クライミング

三宅島クライミングツアー

2014.11.22(土)~24(月)
 勤労感謝の日の3連休は、伊豆諸島の三宅島でクラッククライミングを楽しんできた。
 所属山岳会のメンバー13人という大所帯で、H内さん、KM田さん、M藤さん、IK田さん、NG野さん、Y本さん、K池さん、NK野さん、T内さん、YT川さん、MY田さん、H坂さん、私という顔ぶれ。
 前夜に竹芝桟橋を発つフェリーに乗り、翌早朝に三宅島に到着。
 22日(土)は、PO壁へ。
 23日(日)は、冨賀浜(とがはま)へ。
 24日(月)は、昼過ぎには帰りのフェリーに乗るため、雨降る中を午前中のみ5人で黒潮壁へ。

 三宅島は2000年の噴火での全島避難が記憶に新しいところであるが、その前の1983年にも噴火している。
 個人的には1988年に同島を訪れており、仲間たちで海水浴や島内一周サイクリングをしたり、溶岩流に埋まった学校校舎跡に忍び込んだりして遊んだ思い出がある。その頃、伊豆大島や八丈島も訪れてサイクリングなど同じように遊んだものだ。

■11/22(土) PO壁
 21日(金)夜、竹芝桟橋にメンバー13人が集合。3連休とあってか客船ターミナルには大勢の人が乗船を待っていた。中でも釣り竿やクーラーボックスを持った釣り人が多いのだが、思いのほか若い人の姿も多い。近年、山ガールなど若者の間で登山ブームとなっているようだが、釣りを趣味とする若者も増えているのかもしれない。こんなことを書く自分も齢をとったものだ。
 乗船する船は橘丸という今年就航したばかりで新しく、船体が黄色い。その昔乗った船は確か、すとれちあ丸という名前だった。出港後皆で甲板に出て、ビルの光に浮かび上がる東京湾を眺める。レインボーブリッジの下をぎりぎり通過する。
 2等船室に戻って皆でお酒を飲んでいると、就寝時間になったらしく照明が消されてしまう。他の乗船客たちの迷惑になるので、再び甲板に出て宴会の続きをするが、私は眠かったのでそのまま船室で寝る。

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(↑乗船する橘丸)
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(↑レインボーブリッジをくぐる)
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(↑けっこうぎりぎりだ)

 翌22日(土)、予定の5時よりも少し到着が早くなるというアナウンスで4時半頃に起き出す。まだ暗い三宅島の阿古港に入港し下船する。雨後らしく地面が濡れている。客船ターミナルを抜けると、予約しておいた宿の人が迎えに来てくれていた。薄木荘という宿で港から車で数分のところにあるので、車2台に分乗して向かう。お客自らが運転していくが、暗い時に初めて行くと宿の入口が分かりづらい。
 宿に到着すると布団が用意されていた。深夜2時頃まで飲んでいたらしいメンバーは寝不足と飲み疲れで、まずは数時間仮眠する。船室でそれなりに睡眠をとった私は8時頃に起きる。天気は快方に向かっているようだ。他の人達はまだ当分起き出してきそうもないので、近くにあるらしい岩場を偵察してくることにした。PO壁というエリアを確認に行く。
 トポの案内図を見ながら、薄木荘から小さな集落内の道を海に向かって歩くと、終点で左へ草むらの踏み跡に入る。入口にボルト設置禁止の注意書きの看板が立っているので、岩場へのアプローチに間違いないことが分かる。草むらを下り気味に歩いていくと景色が開け、溶岩台地が広がるところに出る。水平線には雲に半分隠れた御蔵島が眺められる。
 溶岩台地から右手下方に黒い海岸が見え、その先に断崖を落ちる黄ばんだ滝とPO壁らしき柱状節理の岩場が見える。溶岩台地の傾斜の緩そうなところから適当に降りると、黒い石ばかりの海岸線に出る。

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(↑薄木荘)
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(↑薄木荘から海岸に至る道)
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(↑草むらから溶岩台地へ)
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(↑御蔵島を望む)

 PO壁というのは後で某HPで見たら、パシフィックオーシャンウォールのことらしく、だからピーオー壁と呼ぶのだと分った。柱状節理の壁のうち、かぶった上部は雨のためか全体に濡れて黒ずんで見え、下半分はほぼ乾いているように見える。エリアの写真を撮って、いったん宿に戻る。

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(↑PO壁が見えてきた)
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(↑滝)
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(↑PO壁右エリア)
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(↑右エリア)
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(↑写真横向き)
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(↑中央エリア側から望む)

 宿に戻ると庭に猫がいる。よく見ると何匹もおり、食堂の前に15匹くらいの猫がのんびりと過ごしていた。近寄ってきた毛並みの悪い小さな猫をあやしているうちに、ほかの皆もちらほら起き出してきた。
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(↑猫がいっぱい)
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(↑写真横向き)
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(↑気持ちよさそう)

 10時過ぎに宿を発ち、13人でPO壁に向かう。岩場に着くと、先ほどよりも上部が少し乾いているように見える。時間が経つごとに乾いてくれそうだ。

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(↑皆でPO壁に向かう)
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(↑溶岩の岩場を降りていく)
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 トップロープを張って皆で登るのだが、人数が多いのでいくつものルートに張ることにする。岩質は城ヶ崎海岸と同じ安山岩らしく、先週までずっと瑞牆で登っていた私としては慣れるのが必要だ。潮でベタつく感じが城ヶ崎と同様苦手なのだが、花崗岩のように肌理が粗くないので、ジャミングする手には易しい。PO壁では右エリアとその隣りの中央エリアを登った。中央エリアよりも左にある奥エリア、最奥エリアは波が高くて取り付けなかった。
なお、三宅島でのクライミングの情報は三宅島フリークライミングクラブhttp://miyake-climbing.netのサイトから得られる。
 あと、今回登ったルートの終了点にはボルトが打たれているものの、カラビナはないのでラッペルリングでロープを結び返る必要がある。また、そのボルトも腐食気味なので、そばのクラックからカムでバックアップを取ってTr.を張った。

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(↑準備する)
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(↑釣りするM藤さん)

○「MIYAKE INTRODUCTION」5.9 OS
 最初に支度を済ませた私がまずは三宅島で最初に登られたというこのルートを登る。オンサイト。途中にあるくの字クラック部分の下半分で左上するところが一応の核心か。Tr.を張って皆も登る。
 並行して、H内さんが「積喜くずし」5.10aを登る。

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(↑MIYAKE INTRODUCTIONをオンサイトする私)
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(↑MIYAKE INTRODUCTIONを登るH坂さん。写真横向き)
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(↑MIYAKE INTRODUCTIONを登るT内さん)

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(↑積木くずしを登るH内さん。写真横向き)
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(↑積木くずしを登るMY田さん)

○「見返り御蔵」5.10c ×
 続いてトライしたこのルートは前半のハンドジャムがフレアして難しくチョンボしてしまう。後半は易しく、前半部分を左隣りのクラックから登ると「ネックウォーマー」5.10bというルートになる。トップアウトしてTr.を張る。2便目を出さなかったのでレッドポイントせず仕舞い。

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(↑見返り御蔵を登るK池さん。写真横向き)

○「喜島三宅(きとうみやけ)」5.10c OS
 ルート名は島の焼酎。ジャミングでハングを3つ越えるパワフルなルートで、とても疲れたけれど何とかオンサイトできた。Tr.を張る際は、かぶっているので振られ止めのカムを適当に取ったほうがよい。

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(↑喜島三宅をオンサイトする私)
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(↑喜島三宅を登るIK田さん。写真横向き)
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(↑ルート名となった焼酎)

○「明日葉田畑」5.11a ×
 中盤でクラックが3本くらいに分かれていて、かぶった左のクラックから抜けるらしいのだがここでテンション。3本クラックの上、ワイドを抜け出るところでもテンション。ヨレてなければ登れそうなルートだったけど、2便目を出さなかったのでこれもRPせず仕舞い。

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(↑明日葉田畑を登るKM田さん)

○「積木くずし」5.10a Tr.
 最後にTr.でこのルートを登る。途中に大きな浮石があり、手で持つとごとりと動いてさすがに危険だったので、ロワーダウン時に足で蹴って落としておいた。

 こんなふうに初日はリードで4本(うち完登2本)を登った。日中は陽射しで暑くて、1本登ると汗でびっしょりになるくらいだった。
 H内さんは滝の右にあるエリアのルートも登ったそうだ。他の人達も各ルートを精力的に登っていた。M藤さんは釣り竿を持ってきていて、釣り糸を垂らしていたけれど残念ながら釣果はなかった。最後に喜島三宅を登ったK池さんはカムの回収などで時間がかかってしまい、ヘッ電を点けて登って降りてきた時にはすっかり暗くなってしまっていた。
 宿の車を借りて、阿古地区にある日帰り温泉施設ふるさとの湯へ。半袖で登っていたので、擦り傷だらけの前腕をお湯に浸けると痛いのなんの。お湯に塩分が含まれているのか余計に痛い。閉店の速い売店で買い出しを済ませてから宿に戻り、夕食のため食堂へ。空腹でご飯をおかわりする。部屋に戻って皆で宴会。三宅島の焼酎などを飲む。IK田さんはこの日が独身最後の夜なのだとか。日付けが替わる頃に寝たと思う。
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(↑夕食)


■11/23(日)  冨賀浜
 2日目は皆で冨賀浜へ。朝食を済ませ宿から歩き出す。明日行く黒潮壁も含め、宿泊した薄木荘から3つの岩場へは歩いていける距離にある。海を臨む車道終点から海岸線の岩場帯を歩くと冨賀浜の岩場に至る。今日も天気は良い。
 前日同様、私とH内さんがあれこれ登ってTr.を張る。以下は私が登ったルートだが、登った順番は不正確。
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(↑冨賀浜の岩場に向かう車道)
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(↑島の中央部の山)
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(↑冨賀浜の岩場が遠くに見えてきた)
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(↑写真横向き)

○「磯ひよどり」5.9 OS
 H内さんが隣りの「ジャムの学校」5.9を登るのに合わせて、このルートを登った。出だしのクラックがちょっとムズしく、ハンドがばっちりきまるサイズではないので朝イチの身体には緊張する。後半は易しい。

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(↑磯ひよどりを登るK池さん)

○「御前」5.10b OS
 おんめと読む。取付きが小洞窟状で、奥からクラックを辿ってくることもできるのだろうが、洞窟抜け口から取り付ける。そのハング越えで力を使うので、グレードはこの箇所で付いているのだろう。後半で左に分かれると「左御前」5.10b。

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(↑御前を登るY本さん)

○「ビードロ模様」5.10b/c OS
 一番左にあるルート。トポ写真の「セコンド」5.7のさらに左側にある。見上げれば終了点があるので、ラインがわかる。IK田さんがTr.で登ったあとリードで登りRP。クラックの自己グレードを更新したとのこと。おめでとう。

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(↑ビードロ模様を登るT内さん)

○「クラッククラブ」5.11a Tr.×
 御前のあるハング左端から取り付くルートで、H内さんが張ったTr,でトライ。前半の薄かぶりのフィンガークラックがムズかしい。フィンガーで耐えてクラック上部のガバを狙いたいところだが、その手順やジャミングが悩みどころ。2便出してあれこれムーブ探ったけれど、ヨレていない時にトライしていれば何とかなったかなあ。

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(↑クラッククラブを登る私)

○「ジャムの学校」5.9 OS
 皆がひと通り登ったところで登っておいた。快適なハンドジャムが続くので、アップには磯ひよどりもおススメ。

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(↑ジャムの学校を登るMY田さん。写真横向き)

○「アイランダー」5.11a OS
 「左ストレート」5.10dと分かれて、ハング下を右トラバースし越えていくところが核心。オンサイトできた。これまでイレブン台それも前半のクラックは、瑞牆山の十一面岩末端壁で2つ登れただけ。一撃できるということはグレードが甘めなのかも。ハング下トラバース部分は、フェイスに水平フットホールドがいくつもあるので、下から見るほど足置きに困らない。

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(↑アイランダーをオンサイトする私)

○「左ストレート」5.10d OS
 アイランダーが思ったよりあっさり登れたので、分岐するこのルートも登っておいた。

 こんなふうに前日よりもたくさん登った。暗くなる中、ヘッ電を点けて宿へと帰る。温泉、買い出し、夕食後に宴会という前日と同じ行動。宿の車を借りて温泉に出かけて行くのだが、気軽に貸してくれるのが嬉しい。レンタカーを借りると結構なお金がかかるし、手続きなども面倒だし。
 明日は昼過ぎに出航するフェリーに乗るため、登れても午前中の限られた時間だけだ。そこで私とT内さん、H坂さんの3人で早起きして黒潮壁に行くことにした。他のメンバー数人も早起きするのだが、彼らは車で島の東側に行って朝日が昇るのを見に行くそうだ。ということで、宴会はほどほどにして先に寝る。


■11/24(月) 黒潮壁
 前夜のうちに3人分の朝食を5時半でお願いしておいたので、その前に起床。朝が早い釣り人客もこの時間なので、こんな時間でも朝ごはんを用意してくれる。他のメンバーは7時で、朝日を見に行くという数人も起き出してきて出かける準備をしていた。朝食までには帰ってくるそう。
 さすがに眠い中、そそくさと朝食を済ませ、私、T内さん、H坂さんの3人で宿を発ち黒潮壁に向かう。曇天で今にも雨が降ってきそうだ。前日、冨賀浜に向かう車道の途中、道路脇に階段があるのでそこを降りてブッシュの中の踏み跡を歩いていく。
 トポの案内によると、途中で懸垂下降が必要とある。黒潮壁とPO壁を隔てる溶岩の張り出し状断崖に至る。溶岩部分少し歩いて下ったところで、溶岩の穴状にスリングをタイオフして懸垂支点を作る。そんなことをしているうちにポツポツと雨が降ってきた。もろい断崖を懸垂下降して黒潮壁へ。懸垂下降で使ったロープは帰りに登り返す際に使うので残しておく。ロープを引き抜こうにも溶岩の角にスタックしてしまう恐れが高いので、そのまま残しておいたほうが無難だ。
 黒潮壁を見上げると、まだそれほど雨が降り出していないせいか黒潮壁右も黒潮ドームも何とか登れそうだ。やはり私が登ってTr.を張ることにする。
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○「黒潮一番」5.9 OS
 雨脚が強くなってきたが、出だしの岩がかぶっているのでビレイヤーもそれほど濡れない。岩がシケシケで出だしのハングで力を使うのだがオンサイトできた。T内さんが2便出して頑張っていた。

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○「見かけ倒しダイレクト」5.10b/c OS
 黒潮ドーム内の側壁からハングを越えるルート。「見かけ倒し」5.10cは出だしのクラックがビショビショに濡れていたので、右からスタートするこのルートに取り付く。それでも少し濡れている。ドームから抜け出る二つ目のハング越えが核心。オンサイトできたのは良いが、ロワーダウンしながらのカムの回収が大変なので、リード&フォローがよいかも。ハング抜け口上のクラックにロープがスタックしやすいのも要注意。Tr,で登ったH坂さんが、やはり振られ止めのカムの回収やロープのスタックに苦労していたし。

