« 越後湯沢 飯士山・負欠(ふっかけ)スラブ | トップページ | クライミングジム通い(8~9月) »

越後 魚野川水系 水無川真沢~祓川

2014.09.14(日)~15(月)
 敬老の日の3連休。越後水無川真沢を遡行する計画だったが、連休初日の天気予報がいまいちのため、入渓を一日遅らせ1泊2日の計画に変更した。初日の土曜日に越後湯沢の飯士山の負欠(ふっかけ)スラブを登ったことは、前回の日記に書いたとおり。
 そして、翌日曜日からの2日間で真沢を遡行してきた。
 メンバーは、Kぽんさん、富山のF野さん、私の3人。

■9/14(日) 入渓~逆くの字滝上
 関越道近くの某所で泊まり、未明の4時に起床。越後三山森林公園という水無川に沿って走った先にある駐車場へ。近くで大きな堰堤を造る工事が行われていて、工事車両も停まっている。駐車場には、あらやまの森千ノ沢小屋という避難小屋が建っている。弱い雨が降っており入渓したものかどうか悩ましいが、支度をしていると雨が上がったので明るくなった5時半に歩き出す。何年か前までは一般車も通行できたらしい林道を歩いていく。現在は相当に荒れていて入ることはできない。途中、一時的に雨に降られ、真沢をやめてどこか別の沢にでも転進しようかとも話したが、じきに止んだのでそのまま歩き続ける。

P9140045p
(↑越後三山森林公園駐車場)
P9140047
(↑堰堤の工事をしている)

 オツルミズ沢の出合いを通過。オツルミズ沢にもいつか行ってみたいものだ。さらにモチガハナ沢出合を通過する(モチガハナ沢は、地形図上はブナツルネ沢と記載されている)。その先で、グシガハナ方面へと続く登山道入口があるのだが、草で覆われていて相当に荒れていることを予感させる。

P9140048
(↑オツルミズ沢を望む)
P9140049
(↑オツルミズ沢出合)
P9140053
(↑モチガハナサ沢出合)

○入渓
 鉄柱の組まれた大きな堰堤が現れ、ここから入渓する。鉄柱の間を抜け、1カ所ほど簡単な巻きはあるものの、基本的には河原の中を歩いていく感じだ。

Dsc06842
(↑この堰堤の間から入渓する)

P9140059
(↑河原を行く)
P9140060

Dsc06847

 本流が大きく左に曲がるところで左岸から不動沢が出合う。このあたりがデトノアイソメのようだ。空も良く晴れてきた。
 なおも河原を歩いていき、滝沢を分けると、暗峡(あんきょうではなく、くらがりきょうと読むそう)というゴルジュ状が現れる。腰ほどの深さの水の中を進み、左側壁をへつって一段上がると暗峡を抜けられる。思っていたよりあっさり通過できた。

P9140064
(↑デトノアイソメ)
P9140067
(↑滝沢出合)
P9140069
(↑暗峡を行くF野さん)

Dsc06856
(↑これは私)
P9140072
(↑暗峡最狭部を行くF野さん。写真横向き)
P9140074
(↑Kぽんさん)

○御月山沢出合付近の大高巻き
 左岸から出合うオカメ沢を過ぎ、大きな岩が続く巨岩帯を歩いていくと、現れた滝の奥に大きな雪渓の末端が覗いている。御月山沢出合前後にかかる雪渓のようだ。これは左岸から大きく高巻かねばならない。手前にある左岸のルンゼを念のためロープを出して登って行く。沢床から結構な高さまで登ったようだ。ヤブ漕ぎしながら進んで行くと、眼下に大きな雪渓が眺められた。大きく裂けたところもあり、これでは雪渓の上を歩くのもキビしいし、スノーブリッジの下を通過するなんてあり得ない。
 ヤブ漕ぎしているとスラブが現れた。手掛かりとなるブッシュのない岩場をトラバースするのは危険なので、それを避けるようにブッシュに沿ってどんどん上に巻き上げられてしまう。現れた枝沢で1ピッチ懸垂下降。これが御月山沢なのかな。さらにヤブ漕ぎを続け、つぎのルンゼでは2ピッチの懸垂下降。相当上まで巻き上げられていたわけだ。
 2時間で越えたとか、3時間かかったとかといった記録があるけれど、我々はこの大高巻きに4時間も要した。御月山沢出合からさらに上流にも大きく雪渓が続いていて、巻きが長かったこともあるし、スラブを避けて相当高いところまで登ったこともあるだろう。

