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2014年7月

西丹沢 東沢本棚沢

2014.07.21(月)
 西丹沢の東沢本棚沢に行ってきた。2年前にも遡行を試みた場所だが、その際はカル沢と思われる枝沢に誤って入ってしまい、本棚沢を登れなかった。

 海の日の3連休。当初は3日間かけて長い沢を遡行する計画だったのだが、天気予報が芳しくないため予定を変更して、月曜日に丹沢に行くことにした。同行者は所属山岳会のK寅さん。日曜日夜にK寅さんの車で出発し、西丹沢にある道の駅山北という小さな道の駅で車中泊。

 月曜日朝、西丹沢自然教室の駐車場に車を停め、身支度を整え出発。キャンプ場のある車道をしばらく先に進み、ツツジ新道に入る。ツツジ新道からゴーラ沢出合付近で入渓できるのだが、その先は堰堤が10個くらい続くので、そこをショートカットするため、新道を離れ地形図上の855m地点に向けて緩斜面を登って行く。855m地点を通過すると林道に出るので、それをしばらく歩いていくと、棚沢橋に至る。ここから入渓。

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(↑西丹沢自然教室)
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(↑キャンプ場)
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(↑ツツジ新道入口)
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(↑855m地点への緩斜面の登り)
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(↑タマゴタケ)
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(↑モンベル・サワートレッカーRS)
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 前回間違えたカル沢らしきところは気づかないうちに通過したようだ。もしかしたらその先のユイバシ沢に入ってしまったのかも。よく分らない。ユイバシ沢出合で水量がさらに減る。ユイバシ沢のほうが水量が多い。その先でF3-25m本棚が現れる。
 本棚では私がリード。水流の左側の壁を登るのだが、出だしの段状の乗り上がりも結構悪い。錆びたハーケンがランナウト気味に残っている。上に行くにつれて傾斜が少しずつ緩くはなるのだが、落ちたらハーケンが抜けてグラウンドフォールしかねず、まったく気が抜けない。今回新調した沢靴、モンベルのサワートレッカーRSのグリップ性能もよくまだ分らないし。ハーケンを摘まんだり踏んだりしながらも、あとはフリーで登って行く。落ち口付近では左岸側から垂れ下がっていた木の枝を掴んで越えた。滝上の岩でビレイを取る。フォローでK寅さんが続く。

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(↑F2-10m滝は右岸から巻く)
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(↑F3-25m本棚)
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(↑F3-25m本棚をリードする私。写真横向き)
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(↑F4-10m滝)

 小滝を越えて行くと、大岩のあるF6-20m滝が現れた。ここでは最初、乾いた大岩そのものを登ろうとしたけれど、残置ピンが遠いし、上に行くにつれてホールドがなくなり、やむなくクライムダウン。本当はこの大岩と左の垂壁の間のワルそうなルンゼを登れば良かったみたいだが、我々は大岩のずっと左の方にある斜面から巻くことにした。しかし、左に行き過ぎたようでルンゼをトラバースして沢筋に戻るのが相当に大変そうなことが分かり、このまま樹林帯を登って行くことにした。

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(↑F6-20m滝大岩)
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(↑F6-20m滝大岩の登攀を試みる私)

 傾斜の緩いところを選んでヤブ漕ぎしていくと踏み跡が現れてきた。当初は獣道かと思ったが、だんだんと明瞭になり、明らかに人が歩いている感じになってきた。ヤブの薄くなり、はっきり言ってとても歩きやすい。やがて登山道に出た。檜洞丸の北西側、標高1,500m付近だ。檜洞丸の山頂はすぐそこ。山頂がガスって視界はゼロ。登山者が数人いた。
 休憩後、ツツジ新道を下山。ゴーラ沢出合いを通過し、西丹沢自然教室に帰着。途中、ぶなの湯に寄って疲れた身体を癒す。東名道は大渋滞。厚木から先月開通したばかりの圏央道に入り中央道経由で帰宅。

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(↑登山道への登り)
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(↑檜洞丸山頂)
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(↑ぶなの湯)
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(↑中央道・石川PA「東村山黒焼きそば定食」)

 今回、F3の本棚は登れたものの、大岩のあるF6以降はすべて巻いてしまったため、F7-45m涸棚も見ることができなかったのはちょっと残念。ということで、いささか中途半端な遡行となってしまった。

奥鬼怒 黒沢赤岩沢~魚沢(敗退)

2014.07.13(土)
 栃木県の奥鬼怒において1泊2日で沢登りする計画で出かけてきた。
所属山岳会の企画で、3パーティーに分かれて周辺の沢を遡行するもので、私のいる班は黒沢の赤岩沢を遡行し魚沢を下降する計画だ。メンバーはS藤さん、Sのさん、S幡さん、私の4人。
しかし結果として、メンバーの負傷から初日に途中で引き返すことになった。

 金曜日夜、23時過ぎに南浦和駅で待ち合わせるなどしてから、日光道の今市ICで降り、鬼怒川温泉近くの某所でテント泊。

 土曜日朝、さらに数十㎞走って奥鬼怒の女夫渕温泉の駐車場へ。他パーティーの車も停まっており、すでに出発して行ったようだ。我々も出発。黒沢沿いの登山道を歩いて行く。ゲートの脇を通って1時間ほど林道を歩いていく。その間、対岸にある魚沢の出合を通過。赤岩沢出合で入渓。水量は少ない感じ。これといった特徴のない沢を遡行していく。

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(↑女夫渕温泉の駐車場)
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(↑荒れた林道を歩く)
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(↑この辺りから入渓)
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(↑入渓点)
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(↑堰堤を越えて)
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 左奥に大きな滝が現れたので50m大滝かと思ったが違った。そこで沢は右に曲がるのだが、その先に大滝があった。11時半頃だったろうか、大滝に向けて進んで行ったところ、後方を歩いてたS藤さんが何か声をあげている。引き返すと、S藤さんの右手の手のひらからひどく出血している。バランスを崩して手をついた際に木の枝か何か尖った物が刺さってしまったそうだ。たなごころの辺りをザックリと切ったようで傷も深そうだ。とりあえず止血しなければならないので、キズパワーパッドを貼ってテーピングテープでその周辺を巻く。それでもすぐには血は止まらないようだ。
 しばらく休憩することにした。12時に他パーティーと無線機で交信することになっていたので、無線機でコールするも反応無し。相手側の声がこちらに聞こえないだけなのかもしれないので、とりあえず現在地とケガ人が出たことを一方的に告げておく。
 1時間ほど休憩しても血はなかなか止まらないようだ。ここで今回の山行のリーダーでもあるS藤さんが遡行の中止を決定。まだ時間があるということで、目の前の大滝を残った3人で登り戻ってから下山することにした。
 遠くから見た大滝は、下部は傾斜が緩くそのまま登って行ける。上部もそれほど立っているわけではないがロープを出すことにした。私のリードで滝の右壁を登って行く。途中に錆びたハーケンがあったのでランナーをとる。
 落ち口の脇を越え、右上の灌木に向かうところが傾斜が緩くなるもののホールドが乏しくちょっと怖い。灌木には残置スリングあったのでそれを拝借。S幡さんとSのさんがフォローで登ってくる。50mロープを折り返して、半分では滝の取付までは届かなさそうだが懸垂下降をセットし私が先行して降りる。届かなかったけれど、最後は易しいクライムダウンで済みそうだ。

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(↑50m大滝が見えてきた)
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(↑下から見ると)
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(↑大滝を登り下を見るとS幡さん、Sのさんがいる)
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(↑登るS幡さんとビレイするSのさん)
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(↑登るSのさん)

 こうしてケガしたS藤さんが休んでいるところに戻ったのが14時。それから1時間ほどで赤岩沢出合、さらに1時間ほど歩いた16時頃に女夫渕温泉の駐車場に帰着。S藤さんが消防に電話をかけて救急病院を教えてもらい、向かった先は日光市内の川上病院。ロビーで待っていると、治療はすぐに終わった。傷口は縫うことなくメッシュ状のシートを貼るだけらしい。あとは抗生物質。

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(↑下山する)

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(↑日光市内にある川上病院。写真横向き)

 この後どうしようかと話し合ったが、このまま東京へ帰ることにした。とっても治療も済んだし、今夜食べる予定だった食材が残っているので、どこかで泊まってから明日帰ることにした。
 道の駅うつのみやの広い駐車場で、曇りがちの夜空にスーパームーン(それほど大きくは見えなかったけれど)を長めながら、お酒を飲みながら夕食を作る。献立はSのさんが持ってきた豚肉を焼いたり、私が用意した枝豆を茹でたり。それからこれまた私が用意したラタトゥイユを作った。水を一切加えずに野菜だけを煮込んだ南仏料理だ。用意したものは、トマト、ズッキーニ、ナス、パプリカ赤、ピーマン、玉ねぎ、セロリ、ニンニクひとかけ、ローリエ、オリーブオイル、塩、コショウ。

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(↑ラタトゥイユの材料。これにニンニクひとかけも)
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(↑満月)
 複数あるここの駐車場は区画によって夜間は閉鎖されるみたいなので、飲酒していないS藤さんの運転で東北道の佐野ICへ。ここで隅の方の芝生にテントを張って寝る。
 翌日曜日の朝、南浦和駅などに皆を送ってから帰宅。今回は行動時間が短いので疲れていないけれど、日頃の寝不足気味を解消するためちょっと昼寝。洗濯も済ます。それから平日夜に予定していた車の法定点検を急きょこの日の午後にディーラーでやってもらった。ほとんど使っていない折りたたみ自転車の調整をするなど、普段やらないような雑事をこなした。

山形蔵王 馬見ヶ崎川・八方沢

2014.07.05(土)~06(日)
 蔵王にある八方(はっぽう)沢を遡行してきた。同行者が釜の渦に巻かれたり、至近距離で熊の親子に遭遇したり、私の装備が全て濡れてしまい濡れた服のままで眠れぬ寒い夜を耐えたりと、なかなかに大変な沢登りだった。
 同行者は所属山岳会のK寅さん。先月にも下越にある五頭山塊の沢へ一緒に行っている。
 当初行き先として計画していた東海地方の天気予報が芳しくないので、K寅さんの提案で東北のこの沢を選んだワケだが、晴れると期待していた土曜日は終日小雨模様。日曜日になってようやく晴れ間が出る天候だった。

 金曜日夜、ヨセミテツアーの疲れがいまだ身体にじっとりと残る私だが、K寅さんと待ち合わせ後、久しぶりの自車を運転して東北道経由で一路、山形蔵王ICを目指す。後半はK寅さんに運転を交替してもらい、日付が回った深夜1時半頃、蔵王ダムの脇の駐車スペースに到着。小雨が降る中、テントを張って寝る。

■07.05(土)
 7時起床。8時半頃に出発。柵を越えて草ぼうぼうの林道を歩いていく。翌日下山してくる尾根上にある登山道の入口を通り過ぎ、いつしか道が細くなると八方沢へと入渓する。

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(↑蔵王ダム)
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(↑林道入口のゲート)
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(↑翌日下山してくる登山道の入口)
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(↑入渓点にいるK寅さん)
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(↑入渓点に架かる吊り橋跡)
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(↑遡行するK寅さん。写真5枚)
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★F1-5m通過
 腰上まで水に浸かったり、ほんの少し泳いだりして進んでいくと渦が巻いている釜のあるF1-5mが現れる。ここでは空身になってロープを結び私が行く。釜の右からへつって行く。右壁のホールドを伝いながら進むが水流に押し流されないように慎重に手を出していく。滝身近くになってハイステップで水中から脱出。そのまま流れ落ちる水の際を進んでいく。落ち口近くでは水の中に足を入れると意外とフリクションが効いたのでそのまま滝を突破。
続いて、私のザックを背負ってもらいK寅さんがフォローで釜に入る。が、釜の渦に飲まれて壁から離れてしまい、壁に戻れなくなってしまった。ロープを引っ張ってしまっては余計に渦の中に入ってしまうので、ロープは出し切る。何とか壁に戻ったK寅さんだが再び渦に巻かれてしまい、水面に長時間浮いたままとなる。かなり切羽詰った状態だ。私よりもずっと寒さに強いK寅さんだが、この水温にずっと浸かっているのは危険だし、とにかく渦から脱出しなければならない。
 そんな状態が15分かそれ以上続いていたかもしれないが、K寅さんが何とか釜の下流側に戻ることができた。滝上から見ていると、さすがのK寅さんも疲労が激しいようだ。相当身体が冷えたに違いない。あとで聞くと、背負ったザックが浮き輪替わりになったけれど、手指が冷えてしまい岩のホールドをつかむことができなくなっていたそうだ。
 K寅さんが釜から脱出したので、ザック2つを引き上げることにした。しかし、傾斜が寝ている滝なので、ロープでザックを引き寄せようにも流れ落ちる水の圧力のため、ロープがものすごく重い。そのまま引っ張ってしまっては力を弛めた隙に再びザックを流されてしまう。私はハーケンを2枚打ってセルフビレイを取ってから、頭上に見つけたクラックに手持ちのカムを皆突っ込んでロープを通した。さらにロープにマッシャーでスリングを結び引き寄せて弛んだロープが再び引っ張られないようにした。そうしておいてザックを一つずつ引き寄せたが、なかなかの重労働だ。なお、持参したロープは50m1本。
 K寅さんには声が何とか届いたので聞いてみると、滝を登れそうになく高巻きするというのでロープを解いてK寅さんに渡す。F1の先もちょっとしたトラバースがあるので、K寅さんが右岸から高巻いて懸垂下降2回で降りてくる間に2つのザックを上流側に運んでおく。K寅さんと合流して無事を労う。

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(↑F1-5m)
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(↑F1-5mを越える私。写真6枚。横向き写真あり)
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 このF1の突破で時間も労力も使ってしまったので、F2-8mはさっさと右から巻く。この沢の巻きでは大抵最後は懸垂下降をして沢床に戻った。F3-8mだったと思うが、滝の右側からへつって壁に取り付き越える。へつって行く際は、水中は岩がえぐれており足が届かないのでえぐれた岩にトゥフックして支えながら手をホールドに伸ばしていったりした。

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(↑先に荷物を引き上げる)
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(↑側壁をへつるK寅さん)
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(↑F3-8m)

