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北海道クライミングツアー 前半

2014.08.30(土)~09.06(日)
 北海道でクライミングをしてきた。北海道の岩場を登るのは初めてだ。行った岩場は名寄(なよろ)にある見晴岩(みはらしいわ)と占冠(しむかっぷ)にある赤岩青巌峡(あかいわせいがんきょう)の2か所。
 期間の最後には雨に降られてしまったけれど、それまでは晴れてくれてまずまずクライミングを楽しめた。しかし、私はここ数か月フェイスのクライミングから遠ざかり、出発の前週に久しぶりに名栗・河又で登っただけで、てき面に力が落ちてしまっており、以前よりもグレードを下げて登っていた。

 今回のメンバーは、ツアーの提案者U野さんに、Mねさん、H野さん、私の4人。U野さんとは、タイ・プラナン(2011年12月)やイタリア・スペルロンガ(2012年5月)にも一緒に行った。
 また、U野さん、Mねさん、私、それからもう一人の4人で、沖縄に登りに行ったことがあるのだが、沖縄に到着した日がまさに東日本大震災が発生した3.11だった。
 那覇空港からレンタカーを走らせて、海沿いにある残波岬(ざんぱみさき)の岩場に懸垂下降して降り立つと、沖合から近づいてきた海上保安庁の船に、東北地方で発生した地震により津波が来る恐れがあるので、上に上がるように警告されたことがある。結局、津波らしいものは見えなかったのだが、夕方、飲食店に入ってテレビを見て、未曽有の災害が発生してることを知った。東京も相当に揺れて混乱しているらしく、3日後に東京に帰れるのかと思ったものだ。というか、滞在中に、福島第一原発の事故も起こったため、このまましばらく沖縄にいたほうが良いのかも、とも話したものだ。今回、我々が北海道に行っている間に東京で起きた事件としては、デング熱の感染が広がっているということか。

 ところで、私が北海道を訪れるのは実に9年ぶりのこと。以前は普通の観光で何度か訪れているほか、もっと昔の学生時代に周遊券で道内の百名山を7座ほど登って回ったことがある。
 2004年には自転車で1週間ほどサイクリング。女満別空港を起点に、知床~釧路~帯広~富良野~旭川と700㎞ほど走った。
 翌2005年にはオートバイでやはり1週間ほど北海道を一周した。自転車と違い、オートバイに跨ってアクセルを回すだけで一日に何百㎞もあっさり移動できてしまうので、巡ったところはずっと多いけれど、苦労した自転車よりは旅をしている感は薄かったかな。

■8/30(土) 名寄へ
 前置きが長くなったが、2005年以来の北海道に向かうべく、朝の羽田空港に集合。
 7月にU野さんから北海道に以降との話があってから、皆で日程調整をしたあと、H野さんがホテル1泊とレンタカー付きの往復航空券を手配してくれた。一人当たり6万円ちょっと。往復とも羽田~新千歳空港間。東京へ帰る前夜に札幌近郊の定山渓のホテルに泊まるほかは、キャンプしながら岩場を巡る予定だ。目指す岩場は、名寄見晴岩と赤岩青巌峡の2か所。
 9時頃に羽田をたつと、10時半頃には新千歳空港に到着。朝、東京の自宅を出た時は雨だったけれど、こちらは晴れ。送迎バスでトヨタレンタカーすずらん店へ移動し、カローラフィールダーを借りる。相談して、まずは名寄見晴岩を先に行くことに決定。今日は名寄への現地入りだけで、クライミングは明日からとなる。
 私とH野さんで運転を交替しながら行く。高速道路に乗り、旭川で降りた。秀岳荘という登山用品店に寄り、ガスカートリッジを購入。このお店には小さいながらもクライミングジムが併設されていた。

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(↑秀岳荘のクライミングウォール)

 それから旭川市内に行き、旭川ラーメンを食べようということになった。行った店は、蜂屋本店というお店。皆で味噌や塩ラーメンを食べたのだが…、味がイマイチ。なんだろう、スープがヤケに焦げ臭い。ネットの某サイトの評価ではそこそこなので来てみたのだが、これが旭川ラーメンのレベルなのだろうか。腑に落ちないまま店を後にする。

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(↑蜂屋本店)
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(↑塩狩峠)

 旭川からはずっとした道を走り、夕方に名寄の街に入った。スーパーで買い出ししてから、郊外にあるキャンプ場に向かう。トムテ文化の森という広い森林公園があり、その一角に無料のキャンプサイトがある。到着すると、無料とは思えないような設備の整ったキャンプ場だった。車から荷物を降ろし、各自テントを張る。