 2本のルートにTr.を張ったところで、H内さん達後発組が懸垂下降ポイントにやって来たらしく声が聞こえる。H坂さんのビレイ中だった私は、T内さんに様子を見てきてもらう。結構雨が強くなってきていた。
 やがてH内さんとIK田さんの2人だけがやってきた。時刻は9時近く。後発組10人全員が降りてきてしまうと、雨の中登れるルートは限られるし、登り返しで時間がかかってしまうので、2人だけが来たようだ。残り8人はPO壁に行くらしいが、あとで聞くと、雨の中を行っても仕方がないのでそのまま宿に戻ったらしい。
 後から来たH内さん達が登っている10時頃、帰ることにした。懸垂下降したところでは、バックロープを引いて私が残置したロープをゴボウで登り返す。登り返した溶岩の張り出し状はトンネル状になっていて、PO壁側が見える。PO壁は、おそらく奥エリアや最奥エリアがある辺りの取付きが波打際となっていた。
 T内さんとH坂さんがフォローで登ってくるのを上でビレイするうちに、H内さん達も撤収して戻ってきた。一時期ザーザー降りだった雨もこの頃にはほとんど止んでいた。5人で宿に戻ると、他のメンバーがいない。荷物は置いてあるのでどこかに出かけているようだ。
 宿の車を借りて、カフェ691という沖山さんという人が経営しているお店に5人で行くと、他のメンバー達が小さなクライミングウォールで遊んでいた。雨の中登ってきた我々はしばし休憩。その頃にはすっかり晴れてきた。沖山さんと一緒に集合写真を撮ったり、沖山さんが撮った写真の話を聞いたりしてから、昼頃にいったん宿に戻る。
 荷物をまとめて、宿の車2台で港まで送ってもらう。客船ターミナルで展望デッキから海を眺める。沖の水平線に三本岳という小島が見えるのだが、実際は10個ほどの小島から成っているらしい。やがて黄色い船体の橘丸が入港してきた。出港時刻は13時半だ。
 乗船し船室に荷物を降ろすと、甲板に車座になって宴会開始。某山岳会の人達7人くらいもこの連休で三宅島を訪れてクライミングしてたそうで、宴会に加わってきた。たまたまその日ごとに訪れる岩場が異なっていたので、我々は毎日岩場を貸し切りで登れたわけだ。船室に戻ってごろごろ過ごしているうちに東京湾に入る。再びレインボーブリッジをくぐって竹芝桟橋に帰港。浜松町駅まで歩いて解散となる。
 最終日は限られた時間の中を雨に降られながら登ったけれど、3日間皆でいろいろなルートをたくさん登って楽しめた。前週まで瑞牆で毎週登っていたのでその成果も少しは出せたと思う。機会があればまたこの島を訪れるのも良いだろう。

瑞牆山 十一面岩左岩稜末端壁・正面壁「ベルジュエール」5.11b 9P

2014.11.15(土)~16(日)
 6週連続で瑞牆山へ。先週と比べて一気に冬の寒さが訪れたのか、岩を触るとすぐに手指の感覚が無くなる冷たさだった。よく通った瑞牆も今シーズンは今回が登り納めだ。
 同行者は先月十一面岩奥壁のJoyful Momentを一緒に登った静岡県のS木さん。土曜日は所属山岳会のM藤さんも一緒だった。
 15日(土)は、3人で十一面岩左岩稜末端壁へ。あまりにも岩が冷たくて午前中はまともなトライができず。
 16日(日)は、S木さんと十一面岩正面壁の「ベルジュエール」5.11b 9Pを登りに行った。私は昨年8月末に登りに行ったのだが7P目まで登ったところで時間切れのため下降した経緯がある。

■11/15(土) 十一面岩左岩稜末端壁
 3人ともそれぞれ自車で植樹祭広場に集まることにした。前夜発した私は、植樹祭広場で泊まると相当寒そいだろうと考え、途中の某所で車中泊。
 翌朝植樹祭広場に着くと、空は晴れ渡っているのだが、先週からがらりと空気が入れ替わったようにものすごく寒い。
 末端壁はよく乾いているのだが、まだ陽が当たらずじっとしていると寒い。この日、十一面には他に2パーティーがいたようで、一組は我々と同じ末端壁で登り、もう一組はベルジュエールを登りに行ったらしい。ベルジュエールに行ったPは午後2時頃には末端壁に戻って来ており結構速いペースで登ったようだ。
 最初に岩に取り付いたのはS木さん。春うらら1P目の出だし部分だけをやって降りてきた。やはり相当に岩が冷たそうだ。
 続いて、私が既登のアストロドームを登る。登り始めるとあまりの岩の冷たさにすぐに手指の感覚が無くなる。ジャムが効いているかどうか分らないので余計に力を入れてしまうし、気づかないうちに指を切って出血する始末。バンドのガバ取りに至る前にテンション。冷たいというより痛い!何とかトップアウトしてトップロープを張る。
 岩が冷たすぎてまともなトライができないので、皆なかなか登ろうとしない。ようやくM藤さんがTr.でアストロにトライ。やはり冷たさに苦労している。

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(↑晩秋の植樹祭広場)
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(↑アストロドームを登る私。写真横向き)

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(↑アストロドームを登るM藤さん。写真横向き)
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(↑春うらら1P目を登るS木さん)

○「トワイライト」5.11c ×(通算3~4便目)
 私は先週、春うらら1P目がRPできたので、Tr.で二度触ったことのある「トワイライト」5.11cをリードしてみることにした。この頃には岩の冷たさは和らいできたけれど、トワイライトはやはりキビしい。Tr.だと何とかごまかして登れるところも、カムをきめながらとなると窮屈なオフィドゥスでは身動きが取れなくなる。チョンボしまくってトップアウトする。O.wを抜けた後半のクラックもリードで登ると気が抜けない。
 その後、Tr.でトライしてo.w部分のムーブをあれこれ探ってみる。左半身をo.wに入れながら、右手右足をペガサス側のクラックに当てながら身体を上げられるのだが、これはほどほどにしてある箇所からは両手両足をo.wに入れて何とか上がっていかないといけないのかも。o.w内でクラックが閉じ気味のところがあり、そこの突破が最も大変だ。

 S木さんは2便目で春うらら1P目の核心を越えた中間付近までテンションしながらロープを伸ばす。M藤さんは2便目のアストロのTr.トライで、初めてノーテンで登れた。おめでとう。
 陽が陰って来ると再び寒くなってくる。明日は、S木さんと正面壁に登りに行くので、ギアをデポして下山。M藤さんは帰宅。2人で駐車場でお湯を沸かして夕食を取ったりビールを飲んだりするが、1時間ほどするといよいよ寒くなってきて、早々にそれぞれの車の中に避難。車中泊。

■11/16(日) 十一面岩正面壁「ベルジュエール」5.11b 9P
 冬型が緩んだのか昨日ほどは寒くない。が、防寒着を十分持って8時に植樹祭広場を出発。良い天気。
 今日はS木さんと十一面岩奥壁にあるベルジュエールを登りに行く。私は昨年8月末に7P目まで登ったところで時間切れのため下降した経緯があるのだが、その時は1P目と2P目でテンションしまくりだった。おまけにウイルス性胃腸炎の病み上がりのうえ、アプローチで蜂に尻を刺されるという何ともツイテない思い出がある。
 途中末端壁で前日デポしたギアを回収し正面壁の取付きへ。左のほうを見ると3人組が山河微笑ルートの取付きにいる。
 今回、基本的に私がリードすることにして、途中S木さんがリードできそうなところではリードしてもらうことにした。陽の当たらない樹林帯の中で登攀の準備をし、9時20分頃登攀開始。

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(↑八ヶ岳)

○「ベルジュエール」5.11b 9P
1P目(5.11b リード私)
 上のほうに逆三角形状の小ハングが見える。あの小ハングを右上に越えて行くのだ。取付きは目の前の柱状を右に回り込んだところから取付き、少し登って左に回り込む。登って行くと小ハング下でペツルのボルトが打ってある。左カンテ側をたどって小ハング下に近づき、右にトラバースするところが最初の少しワルい箇所なのだが、岩があまりにも冷たく手の間隔が無くなってきてしまいテンション。小ハング上にもボルトがある。ここを右上に乗っ越すのもワルい。冷たさで手がかじかんでしまい、あとはテンションだらけ。前回は確かトラバースした後の小ハング乗っ越しでテンションしたっけ。
 スラブに出るとさらに難しい箇所があり、ここがイレブンのようだ。スラブの中のホールドを探してラインをあれこれ探る。右側の大穴のところから少し左にトラバースするのが正解なのかも。テンションしたり、チョンボしてヌンチャクを掛けたりしながら突破。フォローのS木さんは、サブザックに2人分の下山用シューズをぶら下げているので荷物が多い。

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(↑1P目をリードする私。写真横向き)

2P目(5.10a リード私)
 頭上の小ハング状の下縁を左に巻くように行く。なお、右上に見えるボルトは達磨バムのようだ。スラブを上がってボルトにクリップ。左にトラバースするのだが、まともに置けるフットホールドがなく難しい。と、その瞬間フォール。ビレイしているS木さんの頭上で止まった。ふう、やっぱり難しい。ゴボウして上がり、小ハングが左上へと続くので、それを右側にスラブ状を登って行くのだがここはテンションせずに行けた。ブッシュ帯でピッチを切る。

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(↑2P目をリードする私。写真横向き)
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(↑山河微笑2P目大チムニーを登るパーティー。写真反対横向き)
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3P目(5.7 リード私)
 前半大きなポケットを辿って登り、その先の乗っ越しが少しムーブが必要なのだが、最初リードしたS木さんがここで上のホールドに手が届かないらしく、リードを私に交替。木の生えた右上するところで、適当な木でピッチを切る。

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(↑3P目フォローのS木さん)

4P目(5.9 リード私)
 白クマのコルへと上がるピッチ。最初、スラブと左壁との間のクラックを辿り、白クマのコル直下の短いハンドクラックに至る。このクラックは最初はキャメロット3番くらい。登るにつれて2~1番と幅が狭まっていく感じ。コルに出て、木でピッチを切る。

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(↑白クマのコル直下のクラックを見上げる)

5P目(5.9+ リード私)
 大フレークのピッチ。前日、ベルジュエールを登って帰ってきたパーティーに末端壁で会ったのが、私が翌日ベルジュに登りに行くことを話すと、彼らは大フレークで5番キャメをいくつ持っていきますか?と聞いてきた。私は昨年も登っているのだが、正直あまり詳しく覚えていない。どうやら1つでは足りないようなので、今回2つ用意しておいた。
 ルンゼを渡って大フレークに取り付く。出だしから5番を使えるサイズ。フレークの縁を持ちながら登っていき、4番なども使う。後半で再びフレークの隙間が広くなったところでもう一つの5番を使う。2つ持ってきておいて良かった。さらに登ると、フレークは左上するのだが、この手前で最後のキャメをきめようとするが、5番はもう無いので、4番をきめておく。が、4番ではほとんどカムが開ききっていて気休め程度。左上箇所はフレークの上端がガバなのでまず落ちることはないので、そのまま左のテラスへ。強い人はカムはもっと少なくていいけど、心配な人はさらに5番をもう一つ足すか、6番を一つ持ったほうが良いかも。テラス上にリングボルトが2つあるのでそこでピッチを切る。

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(↑5P目大フレークをリードする私。写真横向き)

6P目(5.7 リード私)
 チムニー。山河微笑でも一粒の麦でもチムニーがあったけれど、瑞牆にはいろいろなチムニーがあるんだなあ。前回はここをフリーで登っている。
 ピッチを切ったテラスから岩を一つ乗っ越した先の木でピッチを切り直す。あるいは、さらにチムニー入口まで進んでカムでビレイ支点を作ったほうがロープの流れが良いかも。
 チムニーを奥へ奥へと登って、それから直上していく。左半身をチムニーの奥にした右向きで背中を壁に押し付けてじわじわと登る。左奥に何とか旧5番キャメをきめるが、あとあとロープの流れが悪くならないようにランナーは長めに。頭上のチョックストーンに5番をつっこむ。これもランナーを長く。前回はここからフリーでチムニーの外へと抜け出たはずなのだが、今回はカムをつかみつつ抜ける。チムニーを抜け、その先の樹林帯でピッチを切る。フォローのS木さんは荷物をスリングでハーネスにぶら下げて登る。

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(↑6P目チムニーを見上げる。写真横向き)
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(↑チムニーを抜けた先を見る。写真横向き)
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(↑チムニーから出てきたS木さん)
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(↑小ヤスリ岩と富士山)

7P目(5.10b リード私)
 樹林帯を右上へと進み、凹状のチムニーのところでピッチを切り直す。左のほうには秋一番というルートのクラックがあり、前回は間違えてそこを登っている。チムニー状から左上するスラブと右壁の間のフィンガークラックサイズの縁を持って登る。つぎのチムニー状と正面の壁にあるフレーク状クラックのあるところで一旦ピッチを切ることにした。
 目の前のフレークを登り、くの字状クラックに至る。最初左上するクラックをハンドジャムで登る。ハンドジャムから、くの字の折れ曲がるところの縁が取れると、その先は易しくなる。正面壁ピークが見えたところのボルトでピッチを切る。ピッチを2回に分けたけれどフリーで登れた。前回はここでA0していて、時間切れで登攀を中止し下降している。

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(↑7P目くの字クラック(右)を見上げる)
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(↑7P目出だしのチムニーをリードする私。写真横向き)

8P目(リードS木)
 残りはS木さんがリード。正面壁ピーク直下まで岩の間を歩くような感じ。テラス状に出るところは少しムーブが必要。
9P目(5.8 リードS木)
 右にあるワイドクラックは達磨バムのラインらしい。短いクラック状を登るとピークのほんの真下に出る。左の大岩がピークの最も高い場所のようだ。私が先行して登る。腰ほどの高さの位置にある水平スタンスに乗り上がるのだが、その際にS木さんに背中を押してもらう。水平スタンスに立つと、ボルトの頭だけが残っているのでスリングをタイオフしてランナーを取る。あとほんの少し登れば大岩の上に立てる。

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(↑9P目をリードするS木さん)

 こうしてベルジュエールを登り終える。S木さんと握手。風が吹いて寒いので、早々に下降開始。大岩にボルト支点があるので、登ってきたのと反対側に懸垂下降し、樹林帯に降り立つ。正面壁と奥壁との鞍部側に向かう感じで樹林の中の踏み跡を少し辿る。開けた箇所で出るが、鞍部に向けては壁になっているようで、どこかで懸垂下降する必要がありそうだ。どこで懸垂するかはそれぞれの判断。樹林の中を抜けるように鞍部の少し下に降り立つ。暗くなり出しており、ヘッ電を取り出しておく。

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(↑八ヶ岳)
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(↑不動沢の岩塔群と遠くに小川山)
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(↑瑞牆山本峰と大ヤスリ岩。手前は十一面岩奥壁)
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(↑植樹祭広場を眼下に望む)
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(↑正面壁ピークに立つ私)

 20mほど登って鞍部に出る。あとは反対側に歩いて下りるだけのはずだが、途中の急なところで再びロープを出す。その後、ルンゼ内でフィックスロープが張られているところに至る。最初はそれで懸垂下降。後半のフィックスはタイトに張られているので、複数張られているロープを皆つかんでゴボウで降りる。あとは歩いていけば、奥壁へのアプローチと合流し、降り過ぎないうちに正面壁の取付きへと戻る。取付き帰着は17時10分。7時間50分ほどかかったワケだ。

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(↑下降するS木さん。写真横向き)
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(↑取付きに帰着)
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(↑血だらけの私の手。汚らしい写真を載せてごめんなさい…)

