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アメリカ ヨセミテ クライミングツアー02 ●06.15チャーチボウル、06.16ナットクラッカーほか

06.15()  ビショップテラスBishops Terrace 5.8(2P)/チャーチボウルChurch Boul

★キャンプ4

 前日にヨセミテ入りした我々はいよいよ今日からクライミングを開始するのだが、今日はその前にキャンプ4のテントサイトを確保しなければならない。前日カリービレッジのキャビンに泊まった我々は、まだ暗い4時過ぎに起き出して、車でキャンプ4に向かった。キャンプ4の受付に到着したのはようやく夜が明けだした5時。まだ誰も来ていないので一番乗りだ。

 キャンプ4は予約できないキャンプ場で、当日並んで利用を申し込むことになっている。一人15ドルと安い。受付開始は8時半とある。受付小屋の前には、子供も含め泊まる者全員がここに並べと書いた掲示がある。小屋にはこの日空くであろう人数も書いてあった。この日は100人とある。つまり、並んでいる人数を見て、自分の分も確保できそうか見るためにも、全員が並んでないといけないのかもしれない。

 利用したことのある人の話では、とにかく早く並んだほうが良いということで、その人は5時に並んでもぎりぎりだったという。いつの頃の話しかは分らないけれど、後述すると思うが、我々が訪れた今回は、どの岩場に行っても他に誰も会わないということが多く、ヨセミテを訪れているクライマーは少ない印象だった。昨年9月に来たT橋さんによると順番待ちになるほど混雑している岩場も多かったという。

 それもあってか、キャンプ4の受付でもそんなに血眼になって急がなくても大丈夫そうだ。我々の後に2組目が来たのは5時半。以降はぽつぽつと列が伸びていったようだ。受付開始まで、我々は地面にシートを敷いて寝袋に包まって寝ることにした。それにしても寒い。私は風邪をひいているせいかもしれないが、外で寝袋に包まるだけでは寒くて仕方がない。それでも寝袋がないよりははるかに暖かい。後日、T橋さんに聞くと、翌日以降の暖かさに比べて、この日の朝は少し気温が低かったようだ。

 体調不良の私はとにかく横になって過ごす。8時前に起き出すと、50人くらいが並んでいた。コーヒーを飲んだりしていると、係員の女性がやって来て、数字の書かれた整理券を配った。そして8時半になると受付の窓を開けた。ヨセミテでこの前に泊まっていないかと聞いてきて、あとは人数、連泊数、テント数を答えて、車のカギを見せる。今回は前半でまず6泊することにしている。テントはそれぞれ個人用を持ってきているので2張り。テントに結び付けておく札と車の室内に掲示する札を渡される。一人15ドルなので、計60ドルを現金で支払う。選んだサイトはトイレ棟に近いところで、フードボックスも決まった物があてがわれる。

 こうしてキャンプ4のテントサイトを確保できた。まだ朝で、前の人達がテントを張っているので、我々のテントは夕方張ることにして、いったんカリービレッジに戻る。キャビンに残しておいた荷物を撤収して、管理棟に鍵を返す。

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(↑キャンプ4の受付小屋)
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(↑テントサイトのようす)
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(↑テントサイトにあるボルダー)
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(↑有名なミッドナイトライトニング)

★チャーチボウルChurch Bowl

 さて、キャンプサイトも確保できたことだし、いよいよヨセミテでのクライミング開始だ。とはいえ私の体調は相変わらず悪い。まずはヨセミテの岩場に慣れようということで、T橋さんのススメでアプローチ至近のチャーチボウルに行くことにした。

 道路脇の駐車場は陽が当たって暑い。そこから樹林のすぐ向こうに岩壁がある。本当に取付きが近い。取付き付近は虫が多く、すぐに肌を刺してくるので虫除けの薬や蚊取り線香が必要だ。

 

 まずはT橋さんのススメで、エリア左端にあるBlack is Brown5.8をリードしてみることにした。カムをたくさんぶら下げて登り始める。風邪をひいていなければおそらく何でもなく登って行けるのだろうが、身体を持ち上げていく一つ一つの動作が重い。それでもなんとか耐えて登っていくが、陽差しが暑い。だんだんと気分が悪くなってきた。息が上がるし、ホールドを持つ手が痺れてくるような感じだ。貧血のような症状だろうか、クラクラしてきた。30mほど登っただろうか、終了点まで10mを切ったあたりで、それまでよりムーブが少し難しそうなところにさしかかった。さらに頭がクラクラしてきて、ここの突破がおよそ思い切れずテンションしてしまう。ヨセミテ登り染めはオンサイトならず。休んでから残りを登ろうかとも考えたけれど、ビレイしているT橋さんの指示に従って、カムを残してそのままロワーダウンした。うう、情けない。

 その後、T橋さんが私が登ったところまでトップロープ状態で登って、残りもリードして終了点へ。終了点でT橋さんがセカンドビレイして、私はフォローで登った。ロープに吊られているというのもあるけれど、ノーテンで登れた。それでも身体が重い。T橋さんが引っ張っていったバックロープとメインロープを結んで懸垂下降をセットする。