 それから、再び車で少し走り、なよろ温泉サンピラーという施設へ。スキー場が近くにある、山の中の宿泊施設のようだ。ここのお風呂に浸かり、ビールを買ってからすっかり暗くなったキャンプ場に戻る。炊事場のテーブルで買い出ししたお惣菜などを食べつつ、無事の北海道入りを祝ってビールとワインを飲む。

■8/31(日) 名寄見晴岩1日目
 今日からクライミング開始だ。目指すは見晴岩。キャンプ場で朝食を済ませ、名寄の街で、道内にたくさんあるコンビニ・セイコーマートで買い出ししてから岩場に向かう。

 

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(↑トムテ文化の森)
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(↑キャンプサイト)

 日本100岩場の案内図を頼りに、下川町方面に向かう国道239号線から中名寄7線というバス停のある橋を渡る。橋を渡ってすぐ左折し道なりに走り、五十嵐組の採石場の間を抜けて林道を進む。日曜日なので採石場はお休みのようだ。林道の途中で鍵のかかったゲートがある。暗証番号をセットしないと鍵が開けられない。電波の通じるところまで車で戻ってから、ゲートの表示板に会った森林管理署の連絡先に電話をかけると、事務所まで来てくれと言われた。下川町にあるとのこと。
 仕方なく車で下川町に向かう。行くと、日曜日ということで担当者が不在のため、一人だけいた職員はその暗証番号を知らないという。たくさんある林道ゲートの鍵の番号は、基本的には共通の某4ケタの数字にしているそうだが、道が荒れていたりして一般車を侵入させたくない場合は個別の番号に変えているという。その個別の番号が分からないというので無駄足になってしまった。

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(下川町の森林管理署)

 再び林道ゲート前に戻り、少し手前にある転回スペースに車を停めて、ゲートの脇を抜けて林道を歩いていく。林道から岩場に向かう入口がどこなのか知らなかった我々は、日本100岩場の案内図を頼りにするしかない。案内図ではゲートを通過したあと、川を2度渡ったところに駐車スペースの印がある。その付近から岩場に行く道があるのだろうか。
 結論からいうと100岩場の案内図は正確ではない。まあ、この本ではよくあることだけれど。2つめの橋からさらに何百mか林道をそのまま歩いていけば、右手が膨らんだ駐車スペースになっている場所に至る。その駐車スペースのすぐ手前に左に登って行く明瞭な山道があり、それが岩場へ通じるアプローチ道だ。一口の木にテープが巻いてある。

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(↑林道ゲート)

 我々はその駐車スペースに至る手前で、左手の木に表示板が張り付けられているのを見て、その森林巡視用らしい踏み跡に入り込んでしまい30分ほど時間を無駄にした。この踏み跡はやがて消えてしまうので入らないこと。
 駐車スペースには1台停まっていた。我々が踏み跡で迷っている間に林道を通過して行ったらしい。アプローチ道を20分ほど登って行くと岩場が現れた。岩場に至る直前に、先ほどの車の乗員らしい人達に追い付いたところだ。4人グループだった。時刻は10時半頃。
 散々歩いたせいで汗だくだ。汗が引くのを待ってから登る支度をする。荷物を広げた場所は木陰なのだが、見上げる岩壁は陽に照らされて暑そうだ。

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(↑駐車スペースとアプローチ道入口)

 まずは「森のカバさん」5.10aでアップ。
続いて「私が好きだ」5.11aという三つ星ルートにトライ。100岩場のコメントには、ガバでグイグイ登る好ルートとあるが、出だしがちょっと悪くて核心部分となる。オンサイト。

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(↑「私が好きだ」を登るU野さん)

 それから、「シェ・マリア」5.12bを触ってみることにした。このルートと「月の石」5.12dはどちらも三ツ星で、北海道に発つ前に所属山岳会のH内さんからぜひ登るよう言われていたルートだ。が、ブランクのある私には5.12dはもちろん5.12bだってトライを躊躇われるグレードだ。でも、シェ・マリアには先ほどの4人組の一人がトライしているみたいでヌンチャクがかかっており、トライすることにした。
 アプローチとなる「プチトマト」5.10aを登り、テラスから薄かぶりのカチカチフェイスが始まる。これが本当にカチカチで、とても保持していられずテンションだらけ。おまけにカンカン照りで岩の表面も温かく、汗が噴き出してくる。ただでさえキビしいのに、まともにトライできないので、この1便だけで敗退。このルートをトライしていた人が私が登るのを見ていて、少しだけムーブの参考になったようで、その点だけは私のトライは無駄にならなかったかも。