★熊との遭遇!
 沢筋がぐねぐねと結構左右に曲がって行くのだが、右に回ったところだったか、前を歩くK寅さんが突然ばたばたしだしたので、何?と聞くと、「クマックマッ」と言う。え?と思って左を向くと10mほど先の斜面を動く黒いものがいる。しかも2つ。熊だ。それも親子。こちらがあたふたしてる間に、熊は斜面をかけ登って見えなくなった。ちょっとドキドキものだ。ふう。襲ってこなくて良かった。K寅さんは熊と目が合い、「死んだ」と思ったと言う。こわ。先日、ヨセミテで熊を見かけたけれど、逃げ場のない沢の中でこれほどの至近距離で遭遇したのは初めてだ。
 なおも歩いていき、そろそろ今夜のビバーク地探しを始める。ところどころ寝られそうな場所がある。ある左岸の草むらの中に場所を見つけ、そこを今夜のビバーク地とした。翌朝、もう少し上流側に快適な場所を見つけたけれど仕方ない。
 ぼうぼうに生えた草を毟って、板状の石がたくさんあったので、床板のように敷き並べる。近くの立ち木にロープを渡して、タープを架けて今夜の寝床の出来上がり。

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(↑タープを張り終えた)

★装備が水没…
 さて、このあと私の悲劇が判明することになる。F1通過後、やたらと荷物が重くなったなと思っていたのだが、ザックから装備を出してみると、ダウンジャケットを含めすべての装備がビショビショに濡れており、愕然となった。買ったばかりのモンベルの防水袋に入れて、きっちり閉じたはずなのに。あの激流の突破時に水が入ったのは明白だが、それにしても防水を謳っているモンベル製品のあまりの頼りなさにさんざん悪態をつく。K寅さんが、カヌー用のこの防水バッグはいいですよ~とのこと。チェコのメーカーらしい。
 たっぷり水を吸ったダウンジャケットは脱水する前の洗濯物同様に重い固まりだ。寒さが苦手の私はダウンパンツも持ってきたのだが、これも同様。シュラフカバー、その他シャツやズボンといった着替えて寝るつもりだった服が全てビショビショ。その他の装備もとにかくすべてが水に浸かっている。
 小雨が降り続けていて、焚き火も熾せる状態ではなかった。これでは今来ている全身濡れた服を乾かすこともかなわない。今夜一晩、濡れた服のままで過ごせるだろうか。低体温症が心配になってきた。歩くのを終えると少しずつ体温が落ち着いて、寒さを感じてくる。ガタガタと身体が震えてくる。
 ガスバーナーを点けて夕食の調理を始める。夕食は私の担当。K寅さんに沢で水汲みとお米とぎをお願いしている間にナスやピーマンを切っておく。ご飯を炊いて、麻婆茄子を作る。ご飯を食べると少し落ち着いたけれど、濡れた服のままなので寒いことには変わりはない。
 うす暗くなってきて寝ることにしたのだが、やはり寝付けるものではなかった。K寅さんは寝息を立てているので結構快適に寝ているようだが、最初の1時間ほどは寝られた私は寒さから頻繁にトイレに立つことになる。夜中に濡れた服のままシュラフカバーに入って、出ることを何度繰り返したことだろうか。深夜になると気温がさらに下がってくる。風が吹いていないのがせめてもの救いだ。
 深夜2時頃、いよいよ寒さに耐えられなくなり、起き出してガスバーナーに火を点け暖を取る。重ね着した濡れた服を小さく灯した炎を上にかざして少しずつ乾かしていく。そんなこと1時間半くらいやっていた。薄手のシャツはそれなりに乾いてくれたが、厚手のシャツやタイツはそうそう乾いてくれない。明るくなるまで再びシュラフカバーに入って、明るくなってくれるのを待つ。ああ、ツラい…。

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(↑今夜の食事は麻婆茄子とご飯)

■07.06(日)
 明るくなった4時過ぎに私だけ先に起き出す。装備が全部濡れてしまったことが判明した昨夕は、無事に夜を越せるのかとも思ったが、何とか朝を迎えることができた。枝豆を茹でて食べる。それからK寅さんが用意してきたうどんを食べる。

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(↑朝食はうどん)

 本日の遡行開始。8m滝が現れたので右岸から高巻くと、滝の上流側に雪渓が残っているのを見下ろせた。そのままヤブ漕ぎを続けルンゼに出たところで懸垂下降し、さらにルンゼを下って雪渓の側面へ。雪渓はスノーブリッジになっている。10mほど下をくぐる。
 その後、大釜のある8m滝では、釜の左側から水に浸かって滝の左壁に取り付こうと試みたが、足が届かないほど深くなるし、壁の取付もキビしそうなので諦めて、これも高巻く。右俣出合に4m滝がかかる二俣では左俣へ。倒木が多い感じ。それにしても眠くて仕方がない。ヤブ漕ぎしていると頭がクラクラしてくる。昨夜はほとんど徹夜みたいなものなのだから当然だ。身体に堪える。

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(↑8m滝)
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(↑下を見ると雪渓が)
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(↑ルンゼから雪渓へ)
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(↑スノーブリッジをくぐるK寅さん)
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(↑大釜を左側から行く私。でもここまで)
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(↑K寅さんもチャレンジするが)

 左に見える20m滝のすぐ先、15m滝は左岸から高巻いて登山道に出た記録があるが、我々は右岸に取り付いた。高巻きは出だしがちょっと悪くロープを出す。3ピッチ分私がリードしてヤブの中を上に登って行く。ヤブの中を登って行く最中、15m滝の上流にも2つほど大きな滝が見えた。参考にした遡行図には載っていない滝だ。遠目で見た限りだがキビしい直瀑のようだったので、沢床に戻らずにこのまま全て巻いてしまったよいだろう。ここまで結構時間もかかっているし。巻くというより、沢から離れ登山道を目指して登って行く。
3P目で岩場が現れ、その基部が平たんになっていたのでそれを滝と反対側の左へと回り込んでいくと、傾斜の緩んでいたのでここでロープを解く。あとは木が密になっていて手掛かりが豊富なので、大変ではあるがどんどん登って行くとひょっこりと登山道に出た。ここで私はアプローチシューズに履き替える。こうして無事遡行を終えられた。あとは下山だ。

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(↑奥の二俣。右奥が15m滝)
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(↑水流左側を登ろうと試みる私。しかし断念して手前から巻く)
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(↑登山道に出た)

 途中に鍋倉不動というお社がある登山道なのだが、今は整備の手が施されていないようで、倒木は多いし崩落しているところも多い。これでは訪れる登山者も限られるだろう。下り始めてしばらくは道が山をトラバースして行くので、次々に枝沢を横切って行く。やがて緩やかな下り坂を延々と下って行く。雨量計や鍋倉不動尊を過ぎて、昨日の朝通った林道に出て、車を停めたダムに至る。下山は2時間ほど。ああ、疲れた。

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(↑アオモリトドマツかな?)
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(↑鍋倉不動尊)
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(↑駐車場に帰着)

 車の前で荷物を解いていると、男性が話しかけてきた。熊に遭わなかったかと言う。昨日、沢の中で遭ったと言うと、その人は先ほど林道の橋のところで1頭の熊に遭ったという。東北は熊が多いのだな。
 車で街に降りる。東京に帰る前にまずは温泉に寄りたい。臥龍温泉保養センターへ。350円。それから、高速道路に乗る前に、源龍というラーメン屋に寄って、私はみそラーメン760円を食す。

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(↑臥龍温泉。写真横向き)
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(↑ラーメン玄龍。写真横向き)

 あとは山形道~東北道をひたすら走って東京を目指すだけだ。運転を交替しながら都内へ。日付が回ってからK寅さんの家へ。それから私の駐車場に着いたのは深夜1時半頃。家と駐車場が少し離れていていつも自転車で行き来しているのだが、こんな夜中に荷物を部屋に運ぶのも面倒なので朝まで車中泊することにした。
 月曜日の朝、ビショビショに濡れた荷物を部屋に運び込み、シャワーを浴びてから職場に出勤。3泊2日の山旅が終わった。ああ、眠い。K寅さん、お疲れさまでした。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー06 ●06.24コネス山Mt.Conness 3,837m登山、06.25アフターシックスほか、06.26パットアンドジャック、06.27~29サンフランシスコ~帰国

■06.24(火) コネス山Mt.Conness (12,590ft・3,837m)/Tuolumne Meadows
 前々日のハーフドーム偵察、前日のハーフドーム登頂と、2日間歩き続けて疲れているのだが、レスト日としたこの日は一人でトゥオルミメドウズにある山に登りに行くことにした。ヨセミテに到着した日に買ったトゥオルミ版のスーパートポの中に、コネス山Mt.Connessという山が載っていた。スーパートポはその山にあるクライミングルートを紹介しているのだが、下山路となる登山道が載っていたのでそこを辿って登頂してみようと考えたわけだ。標高は12,590フィート、3,837mで富士山より61m高い。
私がこれまで登った最も高い山は富士山なのだが、富士山よりも高い山に登ろうと考えたら海外の山に登るしかない。日帰りで手軽に富士山より高い山に登れるならこれはぜひ行ってみたい。
 スーパートポに載っている地図と写真だけが頼りなのだが、まずは行ってみることにした。6時に一人キャンプ4を発ち、先日カシードラルピークを登りに行った際の登山口を通り過ぎる。ヨセミテ国立公園の東側の入口を通過して、登山口に至る道路へと左折する。ダートの道を走っていくと、登山口となるキャンプ場に着く。ここですでに3,000m近い標高のはずなので肌寒い。足回りはヨセミテで履いているファイブテンのアプローチシューズ・ガイドテニー。

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(↑コネス山が見える)
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(↑キャンプ場のある登山口)
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(↑入口の看板)

 歩き始めたのは8時過ぎ。キャンプ場の中を抜けてトレイルを進んでいく。カーネギーインスティトゥートという小屋跡の辺りに来ると風景が開けてカール状の眺めがきれいだ。なおも進むと湿原状になり、どうも写真が示す登山道と方角が異なる感じがしてきた。コネス山へと至る登山道へとどこかで分れるはずなのだが。トレイルを引き返すと、男性が一人歩いてきた。地図を示して聞くと、登山道へのサインなどは無く、花崗岩だらけというようなことを言っている。彼は山に登りに来たのではなく、湖を見に来たらしい。どうも明確な登山道というものではないらしい。写真には点線で道のように示しているけれど。写真と実際の地形を見比べて、適当なところからトレイルから離れて岩がちで遠くまで開けた広い山肌の斜面を登って行くことにした。高山植物の花々が咲く花崗岩の斜面を延々と登って行く。ギザギザしたスカイラインに並ぶ岩稜とトポの写真を見比べて、この広い斜面の先にある断崖部分を越える箇所として、滝が流れているところがあり滝の左側が断崖が途切れて越えられるように見える。

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(↑あの山を登るのだ)
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(↑きれいな眺め)
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(↑小屋跡)
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(↑正面の岩の斜面に入って行く)
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(↑岩の斜面を登っていく)
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(↑後ろを振り返る)

 滝から先には雪が見える。滝に近づくと踏み跡らしきものがあった。やはりここから越えていくのだろう。滝の上は崖の縁となって雪が残っている。雪の上を歩く前に、帰路に降り口を見失わないように岩の上に石でケルンを積み目印としておく。雪の向こうには池があった。これがアルパインレイクかと最初思ったけれど、あとで登って行って視界がさらに開けてくると、遠くに顕著な池が見えた。あれがアルパインレイクのようだ。

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(↑滝が見えてきた)
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(↑滝の上には残雪)
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(↑左手の岩の脇から上へ)
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(↑残雪を越えると)
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(↑先の風景が開ける)
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(↑あれがアルパインレイクらしい)

 ここに至ってそもそも明瞭な登山道のようなものなどないことは分ったのだが、さてどこを歩いて行こうか。トポ本の写真を何度も見て、眼前に伸びる岩稜の側壁を左へ左へとトラバースして行って、その先にある岩峰がコネス山のようだ。雪渓があちこちに残っているし、断崖になっているところを避けながら岩の中を延々と歩いて行く。空気が薄いのを感じる。岩稜が途切れたところに至ると、北側の谷が見えた。万年雪が残っている。目を付けた岩峰へと登って行くと、開けた台地状に出た。ここも部分的に雪がある。眺め渡すと顕著なピークがその先に見えた。どうやらあそこがコネス山の山頂のようだ。雪を越えてそのピークに立つ。足元の岩を見ると、円形の金属プレートが埋め込まれている。やはりここが山頂だ。やった。

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(↑岩場をトラバースしていく)
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(↑北面の万年雪)
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(↑山頂の台地への登り)
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(↑台地に出ると向こうにピークが)
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(↑雪の上を行く)
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(↑靴はファイブテンのガイドテニー)
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(↑もうすぐ山頂)
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(↑山頂のプレート)
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(↑山頂の私)

 そのそばに金属の小箱が置かれている。蓋を開けてみるとメモ帳数冊とペンが入っている。登山者が登頂記念にコメントを残すためのものだ。私も日付と名前を書いておく。もし今後コネス山に登る人がいたら、2014年6月24日のコメントは私のものなのでよろしく。

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(↑箱を開けると)
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(↑中にはメモ帳が)
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(↑数冊入ってた)

360度の素晴らしい展望を楽しんでから下山にかかる。明瞭な道など何もないし、雪の上も結構歩くので、行きで歩いたところとずいぶん異なるところを歩いたりする。すると向こうから男性一人が登ってきた。こんな辺鄙なところに自分以外にも人が来るのだ。そういえばメモには前日登った人のものもあったからそれなりに登られているようだ。
山頂台地からの下降は行きとは全く異なり、岩稜の側壁というよりカール状のそこに降りていく感じでどんどん高度を下げていった。池の近くに出ると動くものがいる。目の前にライチョウがいた。日本のライチョウも人を恐れずすぐ近くにいたりするが、ここのライチョウも同じだった。

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 ケルンの目印から滝の脇を降り、下部の開けた斜面を適当に歩いていく。花々がきれいだ。そのうち自然とトレイルに出た。あとはキャンプ場を経て駐車場に戻るだけだ。駐車場に帰着したのは午後3時頃。7時間ほど歩いたわけだ。

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(↑いろいろな花が咲いていた)
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(↑トレイルに戻った)
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 今回、コネス山に登りに行くにあたり、ヨセミテバレーでレスト中のT橋さんにはトゥオルミの山に登りに行く程度にしか言い残してこなかった。万一、遭難していたら広大な山域から捜索するなんてことは無理だったろう。駐車場に止めた車が見つかれば、登った山を推測することができただろうけれど、何はともあれ無事下山できてよかった。
 行きで通過して講演ゲートでカードを見せて通過。トゥオルミメドウズにあるビジターセンターに寄って、お土産を買う。トゥオルミの往復でずいぶんガソリンを使ったので先日寄ったガソリンスタンドで50ドル分の給油。ガソリンスタンドはトゥオルミにもあったので、先日は残量でひやひやしたけれど、ここで給油できたのだろう。
 暗くなる前にキャンプ4に戻るとT橋さんはベンチで本を読んでいた。簡単に食事を作って夕食とする。