 あとは勝手知ったる道を下り、末端壁を経て植樹祭広場に戻ったのが18時。星空がきれいだ。ギア分けを済ませ、ここでS木さんと解散。S木さん、ありがとうございました。
 帰りはひたすら下道を走って帰った。途中、甲府市内の古着屋に寄りノースフェイスのダウンジャケットを買う。しかも袖口がやぶけてダウンがはみ出していたり、袖口のマジックテープが傷んでいたせいか1,620円だった。やぶけたところやマジックテープは自分で直せば済む。傷んだ古着ではあるけれど、いちおうノースフェイスだ。地面に置いて汚れるような岩場に行く時に使うことにしよう(翌日、手芸屋で補修テープやマジックテープを買って直す)。日付けが替わる頃に帰宅。
 ベルジュエールで思った以上に披露したせいか、週明けの月曜日は身体が重くて仕方がなかった。それに仕事のあと、カー用品店でタイヤを冬用に履き替えてもらうため、タイヤを車の荷室に積み込んだり降ろしたりしたのだが、そんな作業をしただけでもさらにくたくたに疲れてしまった。

 よく通った瑞牆も今シーズンは今回が最後。つぎに訪れるのは来春かな。また、いろいろなエリアに行ってたくさん登ろう。

瑞牆山 「春うらら」1P目 5.11b RP 十一面岩左岩稜末端壁

2014.11.08(土)
 5週連続の瑞牆山へ。今回は土曜日だけの日帰りで、例によって末端壁へ。
 春うらら1P目 5.11bをRPできた。
メンバーは所属山岳会のH内さん、NK野さん、K池さん、IK田さん、M藤さん、私、それから入会したばかりのT内さんとT濱さんの計8人という大所帯。

 土曜日朝、私の車とM藤さんの車2台で、植樹祭広場へ。紅葉のピークは先週の段階ですでに下の集落付近まで降りていて、この辺りは先週よりずいぶんと落葉が進んだ感じだ。紅葉の盛りを過ぎて登山者や観光客もぐっと少なくなったのだろうが、ボルダラーの姿だけは相変わらず多いようだ。
 末端壁に着くと他に誰もいなかった。後から2人組が来ただけで、ほとんど我々だけの貸し切り状態。これだけ寒くなってくるとここに訪れる人も減るのだろう。

 クラックに慣れていないメンバーもいるので、まずはH内さんと私が登ってトップロープを張ることにする。H内さんが調和の幻想1P目に張るとのことで、私は既登のペガサス1P目5.10dを登ることにした。朝イチから5.10dを登るのは身体に堪えるが、テンションせずに登ることができた。Tr.を張る。

○「春うらら」1P目5.11b RP (通算8便目)
 ペガサスで疲れたので1時間以上じっくりレストしたかったけれど、今日の目標ルート春うらら1P目に30分ほどでトライすることにした。
 2週間前にトライした際、出だしのムーブは分ったので問題なくなったのだが、核心となるかぶり気味のフィンガークラックに歯が立たず、これだと言えるムーブも分らないままとなっていた。
 K池さんにビレイしてもらって、トライ開始。出だしはもう迷わずこなせる。核心入口下のオフィドゥス部分でハンドサイズのカムをきめて少しレスト。核心入口のフィンガーはまだ保持しやすいので、両足をステミング気味にしながらキャメロット0.4番と0.5番を固め取りする。そうしていよいよ核心部に入っていく。
 細かな手順は覚えていないが、右手はコーナーの向きが変わる先に逆手にして、右足は右壁のごく小さなフットホールドにハイステップ。左手を逆手で持つようにして、それまで左向きだったのをレイバック気味に右向きに身体を入れ替える。コーナーの向きが変わるところをチェンジングコーナーと言うと、あとでH内さんが教えてくれた。
 そうして身体を引き上げて行くと、前回まではテンションしまくりで遥か遠く感じていた右壁のポケットが気付くと目の前にあった。ここまで来ると核心は抜けている。あれだけできなかったセクションが突破できた。
 残りの長い長いクラックは、上がった呼吸を落ち着かせながら慎重に登って行く。残りのパートは、前回までにすでにテンションするようなことはなくなっていたが、せっかく核心を越えられたのだから、ここでつまらないフォールをするワケにはいかない。
 こうして終了点のテラスに乗り上がってレッドポイント。やったー。核心部分では余裕があったワケではないけれど、前回に比べたら、ずっとジャミングがきまっていたり、足が乗せられている感じがした。
 まさか本日1便目で思っていたよりあっさりとRPできるとは思っていなかったけれど、最近毎週、瑞牆に通った成果が出たワケだ。今シーズンの瑞牆通いを終える前に登れて、来年の宿題とならずに済んで良かった。9月のアストロドーム5.11aに続いて、クラックの自己最高グレードの更新だ。ムーブのアドバイスをいただいたH内さん、ビレイしてくれたK池さん、ありがとうございました。
 テラス右端にあるトワイライト5.11cの終了点(春うらら5.12a 2P目の取付き)に門型にTr.を張ってロワーダウン。

 春うららを登ってさらにヨレたけれど、本日3便目は既登のアストロドームを登ってTr.を張る任務。アストロはRP以来触っていない。前半の核心部など余裕はなかったけれど、テンションせずに再登できた。
 こうして末端壁の各ルートにやりたい放題というほど、我々のTr.を張りまくる。

○「トワイライト」5.11c Tr. (通算2便目)
 5月にTr.で一度だけ触ったことのあるトワイライトに、今回もTr.で触ってみることにした。前回は、核心のV字型オフィドゥスでは、まるで身体を引き上げられず、きめたカムをひっぱってA0で越える始末だった。
 久しぶりにやってみると、やはりキビしい。両手を突っ込んでオフィドゥスの奥にジャミングをきめたり、両足も突っ込んでじりじりと引き上げてみる。とにかくジャムがきまるところが奥深いので手を届かすのが大変だ。奥のクラックが閉じ気味になるところでたまらずテンション。ロープにぶらさがってオフィドゥスの外に吐き出される。
 復帰して何とかオフィドゥスを抜け、後半の開放感あるクラックで2テン目。登るにつれてフェイスの足も豊富になっていき、クラックは易しくなっていく。
 前回よりは健闘したけれど、カムをせっとしながらのリードとなるとそうそう登らせてくれないだろう。窮屈な姿勢で果たしてカムをきめられるかどうか。

 ほかの人達もTr.で各々ルートを登っていた。M藤さんはアストロが目標らしい。IK田さんはTr.状態で、もう1本のロープを引いてリードの練習をしていた。NK野さんは以前腕を痛めたとのことで本調子ではないそう。K池さんはうまくてアストロをノーテンで登っていた。入会した二人も瑞牆のクライミングが新鮮に感じたようだ。

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(↑調和の幻想1P目を登るM藤さん)
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(↑ペガサス1P目を登るK池さん。写真横向き)
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(↑ペガサス1P目を登るT内さん)
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(↑調和の幻想1P目を登るIK田さん)
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(↑アストロドームを登るM藤さん)
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(↑区や闇の中、春うらら1P目からロワーダウンしてくるIK田さん)

 もう真っ暗になっているのに、最後にIK田さんがヘッ電を点けながら春うらら1P目を登っていた。植樹祭広場に帰着し、瑞牆帰りにここのところいつも寄っている韮崎にある台湾料理店・龍福へ。定食は食べ切るのが苦しくなるほどの量。今回は台湾ラーメン定食にした。中央道の渋滞は無く帰ることができた。

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(↑台湾ラーメン定食 980円)

 翌日の日曜日は、所属山岳会の年1回の総会の日。総会開始は午後からなので、午前中は傷んだクライミングシューズを針と糸で縫ったりしながら家で過ごす。
 午後、都内の某集会所に大勢の会員が集まって、役員を選出したり、いろいろな議題を話し合う。ずっと座っていると尻が痛くなってくる。総会後はお店に移動して飲み会。さらに2次会へ。ちょっと飲み過ぎた。

瑞牆山十一面岩 奥壁「Joyful Moment」5.9 5P、左岩稜末端壁

2014.10.25(土)~26(日)
 3週連続で瑞牆山へ。同行者は、先々週も同行した静岡県のS木さん。
 25日(土)は、十一面岩末端壁へ。S木さんは「アストロドーム」5.11aをRP。私は「春うらら」1P目5.11bにトライ。
 26日(日)は、午前中に十一面岩奥壁にある「Joyful Moment」5.9 5Pを登攀したあと、午後は末端壁で登った。

■10/25(土) 十一面岩 左岩稜末端壁
 前夜のうちに植樹祭広場に来て車中泊。寒いけれどよく晴れた朝、やはり前夜のうちに到着したと言うS木さんと合流。この日は十一面の末端壁へ。ここ3週続けて植樹祭広場を訪れいているが、来るたびに紅葉の鮮やかさが増してきていて、今頃が最も紅葉のきれいな時期なのかもしれない。

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(↑植樹祭広場から瑞牆山の岩塔群を望む)

 末端壁に着き、例によって調和の幻想1P目でそれぞれアップ。その後、S木さんはアストロドーム5.11aにトライし見事レッドポイント。これまでクレイジージャム5.10dが最高だったそうで、クラックの自己最高グレードを更新できて喜んでいた。S木さんはその後T&Tにも1便トライしていたけれど、ダイク直下の核心部がなかなかキビしそうだった。

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(↑アストロドーム5.11aRPするS木さん)

○「春うらら」1P目5.11b(通算3~4便目) ×
 さて、私はトップロープとリードで2便触ったことのある「春うらら」1P目5.11bにトライ。出だしの核心部分のムーブについては、まだいまいち分かっておらず、多くの人が右手でピンキージャムする箇所を逆の左手で取って、右手でバンドのワルいパーミングで耐えて無理やりバンドのガバホールドに左手を出すムーブで何とか突破できた。だけど、こんな無理なムーブではいつもうまくいくとは思えない。本当の核心となるかぶり気味のフィンガークラックからコーナーの向きが変わった先の数mのセクションについてはまるで歯が立たずチョンボしまくり。そこを通過した後半は、余裕はないけれどテンションせずに登れるようになった。怖いのでとにかくカムをたくさんきめてしまう。

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(↑春うらら1P目を登る私)
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(↑写真横向き)
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 この日の末端壁はとても混雑していて、春うらら1P目も順番待ちになる。U田さんやガイドのS野さんら、岩場でよく見る顔ぶれの人達がほとんどだった。
 ということで、この日は春うららには2便出せただけ。2便目も1便目と同じような出来具合だった。S木さんもTr.で春うららをトライ。

 春うららの3便目を待っていると時間がもったいなかったので、S木さんと調和の幻想を登ることにした。いつもはアップで1P目を登っているけれど、私がリードして1~2P目をそのまま続けて登った。全5Pの調和の幻想は、何年か前に登っているけれど、どんなルートだったかはまるで覚えていない。機会があったらまた登ってみてもいいかも。

 夕暮れ迫る中、春うらら1P目の核心部を登って行く強い女性クライマーのムーブを見て感心しつつ、ヘッ電を点けて下山。植樹祭広場に張ったテントの中、S木さんのタブレット端末で、海外のクライミングシーンの動画をあれこれ見る。フリーソロとか、断崖に張ったスラックラインをセルフビレイ無しに歩いたりとか、狂気の沙汰としか思えない映像ばかりを見た。

■10/26(日) 十一面岩 奥壁「Joyful Moment」5.9 5P、左岩稜末端壁
 この日は十一面岩の奥壁にあるジョイフルモーメントという5ピッチのルートを登りに行くことにした。6時に植樹祭広場を出発。前日、末端壁にギアをデポしておいたのだが、そのギアから奥壁に持って行くものを選んで正面壁方面へとさらにアプローチを登って行く。開けた岩場状から右岸の樹林帯に入っていくのだが、樹幹越しに見える左上方奥のベルジュエール取付きのある正面壁方面ではなく、ケルンや白テープに導かれるように右上(白熊のコルに上がっていくルンゼ状)へと登って行く。やがて左手に現れる岩壁の途中のテラスへの入口がある。ここが「一粒の麦」5.10c/d 6Pの取付きのようだ。すぐ先のフィックスロープを上がると樹林の中の広場状に出る。目の前の岩壁に顕著なワイドクラックがあり、これがズルムケチムニーの取付きらしい。この広場、水さえあれば小さなテントをいくつか張って泊まれそうなくらいの広さだ。
 目的のJoyful Momentへは、広場から岩壁を右から巻くようにさらに登って行くと、左手の壁に取付きがある。壁に近づいて見上げると、左上するクラックがあるので取付きだと分かる。

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(↑目印のケルンと白テープ)
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(↑一粒の麦取付きへの入口。写真横向き)
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(↑一粒の麦はこの辺りから登るのだろうか)
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(↑樹林の中の広場にあるズルムケチムニー取付き)
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(↑ジョイフルモーメント取付きを見上げる)

○十一面岩奥壁「Joyful Moment」5.9 5P
 参考にしたのは佐藤裕介ガイドのサイトに載っていたもの。5ピッチ登攀後は、奥壁ピークから歩いて下降して樹林の中を取付きまで戻って来られるようだ。シングルロープ1本で登る。
1P目(5.9リード私) 左上するクラックで、右足をクラックにかませながら登って行く。ハンドサイズくらいのカムがきまる。登るにつれて傾斜が弱まり、途中の灌木でピッチを切る。

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(↑1P目をリードする私)

2P目(5.6リードS木) ハイハイ・トラバースと名付けられている(?)ピッチで、前半は歩いていけるが、後半はその名のとおり、這うように進む。頭上に伸びる大フレークの下まで。ビレイ点のテラスはそれなりに広い。

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(↑2P目)

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(↑2P目終了点でビレイするS木さんとハイハイ・トラバース)

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(↑3P目のフレークを望む。写真横向き)

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(↑八ヶ岳がくっきり)
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3P目(5.9リード私) 出だしは頭上に見える左右2つのフレークのうち左側に取り付く。脆そうな感じのフレークをたどって行き、スカイラインに見えていた箇所から左上に乗っ越すと傾斜の緩いスラブ帯に出る。奥壁ピークが見える。右上するように登り、ブッシュの中を右にトラバースすると、4P目のワイドクラックが頭上に見える小広いところに出るのでそこの木でピッチを切る。

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(↑3P目を登る私)
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(↑写真横向き)
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(↑フレーク帯を抜けると奥壁ピークが見える。右はビレイする私)

4P目(5.8リードS木) 3P目のフレークよりも、クライミング的にはこのピッチがハイライトのような気がする。開けて開放感があるし。階段状を上がるとワイドクラックに取り付く。オフィドゥスというほどの広さではない感じ。サイトにリービテーションがきまるとあったので、せっかくだから自分もリービしてみた。リードしたS木さんはリービせずに登ったそうだ。

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(↑4P目を登るS木さん)
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5P目(5.7リード私) 目の前の壁を越えればそのままピークにまで行けたのだろうか。私は巨岩の隙間を歩いていくと、その先に壁があり、右寄りにハンドサイズのクラックが走っていた。このクラックではさすがにカムを使うのだが、4P目終了点からはずいぶんと水平移動してきているので、ビレイヤーにはここまで来てもらってビレイし直してもらったほうが良いだろう。クラックを登ると広い奥壁ピークに立つ。

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(↑5P目の岩場を行く私。写真横向き)