 今回用意した2本のロープは径が異なるので、ダブルフィッシャーマンズノットで結び、両側を末端処理する方法を取った。径が異なるロープを結ぶ機会がこれまでまずなかったので、そういえば連結はどうするのが正しいのかなとは思っていたのだが、ツアー出発前に読んだ山岳雑誌・岳人にたまたまこのことが載っていたので、それに従ったワケだ。というわけで今回は、このダブルフィッシャーマンズノットを何度も結んだので、これまでほとんどやったことがなかったこの結びがすっかり身に着いた感じだ。

 終了点にある立木に残置のスリングとラッペルリングがあり、懸垂下降1回で取付きに戻る。

 

 休憩後、エリア右端にあるビショップテラスBishops Terrace 5.8という2ピッチのルートを登ることにした。昨秋T橋さんは、カムで支点を作ってビレイするという想定をしていなかったそうで、マルチピッチルートでも、下降支点のある1ピッチ目だけを登ってばかりいたそうだ。今回はとにかくマルチピッチに登りたいとのこと。私もマルチピッチには行きたいので、まずは2ピッチだけとはいえこのルートを登ることにした。

 1P目は私のリード。グレードは5.7。先ほどのように貧血になることはなく、途中でカムをいくつかきめて支点ビレイをセットした。2P目はT橋さんのリード。終盤のダブルクラック部分が5.8のグレードらしい。2ピッチを登り終えると、素晴らしい眺めが広がった。ハーフドームも近く見える。ボルト支点があり、懸垂下降1回で取付きへ。

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(↑チャーチボウルの駐車場から対岸の岩場を望む)
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(↑チャーチボウルの岩場)
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(↑ビショップテラスを見上げる)

 初日のクライミングはここまで。売店はカリービレッジにもあるが、ヨセミテバレーでもっとも大きなスーパーに買い出しに行く。ここにはほぼ毎日買い物に出かけた。夜10時まで営業しているみたい。ポリタンクの飲料水や野菜などを買い込む。それからキャンプ4に戻ってテントを設営し、ベンチに座って夕食を作った。今夜はポトフを作った。あとパスタを茹でる。私が日本からコンソメと塩、コショウを持ってきていたのでそれを使う。絶不調だった私も食欲が回復してきた感じ。水道はトイレ棟の中に流しが一つだけある。それからその近くに水飲み場が一つあるだけ。それらの水を使って飲んでいる人たちもいるみたいだが、我々は買った水を飲んだ。翌日の出発も早いので早々にテントに入って寝る。

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(↑テントを張る)

06.16() ナットクラッカーNutcracker 5.9var.(5P)Manure Pile ButtressSwan Slab

 クライミング2日目。今日は人気ルート、ナットクラッカーを登りに行く。5時前に起き出して、私はグラノーラにミルクをかけた朝食。まだ朝早かったため、ナットクラッカーのあるマニュアパイルバットレスに至る駐車場への入口ゲートが閉まっていた。道路脇の駐車スペースに停める。ゲート先の駐車場はすぐそこだ。さらに駐車場から数分歩くと、岩場の取付きに至る。この岩壁はエルキャピタンの右下にあるといった感じだ。着いたところはアフターシックスがあるところで、フードボックスがある。ナットクラッカーはさらに右に行ったところだ。行くと、木の生えた凹角状を登り始めているパーティーがいた。これがナットクラッカーのオリジナルラインの1P5.6だ。

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(↑岩場へ)

 

★ナットクラッカー

 先行Pがいたので、我々はもう少し右からスタートするバリエーションラインから取付くことにした。こちらのほうが面白いのだという。5.9。風邪気味の私は完全に治ったとはいえないが、前日までよりはずっと回復した感じだ。

 人気ルートで混雑すると聞いていたので早く来たが、先行P1組だけで、我々が支度をしている間も後続Pが来るということはなかった。前にも書いたが、この時期は9月よりはずっと空いているらしい。