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(↑トゥオルミメドウズのビジターセンター)

■06.25(水) アフターシックスAfter Six 5.7(5P)/Manure Pile Buttress,Reed’s Pinnacle Area
 ヨセミテで登れるのも今日明日の2日間を残すだけとなった。しかし、キャンプ4の受付に貼り出される天気予報を見ると、数日前から明日26日は雨の予報となっていた。降水確率は20%らしいのでどの程度降るのか分らないけれど、雨で登れないとすると、今日がヨセミテでの登り納めとなるわけだ。
 T橋さんは今回のツアーで登っておきたいルートとして、ナットクラッカーやフレンジーとともにアフターシックスを挙げていたので、今日はそのアフターシックスを登りに行くことにした。名前のとおり1P目が5.7で、5.6が登れたら次に登るルート。先日、アフターセブンの1P目を登ったけれど、グレードはつまり5.8。
 T橋さんが凹角の1P目をリードしたあと、2P目以降はグレードがさらに易しくなりつるべで登っていき、昼ごろにはトップアウト。先日のぼったナットクラッカーと同じ大テラスに出た。登っている途中、下から女性ペアが登ってきて我々を追い抜いて行ったのだが、見るとリードの女性は足はアプローチシューズで、ハーネスをつけずにロープは腰に巻きつけてあるだけ。余ったロープと少々のギアをぶら下げていた。フォローの女性はハーネスにクライミングシューズだったけれど、ほとんど同時登攀という感じで、登るのが速いわけだ。たくさんのカムをジャラジャラとぶら下げて登っている我々は過剰装備なんだろうなあ。

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(↑アフターシックス1P目を登るT橋さん)

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(↑アフターシックスを登り終え、大テラスの私)
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(↑エルキャピタンのイーストバットレスを見上げる)

 裏手の下降路から取付に戻る。午後はリーズピナクルエリアに行くことにした。この頃から空が曇り出してきて、翌日の雨予報を予感させる。そのおかげで、いつもだったら日差しで暑くて登っていられないらしいこのエリアも過ごしやすかった。まずはダイレクトルートの1P目を2人それぞれリードで登る。中盤のハンドジャムが快適。見上げる2P目のクラックが見事だ。
 続いてストーングローブ5.10bにトライ。私がリードで試みるがテンションだらけ。トップロープを張って、T橋さん、私と登るとノーテンで登れた。明日は雨で登れないとするとこれでヨセミテの登り納めだ。トゥオルミも含めよく登ったので、明日は登れなくても満足している。

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(↑リーズピナクルエリア)
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(↑ダイレクトルート1P目を登るT橋さん)
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(↑ストーングローブを登るT橋さん)
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(↑フナティックフリンジを登る)

■06.26(木) 雨後、Pat and Jack Pinnacle
 未明から雨が降り出す。テントを打つ雨音が聞こえるが、ザーザー降りというワケではない。しかし、やはり予報どおり雨が降ってきたわけだ。これでは岩が濡れてクライミングはできないので、そのままごろごろとテントの中で寝て過ごす。8時頃になって、ミッドナイトライトニングのあるボルダーの下で雨宿りしながら朝食をとる。ベンチ状の石があって荷物を広げられる。そうするうちに雨が止んできた。これなら岩が乾けば登れそうだ。前日までの11日間よく登ったので満足しているけれど、登れるとなったら休んでいるワケにはいかないかな。それでもまだ岩が濡れているだろうから、午前中はカリービレッジに行ってメールチェックなどして過ごした。

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(↑キャンプ4のゴミを収集する車)
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(↑こんなふうに機械のアームで大きなゴミ箱を持ち上げる)
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 雨が上がった空は曇りがちで雲間から日差しがあるくらい。ハーフドームにも雲がかかっている。午後からパットアンドジャックピナクルへ行くことにした。
 ヌードルという2ピッチのルートを1P目を私がリードし、2P目をT橋さんがリード。懸垂下降して、Knob jobにTr.を張り、私が登る。続いて左隣りにあるSherrie’s CrackをT橋さんがトライするも核心でテンション、Tr.にしてもらって私もトライするも核心部でテンション。あとは快適なハンドジャムでいけた。
これでヨセミテでのクライミングは終了。12日間、よく登ったものだ。

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(↑パットアンドジャックピナクル)
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(↑ヌードル)
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(↑Sherrie’s Crackを登るT橋さん)

 ヨセミテ滞在の最終日は、カリービレッジのレストランで夕食を取った。セルフサービスで、肉やマッシュポテトなどを指差して選んで皿に盛ってもらうのだが、味はまあ大味というか、特別美味しいワケではない。わかってはいたけれどこんなものかな。私たちはこれだけで十分な量だったので追加しなかったけれど、自分で盛るサラダはその重さで料金がかかるようだ。質より量ということか。キャンプ4に戻り、計11泊の最後の夜を迎える。

■06.27(金) サンフランシスコに移動
 今日はキャンプ4のテントサイトを引き払い、帰国のためサンフランシスコに移動する。荷物をまとめて車に積み込み、晴れたヨセミテバレーをあとにする。

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(↑キャンプ4最後の朝)
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(↑ミッドナイトライトニングの前で)

 2週間前にやって来た道を引き返していく。オークデールの街でバーガーキングに寄り朝食を取る。ドリンクのカップが普通サイズでも大きい。Wifiがつながるので、私は所属山岳会宛てにヨセミテのクライミングを終えた旨のメールを送る。駐車場がとにかく広いので、適当に車のトランクに詰め込んだだけだった荷物を広げて、飛行機の預け荷物としてパッキングし直した。

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(↑バーガーキングにて)

 途中、鉄道踏切で停車すると、長い貨物列車が通過して行った。前を3台の機関車がけん引し、その後を貨物車両が延々と続き、後ろからも2台の機関車が押していた。信号のない広い道を走るのは快適だ。狭くて信号だらけの日本の道とは違う。また、ターゲットという大きなスーパーにも寄って、チョコレートなどのお土産も買い込んだ。

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(↑貨物列車、前の機関車1両目)
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(↑前の機関車2両目)
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(↑前の機関車3両目)
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(↑貨物車両が続く)
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(↑後ろからも2両の機関車が押していた)
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(↑ターゲットというスーパー。写真横向き)
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(↑ターゲットのミューズリー売り場)

 今夜はサンフランシスコ市内に予約しておいたホテルに泊まる予定なので、シスコ市街へ向かうためには往路で通った橋を渡り、北上してサンフランシスコ国際空港を通り過ぎて行けばよいのだが、ゴールデンゲートブリッジを渡ってみたかったので、わざわざ北の方から迂回して行ってみることにした。
 オークランド、リッチモンドと経て、リッチモンド・サン・ラファエル橋では5ドルを支払って渡る。橋を渡ってからゴールデンゲートブリッジに向かって南下し始めると濃霧がかかってきた。ゴールデンゲートブリッジそのものは通行料金を取られなかった。しかし、橋は濃霧に包まれ、吊り橋の上の方ですらガスで見えず、見えるはずの海峡も何も見えず。

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(↑リッチモンドサンラファエル橋)
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(↑濃霧のゴールデンゲートブリッジ)

 橋を渡っていよいよサンフランシスコ市街に入っていくと急に霧が晴れる。映画で見たようなアップダウンの激しい急坂が本当に続いていて、予約ていたホテルに向けて坂道を登って行く。ホテルはシビックセンター駅という地下鉄駅から北に数ブロックのところで、決して高級なホテルではない。周辺はアジア系の店が多くて、ホームレスも目に付く。ここを選んだのは宿泊代の安さと駐車場があるからだが、あんまりのんきに散歩する気にはならなさそうなところだ。
 15時頃チェックインを済ませると、T橋さんとホテルを出て観光スポットのフィッシャーマンズワーフに行ってみることにした。バスの路線図を見て、やって来たバスに乗る。フィッシャーマンズワーフに着くと、観光スポットだけあって観光客が大勢いた。海を臨むとアルカトラズ島が見えた。かつて刑務所だったところだ。海風が寒い。サンフランシスコは曇っていて、日差しの強いヨセミテにいるよりも肌寒いくらいだ。ボイルしたカニを出す店が並んでいる一角があった。カニは高いので、クラムチャウダーと生ガキを食べた。観光地価格なのかこれでも結構な値段だ。寒いのでこれ以上歩き回らずにバスでホテルに戻ることにした。暗くなってくると街中を歩くのも不安なので部屋の中で過ごす。

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(↑サンフランシスコは坂の街)
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(↑路線バスが来た)
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(↑フィッシャーマンズワーフ)
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(↑アルカトラズ島)
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(↑カニ)
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(↑まだ生きているロブスター)
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(↑カキ)

■6.28(土)~29(日) 帰国
 サンフランシスコを発つ便はお昼なので、朝食を済ませたら早々に空港に向かうことにした。ブルーボトルコーヒーというカフェに行って軽く朝食をとることにした。ホテルからてくてくと歩いて行き、通りから入った角地にその店はあった。ミントプラザという店名なのだが、斜向かいの建物の合間の小広場のある一角からその名前をつけているようだ。
 店内は明るく小ぎれいな感じだ。コーヒーとトーストを注文。ガラスのマグに入ったコーヒーを飲む。朝から結構お客が来ている。

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(↑ブルーボトルコーヒーミントプラザの外観。写真横向き)
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 市庁舎の近くを通ってホテルに帰り、ホテルをチェックアウトすると車で空港に向かう。2週間前ぶりにサンフランシスコ国際空港に戻って来た。ソウル行きの便の中ではなかなか寝付けないので、映画を3つも4つも見て過ごした。日付が替わった仁川空港で成田行きの便に乗り継ぎ、成田に着いたのは日曜日の夜。T橋さんと解散して、自宅に帰る。明日からまた出勤だ。

 こうしてヨセミテのクライミングツアーを終える。易しいグレードばかりだけれど、ハーフドームを含めマルチピッチのルートをたくさん登ったし、トゥオルミメドウズにも行ったし、バリエーション豊かな内容となり良かった。T橋さん、お疲れさまでした。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー05 ●06.22ハーフドーム偵察、06.23スネークダイク~ハーフドーム登頂

■06.22(日) ハーフドームHalf Domeアプローチ偵察

 カリービレッジの宿泊代は高い。ネットで予約したのだが、14,000円台だ。2人で割っても7,000円もする。造りはテント生地のキャビンで、ベッドが置いてあるだけ。つまりトイレやシャワーは共同。調理も禁止されているので、長く滞在するとなると、売店やレストランに歩いて行けるというのを除けば、値段ほど便利ではない。
 ということで、暗いうちから起き出して、1週間前と同様、5時前にキャンプ4の受付に行くと今回も一番乗り。2回目はもう勝手が分かっているから、さっさと寝袋に入って8時前まで寝続けた。1週間前のように寒さでふるえるということはなく、すっかり明るくなると寝袋に入っていると暑いくらいだった。
 受付では先週と同じサイトを指定した。今回は5泊するので2人で計50ドル。いったんカリービレッジに戻り、キャビンに残した荷物を回収し管理棟に鍵を返却。

 さて、今日はレスト日とした。これまで7日間連続で登っているし、明日はハーフドームに登りに行こうとT橋さんと話しているからだ。明日ハーフドームに行く代わりというワケではないが、そのハーフドームに至るアプローチを私が偵察に行くことにした。ヨセミテバレーのシンボル的存在であるハーフドームはぜひ登ってみたかった。
ハーフドームは谷側の西面がすっぱりと切れ落ちているが、他の面はドーム状の傾斜だ。それだってとんでもない大岩壁なのだが、その南面にスネークダイクというルートがあるので、それを登ってハーフドームの山頂に立とうというワケだ。
 ハーフドームには一般登山道があって、それを辿ってドームに立つこともできるのだが、事前に許可を取る必要があるそうだ。最後のワイヤーハシゴを通過する前に、レンジャーが許可証のある登山者かをチェックしているらしい。なので、許可無しに思いつきで登りに行くことはできないらしい。レンジャーの目をごまかして通過しようとすると逮捕されるとか。
 しかし、クライマーがスネークダイクなどを登って山頂に登るのには許可は不要だ。ワイヤーハシゴは下山時に通ってみて分かったのだが、上り下りとも一緒の一カ所しかなく、あれだけ急なことを考えると大勢の登山者が押し寄せると収拾がつかなくなりそうだ。それを許可制度によって抑制しているのだろう。その点、クライマーの数は知れているから、彼らが多少増えたって構わないのだろう。クライマー側からしたら、何か月も前から許可を取って登りに行くなんて相当の制約だろうし。
 と、前置きが長くなったが、スネークダイクそのものもランナウトを強いられるルートであることは後で書くにしても、アプローチも非常に長く、日帰りで行って帰ってくるのは結構大変だ。ルートそのものは取り付いてしまえば何とかなるにしても、順調に取付にたどり着けるかも一つの核心だ。道に迷ってしまっては登攀どころではなくなってしまう。T橋さんとしてもその点を心配していた。そこで、レスト日を使って、私が一人でスネークダイクまでのアプローチを調べてくることにした。普通に歩いても3~4時間はかかるらしいので、往復することを考えたらそれだけで一日仕事だ。

 さて、カリービレッジのチェックアウトを済ませてから、休憩所に行くとWifiがつながったのでしばしメールチェック。車に戻って偵察ハイキングのための荷物をまとめて、T橋さんにカリービレッジからさらに奥の車道終点まで送ってもらい、歩き出したのは10時頃。手元にある地図は、スーパートポに載っている極めて簡略なものだけだ。持っている人は知っていると分かると思うけれど、本当に簡単な略図だ。しばらくは観光客が大勢歩いているトレイルをたどって行く。途中、ミストトレイルというヴァーナルフォールを見ながら登って行くトレイルに入ったりするが、観光客が皆そちらをたどって行くように、分かりやすい道だ。

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(↑ヴァーナルフォールが見えてきた)
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(↑ヴァーナルフォールの落口)

 ヴァーナルフォールを過ぎると、左手に2つのピークが見えてくる。右がリバティーキャップで、左がブロデリック山。地図には、トレイルから離れて、その2つのピークの間を抜けて行くアプローチ道がある。一方、そのままトレイルを辿ってネバダフォールを横目に見ながら、リバティーキャップを東から巻くようにハーフドームへの一般道を進んで、途中からアプローチ道に入ることもできるようだ。2つのアプローチ道はロストレイクの近くで合流して、ハーフドームの基部へと続いていくように描かれている。

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(↑2つのピーク)
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(↑リバティーキャップ。写真横向き)

