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東丹沢本谷川 キューハ沢、表丹沢水無川 新茅ノ沢

2014.05.17(土)~18(日)
 今シーズン最初の沢登りに行ってきた。
 土曜日は、所属山岳会のIG嵐さんとT橋さん、私の3人で、東丹沢本谷川にあるキューハ沢を遡行してきた。丹沢山を東側から突き上げる沢だ。
 日曜日は、所属山岳会の約26人が戸沢キャンプ場に集まり、5班に分かれて周辺の沢を登る企画に参加し、私は2年前にも行った新茅ノ沢を遡行してきた。鳥尾山に突き上げる沢だ。
 参考にしたガイドブックは「東京起点沢登りルート120」(宗像兵一編著/山と渓谷社)。キューハ沢はP.126-127、新茅ノ沢はP.88-89に載っている。

■5/17(土)  東丹沢本谷川 キューハ沢
 土曜日朝、私の家の最寄駅でT橋さんと待ち合わせ、私の車で環8経由でIG嵐さんを自宅まで迎えに行く。道路が混雑気味ということもあり、宮ケ瀬湖経由で、塩水橋近くのキューハ沢に至る林道入口ゲート前に到着したのは8時半頃。丹沢山への登山口にもなっているここは十分な駐車場がないため、路肩に延々とたくさんの車が駐車してある。ゲート近くはすでに埋まっているため、数百メートル先まで行って何とか車を止めた。そんなこんなで歩き始めたのは9時頃。天気は快晴。絶好の登山日和だ。

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(↑塩水橋先のゲート)

 冒頭書いたとおり、翌日は所属山岳会の表丹沢川にある戸沢キャンプ場を起点に皆で沢登りをする予定で、前日夕方に集まれる人、つまりこの日の17時まで戸沢に集まれる人は集まって、夏の沢登りの打ち合わせをすることになっていた。我々3人も17時に行くつもりで行動していたのだが、前半に多く現れる滝の突破に思ったより時間がかかり、とても17時には間に合わないことが分かってきた。

 装備としては、私はフェルトソールの沢靴(モンベル・サワートレッカー)。カラビナやスリング、確保器などのギアのほか、カムも少し持った。8㎜径の30m補助ロープ。
 ゲートをくぐって、塩水川方面に行く林道の橋と分かれ、本谷川沿いの林道を歩く。林道は崩壊しているところがある。
 また、林道上で白骨化またはミイラ化した鹿の死骸を多く見かけた。5~6頭見かけたと思う。3人で話したところでは、2月の大雪で動けなくなって死んだのではないかとのこと。林道上で行き倒れたのか、雪崩や融雪に伴って山の斜面から林道に落ちてきたのかは分らないけれど。生息数が多過ぎて丹沢の植物を荒らす害獣としてのニホンジカがこうして減るのは、そういう意味では良いことなのかもしれない。
 小一時間歩くとキューハ沢の出合い着く。周辺の地形と地形図を見比べて、ここがキューハ沢の入口だと判断した。アプローチシューズから沢シューズに履き替えていると、山の斜面から数人の登山者が降りてきた。聞くと、彼らもキューハ沢を遡行するためにやって来たのだが、道を間違えて4時間もかかってたった今ここに着いたそうだ。お疲れさま。

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(↑本谷川林道の崩壊箇所)
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(↑キューハ沢入渓地点)

 入渓すると5つ続けて堰堤が現れる。どれも左岸から越えられ、堤体にハシゴが取り付けられている。ゴルジュ入口の3m滝が現れる。ここは私がリードで左側から取り付き、滝の落口へと抜ける。

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(↑堰堤を越える)
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(↑ゴルジュ入口の滝をリードする私)

 そのつぎの4m滝だったろうか、滝の直登は避け、少し手間の右岸の岩の斜面から巻き気味に登る。この巻きも結構微妙で私がリードする。ずっと先にある灌木まではなかなかランナーが取れないのだが、途中の岩の隙間にカムをきめておいた。樹林を使って懸垂下降する。

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(↑4m滝手前を巻き気味にリードする私)

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(↑懸垂下降して沢に降り立つIG嵐さん)
 途中の釜のヘツリではT橋さんが足を滑らせて、水の中に落ち首まで浸かる。冷たそう。ちょっとワルそうなところでちょこちょことロープを出す。時間はかかるけれど、落ちてケガをしたら大事だ。

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(↑T橋さん)
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(↑IG嵐さん)

 四町四反ノ沢と分かれ、キューハ沢最大という7m大滝が現れる。ガイドブックには左壁のチムニーを登るとある。滝の飛沫を浴びながら左壁を少し登ると確かにチムニー状に狭い壁があり、滝のある壁の向かい側の壁にハーケンやボロボロのスリングが見える。ここも私がリードする。フリーで登るのはさすがにキビしく残置スリングをつかんで、残置ハーケンにランナーを取りながら岩壁を登っていく。頭上の岩をつかむとボロリと崩れる。下でビレイしているIG嵐さん達に向かってラク~ッ!と叫ぶや否や、手で押さえた石が落ちる。幸いIG嵐さん達に当たらなかった。
 垂壁から左に回り込むように登ると木が出てきて、その根っこをつかんだりしながら登っていき、太い木でピッチを切った。IG嵐さん、T橋さんも続いて登ってくる。樹林の中を歩いて沢床に戻る。