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(↑「プチトマト」から「シェ・マリア」を登る私)

 その人が「サンピラー」5.12b/cを薦めるので、やはりグレードに躊躇してしまったが、とりあえず登ってみることにする。ルート名のサンピラーとは太陽柱のこと。寒い名寄の冬に見られる現象らしい。
 えらく高い位置にある1ピン目まで慎重に登り、1ピン目は長スリングにしておく。そこから少し登って左手の凹角でレストできる。そのあとはかぶったカンテをぐいぐい登って行く。途中まではマスターで行けたのだが、そのキツいカンテの途中に核心部が現れ、ここでフォール。そこからはテン山。最後はカンテの左壁から終了点の高さを右にトラバースして終了点に至るのだが、ランナウト気味で怖い。回収しても良かったのだが、ヌンチャクを残して降りる。

 サンピラーのトライで疲れてしまったのだが、U野さんがトライしている「アンジェラ」5.11cに私もトライすることにした。中盤まではごく易しい。後半部分のさらに終盤で核心部となるムーブが2回出てくる感じだ。ヨレヨレでテンション。明日またトライしよう。

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(↑「アンジェラ」を登るU野さん)

 最後に「モグラの穴」5.11aをオンサイトして本日は終了。

 岩場への到着が遅くなったけれど、それなりによく登ったものだ。しかし陽の当たる岩は暑過ぎる。
 アンジェラやサンピラーにヌンチャクを残し下山する。名寄の街で買い出しし、昨日も行ったサンピラーの温泉へ。ここで入浴料とセットで1,000円というメニューで夕食。キャンプ場に戻ってからお酒を飲むものの、温泉でお腹が膨れていてお惣菜の箸が進まず。

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■9/1(月) 名寄見晴岩2日目
 前日岩場で会った人達に林道ゲートの番号を教えてもらっていたので、今日は車でゲートを越えて、昨日よりも2時間近く早く岩場に到着。

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(↑無人駅の日進駅)

 まずは「フェミニスト」5.11aにトライ。終了点のテラスに出る直下のカチパートが核心部。カチホールドを3手ほどつないでテラスのリップを取るのだが、オンサイトできず2便目でRP。

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(↑「フェミニスト」を登る私。写真横向き)

 それから、前日1便出していた「アンジェラ」5.11cにトライ。この日の1便目でムーブを確認し、つぎの便でRP。

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(↑「アンジェラ」を登るU野さん)

 エリアの右のほうにある「デスモスチルス」5.11aという2つ星のルートも、U野さんのトライに続いて登る。前半に3つの小ハングがあるのだが、出だしと3つ目が核心といった感じで、フラッシュできた。

 当初の考えでは、クライミング3日目の明日も午前中までここ見晴岩で登って、午後の時間を使って赤岩青巌峡に移動するつもりだった。しかし、陽に照らされた岩があまりに暑いので、相談して今日で見晴岩を終えることにした。
 さて、となると、前日ヌンチャクを残しておいた「サンピラー」5.12b/cのヌンチャクを回収しないといけない。行けるところまでは頑張って登ってみるが、実質ヌンチャク回収の便だ。暑い中を登って行くと、前日到達した核心部下までは行けた。あとはテンションしつつトップアウト。

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(↑「サンピラー」を登る私。写真横向き)
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(↑「モグラの穴」を登るMねさん)

 最後に「山田のタマル」5.11aをオンサイトして終了。

 こんな感じで、イレブン台、それもほとんど前半台ばかりをいくつも登っただけだったけれど、こうして見晴岩のクライミングを終える。でも、久しぶりにこうして初めての岩場でフェイスのルートを登るのは新鮮で良いものだ。
 しかし繰り返しになるが、陽の当たる見晴岩の岩壁は暑すぎる。ここで快適に登るには季節がもう少し後に訪れるとよいのかもしれない。
 岩場であった地元クライマーの話では、北海道では冬は当然雪で登れなくなるので、クライミングできる期間は限られるのだという。関東に住んでいる我々は、春秋はどこでも、夏は小川山とか、冬は城ヶ崎などと、何だかんだ言って一年中どこかで登っていられるのは恵まれているのだろう。

 前夜は温泉施設で夕食を取ったけれど、満腹になり過ぎるので、今夜は一昨日と同様にスーパーで買い出ししたお惣菜等で済ませお酒を飲む。

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