Dsc06864

Dsc06865

P9140086
(↑雪渓が覗く)
P9140087
(↑高巻きのルンゼ)
P9140090
(↑大きな雪渓を眼下に見る)
P9140099
(↑大高巻きが続く)
P9140103
(↑懸垂下降するKぽんさん)
P9140105
(↑なおも高巻きは続く)
P91401072p
(↑2Pの懸垂下降)

 ようやく沢床に復帰し、小滝などを越えて行くと関門ノ滝手前にある10m滝が現れる。これは右岸から巻く。巻いている最中、上流側にある連続する滝が見える。関門ノ滝か、あるいはその先の逆くの字滝だろうか。
 関門ノ滝の手前に懸垂下降で降り立つ。関門ノ滝50mは左壁から登れるので、ロープを出して私がリード。先ほどの大高巻きで時間を要したため、予定していた幣ノ滝の下まで今日中に到達するのはキビしそうだ。

P9140109

P9140111

P914011410
(↑高巻きから、関門ノ滝や逆くの字滝を望む。写真横向き)
P9140116
(↑関門ノ滝手前に懸垂下降)
P914011550
(↑関門ノ滝。写真横向き)
Dsc06882
(↑関門ノ滝をリードする私)

 逆くの字滝が現れるのでそれも登る。巻きが多く、今日まともに登れた滝は、関門ノ滝と逆くの字滝だけだ。逆くの字滝のすぐ先にも巻かないといけない滝がある。時刻はすでに17時頃。18時には暗くなってしまうので、今日の行動を打ち切る頃合いだ。

Dsc06888

(↑逆くの字滝をリードする私)

P9140121
(↑逆くの字滝2P目をリードするKぽんさん)
 ということで、逆くの字滝の落口付近でビバークすることにした。岩棚状になっていて、ところどころ窪んだところがあるので、3人ばらばらにその窪みに身体を横たえながら何とか寝られそうだ。
 まだ暗くなるまで少し時間があったので、ビバーク地点から翌朝すぐに始まる右岸巻きのためにフィックスロープを張っておくことにした。ここも私がリード。少し登るとすぐにブッシュだ。F野さんがそれほどヤブ漕ぎに慣れていないため、ロープを張っておいたほうが翌日の時間の節約になる。1ピッチ分ロープを伸ばして懸垂下降しながら戻る。戻りながら、灌木で取ったランナーそれぞれにロープをフィックスしておく。
 ビバーク地に戻ると、Kぽんさん達がハーケンを打ってビバーク地にフィックスロープを渡していた。夜中に寝ぼけて足を滑らせたりしたら、滝から落ちてしまいかねないので、今夜はロープにセルフビレイを取りながら寝ることになる。
 打ったハーケンでタープを張ると一応各自の寝床ができた。私が寝る場所は斜めの椅子状でうまく腰を落ち着けられそうだ。シートやマットを敷いたり、ギアは落とさないようにハーケンに吊るしておく。そうしておいてから、Kぽんさんのジェットボイルの鍋でお湯を沸かす。各自アルファ米など軽量の食事をとる。私が持って来た少ない焼酎を3人で分けて飲む。
 午後に曇ったりした空も星が見えている。雨に降られずに寝ることができそうだ。明日は4時に起き出すことにして、各自寝床に移る。私は下着まで全て乾いた服に着替えて薄いシュラフに包まる。ハーネスを履いたまま、スリングを伸ばして固定ロープにセルフを取っておく。日付が替わるまでの4時間ほどは一気に寝ることができたようだが、深夜になると気温が下がってきて寒くてなかなか寝付けなかった。加えて、下が岩で固いため同じ姿勢のままだと身体が痛くなってくるのだ。それでも風が吹いてなかったのは良かった。滝の音がうるさいけれど。

P9150134
(↑こんなふうな岩棚の窪みに各自寝る)

■9/15(月) 幣ノ滝~白龍ノ滝~祓川大滝~中ノ岳~十字峡
 まだ暗い4時に起き出す。着替えてからタープを撤収し、お湯を沸かして朝食を取る。薄明るくなってきた5時過ぎには遡行開始できた。まずは前日張っておいたフィックスロープを伝って高巻きだ。朝イチからヤブ漕ぎするのはなかなか堪える。
○幣ノ滝150m
 沢床に復帰し進んで行き、北沢と分けると大きな滝がある。幣ノ滝150mだ。まずはロープを使わずに登れるところまでは登って行く。全体の半分くらい登ったところだろうか、水流の右側でロープを出すことにする。
 1P目はKぽんさんのリード。水流の右側の乾いたスラブの傾斜の緩いところを選びながら登って行く。
 2P目は私のリード。左上するように水流を横断する。水流の中は意外とガバホールドが豊富で思っていたより登りやすい。登りやすそうなところを選びながらロープを伸ばしていく。ところどころハーケンを打ってランナーを取るが、たまたま見つけた残置ハーケン1本を含め3カ所くらいだけ。水流から左側の乾いた壁に上がりブッシュが出てきてピッチを切る。ラインとしてはなかなか良いだろう。
 3P目はKぽんさんのリード。スラブとブッシュの間を登って行くとすぐに滝の落ち口だ。