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(↑7m大滝と私)
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(↑左壁のチムニーを覗く私とIG嵐さん)
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(↑リードする私。A0してます)

 この先はガレのルンゼから巻いたり懸垂下降しながら進んでいき、標高1,000m付近の二俣を右に進む。倒木が多い。これも2月の大雪のせいかもしれない。

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(↑標高1,000m付近の二俣)
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(↑IG嵐さん)

 大ガラン沢出合には雪が残っていた。大ガラン沢側の雪は結構多い。左に入るキューハ沢本流のほうの雪はわずかだ。本流に入るとすぐに表れるチョックストーンは左右どちら側からでも越えられる。水流が涸れる。ガレ場から、ボロボロの石屑斜面に入り込んだりしたけれど、概ね歩きやすいガレ場を詰めていき、適当なところから左岸側の疎林の斜面に移る。あとは鹿避けフェンスに囲まれた明るい森を上に向かって登っていくと登山道の木道に出る。木道を登ると、みやま山荘のある丹沢山の山頂だ。丹沢山に登ったのは、山歩きをしていた若い頃以来だろうか。

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(↑大ガラン沢出合には雪が残っていた)
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(↑IG嵐さんとT橋さん)
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(↑明るい樹林を登る)
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(↑木道を登る私)

 山頂にいる登山者たちの多くが同じサンダルを履いている。どうやら今夜は山荘に泊まるようだ。今流行りの?山ガールもいる。地味な沢登り姿の我々に比べると華やかなものだ。祝百名山という旗を広げているグループがいた。その中の女性がこの丹沢山で日本百名山完登をちょうど達成したそうだ。おめでとう。
 山荘でビールを買う。350ml缶で500円。外のベンチで3人で乾杯。うまい。山頂に着いたのは15時半頃。30分ほど過ごしてから16時に下山開始。17時の戸沢キャンプ場集合というのは、およそ間に合わない。縦走して塔ノ岳を経て戸沢に下山するなら多少の遅刻で済むかもしれないけれど、登山口に置いた車に戻らないといけないからね。

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(↑みやま山荘)
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(↑丹沢山山頂)
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(↑ビールで乾杯♪)

 キューハ沢左岸側の尾根である天王寺尾根を下っていき、尾根上の分岐では朝歩いた本谷川林道への登山道が通行止めになっていたので、反対側の塩水川の林道のほうに下りる。塩水側に沿った林道を延々と歩いて、18時頃だったろうか、駐車した車に帰着。

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(↑天王寺尾根からの眺め)

 戸沢に行けるのはもはや夜遅くになるので、まずは温泉に寄って夕食を済ますことにした。宮ケ瀬湖を経て七沢温泉に寄ろうと思ったけれど、入浴時間を過ぎていたりしてお風呂に入れず。
 お腹が空いてきたので道中見つけたラーメン屋へ。壱勢家というお店。横浜ラーメンというものらしい。おススメは塩とのことで、私は塩ラーメン650円を注文。すっきりした塩味のスープと思ったら、トロッとした感じの濃厚なスープで結構美味しい。飲み物はコーラなどのジュースがセルフサービスで飲み放題になっていた。外に出るとすっかり暗くなっていた。

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(↑らーめん壱勢家)

 湯花楽(ゆからく)という秦野の街にある温泉施設へ。830円のところJAF会員割引で600円。沢登りのあとはやっぱりお風呂に入りたいものだ。

 コンビニで買い出ししてから、大倉を経て、戸沢に至る林道に入る。2年前にも車で通っているが、大倉から戸沢まで7㎞くらいあるそうだ。翌日の沢登りために皆が戸沢に集まるのだが、車が手配できなかった人は歩くしかない。真っ暗な林道を延々と歩くのは大変だ。
 温泉施設に寄る前に、翌日の参加者の一人のO野さんからメッセージから届いていた。21時頃に戸沢に着くので、幹事の人に伝えておいてほしいとのこと。それを見て、もしかしたらO野さんはその林道を歩いているのかも知れないと思いながら、真っ暗な林道を走っていると、竜神の泉というのを過ぎたあたりで車のヘッドライトに浮かぶ人の姿があった。同乗のT橋さんはそれを見て驚いていたが、私の予想通りO野さんだった。林道区間の中間くらいの場所だった。O野さんを乗せて戸沢に向かう。O野さんは御年70歳過ぎ。私はO野さんよりはるかに若いが、こんな距離を夜中に歩こうなんて思わず車に頼ってしまう。昔の登山者は強いなあと感心。
 21時頃、戸沢キャンプ場に着くと、いくつもテントが張られ、盛大に焚き火を熾して所属山岳会の面々が集まっていた。17時集合に対して4時間の大遅刻だ。夏の沢登りの打ち合わせはとっくに済んでいた。ビールを飲みながら焚き火に当たる。寒いわけではないので焚き火の熱が熱いくらいだ。夜も更けた頃に張ってあったテントに入って寝る。