 ピークからの展望は抜群。この日は午前中は良く晴れていて、八ヶ岳はもちろん、南アルプスも南部のほうまで見えるし、噴煙を上げる御嶽山、それから浅間山や草津方面まで眺められた。
 近くには小ヤスリや大ヤスリ、瑞牆山本峰方向、さらに不動沢の岩塔群が見える先の樹林に覆われたなだらかな山は小川山だ。
 下降路は、ピークの北側に少しクライムダウンした先にチムニーが見えている。チムニーを登ってその向こうに降りることもできるようだが、チムニーの足元がトンネル状になっており、それを降りるとすぐに樹林帯に出られる。樹林帯の中の踏み跡を辿ると、荷物を置いたジョイフルモーメント取付きに戻って来られる。5分ほどだったか。8時過ぎに登攀を開始し戻ってきたのが11時過ぎだから3時間くらい。

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(↑奥壁ピークから、正面壁ピークと八ヶ岳を望む)
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(↑不動沢の岩塔群と遠くに小川山を望む)
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(↑記念写真)
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(↑チムニー。写真横向き)
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(↑チムニー。写真横向き)
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(↑チムニーの足元にトンネル入口がある)
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(↑トンネルの中を降りていく。写真横向き)
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(↑取付きに帰着。写真横向き)

○「春うらら」1P目5.11b(通算5~7便目) ×
 末端壁に戻ってくると、Tっちーさん達がいた。春うららに取り付く人はいないということで、易しいとはいえマルチピッチを登ってきたあとに、このルートにトライすることにした。
 出だしのムーブについては、前日S木さんやほかの人がやっているのを見ていたのだが、それを真似てみるとあっさり登れてしまった。あれだけ苦労していたのに、分かってしまえば核心ではなくなった。
 出だしの左手ピンチから左足を一段上げ、伸び上がって逆手で右手手首を決めるようにハンドジャムすると安定する。左手をハンドジャムに移し、左右の足をさらに上げると、右手がピンキージャムに届く。そうすると左上のガバ穴に左手が届く。
 出だしは問題なくなったのだが、本当の核心となるかぶり気味のフィンガークラックとなると、やはり歯が立たない。数メートル先の右壁にある穴までが核心部だが、どのようにジャミングするのがいいのか、足さばきはどうしないといけないのか、ちょっとやそっとでは解決できなさそうだ。
 S木さんがTr.でやるほかは、他に登る人がいないので、順番を気にせずトライできたのはいいが、1~2便目はリード、3便目はTr.でと短い間隔で3便も出したので、指は血だらけだし、くたくたに疲れた。テンションするのは件の核心部だけとなった。出だしはもう問題ないし、核心後の後半は長くて大変だけれど、慎重に行けばテンションせずに登れるようになってきた。
 S木さんが早めに下山したと言うことで16時前に末端壁を離れたが、それまで曇り出していた空から下山中に雨が降り出してきて、結果的に早く下りてきて良かった。植樹祭広場でS木さんと解散。
 今回は帰路一人なので交通費を節約する意味もあってずっと下道で帰ることにした。雨の降る中、延々国道20号線を走って帰宅。
 春うらら1P目にトライできたし、マルチのルートにも行けて、紅葉のきれいな瑞牆でのクライミングを楽しむことができた。

瑞牆山 地獄エリア「N字クラック」5.10d RP、前絵星岩「水平飛行」5.10b

2014.10.18(土)~19(日)
 先週に続き今週も瑞牆へ。ここのところ瑞牆に行く機会が多い。2日間とも秋晴れに恵まれたけれど、訪れるたびに季節が進み寒くなっていくのが分かる。
 メンバーは、所属山岳会のH内さん、K池さん、T城さん、M藤さん、I田さんと私の6人で、いろいろとクラックのルートを楽しく登った。
 18日(土)は、地獄エリアへ。私はこのエリアに行くのは初めてで、「N字クラック」5.10dをオンサイト。
 19日(日)は、前絵星岩へ行き、「水平飛行」5.10bなどを登った。

■10/18(土) 瑞牆山・地獄エリア 「N字クラック」5.10d OS
 前夜、車2台で植樹祭広場へ。途中、須玉IC近くのコンビニに寄った際、所属山岳会のI藤さんとS津さん達に会う。小川山に行くらしい。
 それから深夜の林道では鹿に何度も遭遇。その1頭が突然路上に現れ、ブレーキを踏んだものの私の車は止まりきれず、車の前面にその鹿が接触。タイヤで踏みつけることはなく、そのままヨタヨタと逃げて行ったが、植樹祭広場に到着して車体を見てみると、前側のナンバープレートが少し曲がってしまっていた…。先週もそうだったけれど、今秋は本当に鹿を多く見かける。見通しの効かないカーブではスピードを抑えたほうが無難だ。

 翌朝テントの外に出ると、瑞牆山の岩峰群が少しずつ朝日を浴び始めている。この日の行き先は地獄エリア。日本100岩場には掲載されていないが、Rock&Snow056号で紹介されているエリアで、私は行くのは今回が初めてだ。
 十一面岩末端壁に向かうアプローチ道を途中から左に分かれてしばらく歩くと樹林の中に地獄エリアがある。地下1階エリア、1階エリア、さらに2階、3階とマルチピッチ状に高く壁が続いているようで、今回登った地下1階や1階にあるルート取付きへは歩いていける。

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(↑地獄エリア地下1階)

○「N字クラック」5.10d OS
 まずは地下1階にあるルートにトライ。H内さんがオリジナル1P目5.9という凹角状ルートを登ってトップロープを張るというので、私はその左隣りにあるN字クラック5.10dにいきなりトライすることにした。フィストサイズのクラックで、途中ハングを越えるのが核心部らしい。キャメロットの4番サイズを多用するという。
 出だしは背後の木に足をかけながら登っていく。フィストジャムをしながらハング下に近づく。力尽きそうになるが何とか堪えてさらにフィストジャムで乗り越えて行く。乗り越えた先ではダイク状のホールドもあり、少し易しくなってくるが気は抜けない。チムニー状に身体が入ると終了点はそこだ。終了点と言っても、ボルトなど残置視点は一切ないので、自分たちでカムやスリング、ビナで作る必要がある。こうしてN字クラックをオンサイトできた。やった。

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(↑N字クラックを登る私)

 私が登ったクラックの5.10dのルートは今回で5本目。城ヶ崎あかねの浜のコモドドラゴン(これはムーブ的にはフェイスだが)、十一面末端壁のペガサス1P目、小川山親指岩のクレイジージャム、十一面末端壁のT&T。そして今回のN字クラックは初めてオンサイトできた。
 なお、クラックの最高RPグレードは、先月登った十一面岩末端壁のアストロドーム5.11a。グレード更新しないとなあ。

 続いて、オリジナル1P目5.9をオンサイト。凹角の途中でクラックが閉じているので、その下できちんとカムをきめておく。

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(↑オリジナル1P目を登る私)
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(↑N字クラック(左)のK池さんとオリジナル1P目(右)のM藤さん)
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(↑N字クラックを登るK池さん)

○「カヌー」5.11a/b ×
 1階に上がって、「カヌー」5.11a/bという長さ30mのフィンガークラックをトライすることにした。しかしこれが難しい。途中ダブルクラックになる箇所があるのだが、その間の細長い岩の形がルート名になっているようだ。
 テンションしまくり、カムエイドもしまくって、ようやくトップアウト。抜けた先の木にトップロープを張って降りる。

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(↑カヌーを登るH内さん)

 同じ1階にあるオリジナル2P目5.10aの取付きへは、狭い岩の隙間を抜けて行く。オンサイト。

 いよいよ暗くなってきたのだが、苦労して登ってTr.を張ったカヌーを登る。ヘッドランプを用意していく。Tr.なので気持ちがラクだ。それでもテンションを交えトップアウト。懸垂下降して荷物置き場に戻るとすでに真っ暗。ヘッ電を点けて下山。
 植樹祭広場から不動沢の駐車場に移動。そこでテントを張って、焚き火を熾し、前夜買い出ししておいた食材で鍋料理を作る。6人で乾杯して、できた鍋を食べ始めるころにT口さん達がやって来た。焼いたニンニクを食べたりワインを飲んだりしつつ、夜遅くまで宴会は続く。

■10/19(日) 前絵星岩 「水平飛行」5.10b
 各テントからなかなか全員が起き出して来ないけれど、散らばった空き缶を片づけたりしながら、朝食の煮込みうどんを作る。

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(↑朝食の煮込みうどん)
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(↑荷物が散らばる朝の風景)

 この日の行き先をどこにしようかと話し合った結果、ここから近い前絵星岩に行くことにした。T口さん達は摩天岩に行くとのこと。前絵星岩へは、私はヨセミテツアー前の練習として5月にT橋さんと訪れたことがある。
 不動沢を石伝いに渡り、踏み跡から前絵星岩の基部へ。ここで3人ずつ2組に分かれ、H内さん、K池さん、I田さんは基部からジキルやハイドの取付きへ行き登って行くことにし、私を含む残り3人は左から回り込んでアプローチ道を登って上部の新緑荒野4P目や晩秋荒野の取付きへ行くことにした。
 上部の取付きに着き、まずは私が既登の新緑荒野4P目を登ってTr.を張る。M藤さんとT城さんがTr,で登る。

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(↑新緑荒野4P目を登るM藤さん)

○「晩秋荒野」5.10a ×
 私は晩秋荒野5.10aをトライすることにした。このルートも5月に一度トライしているのだが、核心の乗っ越しが越えられず途中で降りてきた経緯がある。今回はもちろんRPを狙っているのだが、ハンドジャムをきめながらいよいよ核心部に取り掛かる。左手はジャム気味だが、右手で保持できる良いホールドが見当たらない。何とか乗っ越そうとしていると足が滑ってフォール。その際に腕を岩で擦り剥いて血がにじむ。くそー。

 壁の中央にある「真夏の太陽」5.10cをTr.で登ってみる。出だしのクラックが途切れているところにはボルトが2本ある。ボルトセクションからフレークに取り付き、左トラバースして左上するクラックに至ると後はそれほど難しくない。ロワーダウンの途中に、晩秋荒野のムーブを確かめる。
 時間があれば晩秋荒野にリードでやってみたかったが、この日は時間が無くてできず。

 H内さんがアプローチ道から登ってきた。K池さんとI田さんはジキルかハイドのどちらかを登って、ここにやって来るようだ。

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(↑晩秋荒野を登るK池さん。写真横向き)

○「水平飛行」5.10b
 H内さんと水平飛行を登りに行くことにした。このルートは新緑荒野の左側の壁に、水平に走るワイドクラックを辿るもので、その登り方からルート名が付いているようだ。
 まずは私がTr.で新緑荒野を再び登り、水平飛行との分岐でカムでビレイ支点と取る。H内さんが登ってきて、いよいよ核心となる水平部分はH内さんがリードする。5番と6番のカムをそれぞれ2セット。4番以下のカムも用意。
 出だしからいきなりワルいようだ。すぐに枯れ木に行き当たり、それを手で掴みつつ身体を避けるのが大変そう。下では4人が写真を撮りながら見守っている。じりじりとH内さんは進んで行き、ビレイ点から姿が見えなくなってしばらくしてからビレイ解除の声。
 続いて私のフォローで続く。腹這いになって、右手右足を水平のオフィドウスに入れ、左半身は外に出ている感じで、じりじりと進む。枯れ木を何とか回り込み、さらに腹這いに張って進んで行く。こんなクライミングはやったことがない。普通は上に登っていくからヘンな感じだ。オフィドゥスが狭い箇所があって、4番や3番のカムがきまるくらいになるとハンドジャムもしやすくなり、進むスピードもあがる。
 やがてオフィドゥスが終わり、身体を外に出して左下にクライムダウン気味に進む。その先にビレイしているH内さんがいる。クライムダウンのパートでは、左下するクラックが続いているが、使うカムはずっと小さめ。足元のフェイスにはよく見れば小さなフットホールドがある。とりあえずノーテンで抜けられた。
 また来る機会があったらその時はリードしてみたい。逆水平飛行とか言って、左から右に戻れば、オフィドゥスで身体の左右をどちらも使うから良い練習になるかも。
 そこから上に続くフレアードチムニーのピッチというのがあるらしいのだが、時間もあまりないのでここから懸垂下降で降りることにした。

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(↑水平飛行をリードするH内さん)
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(↑水平飛行フォローの私)
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 今日も暗くなる中を下山する。不動沢の駐車場でM藤さんとT城さんと解散し、4人で帰途へ。先週も寄った韮崎IC近くの台湾料理屋で夕食。この日は珍しく?お客がとても多く店員はてんてこまいだった。私は青椒肉絲定食980円を食す。満腹だ。例によって小仏トンネルの渋滞につかまり、皆を駅や自宅まで送って解散。

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(↑台湾料理 龍福。写真横向き)
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(↑青椒肉絲定食)

 今秋は瑞牆に行く機会が多く、少しばかりクラックの力も付いてきた感じがする。翌日、週明けの月曜日はもちろん勤め先に出勤したけれど、何だか全身の筋肉がいつも以上に疲れて重い。フィストジャムのN字クラックだとか水平飛行をやったせいで、慣れないムーブに余計に疲れたのかもしれない。また、がんばろーっと。

瑞牆山十一面岩・左岩稜末端壁、左岩壁「山河微笑ルート」 ~ 小川山親指岩・お殿様岩

2014.10.10(金)~12(日)
 体育の日の3連休は、前週に続く台風接近の予報から、世間より一日早く出かけ、雨が降り出す前日に帰ることにして、秋晴れの3日間、瑞牆と小川山の岩場を巡りクラックのルートを登ってきた。
 所属山岳会のH内さんおよび静岡県のS木さんと一緒に、また3日目の小川山では他の会員らも加わって、充実したクライミングを楽しめた。
 10日(金)は、3人で瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁へ。私は「T&T」5.10dをRPでき、「春うらら」1P目5.11bにトライ。
 11日(土)は、3人で十一面岩左岩壁にある「山河微笑ルート」(4P,5.10a)を登ったあと、小川山に転進。
 12日(日)は、私は「クレイジージャム」5.10dを再登。その後、お殿様岩に移動し、皆で「イムジン河」5.11c/dにトライ。

■10/10(金) 瑞牆山十一面岩・左岩稜末端壁 「T&T」5.10d RP
 朝、H内さんの車で中央道経由で、瑞牆山の植樹祭広場へ。ここで初対面となる静岡県のS木さんと合流。今日はこの3人で末端壁へ。駐車場にはインストラクターなどをやっている名立たるクライマー達が大勢集まっていた。瑞牆の各岩場で登っている写真を撮影するためらしい。
 3週間ぶりの末端壁では、前回「アストロドーム」5.11aをRPできたものの、続く「T&T」5.10dではヨレてRPできないままとなっていたので、この日の目的はまずはT&Tを登ることだ。
 前回訪問時よりさらに秋めいた中、末端壁に到着。岩はよく乾いていそうだ。「調和の幻想」1P目をアップで登る。
 すると、「春うらら」1P目5.11bを登ってテラスに立った女性ペアの一人が、2P目5.12aを登るところだったので、皆で眺めることにした。今回写真撮影のためということで、女性はこのルートはもちろん既登で、離れたところからカメラマンがカメラを構えている。撮影する中、見事再登していた。2P目ということで末端壁の上のほうを登っているので、見栄えがするルートだ。いつか自分もこんなルートを登れるようになりたいものだ。

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(↑春うらら2P目を登る女性P)
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(↑写真横向き)