 そこで、歩く距離が短そうな2つのピーク間を抜けるアプローチ道を辿ってみることにした。大勢の観光客とともにトレイルを歩いていく。坂道を登って行くと汗をかくほど暑いのだが、分岐を経てやがてヴァーナルフォールという滝に至る。滝のしぶきが気持ち良い。最初のJMTから離れてこの区間はミストトレイルというのだが、この滝しぶきのためだろう。この滝の前後は急な石階段が続く。滝の上には開けた釜がある。前述したとおり2つのピークが左手に見えてくる。アプローチ道への入口はどこだろうと左手に入る踏み跡がないかどうか見ながらトレイルを進んでいくと、ネバダフォールが見えてくる。トレイルがリバティーキャップの基部にぶつかったところで、基部に沿って左に入っていく踏み跡がある。これが2ピーク間を通るアプローチ道への入口だろう。結果的に正解だった。基本的に左手の岩場基部に沿って踏み跡を歩いていく。やがてリバティーキャップの西側に回り込み、ブロデリック山との間の谷に入っていく。箱庭的な感じのところだ。谷間を通るときも道はリバティー側に沿って付いている。岩がちのところを通過するが、やがて樹林帯の中の明瞭な道になる。それをずっと歩いていくと再び人が歩いているトレイルに出た。リバティーキャップで踏み跡に入ってから1時間ほど。他に会う人はいなかった。

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(↑リバティーキャップ基部に着いたところから右に入る)
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(↑谷間を行く)
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(↑トレイルに出てしまった)
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(↑ハーフドームへのトレイル)

 当初、このトレイルに出たのが間違いだったことに気付かず、そのままトレイルを歩いて行ってしまう。幅の広い平たんな道から樹林帯の登り坂になったところで、さすがにおかしいと思い、改めて地図を見ると、ハーフドームへの一般登山道を歩いていることが分かった。すぐに引き返す。アプローチ道からトレイルに合流したところに戻る。遠くにハーフドームが見える。トレイル側からアプローチ道への入口は知っていないとまず分らないだろうが、私は先ほど出てきたばかりなので分かっている。結果的に翌日は谷間の道を選ばずに、リバティーキャップを東に回り込んだここからアプローチ道に入ったので、この入口の場所を確認できたのは良かった。目印らしいものは何もないからだ。
 アプローチ道に引き返すと、谷間の方ではなく、小さな水たまりのようなものを渡るとロストレイクに出た。ハーフドームを望む湿原のような池だった。なおも明瞭な道を行くと、道は右手に上がっていき、ケルンが積まれた岩がちの中を行くようになる。ハーフドームの基部に向かって登って行く感じだ。高度を上げていくと、後方の風景が開けてくる。ロストレイクも眼下に見える。アプローチがスラブ帯を左へとトラバースするところに至った。時刻は午後1時半。そろそろ帰ろうと決めていた時間だ。アプローチはこのトラバースを越えてハーフドームを回り込んでいけばよいのだろうと考え、偵察はここで終えることにした。下山を開始し、ロストレイクを過ぎたところで、谷間の道への入口を探ってみたが見つけられない。不明瞭な道から明瞭な道に出るのは容易でも、その逆は難しい。谷間の道へと戻るのはやめて、当初間違えたトレイルへと出る。それからトレイルに沿ってネバダ滝方面へと帰ることにした。

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(↑ロストレイクとハーフドーム)
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(↑ハーフドーム基部を登る)
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(↑後方を望む)

 午前中歩いていきた道を引き返していくと観光客も増えてきた。ヴァーナル滝を過ぎる。とにかく暑い。周遊バスのバス停まで戻ってきて、ちょうどやって来たバスに乗ってキャンプ4に戻ったのが16時過ぎ。車がなかったのでしばらく待っていると、ハウスキーピングからT橋さんが戻ってきた。今度は私が車でハウスキーピングへ行きシャワーを浴びてくる。
スーパーで買い出しをしてキャンプ4に戻る途中、道端に人だかりがあったので、車を停めて行ってみると道路脇の草むらの中に熊が1頭いた。レンジャーの人達が観光客をあまり熊に近づかないように止めている。熊は草むらの中にいるので背中くらいしか見えなかった。リスは岩場にもキャンプ4にもどこにでもたくさんいるが、熊は早々目撃する機会はないようで、ヨセミテ滞在中、私が熊を見たのはこの一度きりだった。

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(↑ネバダフォール)
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(↑熊がいた)

■06.23(月) スネークダイクSnake Dike 5.7R/ハーフドームhalf Dome (8,836ft・2,693m) Southwest Face

 前日の私一人でもアプローチ偵察に基づいて、今日はハーフドームを登りに行く。スネークダイクというハーフドーム南面にある8ピッチのルートを登って、ハーフドームの山頂に至る。スネークダイクそのものは取付から山頂台地の下半分だけのようで、傾斜が緩くなった上半分はほぼ歩いて登れるようだ。
 前日の偵察で歩いているようにアプローチが非常に長いのでそれが一つ目のポイントだ。もう一つはトポ図を見ると分かるのだが、5.3とか5.4といった易しいグレードとはいえ途中ボルトが1つだけとかものすごくランナウトすることだ。ルート名どおりダイクが続くセクションはクラックではないので、カムをきめられるわけではない。
 このことはまた触れるとして、長い一日となることを考え、5時にキャンプ4を出発し、車道終点にあるトレイル入口の駐車場を歩き始めたのは5時20分頃。朝早いので昨日のような大勢の観光客でごった返してはいないが、一般登山道からハーフドームを目指すらしい人達がすでに歩いている。ヴァーナル滝、ネバダ滝とゆっくりと歩いていく。昨日確認しておいたトレイルからアプローチ道への入口を入ると向こう側にハーフドームが聳えている。ロストレイクを経て、基部を上へと登って行くと、前日偵察を打ち切ったところにたどり着いた。ここから左に回り込むようにスラブ帯をトラバースして行く。廊下状になっていて歩けるのだが、ちょっと一見怖い。岩場のトラバースを終えると、はるか頭上にドーム南面が迫って見える。ダイクらしきものがのっぺりした岩の表面に血管のように何本も走っているのが見える。あれのどれかを登るのだろう。
 さて、スネークダイクの取付に向かうべく、踏み跡らしきところをたどって行くと、基部を左に巻き気味に登って行く。やがてドーム基部にたどり着く。トポ図と照らし合わせて、それらしきラインに目をつける。ここまで来る途中、昨夜ビバークしたらしい2人組が寝ているところを通り過ぎた。彼らも登るのだろう。彼らはまだここにやって来ない。支度を済ませて、T橋さんのリードで登攀を開始する。しかし、トポにあるクラックと違って、クラック幅の広い大フレークをたどって行くと、あまりにもクラックが大きくなり行き詰まってしまう。間違ったところに取り付いてしまったのかもしれない。T橋さんが人の声がすると言うので、ビレイを解いて私が右に回り込むように見に行くと、我々が取付いたところよりもずっと斜度が緩いところを2パーティーが登り始めているではないか。はやり間違っていたのだ。下から近づいて行った時にはおそらく見えていたはずなのに、どういうわけかもっと左側に取り付いてしまったのだ。
 T橋さんに下降してもらい、仕切り直すことにする。先行Pの2組目のリードが登り始めているところだったので、しばらく待つ。見ていると、ランナウトするスラブを直上してからハング状の下を左に大きくトラバースするところがさらにランナウトして悪いみたいだ。

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(↑ロストレイクからハーフドームを望む)
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(↑ヨセミテではトカゲをよく見た)
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(↑岩場のトラバース)
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(↑ハーフドーム南面を見上げる)
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(↑あのしわしわの一つがスネークダイクか)

★スネークダイク
 1P目。T橋さんのリードで仕切り直しのスネークダイク登攀開始。最初のスラブは後半部分はハング下に取り付くのにランナウトする。そこでスリングを長めにとってカムでランナーを取る。それからハング下を左にトラバるのだが、先行Pはスラブを通って行ったが、T橋さんはハング下のクラックをしゃがみ込むアンダー持ちで通過して行った。それから回り込むように右上する大フレーク状を登り途中カムでピッチを切った。
 フォローで私の続くが、トラバースが悪いのなんの。ハング下のクラックは浅くて十分に指が入らない。足は何もないスラブにスメアリング。T橋さんはこんなところをよく行ったものだ。私は先行Pと同様少し下のラインからスラブをトラバース。これだって、分かりやすいホールドなどはなくフォローでも怖いのなんの。少し行くとガバ穴があるのでそれが取れると一安心だ。

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(↑スネークダイク1P目を登るT橋さん)
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(↑ハングの下のトラバースが悪い。先行Pが見える)
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(↑左へのトラバースを終えると右上していく)

 2P目は私のリード。カムをきめながら右上していったが、カムを使い過ぎて手持ちが足りなくなり、途中のボルト支点でピッチを切ることにした。本当はさらに右上したところが2P目の終了点なので、後半はT橋さんがリード。
 先行Pのずっとリードしている男性が何だかとても遅いので、我々はずっと待たされる。登る速度は普通なのだが、終了点に着いてからフォローの女の子を引き上げるまでのセットがもたもた非常に遅い。何をやっているのだか。

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(↑2P目後半を行くT橋さん)
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(↑先行P)
 3P目、私のリード。スラブ帯を左にトラバースしていよいよダイクに取り付くピッチ。ダイクにたどり着くまでのこれまた怖いトラバースでは途中のピンは一つだけ。ダイクにたどり着いたところに2つ目のボルト。これだけでそれぞれ10mくらいの間隔か。いよいよダイクを辿る。幅数10㎝のガタガタした形状がのっぺりしたハーフドームの岩の面に背骨が浮き上がるようにまっすぐ上に伸びている。そのガタガタをたどって行くのだ。3P目は5.4というグレード。10mくらい登ったところで3つ目のピンがあり、さらに終了点までは20mくらいランナウトしただろうか。長さの感覚がよく分らなくなってくる。5.4というグレードだから普通に登っていればまず落ちないのだろうが、落ちた時のことを考えると、このランナウトの距離では無事では済まないだろう。持参したロープはダブルロープ1本のみ。20mランナウトして落ちたら切れてしまうのでは?と思ってしまう。

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(↑3P目フォローのT橋さん)

 4P目は5.4のダイクをひたすら直上。リードのT橋さんは、20mくらい登ったところでボルトでランナーを取り、さらに20m登って終了点へ。

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(↑4P目を登るT橋さん)
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(↑T橋さんと先行P)
 5P目は私。右寄りにトラバースしてフレークでカムを取る。久しぶりにカムが使えた。さらに5.3のダイクを辿る。以降は5.3からさらにグレードが易しくなってくる。私がリードして8P目を終えたのは大きな凹角状の中。明確なルートの終了点というものはないようだが、あとはずっと易しくなってドーム山頂に至るはずだ。斜めの凹角状の中にいたので頭上の岩を越えた先が見えない。T橋さんがそのままロープで確保されて登って行く。T橋さんは疲労気味。8Pを終えてから、さらに3P分ロープを伸ばして登って行くが、登れば登るほど斜度が緩くなってきて、前かがみになれば手を使わずに歩いて行けるくらいになる。木のあるところでロープを解くことにした。先行Pはまだロープを伸ばしているので途中で追い抜いた。さらに前にいたはずのパーティーはとっくに登り終えているのだろう。あとはハーフドーム山頂まで歩いていくだけだ。クライミングシューズのままでは足が痛くなってきたので、私は途中でアプローチシューズに履き替える。T橋さんもその後履き替える。T橋さんが疲労気味だったので、私が持参したエネルギー補給のジェルをあげる。これで少しは疲労が抑えられるかも。

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(↑5P目フォローのT橋さん)
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(↑何P目だったか、フォローの私)
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(↑山頂へと歩いていく)
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(↑後方の眺め)

 だだっ広いハーフドーム山頂に出る。先行Pと我々以外誰もいなかった。時刻は午後4時くらいだったろうか。降り口のワイヤーハシゴに向かうらしき2人の姿が見えたくらいだ。日中は大勢の登山者でごったがえしているのだろうか。山頂は広い丘状が2つあって、向こう側のほうが高いようなので行ってみる。西側は絶壁だ。遠くからハーフドームを見ると半球をすぱっと半分に切ったような形をしているがその切った面だ。こうしてハーフドームの山頂に立つことができた。やった。よい眺めだ。

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(↑山頂の台地)
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(↑西側は断崖)
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(↑私。山頂にて)

 さて、これから長い長い下山が待ち受けている。2つの丘の鞍部から高いほうの丘を東側に回り込むとワイヤーハシゴの降り口があった。ドームの急な岩壁に延々と取り付けられたもので、一般登山道を登ってきた登山者はここを通って山頂に登るのだ。ここ一カ所しかないので、登りと下りは狭いワイヤーハシゴの中ですれ違っていくのだろうか。それにしても急なので、ワイヤーをつかみながらクライムダウンする感じだ。万一手を離せば、真下まで落っこちるだろう。我々が通った時には父娘がいただけなので、その父親が遅かったので途中で追い越させてもらったけれど、大勢の人が取付いているときに誰かが落ちたら将棋倒しどころの惨事では済まなさそうだ。我々はヴィアフェラータのようにワイヤーにセルフビレイを取りながら降りた。

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(↑ここからワイヤーハシゴを降りる)
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(↑写真横向き)
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(↑ワイヤーハシゴを降り切って、振り返る)
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(↑ハーフドームと私)

 ワイヤーハシゴを下り終えると岩場から樹林帯に入る。樹林帯の下り道がこれまた長い。ずっと歩いて、朝にアプローチ道に入った平たん路に出た。あとは朝歩いてきたトレイルをたどるだけなのだが、延々と歩いて駐車場に帰着したのは20時半。日が長いので暗くなる前に下山できたのは良かったけれど、本当に長かった。15時間行動はしんどい。
 シャワーを浴びて買い物を済ませ、すっかり暗くなったキャンプ4に戻って野菜炒めを作る。明日は再びレスト日とすることにして、私は一人でトゥオルミに山登りに行くことにした。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー04 ●06.20カシードラルピーク/トゥオルミメドウズ、06.21ファイブオープンブックス・ジェネレータークラック

■06.20(金) カシードラルピークCathedral Peak (10,940ft・3,335m) Southeast Buttress 5.6(5P)/Tuolumne Meadows