■5/18(日)  表丹沢水無川 新茅ノ沢
 テントの外が騒がしくなってきたので、何人かがすでに起き出しているようだ。この日も快晴。所属山岳会約26人が集まって、ここ戸沢を起点に周辺の沢を遡行する計画だ。5班に分かれて、水無川本谷や源次郎沢、新茅ノ沢、葛葉川本谷を遡行する。

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(↑朝の支度のようす)

 私のいる班は新茅ノ沢で、メンバーは昨日キューハ沢を一緒に遡行したT橋さん、H光さん、S幡さん、I瀬さん、私の5人。それからNG野さんをリーダーとする6人も同じ新茅ノ沢に入る。
 水無川本谷に行く班は7時半頃に出発していった。私のいる班は8時半に出発。林道を大倉方面に少し戻ると新茅ノ沢があり、橋の下をくぐって入渓する。
 所属山岳会ではこの時期毎年、戸沢をベースに周辺の沢を登る企画をやっており、会に入会したばかりの2年前に参加した時は、やはり同じ新茅ノ沢を遡行しているので今回で2回目だ。昨年は韓国・禅雲山(ソヌンサン)ツアーに行っていたので不参加。

 うす暗いところを行くとF1滝7mが現れる。ここはバックロープを引いて私が先行する。F2滝9mはH光さんがリード。

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(↑F1滝を登る私)
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(↑F2滝をリードするH光さん)
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(↑F2滝を登るS幡さん)

 ハイライトのF5大滝15mは私がリードする。2年前にも私がリードしたはずなのだが、あまり覚えていない。そのとき一緒に遡行したS幡さんが教えてくれた。S幡さんは昨年もこの沢だったそうで、3年連続で同じ沢を遡行していることになる。もしかしたら来年も同じ?
 F5大滝は水流の右側を登る。ところどころに残置ハーケンや切れそうなスリングがぶら下がっている。出だしからちょっと登ったところで、足を上げ過ぎてちょっと苦しい体勢になってしまい、目の前の割れ目に苦し紛れに0.5番キャメをきめる。あとは残置ピンにランナーを取りながら慎重に登っていく。滝の水がザバザバとかかって冷たい。岩が乾いたところを乗っ越してトップアウト。支点があるのでそこでセカンドビレイを行う。S幡さんがフォローで登る。
 巻いてきた3人のうち、H光さんとT橋さんが懸垂下降してF5滝の下に降り立ち、それぞれフォローで登る。新茅ノ沢に入ったもう一つの班NG野さんパーティーが追い付いてきて、滝下で待っている。後で聞くと、彼らもそれぞれ大滝を登ったそうだ。

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(↑F5大滝全景)
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(↑F5滝をリードする私)
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(↑同)
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(↑F5滝を登るS幡さん)
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(↑同、T橋さん)
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(↑同、H光さん)
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(↑鹿の骨)

 F8は左側の緩傾斜から越える。どんどん登っていくと倒木が多くなってきた。岩が崩れているところもある。これもやはり2月の大雪の影響だろうか。少し雪も残っていた。ガレた小滝を越えたりしながら登っていくと、4mチョックストーン涸滝がある。H光さんが先行して後続にロープを出したけれど、難しいわけではないので私はそのまま登って越える。最後にガレガレを詰めると、土止めされた草地が現れてきて鳥尾山の山頂も近い。後ろを振り返ると雪をまとった富士山と相模湾が眺められる。いい眺めだ。

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(↑F8滝)
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(↑4mチョックストーンを登るS幡さん)
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(↑鳥尾山山頂)

 鳥尾山荘のある鳥尾山山頂に到着。12時半頃。登山者が多い。派手な服を着た山ガールもいる。沢靴からアプローチシューズに履き替え、ハーネスも脱ぐ。暑いので私は短パン姿に。
 いちおう14時を目安に戸沢に戻ることになっていたので、塔ノ岳方面に少し縦走するという時間もないので、鳥尾尾根をがんがん下って下山した。

 朝イチで出発していった水無川本谷Pがすでに戻っており、我々の後にも残りの班が続々と帰ってきた。全員が揃ったところで総括を行い記念写真を撮って解散。私の車は、IG嵐さん、T橋さん、O野さんが同乗。東名道の渋滞は疲れたけれど皆を自宅や駅まで送る。
 こうして2日間とも素晴らしい天気に恵まれ沢登りを楽しむことができた。キューハ沢でも新茅ノ沢でも小さいながら滝の登攀ができたのも良かった。

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