○「T&T」5.10d RP
 さて、前回力尽きたT&Tにトライ開始。下部のコーナークラックの出だし部分が濡れていたけれど、なんとか登れそう。コーナークラックをこなしテラスで休んでから、上部のフィンガークラックに取りかかる。足の入る縦長穴から先から傾斜の緩くなるリップを乗っ越すまでがフィンガージャムが続く。しかし1便目は寝不足もあって身体が重く感じ、リップを取ったまではいいが乗っ越すことができずフォール。くそ。
 少し昼寝も挟んでから2便目を出す。フェイスのフットホールドもきちんと使い、先ほどよりはずっとラクに核心部をこなすことができた。RP。やった。トップロープで触ったのを含めて通算6便かかった。

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(↑T&Tを登る私。これは登れなかった1便目。写真横向き)
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 S木さんはアストロドームに、H内さんは「トワイライト」5.11cにトライしている。

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(↑アストロドームを登るS木さん)

○「春うらら」1P目5.11b ×
 T&Tが登れたので、夕方で撤収時間が近づいてきていたけれど、前回Tr.で一度だけ触った春うららの1P目をリードしてみることにした。出だしが最初の核心。前回、人が登っているのを見ていたけれど、ムーブを忘れてしまってテンション。チョンボして通過。その後、かぶり気味のところも核心で、何度もテンションしながら越える。このルートはT&Tやアストロと比べると、グレードどおり早々登らせてはくれなさそう。また、登る機会があったら頑張ろう。

 ヘッ電を点けて下山。S木さんの車で、信州峠を越えて川上村のヘルシーの湯で汗を流し、ナナーズで買い出し、ふじもとでビビンバなどの夕食を済ませ、植樹祭広場に戻ってテント泊。

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(↑帰路、夕焼けの八ヶ岳~御嶽山方面を望む)

■10/11(土)  瑞牆山十一面岩・左岩稜末端壁、左岩壁「山河微笑ルート」(4P,5.10a)
 山河微笑ルートは、私は昨秋にも一度登ったことがあるが、2P目では大チムニーとは異なるところを登ったり、テンションしたり、核心の4P目ではカムエイドしまくったりしていたので、今回はできる限り全てテンションせずフリーで登るのが目標だ。
 今日も晴れている。植樹祭広場から十一面岩末端壁までは約40分。さらに正面壁や左岩壁までは20分ほど。ベルジュエールの取付きを確認し、洞窟状のつばめハングを横目に、山河微笑の取付きに到着する。このルートに取り付いている他のパーティーはいないようだが、我々が取付きで準備しているときにやって来たパーティーは、山族79黄昏ルートを登るそうだ。
 山河微笑は全4Pで、核心は4P目の5.10aのワイドクラックだ。3人登攀なので、リードが引いていくロープ2本のそれぞれ先にセカンドとサードが繋がる。

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(↑十一面岩左岩壁を望む)

 1P目(5.8) リード私。昨秋もリードしているので何となく覚えている。登った先の小ハング下からハングを左に抜ける辺りが一応の核心。左上するようにトラバースし、さらに大木に向かって右上すると大きな木が何本かあるテラス内に入れる。前回同様ノーテンで登れた。

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(↑1P目を登る私)

 2P目(5.7) リード私。分厚い板状の岩があり、前回はその左手をチョンボしながら登ったのだが、山河微笑の正規ラインは板状岩の右にある大チムニーだ。チムニーの中に入り込み、壁に背中を押しつけるようににじり上がる。チムニー内を登って行くと、左手にもクラックが出てくるが、そのまま登って頭上のチョックストーンを越えるように左手にクラック側に登って行く。二俣に分かれるようなクラックを左にいくと、またテラスに出る。ノーテンで登れた。

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(↑2P目の大チムニー内でジャミングする私。写真横向き)

 3P目(5.9) リードS木さん。前回私がリードした時はカムエイドしまくりだったピッチ。木登りから右上気味にコーナークラックが伸びている。S木さんが粘ってノーテンで抜ける。前はチョンボしまくりだったけれど、またこのルートを登る機会があったら、きちんとノーテンでリードしたいもの。このピッチの終了点のテラスは、左上から回り込んでくる山族79黄昏ルートと近づく。そのルートを登っているパーティーがまさにカンテを回り込んで登ってくるところに出合った。

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(↑3P目を登るS木さん。写真横向き)

 4P目(5.10a) リードH内さん。核心のオフィドゥスの取付きに至るには、3P目終了点のテラスから、右上にある岩を乗っ越すようにしてからクライムダウンする。カムでビレイ支点を作る。
 5番や6番といった大きなキャメロットをぶらさげてH内さんが登り始める。出だしのオフィドゥスからして相当ワルそうだ。H内さんは右足をオフィドゥスに入れるようにじわじわと登っていき、寄りかかれるようなところでレスト。さらに右上気味のところに入っていくも、さらに難しそうでそこでテンション。
 フォローで続くと、出だしのOWはやはり難しい。OWの左縁をレイバック気味にして登って、ある程度のぼったところからOWに入った。これではリードだとカムがきめられないだろう。レストポイントから左手のOWに入って行くのだが、ここもやはり難しい。フィストがきまらない幅なので、私は両手の甲と甲を合わせたリービテーションにして、その手を上にスライドさせながら登ったが、これではやはりリードではカムがきめられない。
 何とかノーテンで突破できたとはいえ、ロープで吊られているという安心感からできただけだ。後半は左にカムをきめながらフェイスを登るセクションで、頭上の小ハングを右に抜けると眺めの良い岩棚上に出て終了。

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(↑4P目を登るH内さん)
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 小ヤスリ岩に大ヤスリ岩、ベルジュエールのある隣りの十一面岩正面壁、沢筋を挟んだ対岸には大面岩やカンマンボロンが見える。富士山も眺められた。

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(↑小ヤスリ岩、大ヤスリ岩方面を望む)
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(↑奥壁に立つパーティー)
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(↑植樹祭広場を遠くに見下ろす)

 先行パーティーに続いて懸垂下降で取付きに戻る。途中、ヤブの中に入ったりしたものの、懸垂4回で暗くなる頃取付きに帰着。今日もヘッ電下山。台風が接近しているが、明日までは天気が持つという予報。この土日で所属山岳会もメンバーら3人が小川山に来ているとのことで、我々も今夜中に廻り目平に入り、彼らに合流することにした。
 車2台で信州峠を越え、ヘルシーの湯とナナーズに寄ってから廻り目平へ。所属山岳会のO田さん、K藤さん、それから富山県から来たMさんがバーベキューをやっているところに合流。

■10/12(日)  小川山親指岩・お殿様岩
 ちょっと早めに起きて、先にS木さんと岩場に向かうことにした。今日の予定は、まずは親指岩の「クレイジージャム」5.10dでアップしてから、お殿様岩の「イムジン河」5.11c/dをトライするというものだ。私は3週間前にクレジャムをRPしたばかりなので、アップというにはキビしいけれど、これくらいのルートをノーテンで安定的に登れるようになるためにも機会を見つけて登らないと。
 親指岩に向かう途中、昨夜お邪魔したO田さん達のテントに寄ると、ちょうど朝食を作っているところだった。彼らも後で親指岩に来るとのこと。

 クレジャムにはまだ誰も取り付いておらず、まずはS木さんが登る。S木さんは二日酔い気味なのと風邪気味という不調を訴えながらもノーテンで登る。私が登り出そうとしたところで、O田さん達もやって来たので、彼らがトップロープで登るのを兼ねて、彼らのロープを貸してもらうことにした。
 アップといえるほど余裕はなかったけれど、9月に登ったばかりなので、その時よりは余力を持って登ることができた。こうして再RP。

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(↑クレイジージャムを登る私。以下の写真も。横向きの写真あり)
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 O田さん達がTr.でクレジャムを登り出した頃、先日、瑞牆十一面末端壁で会ったH内さんの知り合いのHマさんがやって来た。HマさんはM田さんと待ち合わせをしているそうで、クレジャムのあと、我々と同様、イムジン河に移動するという。
 のんびり朝を過ごしているらしいH内さんはまだ親指岩に来ていなかったけれど、10時を過ぎた頃、私とS木さんは先にお殿様岩に向かうことにした。ほぼ水平の踏み跡を辿ると10分もかからずにお殿様岩に到着。

○「イムジン河」5.11c/d(1便目) ×
 イムジン河を触るのはもちろん初めて。昨秋、お殿様岩の下を通りかかった際にちらと見ただけだ。こんなキビしいグレードのルートは自分には関係ないと考えていたからだけど、ダメ元でもトライしてみる意義はあるだろう。
 フィックスロープの張られた斜面と岩を登ったところが取付きだ。ここでカムなどでビレイ支点を作る。見上げるクラックは、フィンガーよりも細そうなサイズだ。出だしのクラックから、途中で右隣りのクラックに移るようだ。フットジャムががっつりきまるようなところはなく、フェイス的な登りになると聞いていたので、シューズもフェイスルートで履いているキツめサイズのものを用意。

 まずは私がリードでトライ。エイリアンやナッツをぶらさげて登り始める。しかし、出だしからいきなりキビしい。細かく書いても仕方ないのだが、とにかく延々とカムエイドを繰り返して終了点に達するという高所作業だけで終わってしまった。
 細いクラックに小さなカムやナッツをきめながら登るのだが、フォールした際に本当にプロテクションが持ち堪えてくれるかどうか自信がないので、リード状態でカムをセットしていくのが怖いのなんの。
 とにかく、高所作業を終えて、S木さんと、後から来たH内さんがTr.で登る。二人とも何度もテンションしながら登っていったものの、H内さんは昔4撃で登っているそうだ。すごいなあ。
 その後、M田さん、Hマさん達がやって来たので、M田さんの華麗な登りを見たかったけれど、親指岩でクレジャムを登っているはずのO田さん達の様子を見に行くことにした。

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(↑イムジン河を登る私。カムエイドしまくりで鯉のぼり状態。写真横向き)
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(↑イムジン河を登るS木さん。写真横向き)

 親指岩に着くと、ちょうどK藤さんがトップアウトしてトップロープ支点を回収するところだった。Mさんは途中のOWまでで降りたらしいけれど3人ともそれなりにトライしたようだ。反対側の小川山レイバックも登りたいとのことだが、別パーティーが大勢いて時間がかかりそうだったので、皆でイムジン河を見に行くことにした。

○「イムジン河」5.11c/d(2便目) ×
 お殿様岩に戻って、M田さんが再び架けてくれたTr.を借りて2便目を出すことにした。Tr.支点は、右上のイムジン河終了点ではなく、そこからスラブを登ったところにあるスーパーイムジンの終了点に作られており、そうするとクラックに沿ってロープがまっすぐ架かるようになっている。
 S木さんにビレイしてもらい、Tr.で登り始める。そうすると先ほどは30㎝ごとにテンションしていたところがさくさくと登れた。右上の終了点テラスのリップガバに至る手前のごく小さなハング状の難しめのところでフォールしてしまったけれど、そこまではノーテンでいけ、結局Tr.で1テンで登れてしまった。
 Tr.の安心感というのは絶大だなあと思いつつ、これがボルトルートだったらムーブ的には、グレードどおりのイレブンプラス程度なのかもしれないと思った。まともなジャミングというのはあまり無くて、クラックの縁を保持したりと、フェイス要素が強いルートなのだが、ボルトルートのフェイスの5.12aならもっとキビしいと思われるからだ。
 となると、ボルトルートに比べてナチュプロルートは総じてグレードがずっとキビしく感じるのだが、このルートについて言えば、その差はプロテクションをきめるキビしさや怖さなのかも。
 クラックが今よりもずっと登れなかった以前に、屋根岩2峰にある蜘蛛の糸5.11cをトライして1テンまで持ち込んだことがあったけれど(結局未だRPせず)、あのルートのクラックもフェイス的なホールド保持だったので、そこまで持ち込めたのだろう。
 いかにプロテクションをきちんときめて、それを信頼して登れるかが完登の成否となりそうだ。また機会があればトライしたいものだ。

 S木さん達がイムジン河に2便目を出している間に、O田さん達とともに私は再び親指岩へ。小川山レイバックには別Pが取り付いていたので、それを待って、私がリードしてTr.を架けた。O田さんとMさんがTr.で登った。

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(↑小川山レイバックを登る私。写真横向き)
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(↑小川山レイバックを登るMさん)

 再びお殿様岩に戻ると、私が親指岩に行っている間にS木さんは下山して先に帰ったとのこと。やはり体調が思わしくないようだ。暗くなる中、H内さんと下山。道の駅南きよさとを経て、韮崎ICに入り前に、中華料理屋で夕食。大月の先で例によって渋滞に巻き込まれたけれど、日付が替わる前には帰宅。

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(↑台湾料理屋のカシューナッツ炒め定食。ボリュームたっぷり)

 体育の日の月曜日。朝から降り出した雨は午後になると雨脚が強くなってきた。台風が近づいてきているらしい。この日は、クライミングの疲れと寝不足もあって、家から一歩も出ずに過ごすと決めて、昼寝したり読書したりと本当にごろごろして一日を過ごした。

甲府・兜岩(かぶといわ)

2014.10.04(土)

 台風の接近に伴う前線の影響で日曜日は雨の予報だったので、土曜日に日帰りでクライミング。
 行き先はこれまで3回訪れたことのある甲府の兜岩。過去3回とも大手門というエリアでばかり登ったけれど、今回初めて甲府城というエリアを訪れた。さらにそのすぐ上にあるのろし台というエリアでも登った。
 メンバーはI澤さんとT橋さん、私の3人。T橋さんとは6月にヨセミテに一緒に行ったし、先々週も小川山で会ったばかりだけど、I澤さんに会うのはずいぶん久しぶりだ。
 兜岩では、2年ほど前だったかクライマーが山火事を起こしてしまって、一時クライミングが自粛されたけれど、昨年6月に私が訪れた時のように、再び少しずつ登られ出しているようだ。

 現地登山口の駐車場に集合することになり、私は前夜のうちに出発することにした。中央道には乗らず、国道20号線を延々走って、深夜に道の駅甲斐大和に着いたところで車中泊。
 翌朝は途中のコンビニで弁当やコーヒーを買いつつ、兜山の登山口へ。よく晴れている。9時に集合。3人で岩場へ向かう登山道を歩いていくと、足元に栗のイガがたくさん落ちている。ヤマグリだという。T橋さんがいくつも拾っているので、私も拾った。皮を剥くのに手間がかかりそうだが、栗ご飯など作れそうだ。あと、クルミもたくさん落ちていたので拾った。オニグルミとのこと。外側の果肉を取り除かないと中の硬い殻が出てこないのだが、その果肉はしばらく土の中に埋めて腐らせれば良いらしい。殻の中の実の部分は生で食べられるという。これも手間がかかりそう。

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(↑拾ったヤマグリ)

 通り過ぎた大手門エリアは、昨年来たときよりも落ち葉などに埋もれた分だけ山火事の跡が少なくなっていた。大手門を過ぎてもう少し歩くと、甲府城エリアに着く。ここで荷物を広げる。

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(↑甲府城エリア)

 左奥に一段上がったところにある壁に行き、「MY SONS」5.10cと「のりピー」5.9でアップ。MY SONSは核心となる後半に右上にハンドジャムをきめるところがある。ここのところクラックを登る機会が多かったので、無理にフェイスのカチを保持するよりジャミングするほうが安心感があったりする。

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(↑MY SONSを登るT橋さん。写真横向き)

 それから私は、「ディライト」5.11bをトライ。T橋さんによると、このエリアの看板ルートとのこと。中盤にあるパーミング気味から左トラバースから凹角への直上が最初の核心で、テラスから終盤の右上クラックのフレークを取る一手が次の核心。オンサイト。

