトップアウト。

P5100018
(↑エンパイア・ジャム5.9を登るT橋さん)
P510002459
(↑エンパイア・ジャム5.9を登るY和さんとよろめきクラック5.10aを登るYT川さん(上))

○「よろめきクラック」5.10a Tr.
 Tr.でT橋さんも私もよろめきをやってみる。前半のオフィドゥスが難しい。最初は左向き(右半身が奥)で取り付き、途中で向きを入れ替えて右向きで上がってみた。狭くて息苦しくなる。あとから来たHUさんは最初から右向きで登ってうまく抜けて行っていた。
 T橋さんはレスト後にトライして、レッドポイントした。さすが。

P5100032
(↑よろめきクラック5.10aをRPするT橋さん)

○「石楠花三昧」5.10b OS
 HUさんパーティーを含め皆がよろめきクラックなどをやっている間に、右に回り込んだところにあるシャクナゲ三昧というルートをやってみることにした。トポにはフィンガーとある。
 右上していくルートで、右側に少し身体を預けるとラクになる。そうしてじわじわ登っていくと急にクラックが途切れてしまった。ほとんど線のように細くなり、ところどころ隙間があるくらいだ。フェイスのホールドもワルい。ここでテンション。伸び上がって、その隙間にマイクロカムを突っ込んでみるが効きがいまいち。これで5.10bなんてはずはない。日本100岩場では、ルート長は15mとなっていて、だいたい登ったくらいの高さのはずだ。終了点にはボルト1つの×印が記してあったが、それもない。仕方がないのでカムを残置して下降した。

 シャクナゲ三昧に残置したカムを回収しないといけないので、よろめきクラックからTOPへの道5.10bを登って、エンペラー・タワーの岩塔上から懸垂下降しながら回収することにした。まずはトップロープでよろめきを登る。もう疲れてヘロヘロなのでテンションだらけ。よろめきのRPトライはまた別の機会に。

○「TOPへの道」5.10b ×
 HUさんとY和さんがエンペラー・クラック5.9を登って、よろめきクラックの終了点に到着していた。この先のTOPへの道を登るために、Y和さんに付き合ってもらうことになった。
 しかし、フレアした浅いクラックはジャムはもちろんカムがきめづらい。何とかカムをきめるとジャムすっぽ抜けてフォール。A0を交えながらトップアウトし、岩塔上を右に歩いて、太い木にかかった残置のスリングとビナでピッチを切った。Y和さんがフォローで続く。

※「石楠花三昧」5.10bの終了点消失について
 懸垂下降していくと、石楠花から上のパートを見るとえらく難しそうだ。HUさんの話だと5.13のルートがエクステンションとして設定されたらしい。そのために、石楠花三昧の終了テインが勝手に撤去されてしまったのかもしれない。とりあえず残置したカムを回収できたけれど、このとおり石楠花の終了点は無くなってしまったので、5.10bとしてのルートも無くなってしまったということか。
 100岩場の掲載どおりに登ってしまうと、私のように下降に困ることになるので要注意。誰かがまたボルトをセットしてくれると良いのだが、私はとりあえず終了点があったと思われるところまではノーテンで登れたので、オンサイトできたことにする。ボルト跡は見つからなかったけれど。

 そんな感じで、6人であれこれ登って下山する。YT川さん、OK田さん、Y和さんは日帰りなのでYT川さんの車で帰って行った。HUさんは明日も瑞牆で登るので、私の車に荷物を移す。信州峠を越えて川上村に入る。ヘルシーの湯で疲れた身体を癒し、ふじもとで夕食。私はビビンバ650円を食す。ナナーズで買い出ししてから、不動沢入口の駐車場に戻る。テントを張って中でビールを飲んでいると、HUさんの知り合いのI井さんが来た。5.14を登る強~いクライマーとのこと。ワインを飲むとトロトロと眠くなってきた。

■5/11(日)  カサメリ沢 前絵星岩
 起き出してテントの外を見ると今日も快晴だ。昨夜のお酒で頭が重いというよりも、体中の筋肉がゴワゴワに強張っている感じだ。慣れていないのもあるだろうが、ワイドクラックはフェイスのルート以上に全身を使って登る感じで、そのためこんなに身体のあちこちが痛むのかも。
 今日はT橋さんの案内で、カサメリ沢の前絵星岩で登ることにした。カサメリ沢は不動沢の枝沢らしいので、厳密には前絵星岩は不動沢に面しているのかも知れないけれど。何年か前に隣りの絵星岩で一度登ったことはある。
 HUさん、I井さんと別れ、T橋さんと出発。飛び石伝いに沢を渡り、アプローチ道を下流側に少し歩いてから斜面の中の踏み跡に入る。すると前絵星岩の基部に着く。
新緑荒野という5ピッチのルートの最初の取付もここらしいが、1P目が難しいので、回り込んだ右側から登って2P目取付に行くこともできるらしい。2P目はクラックが2つあって、左側のジキル博士5.10aと右側のハイド氏5.10aのどちらでもよいみたい。
 さらに、逆に左側に回り込んで急斜面を登っていくと、4P目取付きの見晴らしの良いテラスに出る。雪を頂く南アルプスが眺められる。まずはここまで登って荷物を解く。南面していて日当たりが良く暖かい。前日の屏風岩はほとんどずっと日が当たらず寒いくらいだったので、この暖かさは心地よい。T橋さんはここのルートをいくつか登っていて、水平旅行5.10bという面白いルートもあるらしい。昨日の屏風岩も貸切状態だったけれど、この日の前絵星岩も貸切だった。駐車場に停まっている車の少なさからしても、訪れるクライマーは少ないようだ。
 最初にアップを兼ねて、ここから懸垂下降してジキルとハイドを登ろうとしたのだが、懸垂下降したロープがスタックしたりして手間取ってしまったので、諦めてテラスに戻った。