 一度くらいはトゥオルミに登りに行こうとT橋さんと話していたのだが、カリービレッジの登山用品店で買ったトゥオルミ版のスーパートポを見ていて、カシードラルピークというのを見つけた。この山のサウスイーストバットレスという5ピッチのルートを登ると山頂に着くらしい。グレードも5.6と易しいし。標高は10,940フィート。3,335mということで南アルプスの北岳よりも高い。マルチピッチノルートを登って山頂に登り詰めることができるということで、標高で言ったら北岳バットレス第四尾根を登るより勝っている(?)ワケだ。
 明るくなり出した頃にキャンプ4を出発。トゥオルミまでは距離が長く結構時間がかかるためだ。2時間はかからないけれど1時間半以上はかかる。これまで給油していなかったのでガソリンの残量が少ない。ヨセミテでの給油のことは後で書く。
 途中、テナヤ湖で車を降りたが結構肌寒い。ヨセミテバレーより1,000mくらい標高が高いからだろう。やがて湿原状に拓けた場所に着いた。道路際に車がたくさん泊まっている。カシードラルピークの登山口だ。このほんの少し先にトゥオルミメドウズのビジターセンターなどがある。カシードラルピークへの登山口であるだけでなく、延々とシエラネバダ山脈を通っているらしいジョンミュアトレイルJMTが通っているので、それを辿って行くらしきグループも支度をしていた。

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(↑テナヤ湖)
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(↑カシードラルピークへの登山口。JMTも通っているので人が多い)

 我々も歩き始める。ロープは軽量化のためダブルロープ1本のみ。最初しばらくはJMTを歩いていく。足の速いハイカーが追い抜いていく。やがて左へと分かれるクライマー道へと入る。こちらも幅は少し狭くなるものの明瞭な道だ。

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(↑歩き始めてすぐの標識)
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(↑JMTから左のクライマー道へと入る)

 左手遠方に岩峰を頂く岩山が見えるがこれはカシードラルピークではない。これらを見ながらトレイルを歩いていく。1時間くらい歩いたところでいったん休憩。さらに歩くと右手奥にカシードラルピークが見えてくる。尖った峰で、あれを登るのだ。ぐんぐん近づいていき、やがてサウスイーストバットレスの基部に着いた。見上げるとすでに登っている人たちがいる。取付いている人たちがいるので、ラインは一目瞭然。すでに3,000mを越えた標高のはずだ。歩いている最中は少し空気の薄さを感じだ。ここまで2時間弱かかった。

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(↑クライマー道のようす)
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(↑これはカシードラルピークではない)
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(↑カシードラルピークが見えてきた)
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(↑裸地化するのでやたらあちこち歩くなとの注意書き)
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(↑カシードラルピークが近づいてくる)
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(↑サウスイーストバットレスへ)
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(↑サウスイーストバットレス取付から見上げる)
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(↑後方の眺め)
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 まばらな樹林を抜けた取付きは虫が多かった。登り始めてしまえば虫はいなくなるが、手早く登攀の支度をする。1P目、私がリード。スラブ状から大フレークへ。2P目はT橋さんリード。

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(↑1P目フォローのT橋さん)
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(↑2P目リードのT橋さん)
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(↑ますます眺めがよくなる)

 3P目は私のリードでテラスに出ると先行Pに追い付いた。フォローのT橋さんをビレイしていると、下から登ってくる男性がいる。T橋さんを追い越しみるみる近づいてくる。フリーソロだった。先行Pのさらにその前のパーティーがなかなか進んでいないのか、このテラスで長いこと待たされた。横になって寝る。本当に居眠りした。ようやく先行Pが登り出し、我々も動き出す。4P目の出だしはチムニーで、T橋さんがリード。カムを使い過ぎたとのことで、途中でピッチを切り、4P目後半は私がリード。さらに5P目も私がリードし、頂上直下へ。すでに15時を回っている。頂上の岩塔は狭いため、先行Pが登って降りてくるまでしばらく待つ。

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(↑3P目フォローのT橋さん)
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(↑すると男性が一人登ってくる)
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(↑フリーソロだった)
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(↑4P目の出だし、ザ・チムニーを登るT橋さん)
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(↑頂上の岩塔。中央の9mほどの岩塔を登ると山頂だ)
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(↑山頂からの眺め。きれい。写真中央の岩塔はウエストピラー)
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 しかし、我々は急ぐ必要があった。詳しい理由は後述するが、19時までにガソリンを給油しないといけないからだ。それくらい車のガソリン残量が少ない。岩塔は30フィートらしい。これを登って、T橋さんにフォローで登ってもらたら、そのまますぐにクライムダウンしてもらった。私も降りる。とにかくカシードラルピークと登頂できたのは良かった。
 岩を西側に回り込み下っていくと、先行Pが広い斜面で懸垂下降していた。彼らがそのロープを使ってよいと言うので、ありがたく懸垂下降させてもらった。急いでいるので助かる。彼らのあとを追うように、岩場を再び東側に回り込む。これは先行Pがいなかったら見つけられなかったかもしれない。そうすると取付へと下って行く踏み跡があるので、どんどん下って行く。取付から朝歩いてきたトレイルへ。早足で下山していく。下山は朝よりもずっと早く歩けた。これならガソリンスタンドの時間に間に合いそうだ。

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(↑懸垂下降する先行P)
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(↑岩場を回り込んで取付き側へ)
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 登山口に帰着し車に乗る。途中、ハーフドームを望むビュースポットに寄り、120号線のヨセミテバレーとトゥオルミ方面が分岐するところにあるガソリンスタンドに到着したのは18時半。

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(↑オルムステッドポイントからハーフドームを望む)

 ここのガソリンスタンドは24時間やっているらしく、19時を過ぎても給油の機械でクレジットカードが使えるらしい。ただし、機会に書いてあるのを読むと、どうやらシェブロンだとか石油会社の提携カードでないと使えないらしい。なので、昨年T橋さんがここに来たときはカードが使えなかったのだ。19時までなら店舗に人がいて、そこで普通にクレジットカードを受け付けてくれる。まずは車を停めた機械の番号を告げて、支払う金額を告げる。満タンとか給油の量を言うわけではないらしい。今回は50ドルとした。そうして機会に戻り、プレミアム、レギュラー、ディーゼルと3つのボタンがあるのでプレミアムを選ぶ。ノズルを車の給油口に突っ込み給油すると、メーターが50ドルに達したところで止まる。つまり、レジで油種を告げる必要はなく、油種は少しずつ値段が違うワケだが、それに応じて指定した金額に達すると給油が止まるのだ。
 多めの金額を言ってカードで支払い、指定した金額になる前に満タンになった場合は、再びレジに行けば返金してくれるらしい。なので、満タンにしたい場合は最初多めに言ったほうがよいのだろう。朝は8時だったか9時になるとお店が開く。
 後日、私は再びトゥオルミに行って分かったのだが、トゥオルミメドウズにもガソリンスタンドがあった。営業時間は分らないけれど、カシードラルピークの登山口から少し先に走ればスタンドがあったのだ。
 50ドルでは満タンにならなかったけれど、ヨセミテバレーに帰る。シャワーを浴びて、買い出し後キャンプ場へ。

■06.21(土) Five Open Books,ジェネレータークラックGenerator Crack 5.10c/Generator Station

 クライミング7日目。連日登っているけれど、風邪も治ったことだしレストしたいという感じはしない。といっても前日はよく歩いたので今朝はゆっくりめ。6泊したキャンプ4をいったん離れるため、テントを撤収してから、歩いてヨセミテフォールを見に行く。大きく2段に分かれた滝が奥のほうに見える。ブライダルヴェールフォールもそうだが、秋になると水が涸れてしまうそうだ。ヨセミテに10日以上滞在したが、帰る頃には心なしか最初見たときよりも水量が減ったような気がする。

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(↑ヨセミテフォール)

★ファイブオープンブックス
 それから近くのファイブオープンブックスへ。樹林帯を登ると、暑い岩場に出た。見上げる岩は、斜めに大きな凹角がいくつか並んでいるらしい。本を開いたような形が5つ並んでいるからこの名前なのだろうが、下から見るとよく分らない。きれいに屏風状になっているわけではなかった。ひどく暑いしすっきりしたクラックがあるワケではないので、とりあえずThe Cavernesというルートの1P目のみ登ることにした。少し本チャン的なルートだった。バックロープを引っ張っていくのを忘れてしまったので、T橋さんにフォローで登ってもらい、2本を連結して懸垂下降。ここで登ったのはこの1本だけ。

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(↑The Cavernes)

★ジェネレータークラック
 キャンプ4に戻って、今度はジェネレータークラックのあるジェネレーターステーションというエリアに行くことにした。T橋さん曰く、ここは日陰なのだという。バレーの下流のほうに行くと、道路脇の下側に大岩があり、真ん中にすっぱりとワイドクラックが走っている。その脇に車を停めると、奥に発電所が見えた。文字どおり発電所エリアだ。この大岩はこのジェネレータークラックというワイドクラック1本だけしかないが、これをやるだけでも十分に価値があるクラックとのこと。まずはトップロープを張る。車を停めた道路側から傾斜の緩い岩を登って行くと、クラックの脇にボルトが2本あるので、それでトップロープをかけ、川側にロープを降ろす。駐車スペースにクライムダウンし、クラックの取付きは岩に沿って少し降りると着く。アプローチは極めて近い。
 見上げるクラックは、大岩を絶ち割ったように見事に走っている。前半はオフィドゥス、上部は身体がすっぽり入るチムニーだ。ほかに誰も来ていないので気兼ねなくTr.でトライできる。
 出だしがいきなり歯が立たない。取付きにある木を踏み台にして少し上がると、クラックに膝まで入ったのでそこからじりじりと登って行く。縁にあるガバホールドまでたどり着くだけでも大変だ。やがて体がすっぽり中に入る。中に入ってからも前と後ろの壁に腕や背中も使ってにじり上がっていく。芋虫のようにゼンドウ運動しているようだ。汗だくになる。チムニーは奥に入ると少し広くなっていて、身動きがとりやすい。何とか大岩のリップにたどり着いた。
 T橋さんも1回トライ。私はさらに2回もやったのだが、1回1回が疲れる。私が3回目を登り終えた頃に2人組がやってきた。これで終わりにするつもりだったので、入れ替われてちょうど良かった。

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(↑ジェネレータークラックは駐車スペースのあるこちら側から登ってTr.を張れる)
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(↑そばにある発電所)
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(↑岩を回り込んで、ジェネレータークラックを見上げる)
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(↑ジェネレータークラックをTr.で登る私)

 トップロープを反対側から回収してカリービレッジへ。今夜は1週間ぶりに再びカリービレッジに泊まるのだが、泊まるのは1泊だけ。明日朝はまた早くからキャンプ4の受付に並ぶ。休憩施設に行くとWifiがつながった。初めてつながった。貯まっていたメールをチェックする。しかし再び接続できなくなった。どうも、完全にWifiが使えないわけではなく、どういうワケか極めて通信状態が不安定なようだ。シャワーは、ハウスキーピングに行く必要がなく、ここのシャワー棟へ。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー03 ●06.17セントラル・ピラー・オブ・フレンジー、06.18エルキャピタンベース、06.19クッキークリフ

■06.17(火) セントラル・ピラー・オブ・フレンジーCentral Pillar of Frenzy 5.9(5P)/Middle Cathedral Rock

 毎日晴れて、日差しに当たると非常に暑い。風邪の症状はほぼ治ったという感じ。クライミング3日目の今日は、ミドルカシードラルにあるセントラル・ピラー・オブ・フレンジーという5ピッチのルートに行く。T橋さんは昨秋2ピッチ目まで登っているという。
 昨夜はどういうわけかあまり寝付けなかった。グラノーラとサンドイッチの朝食を済ませ6時にキャンプ場を発つ。道路脇に駐車スペースからトレイルに入りカラビナマークのある道標から踏み跡を登ると明るく開けたミドルカシードラルの取付に出る。見上げる岩壁は巨大だ。基部に沿って歩くとここを登れと言わんばかりの大きな凹角が現れ、これがフレンジーだと分かった。我々がこのルートの登攀を終えて、懸垂下降で取付に降り立つ頃になって後続Pが登り始めていたけれど、今は我々以外誰もいない。奇数ピッチをT橋さん、偶数ピッチを私がリードすることにして、7時半に登攀開始。夏至に近いこの時期は真上から陽が当たるが、この時間はまだ凹角部分は日陰だ。

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(↑岩場への入り口にはこういったカラビナマークの道標がある)
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(↑大きな松ぼっくり)
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(↑フレンジーの取付)
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(↑対岸のエルキャピタンを望む)
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(↑エルキャピタンの岩壁。中央の長靴型の白い岩が、ブーツテラスというそうで、ノーズのルート中にありレストできるそうだ)

 1P目、T橋さんのリード。5.9。大きな凹角の中を登って行く。壁が大きいので距離感が分かりづらいが、このピッチだけでも30m以上あるようだ。1P目終了点に出る手前辺りで少し時間がかかっているようで、そこに核心部分があるようだ。フォローで続く。今回のルートは懸垂下降で取付に戻るので、下山用のアプローチシューズは持たない。その分荷物が少なくて済むので、2人分の飲み物などを1つのザックにまとめて、フォローが背負って登ることにした。カムは、3P目でオフィドゥスがあるということで、5番6番のキャメも用意して、これらは1P目では必要ないのでザックに入れておいた。そうして登って行くと、終了点の手前のチムニー状のところで、背中のザックが岩に当たって身動きが取りづらくなり、さらにチムニー奥にきまったカムを回収するのも大変になり、ここではやむなくテンションして回収した。そのチムニーから左上に回り込むように終了点のテラスに上がるところがワルいようだ。昨秋、順番待ちのため下から先行Pを眺めていたT橋さんは、先行Pがこの辺りで苦戦していたのを知っていたそうだが、今回T橋さんはノーテンで抜けていた。

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(↑フレンジー1P目をリードするT橋さん)
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 2P目は私のリード。5.9。ザックがないと軽い。最初はフィンガーサイズで、やがてハンドサイズになる。私には気が抜けないピッチではあるのだが、日本で付け焼刃的にでも練習したジャミングがそのまま再現できるピッチという感じで気持ち良く登れた。

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(↑2P目をリードする私。写真横向き)
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(↑登るにつれて、エルキャピタンの眺めがよくなる)

 3P目、T橋さん。5.8。易しいハンドジャムから小ハングを乗っ越す。その先はオフィドゥスというほどの幅はなく、4番キャメがよくきまるサイズ。よって、このルートでは5番6番のキャメは不要だった。

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(↑3P目をリードするT橋さん)
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(↑左上へとハングを越えていく)

 4P目、私。5.8。2P目より易しく快適に登れる。ピッチ長さは短め。

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(↑4P目をリードする私。写真横向き)
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 5P目、T橋さん。5.9。ガタガタしたところから小ハングを越える。その先はフィンガー。
 こうして1P目のフォローのテンションを除き、ノーテンで無事に登攀終了。