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(↑ディライトを登る私。写真横向き)


 T橋さんがのろし台のルートをトライしに行くということで、私もこのエリアのルートを登ることにした。「クニマス」5.11aをオンサイト。
T橋さんは「大吉」5.11bをトライしていたけれど手強そう。甲府城とのろし台を往復しながら、I澤さんもディライトにトライ。

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(↑大吉を登るT橋さん)

 私は、甲府城の「沢のあいまに」5.11b/cにトライ。これは出だしの数手がカチホールドの核心。1便目はテンションしつつムーブ探りとなる。右側のカンテは限定とのこと。2ピン目をクリップして頭上のクラック状に手が届けば実質終わりだ。2便目でレッドポイント。
 T橋さんは大吉のトライをやめて、となりにある「キープ・ライト」5.11bをトライして2便目で見事RP。
 最後に私はその「大吉」5.11bをトライ。柱状の岩の両側のカンテを持ちながら登って行く。ところどころ右足をカンテにトゥフックしたりする。両側のカンテに手を伸ばすので、リーチ次第で成否が分かれそう。T橋さんもそれでトライを断念したようだ。上部に至ると足を置けるところもなくなる核心となる。頭上のフェイスに右手サイドで持てそうな大きなホールドがある。それを右手で保持するのを利かすため、右足はほとんどスメア気味に壁の中に当てる。左手は左カンテ。そうしておいて左カンテ上方に突き出たホールドが見えるので、伸び上がってキャッチ。思わず声が出る。さらに終了点直下のバンドのリップを保持するが、目の前のボルトにクリップする余裕がないので、クリップを飛ばしてバンドに上がると終了点。ふう、オンサイトできた。

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(↑甲府盆地を望む)

 こうして5.11台前半ばか4本登った。私は5.11a以上の完登ルートはこつこつと記録をつけていて、2週間前の瑞牆十一面末端壁のアストロドームで500本を数えたのだが、今日の4本を加えて504本となった。5年弱で500本だから、年100本ペースか。イレブン台ばかり登って本数稼ぎしてないで、グレードも上げていかないとなあ。
 I澤さんは夏頃から風邪なのか体調不良が続いているそうで、この日も調子が悪いみたいだった。暗くなりヘッ電を点けて下山。

 I澤さん達と解散して、私は近くにある岩下温泉旧館に寄って疲れた身体を癒す。源泉の浴室のほうは廊下から半分丸見えといった感じ。400円。
 やはり中央道には乗らず、青梅街道を柳沢峠経由で帰る。御岳まで来たところで車中泊することにした。御岳ボルダーで以前よく通った場所だが、発電所の駐車場はゲートができて有料化されてしまっていた。冬期は無料になるらしいが、ここの使い勝手が悪くなってしまったのは残念。寒山寺駐車場のほうは従来のままだった。

 台風接近に伴う前線の影響か、未明から雨が降り出す。車中泊した日曜日の朝はゆっくり起き出して、途中マックで読書をしたりしながら帰宅。

瑞牆山不動沢不動岩 ~ 小川山親指岩「クレイジージャム」5.10d RP、小川山「大聖堂」5.11c/d Try、瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁「アストロドーム」5.11a RP

2014.09.20(土)~23(火)
 天気に恵まれた4日間、瑞牆と小川山の岩場を巡りクラックのルートをたくさん登ってきた。
 所属山岳会のH内さんと一緒に、またその他の会員らも入れ替わり加わって、充実したクライミングを楽しめた。
 20日(土)は、5人で瑞牆山不動沢不動岩で、「牛乳びんクラック」5.10bなどを登った。
 21日(日)は、小川山に転進し、7人で親指岩へ。私は「クレイジージャム」5.10dをRPできた。
 22日(月)は、H内さんと2人で小川山にある「大聖堂」5.11c/dというアプローチの長いルートをトライ。
 23日(火)は、再び瑞牆山に戻り、6人でと一面岩末端壁へ。私は「アストロドーム」5.11aをRPできて、クラックで初イレブン台となった。

■9/20(土)  瑞牆山不動沢不動岩
 金曜日夜、私の車でH内さん・F田さんと待ち合わせ、北杜市内の某所でテント泊。翌朝、T塚さん・S原さんと合流してから、植樹祭広場を経て不動沢の駐車場へ。今日はこの5人で登る。
 不動沢の岩場は、私は最も近い屏風岩に今年5月に二度行ったことがあるだけで、今回はもっと奥にある不動岩に行くことができた。
 小一時間ほど歩くと右岸に不動岩があり、そのすぐ先に不動滝がある。「牛乳びんクラック」などのルート取付へは、沢に面した岩の基部から左の急な斜面を登って行く。不動岩に寄りかかるように立つ木の根元付近から岩に取り付くのでそこでロープを出す。H内さんがリードして木を越えて岩を右に回り込むように登って行く。5人でロープが4本あるのでフォローがバックロープを引きながら続いて登る。ギアを入れたザックを背負ってのトラバース部分は結構微妙なムーブだ。
 木の生えた狭いテラス状に到着。見上げると凹角の先にハング下岩の左右にクラックがあるようだ。さらにその左にももう1本。右から「牛乳びんクラック」5.10b、牛乳びんと出だしを共用する「未来の力」5.10d、それから「ワイルドハート」5.10a。

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(↑不動滝)

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(↑不動岩の上部ルートへのアプローチを登るH内さん)

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(↑あぷろーとのトラバースを行くF田さん)
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(↑頭上のクラックを見上げる)

○「牛乳びんクラック」5.10b
 まずは私が牛乳びんクラックをリードする。ハング下に至る途中のオフウィドゥスも慣れない最初は手こずる。ハング下はアンダーでハンドジャムがきめながら右上へと抜ける。その先をずっと登って行くとオフウィドゥスを過ぎピナクルに立つ。トップロープを張る場合、ここでスリングやカムで支点を構築すべきだったのだが、そのまま左上に登った私はボルト支点でトップロープを張る。オンサイト。
 そのままロワーダウンすると60mロープではわずかに足りなくなってしまう。途中、もう1本のロープを繋いでとりあえず取付に降り立つ。ロープの流れが非常にワルく、ロープを引くのにひどく力を要するようになってしまった。とりあえずT塚さんにTr.で登ってもらい、S原さんがフォローで登って、2人で懸垂下降2ピッチで降りてきた。

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(↑牛乳びんクラックを登るF田さん)

○「未来の力」5.10d
 続いてH内さんが登って架けたTr.で未来の力にトライ。出だしは牛乳びんと同じ。牛乳びんのハング岩を右手に通り過ぎ、もっと上にあるハングした岩を越えるのが核心だった。ハング下をレイバックやフィストなどを試みて突破を試みるがキビしい。Tr.なので、一度フェイスのホールドを使って身体を引き上げてハングを越えられたけれど、つぎにリードでトライした時は、Tr.との勝手の違いから歯が立たずAゼロしながら越えざるを得なかった。このルートは今の私の実力では無理そう。

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(↑未来の力を登る私)
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(↑未来の力を登るH内さん)

○「ワイルドハート」5.10a
 こまかなムーブは覚えていないが、ハンドやフィストだったような。ある意味、牛乳びんよりも難しい感じだが、オンサイトできた。
 ほかの人達もそれぞれルートを登った。テラスからは懸垂下降で、朝上がってきた寄りかかる木のところに降り立つ。さらに沢近くまで降りるのも急なので懸垂下降する。沢近くに降り立った時はほとんど暗くなっていた。ヘッ電を点けて不動沢の駐車場に戻る。疲れた。F田さん・T塚さん・S原さんと解散し、H内さんとともに信州峠を越え川上村へ。ナナーズに寄ってから廻り目平キャンプ場入り。この週末、所属山岳会のメンバー10数名がキノコ狩りをしながらクライミングをしているので、そこに飛び入り。ちょうど夕食を食べ始めるところで、キノコや焼き肉をいただく。23時頃になって張ったテントに戻り寝る。

■9/21(日)  小川山親指岩「クレイジージャム」5.10d RP
 朝、ゆっくりと起きて所属山岳会のグループのテントサイトへ。H内さんとこの日の行き先を相談して、親指岩に行くことになった。親指岩と言えば「クレイジージャム」5.10dだ。私は昨年9月にトップロープで一度だけ登っている。その時はテンションしまくりで、とてもリードなんてできそうにないと感じたけれど、今回親指岩に行くとなればもちろんリードしてレッドポイントを狙いたいところだ。H内さんと私がクレイジージャムに行くと話したところ、10数人のうち5人も登ってみたいということになった。I田さん・K池さん・K寅さん・T橋さん・K島さん。7人で哲学岩を見物しながら親指岩へ。小川山レイバックには1パーティー取り付いてたが、回り込んだクレジャムには10時頃にも関わらず誰もおらず。
○「クレイジージャム」5.10d RP
 クレジャムは反対側の小川山レイバックを2P登って岩塔に出てトップロープを張ることもできるが、ほかのパーティーが取り付いている。Tr.架けも兼ねて私がリードで登ることにする。使用するカムのサイズをH内さんに聞きながら選ぶが、どうしても多くなってしまう。結果的には出だしで0.75番キャメ、2番の快適なハンドサイズを経て、オフィドゥスでは3~4番、最後右上するところでは0.3~0.5番を使って岩塔へ出た。
 ということでトライ開始。ビレイヤーはK島さん。出だしでハンドジャムをきめて身体を引き上げると両サイドの壁のフットホールドに立てる。レイバック気味を交えながら序盤を終えると快適なハンドクラックに入る。落ちるのがコワいと思い、序盤では0.75番を3つも使った。ハンドクラック部分は本当に快適。ハンドジャムとフットジャムを交互にきめながらさくさくと登っていける。
 そして核心のオフィドゥスのセクションに入って行く。いつまでも両手でジャムはしていられなくなり、左半身をオフィドゥスに入れるようになる。左手左足はオフィソゥスの奥でジャム。右手はチキンウイングで右側の内壁に手のひらを当てる感じ。右足をどうすべきか分かっておらず戸惑っていた私に、下からH内さんがヒール&トゥとアドバイスをしてくれた。右足のつま先とかかとを前後の壁に当てると姿勢が安定する。四肢をひとつずつ少しずつ動かしながら背中ももぞもぞと上に動かしていく。息が荒くなるが、それでもじわじわと高度を稼いでいく。傾斜が緩くなってきて、ガバをつかむとオフィドゥスを抜けることができた。
まずは一安心だが、ここで気を抜くワケにはいかない。見上げると右上するクラックがある。水平に走るフットホールドもあるので、クラックに0.3番キャメなどをきめながら少し右にトラバース。それからフェイスのフットホールドを拾いながらクラック右上抜け口にハンドジャムをきめると右上の棚に出る。そこから左上に乗りがると広い岩上だ。終了点のボルトにセルフビレイを取る。やったーと叫ぶ。下から皆の祝福の声が聞こえる。初めてのリード、通算2便目でRPできた。
 カムを回収しながら取付にロワーダウン。ビレイしてくれたK島さんと握手。昨年Tr.でトライした時は、およそリードできるとは思えなかったけれど、1年後にこうしてリード1撃で登れるとは思ってもみなかった。

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(↑クレイジージャムをRPする私。写真横向き)
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(↑写真横向き)

 Tr.でI田さん、K池さん、K寅さん、T橋さんがクレジャムにトライ。I田さんは何度もテンションしつつもトップアウト。K池さんはオフィドゥスで1テンしただけでトップアウト。K寅さんは出だしで苦戦しつつ、OWまで登った。T橋さんも頑張ってOWまで登る。

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(↑クレイジージャムを登るI田さん)
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(↑クレイジージャムを登るK池さん)
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(↑クレイジージャムを登る喜寅さん)
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(↑クレイジージャムを登るH内さん)
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(↑クレイジージャムを登るT橋さん)
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(↑M田さんのクレイジージャムの華麗な登り)

○「小川山レイバック」1P目5.9+
 合間に皆で小川山レイバック1P目5.9+にもトライ。H内さんが登って張ったTr.でI田さん、K島さん、T橋さん達がトライ。最初のリードトライの出だしで苦戦していたI田さんはその次のトライでRPできたらしい。
 私も何年かぶりにリードしてみたが、レイバック姿勢になることもなく、ビレイヤーとおしゃべりをしながら余裕をもって登ることができた。ほとんどクライミングを始めたばかりの頃に、初めてこのルートに触った時はテンションしまくったものだが、あの頃よりはずっと力が付いたのだと思う。

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(↑小川山レイバック1P目を登るK島さん。写真横向き)

○親指岩上ボルダー 3級
 残った時間で、親指岩上ボルダーへ。H内さんによると、フィンガークラックのあるボルダーで、トップロープを張れるという。
 着くと、ボルダーの山側に数メートルのフィンガークラックが走っている。ボルダリングのグレードで3級とのこと。となりに残置ロープが下がっているので、それを掴んで岩上へあがり、Tr.を張る。
 まずは私がトライしてみる。右手はサムロックにしてフィンガーを辿るが結構キビしい。ロープで吊られているから良いものの、ボルダリングするのはマットがあってもコワい。とりあえずノーテンで登れた。皆も登ってみる。
 私はもう一度トライ。足もクラックだけという限定だと1級とか。足限定だと格段に難しくなる。1テンで登ったけれど、吊られているからよく分らない。

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(↑親指岩上ボルダー3級を登るI田さん。写真横向き)

 こうしてこの日のクライミングを終える。同行した5人を含むキノコパーティーは土日だけなので、キャンプサイトで解散する。自分たちのテントサイトに戻る途中、ヨセミテに一緒に行ったT橋さんに会った。
 すっかり暗くなった頃、T沢さんの車を見つけ、T沢さんのいるテントを訪ねる。私とH内さんは、いったん川上村に買い出しに降りるので、ワインを買ってきてと頼まれる。
 ヘルシーの湯に寄ると、H内さんの知り合いのクライマーが何人もいて、しばし歓談。それからナナーズで買い出しを済まし、すっかり遅くなってしまったがT沢さんを訪ねる。Iロンさんという人もいた。確か3月に名張に来ていた人だ。焚火を囲んで歓談。

■9/22(月) 小川山「大聖堂」5.11c/d Try
 飛び石連休の谷間、人がぐっと少なくなった廻り目平の朝を迎える。出かける準備をしていると、岩場に向かうT橋さん達にまた会った。
 この日は、H内さんの提案で、大聖堂という長くかぶったルートを登りに行く。このルートは、Rock&Snow(ロクスノ)の029号で杉野保さんのOld but Goldという特集で紹介されているルートだが、アプローチの長さもあってか、ほとんど登られていないらしい。グレードは、特集記事では5.12a、でも体感5.11cとも。日本100岩場改訂版では5.11c/dとなっていたので、ここではそのグレードを記載した。
 アプローチは、1時間15分ほどかかった。林道から沢を渡渉してマラ岩に向かう道と分けて旧林道へ。枯沢を過ぎ、対岸にボルダーのある沢に出たら、最初は右岸の踏み跡を歩いていく。ところどころ不明瞭。右岸から枝沢が出合うところでケルンに沿って対岸に渡ったりと、その後は数回沢を渡り返す。上に行くほど踏み跡はさらに不明瞭になる。小滝状に水の落ちるボルダーの手前を左岸に渡ると、ごく小さな水流に沿って斜面を登って行くと、やがて水も無くなり、その先に岩壁が樹間越しに見えてくる。最初に着く岩はこけし岩らしい。基部に沿って左に登って行き、岩を回り込んだ頭上に、見間違えようがないかぶった岩が現れる。大聖堂だ。思わず持参したロクスノ029号と一緒に写真を撮る。