○「真夏の太陽」5.10b ×、Tr.
 気を取り直して、真夏の太陽というフィンガーくらいのクラックのルートをやってみる。しかし、私にはキビしくて途中でテンション。その後はA0を交えながら少しずつ登っていくが、傾斜が変わるところの乗っ越しができず、途中で降りる。T橋さんに交替して登ってもらい、Tr.をかけてもらう。Tr.状態でもう一度やってみるが、フィンガージャムがきまりきれずやはりテンション混じり。トップアウトして、左隣りの新緑荒野4P目にTr.を張る。

P5110034510b
(↑真夏の太陽5.10bを登るT橋さん)

○「新緑荒野」4P目 5.10a 2RP
 100岩場を見ても、各ピッチごとのグレードがいまいち分らないのだが、登った感じで記載の5.10aとしておく。まずはTr,で登ってみる。段々を2つほど上がってから左側の厚いフレーク状に取り付く。途中その厚いフレークを抱き着くように登ったり、右のフェイスに立ち込んながらフレーク内側に半身を入れながらジャムして登っていく。ノーテンで登れたので、少し休んでから、リードしてみることにした。
 中間のオフィドウスから最後のフレークのレイバックに至る。5番や6番の大きなカムをきめておく。最後のフレークは左右に2つあるのだが、右側の今にも抜けそうに突き出したフレークのほうが幾分易しいらしい。左側の大フレークをレイバックでぐいぐい上がり終了点へ。登れて良かった。

P5110040
(↑新緑荒野4P目をRPする私。写真横向き)

 荷物をまとめて、前絵星岩の基部に下りる。右側から登って新緑荒野の2P目、ジキル博士とハイド氏の2本を登ることにした。まずはその取付きまで行くのだが、結構急なのでロープを出してT橋さんのリードで行く。
 着いた狭いテラスには太い木があり、そこでセルフビレイが取れる。左側のオフィドゥスがジキル博士5.10a、右側のフィンガーがハイド氏5.10aだ。T橋さんは以前、Tr.でそれぞれ触っているとのことなので、まずは私がトライする。身体はくたくたに疲れているはずなのだが、登っているうちに身体が少しはほぐれてきた感じがする。

○「ジキル博士」5.10a OS
 出だしで、私は左側から回り込んで取り付いたが、続いて登ったT橋さんはきっちりオフィドゥス内から取り付いていた。右上するオフィドゥスでは4番キャメがもっともきまる。左足をオフィドゥスに入れるようにしながら登っていく。オンサイトできた。
 前日のワイドでも腕のあちこちに小さな擦り傷と作ったけれど、今日も前腕や指が結構血だらけだ。続くT橋さんもRP。

P5110045510arp
(↑ジキル博士5.10aをRPするT橋さん)

○「ハイド氏」5.10a OS
 テラスの右寄りからスタート。ハンドくらいのクラックから、中盤からはフィンガーになる。このフィンガーでは0.5番がベストサイズ。しかし、このフィンガークラック、縁がギザギザしていてねじ込む指が痛い。痛みをこらえて順手や逆手でフィンガージャムをきめる。入間のクライミングジム・ベースキャンプにあるクラックルートでフィンガージャムの練習したのがここで役立った感じだ。最後は左にトラバースして、ジキル博士の終了点へ。やった。フィンガージャムをきめながらきっちりと登れたのが嬉しい。T橋さんもRP。

P5110050
(↑ハイド氏5.10aをRPするT橋さん)

 ちなみに終了点のボルト支点はない。抜けたテラスに立つ木にスリングとビナをセットしてロワーダウンしたのだが、最後に懸垂下降するとなると、スリングなどを残置しない限りメインロープを木に直掛けすることになる。我々はそうしたのだが、直掛けだとロープの回収が大変だ。あるいは、新緑荒野の3P目を登って、午前中に居たテラスから歩いて下りることもできる。

 下山して、須玉から中央道に乗る。談合坂SAから先で渋滞につかまったので、上野原ICで降りる。T橋さんと解散し帰宅。ああ、疲れた。でも今回はワイドクラックをあれこれ触ることができて良い経験になった。T橋さん、お疲れさまでした。

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