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(↑5P目をリードする私)
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(↑下を見下ろす)
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(↑ますますいい眺め。写真横向き)

 このルートは懸垂下降のボルト支点がしっかりあるとのことだが、同ルートを下降するワケではない。同ルート下降もできるだろうけれど。懸垂下降では私が先行して降りて行くようにした。
最初、壁に向かって左下に向けて下りていくのだが、スーパートポにあるとおり最初は140ftの下降。左下に見える斜めの凹角に沿って降りていくと、向こう側にボルトラインが見えてきて、その下端に懸垂支点がある。2回目の懸垂は120ftとあり、我々は60mロープなので途中の支点を通過して、トポの樹木マークのある支点まで下降した。実際には今は木がない。3回目はトポによると地上まで115ftとあるが、ロープを垂らしてみると地上に届かないことが判明。ある程度下降したところで壁を眺めまわしたところ、偶然左下のほうにボルトが光っているのを発見できた。この支点はスーパートポに記載されていないが、この支点がなかったら進退窮まっていたところだ。ということで4回の懸垂で地上に戻る。
 取付に戻ると、他パーティーたちがフレンジーに取り付いていた。1~2P目あたりだけを登っているようだ。休憩してから車に戻る。まだまだ時間があるけれど、今日のクライミングはこれで終えることにして、カリービレッジへ。相変わらずWifiがつながらない。レストラン棟に行ってアイスクリームを食べる。登り終えてのアイスは格別おいしい。周回バスに乗ってビジターセンターに行く。絵はがきを買って、近くの郵便局からエアメールを出した。バスでカリービレッジに戻ってから、あとは車でハウスキーピングのシャワー、スーパーの買い出しと済ませ、キャンプ4に戻って野菜スープを作ってビールを飲む。ヨセミテでのキャンプ生活も慣れてパターンができてきた。

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(↑カリービレッジでアイスクリーム♪)
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(↑キャンプ4のベンチでポトフを作る)
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■06.18(水) モビーディックMoby Dick 5.10a(2P)・サッカラークラッカーSacherer Cracker 5.10a/El Capitan Base

 クライミング4日目。今日はエルキャピタンの基部にあるクラックを登りに行く。7時半にキャンプ場を発ち、エルキャピタンベースへ。道路脇の駐車スペースに車を停め、草むらの中の踏み跡を入っていくと、エルキャピタン基部へのトレイルへと続く。途中、立札があり、イーストバットレス方面のトレイルは落石のため通行止めと書いてあった。全13Pで5.10bのイーストバットレスを登るのは私には難しいけれど、通行止めということでどのみち登りに行くことは当面できないというワケだ。
 巨大なエルキャピタンを見上げると、ノーズに取り付いている人達が見える。延々と何十ピッチも登って行くわけだ。すごい。登るのに標準で3日はかかるとT橋さんは言っていたけれど、これを2時間台で登ってしまう人もいるのだからとてつもないことだ。
基部を左に回り込むように登って行くと、サラテの取付があり、2人組が1P目に取り付いていた。リードがアブミを出している。しかし他には誰もいないようだ。

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(↑エルキャピタンの基部へ)
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(↑ノーズを登っているパーティーがいる)
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(↑荷揚げしている)
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(↑ノーズを登り始めたP)
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(↑サラテの取付きを登るパーティー)

★モビーディック
 我々はまずモビーディック2Pを登ることにした。T橋さんは1P目のみ登っているということで、ここは私がリードすることにした。しかし、出だしのフィンガーが難しくて歯が立たない。チョンボしてここを抜けると、あとは何とか粘ってノーテンで終了点へ。チョンボしたフィンガーのあとは、ハンドからフィストサイズになり、さらにフィストもきまらなくなってきて手の甲と甲を合わせたリービテーションで登って行った。カムをきめる時だけはりーびを解いて片腕を広いクラックに突っ込んだ。
 2P目はT橋さんのリード。直上から左上にトラバースするように登って行く。向こう側に懸垂1回で降りられた。

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(↑モビーディックを見上げる)

★サッカラークラッカー
 基部の斜面を登って行き、サッカラークラッカーへ。T橋さんはサッカラーにトライせず、私だけトライすることにした。5番や6番といった大きなカムもどっさりぶらさげて登り始める。出だしのオフィドゥスからして難しかったのだが、個々はなんとか抜けられた。そこから板状につられて右上してしまい、途中で間違っていたことに気付く。クライムダウンするとサッカラーのクラックがあった。取付側からだと、サッカラーのクラックが死角になって見えないのだ。このクラックの出だしのフィンガーがワルく、チョンボして抜ける。サッカラーが上に行くにつれてクラックの幅が広がってくるのだが、途中のハンドジャムがバチ効きのところだけは快適に行けた。3番キャメがきまる幅が延々と続いていて、ここでは3つくらい3番がほしいところだが、残りが2つしかなかったので、チョンボしてずらしながら登って行った。さらに4番サイズになるのだが、チョンボだらけで登って行く。最後は6番サイズのワイド。ワイドの部分の下部こそ6番がきまるが、少し上になるとスカスカできまらない。下にきめた6番をつかみながら上に伸びあがってリップを取ると終了点に乗り上がれた。ふう、やれやれ。懸垂下降。
 しばらく休憩してから、ロープ2本つないだままTr.で前半のフィンガー~ハンド部分をやってみる。Tr.だとノーテンでいけた。ロープの結び目がビレイやーの確保器のところに来たところで終える。

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(↑サッカラークラッカーの取付)
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(↑サッカラークラッカーを見上げる。こちら側からだとクラックが隠れて見えづらい)

 T橋さんが、La Cosita,Right 5.9をリード。出だしの岩がつるつるで滑るようだ。フォローで私も登って、反対側に懸垂で降りる。今日はここまで。アプローチを引き返すと、モビーディックを登っている人たちがいた。
 ハウスキーピングでシャワー、カリービレッジでアイスを食べ、スーパーで買い出しして、夕食は各自適当に食べて済ませた。私は肉を買ってフライパンで焼く。

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(↑アプローチの途中の注意書き)
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(↑イーストバットレスへのトレイルは落石で通行止めらしい)
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■06.19(木)  アウターリミッツOuter Limits 5.10a(1P目)/Cookie Cliff
 クライミング5日目。今日はクッキークリフへ。ヨセミテバレーをずっと下流側に走った140号線沿いにある岩場だ。スーパートポの地図では、Pat and Jackエリアと140号線の公園入口に近いArch Rockエリアとの中間あたりのように描かれているが、実際はパットアンドジャック側にずっと近い。道端に崩れたような大岩がいくつもあるあたりの奥にある岩壁だ。
 8時にキャンプ4を出発する。ここの岩場はとにかく暑い。少し上がったところにあるトレイルの右奥にある広場状の木陰に荷物を広げる。まずは取付きが木陰となっているエネマThe Enemaの1P目5.7を2人それぞれ登る。凹角の内側がダブルクラックとなっている。
 他のルートはカンカンに陽が当たっているのでしばらく昼寝して過ごす。昼頃、私はクッキーライトサイドThe Cookie,Right Sideの1P目 5.8を登ることにした。ここも取付きは木陰だからだ。出だしはフィンガー、チムニー状から頭上のハングを乗っ越すと奥のほうに残置スリングとリングがある。オンサイト。

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(↑クッキークリフ)
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(↑エネマを登るT橋さん)
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(↑クッキーライトサイドを登る私。写真横向き)
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 お昼をずっと回って、岩場の2階部分もようやく日陰になっただろうということで、目当てのアウターリミッツに行く。見上げるクラックがきれいに上に走っている。このクラックの右側は大きく崩れたようになっていて、ここにもルートがあるようだ。
 T橋さんがアウターリミッツにトライするが途中でテンション。長いルートのためカムが足りなくなり、ロープを垂らしてもらいカムをあげた。テンションを交えながらもT橋さんがトップアウト。フォローで私も続くと何とかノーテンで登れた。T橋さんがいったん懸垂下降して、上で私がビレイしながらもう一度T橋さんが登った。
 私もリードしても良かったかもしれないけれど、今日のクライミングはこれでお終い。木陰の荷物を片づけていると、2人組が登りにやって来た。これくらいの時間に来るのが正解なのだろう。それまでは陽が当たって暑すぎる。
 ハウスキーピングでシャワーを浴びて、夕食はカリービレッジでピザを食べた。

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(↑アウターリミッツを見上げる)
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(↑アウターリミッツを登るT橋さん)
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(↑ピザ。カリービレッジにて)

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー02 ●06.15チャーチボウル、06.16ナットクラッカーほか

06.15()  ビショップテラスBishops Terrace 5.8(2P)/チャーチボウルChurch Boul

★キャンプ4

 前日にヨセミテ入りした我々はいよいよ今日からクライミングを開始するのだが、今日はその前にキャンプ4のテントサイトを確保しなければならない。前日カリービレッジのキャビンに泊まった我々は、まだ暗い4時過ぎに起き出して、車でキャンプ4に向かった。キャンプ4の受付に到着したのはようやく夜が明けだした5時。まだ誰も来ていないので一番乗りだ。

 キャンプ4は予約できないキャンプ場で、当日並んで利用を申し込むことになっている。一人15ドルと安い。受付開始は8時半とある。受付小屋の前には、子供も含め泊まる者全員がここに並べと書いた掲示がある。小屋にはこの日空くであろう人数も書いてあった。この日は100人とある。つまり、並んでいる人数を見て、自分の分も確保できそうか見るためにも、全員が並んでないといけないのかもしれない。

 利用したことのある人の話では、とにかく早く並んだほうが良いということで、その人は5時に並んでもぎりぎりだったという。いつの頃の話しかは分らないけれど、後述すると思うが、我々が訪れた今回は、どの岩場に行っても他に誰も会わないということが多く、ヨセミテを訪れているクライマーは少ない印象だった。昨年9月に来たT橋さんによると順番待ちになるほど混雑している岩場も多かったという。

 それもあってか、キャンプ4の受付でもそんなに血眼になって急がなくても大丈夫そうだ。我々の後に2組目が来たのは5時半。以降はぽつぽつと列が伸びていったようだ。受付開始まで、我々は地面にシートを敷いて寝袋に包まって寝ることにした。それにしても寒い。私は風邪をひいているせいかもしれないが、外で寝袋に包まるだけでは寒くて仕方がない。それでも寝袋がないよりははるかに暖かい。後日、T橋さんに聞くと、翌日以降の暖かさに比べて、この日の朝は少し気温が低かったようだ。

 体調不良の私はとにかく横になって過ごす。8時前に起き出すと、50人くらいが並んでいた。コーヒーを飲んだりしていると、係員の女性がやって来て、数字の書かれた整理券を配った。そして8時半になると受付の窓を開けた。ヨセミテでこの前に泊まっていないかと聞いてきて、あとは人数、連泊数、テント数を答えて、車のカギを見せる。今回は前半でまず6泊することにしている。テントはそれぞれ個人用を持ってきているので2張り。テントに結び付けておく札と車の室内に掲示する札を渡される。一人15ドルなので、計60ドルを現金で支払う。選んだサイトはトイレ棟に近いところで、フードボックスも決まった物があてがわれる。

 こうしてキャンプ4のテントサイトを確保できた。まだ朝で、前の人達がテントを張っているので、我々のテントは夕方張ることにして、いったんカリービレッジに戻る。キャビンに残しておいた荷物を撤収して、管理棟に鍵を返す。

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(↑キャンプ4の受付小屋)
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(↑テントサイトのようす)
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(↑テントサイトにあるボルダー)
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(↑有名なミッドナイトライトニング)

★チャーチボウルChurch Bowl

 さて、キャンプサイトも確保できたことだし、いよいよヨセミテでのクライミング開始だ。とはいえ私の体調は相変わらず悪い。まずはヨセミテの岩場に慣れようということで、T橋さんのススメでアプローチ至近のチャーチボウルに行くことにした。

 道路脇の駐車場は陽が当たって暑い。そこから樹林のすぐ向こうに岩壁がある。本当に取付きが近い。取付き付近は虫が多く、すぐに肌を刺してくるので虫除けの薬や蚊取り線香が必要だ。

 

 まずはT橋さんのススメで、エリア左端にあるBlack is Brown5.8をリードしてみることにした。カムをたくさんぶら下げて登り始める。風邪をひいていなければおそらく何でもなく登って行けるのだろうが、身体を持ち上げていく一つ一つの動作が重い。それでもなんとか耐えて登っていくが、陽差しが暑い。だんだんと気分が悪くなってきた。息が上がるし、ホールドを持つ手が痺れてくるような感じだ。貧血のような症状だろうか、クラクラしてきた。30mほど登っただろうか、終了点まで10mを切ったあたりで、それまでよりムーブが少し難しそうなところにさしかかった。さらに頭がクラクラしてきて、ここの突破がおよそ思い切れずテンションしてしまう。ヨセミテ登り染めはオンサイトならず。休んでから残りを登ろうかとも考えたけれど、ビレイしているT橋さんの指示に従って、カムを残してそのままロワーダウンした。うう、情けない。

 その後、T橋さんが私が登ったところまでトップロープ状態で登って、残りもリードして終了点へ。終了点でT橋さんがセカンドビレイして、私はフォローで登った。ロープに吊られているというのもあるけれど、ノーテンで登れた。それでも身体が重い。T橋さんが引っ張っていったバックロープとメインロープを結んで懸垂下降をセットする。

 今回用意した2本のロープは径が異なるので、ダブルフィッシャーマンズノットで結び、両側を末端処理する方法を取った。径が異なるロープを結ぶ機会がこれまでまずなかったので、そういえば連結はどうするのが正しいのかなとは思っていたのだが、ツアー出発前に読んだ山岳雑誌・岳人にたまたまこのことが載っていたので、それに従ったワケだ。というわけで今回は、このダブルフィッシャーマンズノットを何度も結んだので、これまでほとんどやったことがなかったこの結びがすっかり身に着いた感じだ。

 終了点にある立木に残置のスリングとラッペルリングがあり、懸垂下降1回で取付きに戻る。

 

 休憩後、エリア右端にあるビショップテラスBishops Terrace 5.8という2ピッチのルートを登ることにした。昨秋T橋さんは、カムで支点を作ってビレイするという想定をしていなかったそうで、マルチピッチルートでも、下降支点のある1ピッチ目だけを登ってばかりいたそうだ。今回はとにかくマルチピッチに登りたいとのこと。私もマルチピッチには行きたいので、まずは2ピッチだけとはいえこのルートを登ることにした。