Dsc06899
(↑2条20m滝の右を登る私)
P9150142150
(↑幣ノ滝150mが見えてきた。写真横向き)
P9150145
(↑幣ノ滝と私)
P91501491p
(↑幣ノ滝中盤から1P目をリードするKぽんさんと、ビレイするF野さん)
P9150151

Dsc06906
(↑1P目フォローのF野さんと私)
Dsc06907
(↑2P目の水流をリードする私)
Dsc06908

Dsc06910

P91501542p
(↑2P目フォローのF野さんとKぽんさん)
P91501613p
(↑3P目フォローのF野さん)
Dsc06915

(↑3P目フォローのF野さんと私)

 幣ノ滝を越え、なおも進んで行くと25m滝がある。この滝は右から登った。そして進む先に細い滝が見える。最初あれが白龍ノ滝かと思ったが違う。白龍ノ滝は沢が右に曲がったところにあって、近くまで行かないと見えないはずなのだ。滝の100mほど手前でザックを置いて白龍ノ滝を見に行く。手前から見えた細い滝の右側に大きな滝が現れた。これが白龍ノ滝50mだ。右側の岩壁を登れないこともないだろうと思ったけれど、Kぽんさんの話では登攀していると数時間かかる可能性があるので、荷物を置いたあたりから高巻くことにした。
 草付きのスラブ斜面を登って行くのだが、結構ワルくて途中でロープを出す。ブッシュ帯に入ってヤブ漕ぎしていくと、白龍ノ滝の落ち口の上に出るので、そこに向かって懸垂下降。白龍ノ滝の上部には滝が続いているが緩傾斜で易しい。

P9150163

Dsc06916
(↑25m滝を右からリードする私)
P9150166
(↑奥に白竜ノ滝の左の枝沢の滝が見える。写真横向き)
P9150167
(↑白竜ノ滝は手前のこのスラブから巻いた)
P9150174
(↑白竜ノ滝とKぽんさんとF野さん。写真横向き)
Dsc06925
(↑白竜ノ滝を巻いて懸垂下降する私)
P9150178
(↑白竜ノ滝上のゆるい滝)

○祓川大滝250m
 真沢本流と分れて、祓川(はらいがわ)という沢の出合に祓川大滝250mが現れる。祓川というけれどもちろん川というような規模ではなく、本流に合わさる一つの沢の名前らしい。
 祓川大滝では落ち口手前で1ピッチロープを出しただけであとはずっとノーロープで登って行った。傾斜が緩いからそうしたワケだが、もちろん落ちたらはるか下まで止まらないので慎重に。途中のぼっている際に、落ち口近くに熊がいると、Kぽんさんが言う。私が見た時には熊の姿は見えなくなっていたが、これから登って行くところに熊がいるなんてイヤだなあ。最後はロープを出して私がリード。抜けた先には幸い熊はいなかった。

P9150179250
(↑祓川大滝が右上に見えてきた)
P9150180250
(↑祓川大滝全景)
P9150183
(↑祓川大滝を登るKぽんさんとF野さん。写真横向き)
P9150185

P9150186

P9150187
(↑写真横向き)
P9150192
(↑対岸には大きなスラブ壁が並ぶ)
Dsc06933
(↑祓川大滝の最後でリードする私)
P9150194
(↑フォローのF野さん)

 祓川大滝のすぐ先に10mもない滝が2つ連続している。滝登りはこれでお終いで、風景が一気に開けて草原状になり源頭の雰囲気になってくる。

P91501972
(↑祓川大滝の先の1つ目の滝。登るKぽんさん)
P9150200
(↑2つ目の滝を登るF野さん)