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(↑大聖堂へのアプローチを行くH内さん)
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(↑大聖堂を見上げる)
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(↑大聖堂)
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(↑ロクスノ29号と一緒に撮る。ちなみに、この号には私の写真が載っている。でも、見つけるは困難。「今、注目のクライマー」なんて記事では全くないので…。だけど、初めてロクスノを買ったのはそのため。 なお、この時の注目のクライマーは言うまでもなく表紙のこの人)

 大聖堂は2ピッチのルートで、コーナークラックが長く走っていて、1P目は寝た傾斜だが、2P目はぐんとかぶっている。1P目の終了点に水や食料、防寒着などを荷揚げするため袋に荷物をまとめる。
 1P目は5.9。60mロープ1本を使用。H内さんのリードで登って行く。右側のコーナークラックは出だしが多少苔生した感じだが特にワルくはなく、登るにつれてハンドジャムが快適にきまる。長さは15mくらいだろうか。終了点にはRCCボルトが2本打たれてスリングが結んである。念のためカムでバックアップを取っておいたほうが良いかも。荷物を入れた袋を先に引き上げてから、フォローで私が続く。

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(↑1P目を登るH内さん)
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(↑こんな感じでハンドジャムがバチ効き)
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(↑1P目終了点はRCCボルト2本にスリング、カラビナ)

 いよいよ2P目5.11c/dをトライ。4番までのキャメロットをどっさりぶら下げて私がリードする。ロクスノの特集記事を詳しくは読んでいないのでどんなルートなのか分かっていない。見上げると、ハングした鋭角のコーナークラックの左壁にボルトがいくつか打たれている。ハングを越えた先は見えない。
 ハンドジャムでカムをきめながら登って行くと傾斜が増してくる。RCCボルトにヌンチャクをかけランナーを取るとやはり安心感がある。登って行くと左壁に5番キャメがきまりそうな水平クラックが左へと伸びているのだが、「おしおきマシーン」というルートらしい。この水平クラックにどっかと足を置けるので傾斜を殺しながら少しレストできる。ボルトはまだ続いている。ハンドジャムからアンダーガバホールドを取りに行く。このガバアンダーから先がさらにキツくなる。ハンドジャムがきめられる隙間があるので、ガバアンダーを左で持ち、右手(クラック内にカタカタと動く小石のある箇所)、ちょっとワルい左手のハンドジャムを伸ばし、さらにもっと遠いクラックに右手を伸ばすのだが傾斜に耐えきれずここでフォール。最後のボルトの一つ手前のボルトまではノーテンで行けたワケだ。最後のボルトにチョンボがけする。
 フォールしたハンドから先はフィンガーになる。まだハングを抜けきっておらず、この先はカムエイドをしまくって身体を上げて行く。右側のフィンガーサイズのコーナークラックと左壁を使う感じで登って行くが、この便ではチョンボしまくり。それをずっと登って行くと3~4番がきまるサイズになってきて、終了点が近い。傾斜が緩くなり右上に上がると灌木に古びたロープやスリングとカラビナのかかる終了点があった。ロワーダウンするのに、手持ちのスリングでバックアップを取ったけれど、今後行く人がいたら、長い捨て縄を持参して掛け直したほうがよいだろう。

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(↑2P目を登る私。写真横向き、というか仰ぎ見る)
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 カムをそのまま残してロワーダウンすると、1P目終了点の10mくらい左下に降り立つので、右上して終了点に戻る。終了点直下のクラックにロープが入ってしまうようで、引き抜くロープがえらく重い。トップロープよりはリード&フォローのほうが良いだろう。
続いて、H内さんがカムを残したピンクポイントトライで登る。やはりフィンガーに代わる手前のハング抜け口がワルいようだ。その後のフィンガーのセクションはさくさく登れたようだ。左手は左壁をプッシュしたり左カンテを持つのがミソらしい。




 それぞれ1便ずつ出したところで時刻は15時。今度はリード&フォローで登ることにして、私がPPで登る。先ほどフォールしたところでやはりフォール。カムが無いので身体はずっと軽いのだがキビしい。しかしカムが残置されてクリップするだけでよいというのはラクだ。フィンガーのセクションではテンションはしたものの、チョンボせずにフリーで登れた。
 眺めの良い終了点でフォローで登ってくるH内さんをビレイする。懸垂下降2回でルート取付きへ。途中、1P目終了点にデポした荷物も回収しておく。なかなか大変なルートで、私の実力ではRPは遥か遠い話だが、またトライに来ても良いかも。

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(↑2P目を登るH内さん)

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(↑おしおきマシーンはこんな感じ。ボルトがいくつかある)
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(↑2P目の終了点は、ご覧のとおりかなりロープが傷んでいる…)

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(↑終了点からの眺め)
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(↑2P目フォローのH内さん)

 17時を過ぎて下山を開始。途中で暗くなってヘッ電を点ける。すっかり暗くなった旧林道を歩き、廻り目平に帰着する。明日は再び瑞牆で登ることになっているので、ゲートが閉まる19時前にキャンプ場をあとにする。ヘルシーの湯は定休日だった。ふじもとで夕食を食べてから、お店のおばさんにまだ開いているお風呂を聞くと、南相木村にある施設を教えてくれた。閉館まであまり時間がないので、急いでナナーズで買い出しを済ませ、滝見の湯という温泉施設へ。私は以前一度ここに来た記憶がある。入浴した時間は短かったけれど、汗を流して身体を温められたのは良かった。
 再び川上村に戻り信州峠を経て、22時頃に瑞牆山の植樹祭広場に到着。テントを張って寝るが、明日一緒に登ることになっている人達が深夜にやって来るので、彼らのためにもう一張りテントを張っておく。

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(↑ふじもとのビビンバ)

■9/23(火)  瑞牆山十一面岩左岩稜末端壁「アストロドーム」5.11a RP
 深夜に日帰りでやって来たメンバー達が来た気配は分ったが、そのまま寝続ける。すっかり明るくなってテントの外を覗くと瑞牆山の花崗岩の岩塔群がきれいに見える。4日連続で絶好のクライミング日和だ。
 夜中にやって来たのは、所属山岳会のI田さん・F田さん・T塚さん・M藤さんの4人。F田さん・T塚さんとは初日に一緒に不動沢不動岩に行ったし、I田さんは2日目に小川山親指岩に行っている。
 H内さんも起き出してきて、朝露で濡れたテントを干しながら、朝食を取ったり装備をまとめたりする。今日の行き先は十一面岩左岩稜末端壁。植樹祭広場で静岡の5.10さんに会う。5.10さんも末端壁に行くと言う。

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(↑朝の植樹祭広場にて)

 末端壁へはひと月前に行った以来だ。行くたびにトライしている「アストロドーム」5.11aだが、前回はテンションしまくりで、およそRPを狙える内容ではなかった。あれからひと月、この日の目標は言うまでもなくアストロドームのRPだ。一昨日クレイジージャムをRPした勢いで完登したいものだ。
 40分ほどのアプローチで着いた末端壁の岩壁はよく乾いている。まずはアップで「調和の幻想」1P目5.10aを登り、トップロープをかける。T塚さん達もTr.で登る。H内さんが「ペガサス」1P目5.10dにもTr.を架ける。

○「アストロドーム」5.11a RP
 アップ後、さっそくアストロドームにトライ開始。前半のバンドのリップを取れるかが最初の核心だ。T塚さんにビレイしてもらい、カムをぶら下げて登り始める。序盤はダブルクラック間の壁の凹みを活かして右足を深くキョンして膝を当てると身体が安定してラクになる。左右の壁にあるフットホールドに足を乗せられる高さまで来るといよいよバンドのリップ取りの核心になる。上に行くにつれてジャムが効きづらくなり、リップのガバを取るのにデッドで左手を出していたのだが、今回はこれまでよりもはるかにラクにジャムを保持できていて、気が付くとすぐそこにリップガバがあるのでスタティックに左手を出すだけで済んだ。そうしてバンド上に乗り上がる。
 連日のクラックで少しは鍛えられたのだろうか、疲れているはずなのに調子は前回よりはるかに良いようだ。後半も苦手意識があるのだが、ここまで来たら落ちるワケにはいかない。少しずつ高さを上げて行くのだが、やはり前回よりは余裕を感じる。頭上のハングした岩を左壁のガバホールドも使って凹角へと抜けると終了点だ。やった、RPできた。通算で10便近く出したのかもしれない。
 これまでのクラックのルートの自己最高グレードは5.10d。今年4月の城ヶ崎あかねの浜の「コモドドラゴン」が初めてで(フェイスのムーブだけど)、5月のここ末端壁の「ペガサス」1P目、6月の湯川の「サイコキネシス」。
 ということで、今回アストロドームが登れたことでクラックのグレードを更新できて、ようやくイレブン台の入口に立つことができた。

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(↑アストロドームをRPする私)
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(↑写真横向き)
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(↑写真横向き)
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 ちなみに、5.11a以上の完登ルートはこつこつと記録を付けているのだが、5年前の11月から数えだして、今回のアストロドームでちょうど500本となった。今年はそうでもないが、昨年までは年100以上のペースで5.11a以上のルートを登っていた。節目となる500本が初クラックとなったのは嬉しい。

○「T&T」5.10d ×
 「春うらら」1P目5.11bは前回8月にTr.で一度だけ触ったことがある。あの時はテンションしまくりだった。このルートを登ってみても良かったのだが、4月にやはりTr.で一度だけ触ったT&Tをやってみることにした。
 まずはTr.で登ってみる。コーナークラックになっている一番下からスタートする。後半部分のフィンガー部分も以前よりはずっとラクに保持できて、ノーテンで登れた。これはリードしてもイケるかもしれない感触を得た。
 ということで2便目はリードでトライ。序盤のコーナークラックをこなし、テラスでレスト。オフセットしたクラックに取り付く。途中の縦長穴から先がいよいよフィンガークラックの続くセクションだ。やはりTr.とは勝手が違うが、カムをセットしながら何とか登って行く。右手のサムカムがところどころよく効くところがあるので、そこでカムをセットする。いよいよ傾斜が緩くなる手前の水平ガバに至る。ガバを取った後、さらに左手をその先に続くクラックにジャムしながら乗っ越したいのだが、左手が出せない。そうこうするうちに力尽きてフォール。ああ。トップアウトして降りる。
 前のTr.トライの時から時間が短かったのでヨレていたのもあると思い、3便目はずっと長く休んでからトライ。しかし、4日間の疲れが蓄積しているのか、先ほど到達したところよりも下でフォールしてしまう。結局、この日のRPは諦めることにした。

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(↑T&Tを登る私)

 あとは皆があれこれトライしているのをビレイしたり眺めていたりして過ごす。H内さんはトワイライト5.11cにTr.で登っていた。I田さんも春うらら1P目5.11bにTr.で苦戦しながらも登っていた。M藤さんはアストロドームなど。以前もそうだったが、この日も岩場にいる他のパーティーは知った顔が多かった。

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(↑ペガサス1P目を登るF田さん)
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(↑春うらら1P目を登るUっちーさん)
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(↑ペガサス1P目を登るM藤さん)
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(↑トワイライトを登るUっちーさん)

 ヘッ電を点けて下山する。植樹祭広場でM藤さんの車に乗る3人と解散し、それぞれ帰途に就く。中央道では渋滞が解消されつつあるタイミングで助かった。
 それにしても、今回はクラックをいろいろ登ることができて、充実した4日間となった。クレイジージャムとアストロドームがRPできたし、大聖堂にもトライできたし。H内さん、ありがとうございました。

北海道クライミングツアー 後半

■9/2(火) 富良野観光~赤岩青巌峡1日目
 キャンプ場で皆で一緒に取る朝食は、パン、サラダ、ヨーグルトと毎日ヘルシーな献立だ。テントを撤収して、レンタカーの荷室にぎゅうぎゅうに荷物を押し込む。今日は、名寄を離れて赤岩青巌峡のある占冠に向かう予定だ。道中、美瑛や富良野で観光しながら。

○富良野観光
 今日はH野さんがずっと運転してくれた。士別から旭川までは高速道路を使ったけれど、あとはずっとした道だ。旭川から美瑛へ。「ぜるぶの丘」というお花畑のある観光施設に立ち寄る。10年前にサイクリングした時に寄った記憶がある。大雪山系が眺められる。
 南下して富良野に入る。ここではメロンをぜひ食べておきたいところ。シーズンは過ぎつつあるとのことだが、「ふくだめろん」に寄って皆でメロンをいただく。皮の近くまで甘くて柔らかく瑞々しい果肉がおいしい~。
 それから「ファーム富田」へ。ここは大きな観光施設だ。ここにも10年前に来ているが、なんだかずっときれいに改修されている感じ。U野さんとMねさんが家族にめろんを発送していた。先ほど生のメロンを食べたばかりなので、私は発送手続きを待っている間、メロンパンを食べる。おいしい。メロン味のクリームが入っていて、普通のパサついたメロンパンとは別物だ。
 さらに、これまた私が行ったことがあるところを案内する形で、「チーズ工房」に向かう。売り場にあるチーズを試食してから、チーズ味のソフトクリームもいただく。これまたおいしい。甘いものを食べすぎかも。

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(↑ぜるぶの丘から、大雪山系を望む)
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(↑ふくだめろん)
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(↑ファーム富田)
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(↑ファーム富田のメロンパン)
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(↑チーズ工房)
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 富良野の平野部を過ぎると山間の道を行くようになる。国道237号線から占冠へ。スパーという売店はあるけれど、外食できるようなお店はほとんどなさそうだ。時刻は昼過ぎ。まずはこのまま赤岩青巌峡に向かう。道道136号線の赤岩トンネルを抜け橋を渡ると右手の角に赤い岩が立っている。その角を右折すると赤岩青巌峡の駐車場がある。簡易な管理事務所があり、日中は管理人がいる。女性だった。駐車は無料だが、協力金と言うことで任意でお金を箱に入れておく。入林する受付簿への記入は必要だ。

○赤岩青巌峡
 さて、さっそく岩場に向かう。それにしても道路沿いに大きなボルダーが並んでいて、アプローチが至極ラクだ。しゅうちょう岩のある森の中に荷物を広げる。岩も樹林の中で陽が当たらず暑くないのが良い。
 まずはしゅうちょう岩の左端にある「マサイ族」5.10aでアップ。
 続いて「ジェロニモ」5.11aをオンサイト。後半に一応の核心部がある。このルートはU野さんとMねさんも翌日にかけてトライしていた。
 「ワンダーボーイ」5.11bは地元クライマーの男性がずっとトライしていたらしく、我々がちょうど見ているところでRPしていた。続いて私も登ることにした。核心部で左手カチを持ち、左足は足元の大きな凹みに当てる。フラッギング気味に右手でサイドカチを取りに行くのが核心部分。2便目でRP。
 出だしがワンダーボーイと共用する「ワンダーガール」5.11aをオンサイト。これはジェロニモより少し易しく感じた。

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(↑赤岩青巌峡の駐車場と管理事務所)
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(↑えらいこっちゃ岩とねぎ岩とU野さん)
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(↑「マサイ族」を登るMねさん。写真横向き)