 1P目は私のリード。グレードは5.7。先ほどのように貧血になることはなく、途中でカムをいくつかきめて支点ビレイをセットした。2P目はT橋さんのリード。終盤のダブルクラック部分が5.8のグレードらしい。2ピッチを登り終えると、素晴らしい眺めが広がった。ハーフドームも近く見える。ボルト支点があり、懸垂下降1回で取付きへ。

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(↑チャーチボウルの駐車場から対岸の岩場を望む)
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(↑チャーチボウルの岩場)
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(↑ビショップテラスを見上げる)

 初日のクライミングはここまで。売店はカリービレッジにもあるが、ヨセミテバレーでもっとも大きなスーパーに買い出しに行く。ここにはほぼ毎日買い物に出かけた。夜10時まで営業しているみたい。ポリタンクの飲料水や野菜などを買い込む。それからキャンプ4に戻ってテントを設営し、ベンチに座って夕食を作った。今夜はポトフを作った。あとパスタを茹でる。私が日本からコンソメと塩、コショウを持ってきていたのでそれを使う。絶不調だった私も食欲が回復してきた感じ。水道はトイレ棟の中に流しが一つだけある。それからその近くに水飲み場が一つあるだけ。それらの水を使って飲んでいる人たちもいるみたいだが、我々は買った水を飲んだ。翌日の出発も早いので早々にテントに入って寝る。

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(↑テントを張る)

06.16() ナットクラッカーNutcracker 5.9var.(5P)Manure Pile ButtressSwan Slab

 クライミング2日目。今日は人気ルート、ナットクラッカーを登りに行く。5時前に起き出して、私はグラノーラにミルクをかけた朝食。まだ朝早かったため、ナットクラッカーのあるマニュアパイルバットレスに至る駐車場への入口ゲートが閉まっていた。道路脇の駐車スペースに停める。ゲート先の駐車場はすぐそこだ。さらに駐車場から数分歩くと、岩場の取付きに至る。この岩壁はエルキャピタンの右下にあるといった感じだ。着いたところはアフターシックスがあるところで、フードボックスがある。ナットクラッカーはさらに右に行ったところだ。行くと、木の生えた凹角状を登り始めているパーティーがいた。これがナットクラッカーのオリジナルラインの1P5.6だ。

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(↑岩場へ)

 

★ナットクラッカー

 先行Pがいたので、我々はもう少し右からスタートするバリエーションラインから取付くことにした。こちらのほうが面白いのだという。5.9。風邪気味の私は完全に治ったとはいえないが、前日までよりはずっと回復した感じだ。

 人気ルートで混雑すると聞いていたので早く来たが、先行P1組だけで、我々が支度をしている間も後続Pが来るということはなかった。前にも書いたが、この時期は9月よりはずっと空いているらしい。

 全5ピッチ中、奇数ピッチを私、偶数ピッチをT橋さんがリードすることにした。1P目。台状を上がったところから、フィンガークラックが始まるのだが、この出だしがちょっとワルい。右寄りから取付くが登れないのでクライムダウンし、今後はクラック左のフェイスも使いながら行くと越えることができた。ほっ。上に行くにつれハンドクラックになりラクになる。大きな木を支点にしてピッチを切る。2P目、T橋さんリード。気を抜けて右上する。大テラスに出てピッチを切れるのだが、その手前の木陰でピッチを切る。3P目。大テラスからシンハンドくらいのクラックを辿る。1P目よりずっと易しく感じ快適に登って行ける。残置スリングとラッペルリングあり。4P目。先行Pに追い付く。白人の初老夫婦。出だし、彼らは左のバリエーションラインから登っていたが、T橋さんは右から登って行く。途中で合流し、先行Pがいるため小ルーフ下のピッチ支点より少し下でピッチを切る。下方の大テラスで待っていた後続Pも我々が動き始めたのを見て登り始める。5P目。小ハングを左に回り、凹状を少し上がり右上のリップガバを取りマントル。その少し先はランナウト気味となり右上の水平クラックへ。その先、凹みの続くクラックとフェイスを使い直上し、終了点の台地に出る手前左に回り込んで上に抜ける。上は広くて平ら。良い眺めだが、陽差しが暑い。フォローのT橋さんをビレイしているといきなり鼻血が出てきた。まだ体調は回復しきっていないらしい。後続Pがさっさと登ってきて下山していった間、登攀を終えた私は少し横になって休む。そのうち鼻血も止まったので、アプローチシューズに履き替える。後方の岩場に入ると、森の中へと続く下降路があるので、懸垂する必要がない。

 こうして人気ルートのナットクラッカーを登り終える。1P目の最初は戸惑ったけれど、あとは快適に登ることができた。人気ルートだというのが分かる。

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(↑ナットクラッカーオリジナルラインを登る先行P)
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(↑ナットクラッカーバリエーションライン)
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(↑バリエーションライン1P目を登る私)
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(↑同)
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(↑2P目を登るT橋さん)
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(↑3P目フォローのT橋さん)
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(↑4P目を登るT橋さん)
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(↑5P目を登る私。写真横向き)
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(↑大テラスから対岸のカシードラルを望む)
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(↑左の凹角がアフターシックス、右の白いクラックがアフターセブン)

 

 岩場基部に戻って、私はアフターセブンの1P5.7を登る。主にハンドジャムだがフィンガーもある。バックロープと結んで懸垂下降。

 T橋さんがC.S.Concerto1P5.6を登る。途中、ランナウトするスラブがちょっと怖い。私がフォローで続く。

 マニュアパイルバットレスから撤収し、カリービレッジの休憩所に行くが、Wifiがつながらない。これまでもつながらなかったのだが、管理棟に行くと、故障中との張り紙があった。ネット接続ができないとメールチェックもできないので不便だ。

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(↑ヨセミテフォール)
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(↑教会)
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(↑カリービレッジの駐車場からハーフドームを望む)

 

★スワンスラブ

 キャンプ4に戻って、歩いてスワンスラブに行ってみる。公園状に広く平たんな中に傾斜の緩い岩場があり、ルートもごく短い。私はまずGrants Crack5.9を登る。フィンガーのサムカムがきまる。オンサイト。続いて、トポ本にF番とある名無しルートUnnamed Crack5.9もオンサイト。出だしのフィンガーが核心。T橋さんはここでは登らず。

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(↑スワンスラブのようす)

 

 18時を過ぎたので、ハウスキーピングキャンプ場へ行き、シャワーを浴びることにする。キャンプ4にはシャワーがないので、ここハウスキーピングに行くわけだが、シャワーを利用するのに本当はもちろん利用料がかかる。キャンプ場宿泊者は別棟でタオルを借りているようだが、タオルの用意がある我々はその必要がない。コインランドリーのあるシャワー施設の入口は、人のいる受付があるのだが、いつもいるわけではないし、いてもあまり厳格にお金を徴収していていない。午後の一時期は利用できない時間があるみたい。ということで、我々は何食わぬ顔で入って受付前を素通りしてシャワー室に入っていった。時間帯によっては順番待ちになる。特に女性は時間がかかるので列が長い。後日、午後の受付再開直後に利用したT橋さんはその時だけ利用料(5ドル)を支払ったそうだが、私は滞在中10回くらい利用したが結局一度もお金を払うことはなかった。内緒です。

 でも、コインランドリーはお金を入れないと洗濯機が動いてくれないのできちんとお金が必要だ。3日に一度くらいコインランドリーを利用し、この日は初めての利用だ。洗濯機は一回1.25ドルで、25セント硬貨が5枚必要だ。洗濯機に衣類を放り込み、洗剤を入れてコインを入れる。温度ごとに分かれているらしいボタンを適当に押すと動き出す。基本的に30分。洗剤を売る機械もあって、一つ75セントなので25セント硬貨が3枚必要。スライドする金属板にコイン3枚を入れて押し込んで引き抜くと、下の受口にプラスチックケースに入った液体洗剤が出てくる。

 乾燥機もある。25セントで10分間稼働。10分だけだとまだ濡れているけれど、2枚入れて20分間回すとほとんど乾いてくれた。わずかに湿っている厚手の服は、キャンプ場に持ち帰って木に渡した紐に吊り下げてしばらく干せば寝る前にはすっかり乾いてくれた。ということでコインランドリーを利用する際は25セント硬貨がたくさん必要だ。

 

 洗濯もしたのですっかり遅くなってしまい、スーパーで買い出しをしてから、キャンプ場でサンドイッチを手早く作って食べる。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー01 ●準備、06.14出国~ヨセミテ入り

2014.06.14()29()

 アメリカのヨセミテYosemiteでクライミングをしてきた。ヨセミテは言わずと知れたクライマーの聖地。風光明媚なところなので観光客も多いところだが、有名なハーフドームHalf Domeやエル・キャピタンEl Capitanを筆頭に、一度は訪れてみたいとクライマーならば誰もが思う憧れの岩場だ。私は訪れるのはもちろん初めて。

 

 私の海外でのクライミングは、以下のとおりタイ・プラナンから始まり今回のヨセミテまで、この3年半の間に9回行ったことになる。

 2010年暮れ  タイ・プラナン

 2011年夏   カナダ・スコーミッシュ

 2011年暮れ  タイ・プラナン再訪

 2012GW  イタリア・スペルロンガ

 2013年冬   スペイン・エルチョロ&コスタブランカ、ポルトガル

 20135月  韓国・禅雲山(ソヌンサン)

 201312月  中国・桂林・陽朔

 20142月  トルコ・アンタルヤ&オリンポス

 20146月  アメリカ・ヨセミテ

 

 

■準 備

○ヨセミテ行きの決定

 今回のヨセミテツアーの同行者はT橋さん。かじる程度にしかやっていない私と違い、T橋さんはクラックを登り込んでいて、昨年9月にもヨセミテを訪れているそうだ。T橋さんとは、2010年暮れのタイ・プラナン、昨年の韓国と中国ツアーにも同行している。

 今春、そのT橋さんと話していて、どこか海外の岩場に行こうということになった。行き先としてギリシャ・カリムノスなども挙がったけれど、せっかくだからクラックを登りに行こうということになった。できれば今年もヨセミテに行けたらと考えていたというT橋さんの希望に沿うし、私もこの超有名な岩場を訪れてみたいと思っていた。

 ここのところの私は、四国・大堂海岸や三重の名張に行ったり、城ヶ崎に何度か行ったりと、クラックをやる機会が以前より増えてきたものの、天下のヨセミテに行ってそれなりに登れるなんてワケはないことは分かっている。

 それでも、自分の力量のことはともかくとして、この機にヨセミテに行っておく意味はあると考えた。海外ツアーなどは特にそうだけど、こういう機会を一度逃すとこの先再び行ける機会が訪れるとは限らないからだ。

 

○行動日程の考え

 行くと決めてしまえば、そのあとの行動は比較的早い。T橋さんは時間の自由がきくので、行く時期を6月頃に定めて、私の勤め先の休暇取得を6月後半の2週間に決めた。T橋さんのアドバイスから、6月もあまり早いとヨセミテバレーは朝晩冷え込む一方、7月になるとかなり暑くなるそうで、それも踏まえた日程だ。

 T橋さんともメールで相談しながら、インターネットであれこれ調べて、つぎのとおりの日程を立てた。その上でこのあとに書く予約の手配を進めていった。

 

◇移動

 航空会社はアシアナ航空とした。

日本出国は6/14()9:00出発の便。羽田HNDからソウル経由のサンフランシスコSFO行き。

 経由地のソウルでは、金浦(キンポ)空港GMPの到着で、シスコ行きは仁川(インチョン)空港ICNから出発するので、両空港間を鉄道で移動する。乗り継ぎ時間が約5時間もあるので移動には十分な時間だ。

 シスコには日付変更線を越えて同日10:45到着。空港でレンタカーを借りて、この日の午後はヨセミテを目指し車を走らせる。予約済みのカリービレッジにチェックイン。

 東京からシスコへの直行便もあるが、経由便よりも値段が高いうえ、シスコ到着が夕方のため結局シスコに1泊してから翌日ヨセミテを目指すことになる。そのため、長時間のフライトを終えてすぐにヨセミテまで数百㎞の運転はラクではないだろうけれど、このようにした。

 ヨセミテでは13泊するが、ヨセミテ国立公園内では連続しての宿泊は7泊が上限という規則がある。このことについては後で触れる。

 ヨセミテで13泊して、6/27()朝にヨセミテを発ちシスコに戻る。この日は市内のホテルで1泊し、翌6/28()12:40出発の便でシスコを発つ。日付変更線を越えた6/29()、経由地のソウルでは、帰路は到着出発とも仁川空港。成田空港NRT21:00到着。

 

◇宿泊

 宿泊先については、私の理解不足もあり、確定させるまでに予約とキャンセルを何度も行い、結果的に手間がかかった。その経緯は長くなるのでここでは書かないが、最終的にはヨセミテ到着日の6/147泊目の6/21にカリービレッジCurry Villageに泊まることにした。ホテルのような建物ではなく、テント型キャビンというテント生地のバンガローの中にベッドがある代物だ。当初は、滞在中ずっとカリービレッジに泊まることにして、その予約も済ませたのだけれど、1泊あたり14,000円くらいして2人で割っても7,000円もするということで、宿泊代がバカにならない。それに泊まったことのある人の話だと、火を使って調理もできないし、トイレ・シャワーも結局は共同なので、テント泊するのとあまり変わりなく思えてきた。

 

 ヨセミテには13泊する予定なのだが、前述したとおり規則で連続7泊を超えてはいけないらしい。滞在するホテルやキャンプ場を変えた場合、連続7泊を超えているかどうやって分かるのか知らないが、少なくとも同じホテルではマズいらしい。カリービレッジを含むヨセミテ内の宿泊をまとめて受け付けてるらしいサイトがあって、そこにメールで問い合わせて、同じ宿に連続7泊を超えることはダメだという返事があり、ようやく理解できた。同じ宿をチェックアウトして、すぐにチェックインし直すというもの不可だ。

 当初カリービレッジに連続13泊の予約をしたものの、前述の理由なども勘案して、到着初日と7泊目の予約を残して、あとはキャンセルした。キャンセルした日はキャンプ4の受付に早朝から並んでテントサイトを確保する腹積もりだ。キャンプ4はこれまた名前の知られたキャンプ場だ。

 ツアーから帰った今だから分るけれど、同じ施設に連続7泊を超えて泊まることはできないけれど、前述したようにヨセミテバレーに13泊したので、厳格に運用されているわけではないことが分かる。カリービレッジはともかく、キャンプ4では7泊した後の朝に再び並べばまた7泊できそうだ。我々は間にカリービレッジ1泊を挟んだけれど。

 