 すぐに二俣が現れるのだが、我々はここが三俣だと勘違いしてしまった。この二俣は左の垂量が多く、右はすぐに涸れる。水流のある左に進んで行けばやがて三俣が現れ、その三俣では右を選べばヤブ漕ぎ無しで、御月山と中ノ岳の鞍部で登山道に出られるはずだ。
 その手前の二俣で右に進んだ我々は、枯れた沢筋から草原状を登って行く。途中、カモシカを見かけた。すると御月山の東側付近の枝尾根に行ってしまった。後ろを振り返ると、遠く眼下に三俣らしい地形が眺められる。今更引き返すワケにもいかないので、御月山の山頂下の南面を巻くようにヤブ漕ぎしていくと、ようやく登山道に出ることができた。中ノ岳が目の前に聳えている。

P9150205
(↑間違えた二俣。左に進めば三俣があるはず)
P9150207
(↑草原状。写真横向き)
P9150209
(↑カモシカに遭遇)
P9150210
(↑八海山)
P9150211
(↑登山道に出て中ノ岳を望む。写真横向き)
P9150216
(↑中ノ岳避難小屋と左奥に山頂)

 ここでハーネスを脱いだりして、中ノ岳へと向かう。まずは鞍部へと降りる。鞍部から中ノ岳山頂までの標高差は約350m。沢を詰めてきて疲れた身体には堪える登りだ。
 各自のペースで黙々と歩いていき、1時間以上歩いただろうか、山頂手前の中ノ岳避難小屋に到着する。私が一番乗りだ。小屋に入って荷物を解く。小屋は2階建て。混ぜこぜになった3人のギアを整理するためだ。先ほど山頂付近に姿が見えた登山者が小屋に入ってきた。その人は、単独で中ノ岳を登りに来て今夜はこの小屋に泊まるらしい。前日はこの小屋に60人もの登山者が泊まったそうで、入りきれなくて入口の土間に寝た人もいたそうだ。すご。他にも一人が2階で休んでいるようだ。
P9150217
(↑越後駒ヶ岳)

 
 小屋で休憩してから外に出るとガスって肌寒くなっていた。先ほどは越後駒ヶ岳や八海山が眺められたのに。山頂で3人で記念写真を撮ってから十字峡に向けて下山開始。
 十字峡までの標高差は約1,500m。結構な下りだ。時刻は15時半頃。さくさくと下って行く。途中、日向山で休憩したあとは、デポしたF野さんの車のカギを私が預かって、先に下って行く。なかなかシンドイが、黙々と歩いていく。18時を過ぎるといよいよ暗くなってきたのでヘッ電を点け、18時半少し前に十字峡登山センターの建物前に降り立った。中ノ岳山頂から3時間を少し切るくらいで下れたが疲れた。辺りはもう真っ暗だ。建物前の駐車場には4人ほどの登山パーティーがいた。彼らもちょうど下山してきたところのようだ。自販機でコーラを買う。おいしい。
 デポ下車はトンネルの向こう側の駐車場にあるので、ザックを置いて車を取りに行く。戻って、沢靴をスリッパに履き替え、Kぽんさん達が降りてくるのを車内で待つ。19時10分頃に2人が降りてきた。彼らも相当疲れているようだ。2人とも股擦れして痛いと言う。
 Kぽんさんが自宅に帰る終電に間に合うために、のんびりもしていられない。まずは水無川側に停めた私の車の回収に行かなければならない。車で行っても結構距離がある。私の車を回収してから、コンビニに移動して手早く空腹を満たす。F野さんとはそこで解散。あとは関越道をひた走り、JR武蔵野線東所沢駅に終電の時間より余裕をもって到着。Kぽんさんと解散。
 帰宅したけれどクタクタに疲れた。濡れた装備を解く気力もなく、シャワーだけ浴びてベッドになだれ込む。

 3連休明けの火曜日、朝起きると両足の太ももがヒドい筋肉痛になっていた。これほどの筋肉痛は久しくないことだ。歳のせいかもしれないが、中ノ岳から一気に下ったのが原因だろう。痛む足を引きずるように疲れた身体を押して出勤。その日の夜はすぐに帰宅して寝るべきだったのだが、新宿で映画を観た。デビッド・ラマがセロ・とーれをフリー初登する「クライマー パタゴニアの彼方へ」。
 件の筋肉痛は日ごとに痛みが減ってきてはいるが、4日目の金曜日になってもまだ少し痛い。今夜からクライミングに出かけるというのに。
とはいえ、今回Kぽんさん達と真沢を遡行できたのはとても良かった。

« 越後湯沢 飯士山・負欠(ふっかけ)スラブ | トップページ | クライミングジム通い(8~9月) »

沢登り」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1219264/57548186

この記事へのトラックバック一覧です: 越後 魚野川水系 水無川真沢~祓川:

« 越後湯沢 飯士山・負欠(ふっかけ)スラブ | トップページ | クライミングジム通い(8~9月) »

2016年12月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