 全5ピッチ中、奇数ピッチを私、偶数ピッチをT橋さんがリードすることにした。1P目。台状を上がったところから、フィンガークラックが始まるのだが、この出だしがちょっとワルい。右寄りから取付くが登れないのでクライムダウンし、今後はクラック左のフェイスも使いながら行くと越えることができた。ほっ。上に行くにつれハンドクラックになりラクになる。大きな木を支点にしてピッチを切る。2P目、T橋さんリード。気を抜けて右上する。大テラスに出てピッチを切れるのだが、その手前の木陰でピッチを切る。3P目。大テラスからシンハンドくらいのクラックを辿る。1P目よりずっと易しく感じ快適に登って行ける。残置スリングとラッペルリングあり。4P目。先行Pに追い付く。白人の初老夫婦。出だし、彼らは左のバリエーションラインから登っていたが、T橋さんは右から登って行く。途中で合流し、先行Pがいるため小ルーフ下のピッチ支点より少し下でピッチを切る。下方の大テラスで待っていた後続Pも我々が動き始めたのを見て登り始める。5P目。小ハングを左に回り、凹状を少し上がり右上のリップガバを取りマントル。その少し先はランナウト気味となり右上の水平クラックへ。その先、凹みの続くクラックとフェイスを使い直上し、終了点の台地に出る手前左に回り込んで上に抜ける。上は広くて平ら。良い眺めだが、陽差しが暑い。フォローのT橋さんをビレイしているといきなり鼻血が出てきた。まだ体調は回復しきっていないらしい。後続Pがさっさと登ってきて下山していった間、登攀を終えた私は少し横になって休む。そのうち鼻血も止まったので、アプローチシューズに履き替える。後方の岩場に入ると、森の中へと続く下降路があるので、懸垂する必要がない。

 こうして人気ルートのナットクラッカーを登り終える。1P目の最初は戸惑ったけれど、あとは快適に登ることができた。人気ルートだというのが分かる。

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(↑ナットクラッカーオリジナルラインを登る先行P)
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(↑ナットクラッカーバリエーションライン)
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(↑バリエーションライン1P目を登る私)
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(↑同)
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(↑2P目を登るT橋さん)
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(↑3P目フォローのT橋さん)
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(↑4P目を登るT橋さん)
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(↑5P目を登る私。写真横向き)
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(↑大テラスから対岸のカシードラルを望む)
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(↑左の凹角がアフターシックス、右の白いクラックがアフターセブン)

 

 岩場基部に戻って、私はアフターセブンの1P5.7を登る。主にハンドジャムだがフィンガーもある。バックロープと結んで懸垂下降。

 T橋さんがC.S.Concerto1P5.6を登る。途中、ランナウトするスラブがちょっと怖い。私がフォローで続く。

 マニュアパイルバットレスから撤収し、カリービレッジの休憩所に行くが、Wifiがつながらない。これまでもつながらなかったのだが、管理棟に行くと、故障中との張り紙があった。ネット接続ができないとメールチェックもできないので不便だ。

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(↑ヨセミテフォール)
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(↑教会)
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(↑カリービレッジの駐車場からハーフドームを望む)

 

★スワンスラブ

 キャンプ4に戻って、歩いてスワンスラブに行ってみる。公園状に広く平たんな中に傾斜の緩い岩場があり、ルートもごく短い。私はまずGrants Crack5.9を登る。フィンガーのサムカムがきまる。オンサイト。続いて、トポ本にF番とある名無しルートUnnamed Crack5.9もオンサイト。出だしのフィンガーが核心。T橋さんはここでは登らず。

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(↑スワンスラブのようす)

 

 18時を過ぎたので、ハウスキーピングキャンプ場へ行き、シャワーを浴びることにする。キャンプ4にはシャワーがないので、ここハウスキーピングに行くわけだが、シャワーを利用するのに本当はもちろん利用料がかかる。キャンプ場宿泊者は別棟でタオルを借りているようだが、タオルの用意がある我々はその必要がない。コインランドリーのあるシャワー施設の入口は、人のいる受付があるのだが、いつもいるわけではないし、いてもあまり厳格にお金を徴収していていない。午後の一時期は利用できない時間があるみたい。ということで、我々は何食わぬ顔で入って受付前を素通りしてシャワー室に入っていった。時間帯によっては順番待ちになる。特に女性は時間がかかるので列が長い。後日、午後の受付再開直後に利用したT橋さんはその時だけ利用料(5ドル)を支払ったそうだが、私は滞在中10回くらい利用したが結局一度もお金を払うことはなかった。内緒です。

 でも、コインランドリーはお金を入れないと洗濯機が動いてくれないのできちんとお金が必要だ。3日に一度くらいコインランドリーを利用し、この日は初めての利用だ。洗濯機は一回1.25ドルで、25セント硬貨が5枚必要だ。洗濯機に衣類を放り込み、洗剤を入れてコインを入れる。温度ごとに分かれているらしいボタンを適当に押すと動き出す。基本的に30分。洗剤を売る機械もあって、一つ75セントなので25セント硬貨が3枚必要。スライドする金属板にコイン3枚を入れて押し込んで引き抜くと、下の受口にプラスチックケースに入った液体洗剤が出てくる。

 乾燥機もある。25セントで10分間稼働。10分だけだとまだ濡れているけれど、2枚入れて20分間回すとほとんど乾いてくれた。わずかに湿っている厚手の服は、キャンプ場に持ち帰って木に渡した紐に吊り下げてしばらく干せば寝る前にはすっかり乾いてくれた。ということでコインランドリーを利用する際は25セント硬貨がたくさん必要だ。

 

 洗濯もしたのですっかり遅くなってしまい、スーパーで買い出しをしてから、キャンプ場でサンドイッチを手早く作って食べる。

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