○予約

 今回、航空券や宿泊先などの手配は基本的にすべて私がやった。一昔前ならば街中のH.I.S.JTBに行ってお願いしていたものだけれど、今はインターネットで検索して簡単に予約できてしまう。

 今回もエクスペディアExpediaとかブッキングドットコムBooking.comといったオンライン旅行代理店のサイトから予約をした。エクスペディアは航空券も宿泊施設もどちらの予約もできるけれど、ブッキングドットコムは宿泊施設だけみたい。なので、今回はエクスペディアのほうを多く利用した。

 航空券は必ずしもこれらを通さずに、昨年のスペインツアーの際は、エールフランスのサイトから直接予約したし、今年2月のトルコツアーの際はトルコ航空のサイトから済ませた。

 ブッキングドットコムは、3年前にカナダ・スコーミッシュに行った際にホテルの予約で利用したのが初めてだった。

 今回、現地出国前日のシスコ市内の宿泊も予約しておいたほか、レンタカーも予約しておいた。航空券はエクスペディアから予約した。経路は前述したとおり。

 

○トポ本

 ヨセミテ行きを決めた時点で、トポ本を取り寄せた。スーパートポSUPERTOPOのうちYosemite Valley Free Climbsというヨセミテ版があって、シングルピッチからマルチピッチまで紹介されていて、一般のクライマーが見るには十分なルートが載っているという位置づけらしい。

 ヨセミテ入りした日に、カリービレッジにある登山用品店でトゥオルミ版のスーパートポを買った。これは後日トゥオルミのカシードラルピークを登りに行く際などに大いに役立った。

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(↑スーパートポ2冊。写真横向き)

○装備

 国際運転免許証やアメリカのESTA(電子渡航認証システム)も忘れずに済ませておく。

 装備としては、今回キャンプするのでテントや寝袋、調理器具など、普段の海外ツアーよりも荷物がずいぶんと多い。北米路線は23㎏までの荷物を2個預けられるとはいえ、運ぶのは大変なのだから持って行くものを吟味した。

 そして、クライミング装備として、今回何が重いかというとカムだ。2人でキャメロットの4番までを2セットずつの計4セット、5番と6番は1セットずつの2セットを持って行くことにした。実際、これをすべて持って登るなんてことはもちろんなかったけれど。あと、ナッツなど。

 ロープは60mのシングルロープとダブルロープを1本ずつ。30mを越える懸垂下降を要するルートでは、ダブルロープをバックロープとして引っ張っていくことにした。また、マルチピッチルートなどで、登攀終了後歩いて下降できるところでは、ロープ1本だけで登った。

 ほかにもいろいろ考えて持って行った装備はあるけれど、書き切れないので省略。

 

 

06.14() 出国~ヨセミテ入り

 朝、羽田空港の出発ロビーでT橋さんと待ち合わせする。私は前日に突然風邪をひいたようで、はっきり言って体調が悪い。悪寒が走る。その前の日、勤め先の席が近い者が、家族から風邪をうつされたみたいだとか言ってマスクをしていたのだが、もしかしたらその男が風邪のウイルスを撒き散らしていたのかもしれない。なんて迷惑なヤツだ。そんな絶不調の私だが、もちろんアメリカに行かないワケにはいかない。風邪は現地で治すことにしよう。

 アシアナ航空でまずは経由地のソウルへ。到着した空港は金浦空港で、サンフランシスコ行きの便は仁川空港からなので、一度韓国に入国することになる。金浦空港内の地下鉄改札口に行くが、乗車券を買うのに韓国通貨ウォンが必要だ。A-rexという両空港とソウル市内を結ぶ鉄道があり、乗車料金は一人当たり3,650ウォンのほかデポジットとして500ウォンで、2人で計8,200ウォンが必要だ。近くにあったATM10,000ウォン分のキャッシングをして、乗車券を購入。金浦空港からインチョン空港までは意外と時間がかかり、鉄道には30分ほどは乗っていただろうか。デポジット1,000ウォンを忘れずに受け取り、出発ロビーに行くとダンキンドーナツのお店があったので、ここで残ったウォンをきれいに使い切った。

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(↑金浦空港の地下鉄改札)

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(↑インチョン空港のダンキンドーナツにて)

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 私は体調が悪いので、待合のベンチでとにかく横になって休む。サンフランシスコ行きの便に乗り込むが、エコノミークラスなので当然座席は狭く、10時間以上の搭乗は本当にツラい。風邪をひいているので尚更だ。腰が痛くて仕方がない。お金があればビジネスクラスに座れるものを。

 長くツラいフライトを終え、日付変更線を越えた同日午前10時半頃にサンフランシスコ国際空港に着陸。私はアメリカ本土を訪れるのは初めてだ。昔サイパンに行ったことがあるだけ。北米大陸としては3年前にカナダのスコーミッシュを訪れているけれど。

 空港内のモノレールに乗りレンタカー棟へ。モノレールを降りると目の前がレンタカー会社の受付だ。予約しておいたのはアラモのCクラスのコンパクトカー。係員の女性に、車の大きさはスモールだと言われ、荷物はどのくらいあるのだと聞かれてザックなどを指し示した。車のサイズが小さめなのは予約した時点で承知していたことだけれど、日本語設定してくれたカーナビを受け取ってレンタカーの駐車場に行くと、別の女性係員が示した車は日産のマキシマ。ずいぶん立派な車だ。トランクも広いので2人の荷物は全部収まった。

 受付の人が車種をグレードアップしていたことを理解していなかったのは私の語学力不足のせいで、その分の追加料金はしっかり請求されたけれど、大きな車に乗れたから仕方ない。保険はフルカバーで、ガソリンは満タン返しする必要は無し。

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(↑日産マキシマ)

 カーナビをヨセミテにセットして、まずは私の運転で出発。オートマで、もちろん左ハンドル。今回のツアー中、ヨセミテに向かう途中を除きずっと私がハンドルを握った。アメリカの交通ルールを事前にちょっと調べたところでは、特に右折禁止の表示がない限り、赤信号でも一時停止後、左からの車に注意しながら右折してしてしまって構わないとのこと。これはヨーロッパでも無いルールでは。あと、日本のように鉄道踏切で一時停止すると、後続車に追突されるので、止まらずにそのまま通過すること。道路の途中で左折するために対向車と対面する左折用レーンがあるそうだ。

 空港から出るとすぐに高速道路だ。といっても有料ではなく、日本でいうところの高速道路の造りだ。しかし、片側だけでも45車線もある。その道路に乗って南に向かう。それからサン・マテオ橋というサンフランシスコ湾に架かる橋の一つを渡って大陸側へ。580号線に入って東へと向かう。枯草ばかりが生えた丘陵地帯をずっと抜けていく。途中の出口を適当に降りると、飲食店やコンビニ、ガソリンスタントがあったりする。丘陵地帯を抜け、途中の街に寄って、サブウェイに入った。日本にも出店しているサブウェイには行ったことはないけれど、パン切りナイフで開いたパンに、レタスやハムをあれこれと盛ってもらうのだが、明らかに日本のものよりもデカい。値段は7ドルくらい。とても食べきれないので店内で半分だけ食べて、残りは夕食に回すことにした。

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(↑サブウェイにて)

 ここからT橋さんに運転を変わってもらい、120号線を走っていく。途中、私は居眠りをいていたのだが、山間部の道をぐんぐんと上がっていき、ヨセミテ国立公園の4つある入口の一つに着いた。道中、道路わきの樹林は山火事の跡が残り、茶色く焼けた木々が延々と続いていた。T橋さんによると昨年ヨセミテで山火事があったそうだ。公園の入り口では入園料を支払う必要があるのだが、昨年ヨセミテに来たT橋さんが1年間有効のパスを持ってきていたので、それを示して入れた。

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(↑ヨセミテ国立公園のゲート)

 ここから再び私が運転。入口を通過しても山火事の跡が残っている。走っていくと、トゥオルミメドウズとの分岐があり、角にガソリンスタンドがあるようだ。なおも走ると、ビュースポットがあり、車を降りて見ると、遠くにハーフドームが見えた。いよいよヨセミテバレーに入っていく。ヨセミテバレーに入っていくと、ブライダルヴェールフォールが見えてきた。そして圧巻のエルキャピタンが目に飛び込んできた。大きい。ヨセミテバレーの平らな谷底から一気に1,000mもぶっ立っている大岩壁だ。ノーズはどれだろう。その先にはヨセミテフォールが見える。観光客がたくさんいて、道端に車を停めている。

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(↑遠くにハーフドームが見える)
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(↑ブライダルヴェールフォール)
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(↑エルキャピタン)
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(↑ヨセミテフォールとマーセド川)

 こうして今夜の寝床となるカリービレッジに到着。18時頃。明るいうちに到着できてよかった。でも、この季節20時でもまだ明るく、20時半前後から少しずつ暗くなってくるという感じだったので、まだまだ明るい時間なのだ。たくさん車が停まっている駐車場はほとんと満車状態。ここは以後いつ来ても車で埋まっている。ハーフドームがずっと近くに見える。

 フロントの建物に行き、チェックインして鍵を受け取る。ここには1泊だけして、明日は早朝からキャンプ4の受付に並ぶことにしている。観光客がたくさんいる売店のある建物へ。土産物や食料品を売る売店と、それに隣接する登山用品店に寄る。登山用品店ではクライミングギアもたくさん売っていた。ガスカートリッジやトゥオルミ版のスーパートポを買った。シャワー棟でシャワーを浴びて、テント型キャビンの中で、昼間残したサンドイッチを食べてビールを飲む。室内での飲食が良いのかどうかちょっと微妙だが、各キャビンの外にはフードボックスがあるので、匂いのする物は必ず皆ここに閉まっておく。ここに入れておかないと熊が来て荒らされる恐れがあるそうだ。調理は禁止だ。

 移動の疲れと翌朝早起きすることから、そうそうに寝ることにした。それに私は風邪気味なのだ。しかし何はともあれ、ここまで順調にヨセミテに来ることができて良かった。

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(↑カリービレッジ)
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(↑テント型キャビン)
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クライミングジム通い(5~6月)

○冬夏タイヤ交換

2014.05.07()

 イエローハットに行って、冬タイヤから夏タイヤに履き替えてきた。GWの白馬岳の山行から帰ったら替えようと思っていたけれど、猿倉に至るまで雪の上を走るなんてことはなかった。でも、昨年のGWでは新穂高に行くまでに雪が降る中、すでに夏用に履き替えてしまったタイヤで怖々運転したこともあったことを考えると、用心にしておくに越したことはない。

 

 

○エンジンオイル交換

2014.05.09()

 日産ディーラーに行って、エンジンオイルとエレメントを交換してもらった。前回昨年10月の交換から結構な距離を走ったけれど、オイルってどのくらい劣化して、それがどのくらいエンジンや走行に影響を与えるものか、よく分からない。交換の目安として推奨されている走行距離5,000㎞程度では、けっこう頻繁に替える必要があり面倒なので、もっともっと乗ってから替えているのは確かだけれど。

 

 

ベースキャンプ

2014.05.12()

 3月上旬以来のベーキャン。この日は勤務先のY口さんを誘って行った。Y口さんは空手をやっているそうで、ずいぶん以前に2度ほどクライミングジムで登ったことがあるという。

 そこで、この日はボルダリングを少しやってから、ハーネスを付けてもらい、ロープの結び方から。トップロープでの登り方、ビレイの仕方、さらにリードでの登り方、ビレイの仕方とひと通りやってもらった。

 こうしたことを一から人に教えるなんて、振り返ってみれば一度もなかったことだけれど、こうして言葉にしながら教えてみると、普段何気なくやっていることを自分自身でも再認識させられる。

 そんなワケで、がんがん登るというワケにはいかなかったので、それほど疲れることはなかったけれど、週末の瑞牆でヨレた体にはちょうどよかったかも。

 

 

○シューズリソール

2014.05.13()

 ひと月前にバーチへリソールに出していたクライミングシューズが宅配便で戻ってきた。今回、ずいぶん古いものも含め3足をリソールした。

2足持っているスポルティバ・ソリューションのうち古いほう、スカルパのインスティンクト・レースアップ、本チャン用に履いてる緩めサイズの5.10のスパイヤー。

スパイヤーなんてリソールする必要あるのって感じなのだが、モノの値段が上がるばかりの昨今、リソールも高いけれど新調するよりは安いので。

 

 

B-PUMP荻窪

2014.05.20()

 先週のベーキャンではビレイの仕方などを人に教えたりしてあまり登らなかったので、ジムで撃ち込むように登ったのはひと月ぶりだ。すっかり力が落ちているのが分かる。身体が重い。それでも何とか白色3級をいくつか登った。またコンスタントにジムに通って、力を戻さないと。

 

 

■ベースキャンプ

2014.05.22()

 職場で定期健康診断を受けた。夜はベーキャンへ。リソールしたきつきつサイズのソリューションを履いたおかげか、身体が重い感じの割には、ボルダー壁の茶色3級課題が2つほど登れた。

 N野さんが来てからはルート壁を登る。5.11ⅾを続けて2本オンサイトできたりとまずまずの調子。クラックも何便か練習。最後はヨレヨレで5.11aも登れなくなったけれど、よいトレーニングになった。

 

 

■ベースキャンプ

2014.05.27()

 ボルダー壁をしばらく登って、YT川さんが来てからはルート壁を登る。この日はミニコンペが行われていて混雑気味。すると、以前一時期在籍していた山岳会のIS見くんという若者に会った。会うのは2年ぶり以上だろうか。彼が登っている姿を見ると、前よりもずっと強くなっている感じだ。若者は伸び方がすごい。

 私も負けじとあれこれ頑張ってトライ。コンペ課題の一つ、凹角の丸いハリボテなどを使うルートはなかなか面白かった。ハリボテに背中を預けたりと、ここのところ少しやっているワイドクラックに通じるムーブがあって、ノーテンで登れた。

 

 

■クエール・クライミングジム

2104.05.29()

 先月、練馬区内にオープンしたクエール・クライミングジムに行った。環8沿いにあるこじんまりしたジムだ。

会員登録を済ませ、さっそく登ってみる。ここはテープの色でグレード分けしているのではなく、テープに数字が書き込まれていて、その数字が段級を示していて、同色・同数字のテープを手足限定でたどっていく。

 4級は登れるけれど、3級となると1撃できるものもあれば何便出してもできないものもあり。

 

 

■ベースキャンプ

2014.06.03()

 都庁にある運転免許センターに行って、国際運転免許証を取ってきた。有効期限が1年しかないうえに手数料が2,400円もかかる。おまけに証明写真800円も。高い。

 夜はベースキャンプへ。N野さんと交互に、手のひらが痛くなるまであれこれ登った。週末の疲れがまだ残っていて、さらに疲れた。

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