 こうして午後からのクライミングとなったけれど、イレブンばかり3本登った。明日は何を登ろうか。
岩場の近くにもニニウキャンプ場というのがあるらしいが、占冠の街から離れているし、温泉施設もまた離れている。
 そこで、予め調べておいた日高町に行くことにした。占冠から南に10数㎞行ったところにあって、街から1㎞くらいのところにキャンプ場と温泉施設があるらしい。
 日高町の中心地は、思っていたより閑散としていて、セイコーマートが2軒とAコープがある。Aコープの閉店は18時半らしく早い。ここで買い出ししてから、沙流川(さるがわ)キャンプ場へ。受付で使用料を払い、広いテントサイトにテントを張る。それからキャンプ場の道路向かいにある沙流川温泉ひだか高原荘で入浴。この日は街の定食屋で夕食を取る。

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(↑沙流川キャンプ場)
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(↑沙流川温泉ひだか高原荘)


■9/3(水) 赤岩青巌峡2日目
 例によってパン、サラダ、ヨーグルトの朝食を済ませ、さっそく赤岩青巌峡へ。8時前に駐車場に到着すると管理事務所はまだ閉まっていた。しゅうちょう岩の前に荷物を広げて、各自クライミング開始。
 私は隣りにあるぶったまげ岩を登ることにした。ぶったまげ岩は、ここ赤岩青巌峡を代表する岩と言っていいだろう。岩の正面、特に右手はものすごくかぶっている。日本100岩場によると140度くらいあるらしい。ほとんどルーフだ。ルートも5.12台から、さらに13~14台と高難度のルートがずらりと揃っている。
まずはアップで岩の左側面にある「人気ルートだぜ」5.10aを登る。

○「爆発するぜ!」5.11c RP
 それから、何とか登れそうなルートということでイレブン台の「爆発するぜ!」5.11cという三つ星ルートをトライすることにした。
 まずはヌンチャク掛けだ。前半は左を向いた大フレークを辿って、中段のバンドへ。そこから左上にトラバース気味に上がった先が核心部だ。基本的にはガバホールドなのだが、こんな傾斜のルートは久しくやっていないので身体がついていかなず、テンションしながらヌンチャクを掛ける。
 2便目もあれこれムーブを探る。バンドから左上のガバを取ってからが核心部入りなのだが、まずは左上の左向きフレークガバをキャッチ。それから身体の向きを変え伸び上がって右手で頭上のパーミング気味ガバへ。足を踏み替えたりしてから、カチ気味水平ホールドへ左手、私はさらに右隣りにあるカチへ右手、そうして頭上にある下向きに突き出た手のひらサイズの板状ホールドを左手アンダーで取れれば、身体を引き上げて終了点のガバへ手が届く。
 3便目はRPするつもりだったのだが、カチ気味水平ホールドが取れずにフォール。1時間強くらいの間隔で次便を出していくのだが、4便目では水平ホールドから板状アンダーに手が触れたところでフォール。
 登れても登れなくてもこれで終わりにしようと思った5便目でようやくRP。疲れた…。Mねさんが会話した地元クライマーによると、某コンペクライマーの若者が登った感想として、5.12台はあるのではとのことなので、少し救われた気分かも。私は5.12aだってしばらく登っていないけれど、それくらいのグレードがありそうということなら、落ちた力が少しだけ復調してきたかなと。ちなみに、終了点一つ前のクリップはパスした。クリップする余裕がないのが第一だが、もう終了点がすぐそこだし、仮にフォールしてもグラウンドしないのを確認していたので。
 MねさんはジェロニモをRP。おめでとう。

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(↑ぶったまげ岩)
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(↑「爆発するぜ!」を登る私。写真横向き)
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(↑「ジェロニモ」をRPするMねさん)

 残った時間で、熊落としの岩にある「一触即発」5.11aを登ることにした。これもどっかぶりだ。やってみるとこれがえらくキビしい。かぶった壁からリップ先のホールドを取りに行くのが、私のリーチでギリギリだし、そのホールドもガバではない。チョンボしてリップホールドを取って、さらに乗っ越すムーブも気が抜けない。ハイステップで横向きに近い感じで足を上げたり。
 これで本当にイレブンエー?と思いながら熊落とし岩の上に立つと、終了点のボルトが一切無い。岩の上に太い木が何本か生えているほか、向こう側から簡単に歩いて下りられるようになっていた。ロワーダウンしながらヌンチャクを回収するにしても、ハングで屈曲して大変そうだが、終了点がないのでもう一度登ってフォロー回収するしかない。
 もうリードで一度登ることにした。2便目でもRPできず。やっぱりキビしい。爆発するぜ!でヨレヨレだし。岩の上に生えている太い木にスリングをタイオフして確保器をセットする。裏から上がってきたU野さんに上でビレイしてもらい、下に降りた私はフォローで3回目の登り。ヌンチャクを回収しながら登るが、ロープで引っ張ってもらってるのに、リップを取るのも一苦労だ。

 天気予報では明日から雨らしい。ひだか高原荘のお風呂に入ってからキャンプ場で夕食。名寄から青巌峡に移動した日を除いて、毎日お酒を飲んでいる。最初にビールを飲むと次はワイン。北海道のおたるワインというのも飲んだけれど、そのうち外国産のを飲むようになる。国産が決して美味しくないというワケではないけれど。

■9/4(木) 赤岩青巌峡3日目
 今日は途中から雨が降り出してきてしまったため、明日までクライミングする予定が一日短くなってしまった。
 日中のうちに雨が降り出しそうだったので、朝食を済ませるとテントを撤収し、荷物をすべて車に詰め込み青巌峡へ。
 しゅうちょう岩にある「スー族」5.10cでアップするも、出だしが結構難しくテンション。

○「エカシ」5.11c/d RP
 スー族と出だしが同じ「エカシ」5.11c/dをトライすることにした。先ほどできなかった出だしはできるようになった。レストできるバンドで右カンテ寄りに取り付く。後半もしばらくはガバフレークをぐいぐいと辿って行くだけだ。終盤の遠いカチを左手で取り、さらに右手でもう一手取り、それから終了点直下のリップを取りに行くところが上部の核心。ここでテンション。トップロープにして次便でムーブを確認する。
 そうして3便目でRP。ルートの性格は異なるが、前日登った爆発するぜ!よりもあっさり登ることができた。

 そうして登っているうちに雨が降ってきた。はじめのうちは雨脚も弱く、あまり気にせず登っていられたが、荷物が濡れてしまうので、皆でぶったまげ岩の下に移動する。その頃にはザーザー降りになっていた。これでは岩が濡れてしまってクライミングはキビしそう。
 雨宿りしている間に、傘を差して岩場の上のほうにある岩落としの岩を見に行くことにした。行ってみると、すっぱりと切り落としたような前傾壁の岩があった。すると、若者4人組がやってきて、その中の2人がヌンチャクを掛けていたルートにトライし始めた。
 私、Mねさん、H野さんが見ている中、一人が「ラビアンローズ」5.13cを見事RP。すごい。何度もトライしていたそうだが、前傾して濡れていないとはいえ雨の中での完登はすばらしい。あとで聞くと、札幌にある某登山用品店のスタッフとのこと。遠目に見てもものすごくワルそうで遠いカチをいくつもつないで登っていくルートだ。良いものを見られた。もう一人も「死刑執行」5.13bにトライ。惜しくも終了点直下でフォールしてしまったが、RPも遠くないだろう。

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(↑岩落としの岩)

 ぶったまげ岩に戻る。ずっと雨宿りしていても仕方ないので、濡れておらず登れそうな「ダイナマイト・ボンボン」5.12bを登ってみることにする。といっても、最初からトップロープで登るつもりなので1便目はテンションしながらのヌンチャク掛け。そのあとTr.で2回登ってみた。前半のバンドまではキビしいけれど何とかなりそう。が、後半のかぶった出だし部分は相当難しそう。ロープで吊られているのにワルイ向きのホールドに手が出ない。終了点近くまで登ると身体がハング下より外に出るため雨に濡れる。

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(↑「ダイナマイト・ボンボン」を登るMねさん)

 こんな空模様なので、ボンボンのヌンチャクを回収して岩場を後にする。セイコーマートで買い出して、お風呂に入ってから暗くなった頃に、今朝テントを撤収したキャンプ場に戻る。天の中テントを張るのも面倒なので、バーベキューができる大きな東屋の下に入り夕食を取る。キャンプ最後の夜なので、飲むワインも多め。そのまま東屋の下で寝る。

■9/5(金)~6(土) 札幌観光~東京へ
 今朝も雨が降り続いている。これでは例えかぶった岩が濡れていないとしても、登るモチベーションが上がらないので、朝から札幌に移動することにした。今夜は札幌近郊の定山渓のホテルに泊まり、明日昼の便で東京に帰ることになている。
 H野さんの運転で、道東道から札幌へ。札幌まで来ると雨があがっていた。時間つぶしのため午前中は、札幌郊外にあるモエレ沼公園という広い公園へ。大勢の小学生が遠足に来ていた。モエレ山に登ったり、ガラスのピラミッドを見たり。
 それから市内に移動し、キリンビール園で皆で海鮮丼を食べた。2,500円くらいするワリには丼が小さかったという人もいたけれど、他でもおそらくこれくらいのものだと思う。盛られて魚介類が美味しい。
 昼食を済ませると、夕方の待ち合わせ時間をきめて一時解散することにした。私は一人でぶらぶらと街中を散策したが、詳細は省く。
 一か所行ったところとしては、H野さんがススメていた「三角山五右衛門ラーメン」。札幌ラーメンというと味噌のイメージだが、ここのおススメはしょうゆラーメンとのこと。すっきりしたスープで確かにおいしい。食べ終わって狸小路を歩いていると、H野さん達3人にばったり会った。先ほど食べたラーメンのことをH野さん達にメールしたのだが、それを見てやって来たようだ。再び五右衛門ラーメンに行き、彼らが食べている間待つ。
 皆が食べ終わってからタクシーで車を停めたキリンビール園に戻り、それから定山渓のホテル鹿の湯へ車を走らせる。

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(↑モエレ沼公園)
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(↑キリンビール園)
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(↑キリンビール園の海鮮丼)
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(↑三角山五右衛門ラーメン。写真横向き)
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○定山渓 ホテル鹿の湯
 チェックインを済ませ、川を望む大浴場に浸かる。夕食はバイキングで、調理済みのジンギスカンなどあれこれ食べる。最後の夜だからと日本酒を飲み過ぎた感じたせいか、部屋に戻ると皆そのまま突っ伏して寝てしまった。

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(↑ホテル鹿の湯)

 
 翌6日(土)朝、朝風呂を浴びてから、朝食もバイキング。10時を目指して新千歳空港近くのレンタカー営業所に行くので、8時にホテルを出た。
 今日は私の運転。高速道路には乗らず、した道でまずは支笏湖を目指す。定山渓から結構距離があり、支笏湖畔の道をそのまま通過し、トイレ休憩に寄っただけで、あとは空港を目指す。10時ぴったりにレンタカー営業所に到着。送迎バスで空港へ。お土産の白い恋人を買ったりして、ほぼ定刻に出発。羽田空港に到着して解散。

 帰宅して洗濯を済ませると、何だかんだ言って疲れていたので早めに寝てしまう。
 さらに明けて、7日(日)は前日からの雨模様。午前中は読書をしながらだらだらと過ごす。元々あれこれと小説を読むのが好きなのだが、最近はさらに読む量が増えているような。重い内容からライト系まで、ジャンルをあまりこだわらずにいろいろ読むようにすると、新しい発見もあり新鮮だ。
 午後から入間のベースキャンプに行って、待ち合わせた2人とルート壁を登った。

 と、こんな感じで北海道ツアーを終える。もしまたクライミングで北海道を訪れることがあれば、その時はもう少し力を付けた状態で臨みたいものだ。

北海道クライミングツアー 前半

2014.08.30(土)~09.06(日)
 北海道でクライミングをしてきた。北海道の岩場を登るのは初めてだ。行った岩場は名寄(なよろ)にある見晴岩(みはらしいわ)と占冠(しむかっぷ)にある赤岩青巌峡(あかいわせいがんきょう)の2か所。
 期間の最後には雨に降られてしまったけれど、それまでは晴れてくれてまずまずクライミングを楽しめた。しかし、私はここ数か月フェイスのクライミングから遠ざかり、出発の前週に久しぶりに名栗・河又で登っただけで、てき面に力が落ちてしまっており、以前よりもグレードを下げて登っていた。

 今回のメンバーは、ツアーの提案者U野さんに、Mねさん、H野さん、私の4人。U野さんとは、タイ・プラナン(2011年12月)やイタリア・スペルロンガ(2012年5月)にも一緒に行った。
 また、U野さん、Mねさん、私、それからもう一人の4人で、沖縄に登りに行ったことがあるのだが、沖縄に到着した日がまさに東日本大震災が発生した3.11だった。
 那覇空港からレンタカーを走らせて、海沿いにある残波岬(ざんぱみさき)の岩場に懸垂下降して降り立つと、沖合から近づいてきた海上保安庁の船に、東北地方で発生した地震により津波が来る恐れがあるので、上に上がるように警告されたことがある。結局、津波らしいものは見えなかったのだが、夕方、飲食店に入ってテレビを見て、未曽有の災害が発生してることを知った。東京も相当に揺れて混乱しているらしく、3日後に東京に帰れるのかと思ったものだ。というか、滞在中に、福島第一原発の事故も起こったため、このまましばらく沖縄にいたほうが良いのかも、とも話したものだ。今回、我々が北海道に行っている間に東京で起きた事件としては、デング熱の感染が広がっているということか。

 ところで、私が北海道を訪れるのは実に9年ぶりのこと。以前は普通の観光で何度か訪れているほか、もっと昔の学生時代に周遊券で道内の百名山を7座ほど登って回ったことがある。
 2004年には自転車で1週間ほどサイクリング。女満別空港を起点に、知床~釧路~帯広~富良野~旭川と700㎞ほど走った。
 翌2005年にはオートバイでやはり1週間ほど北海道を一周した。自転車と違い、オートバイに跨ってアクセルを回すだけで一日に何百㎞もあっさり移動できてしまうので、巡ったところはずっと多いけれど、苦労した自転車よりは旅をしている感は薄かったかな。

■8/30(土) 名寄へ
 前置きが長くなったが、2005年以来の北海道に向かうべく、朝の羽田空港に集合。
 7月にU野さんから北海道に以降との話があってから、皆で日程調整をしたあと、H野さんがホテル1泊とレンタカー付きの往復航空券を手配してくれた。一人当たり6万円ちょっと。往復とも羽田~新千歳空港間。東京へ帰る前夜に札幌近郊の定山渓のホテルに泊まるほかは、キャンプしながら岩場を巡る予定だ。目指す岩場は、名寄見晴岩と赤岩青巌峡の2か所。
 9時頃に羽田をたつと、10時半頃には新千歳空港に到着。朝、東京の自宅を出た時は雨だったけれど、こちらは晴れ。送迎バスでトヨタレンタカーすずらん店へ移動し、カローラフィールダーを借りる。相談して、まずは名寄見晴岩を先に行くことに決定。今日は名寄への現地入りだけで、クライミングは明日からとなる。
 私とH野さんで運転を交替しながら行く。高速道路に乗り、旭川で降りた。秀岳荘という登山用品店に寄り、ガスカートリッジを購入。このお店には小さいながらもクライミングジムが併設されていた。

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(↑秀岳荘のクライミングウォール)

 それから旭川市内に行き、旭川ラーメンを食べようということになった。行った店は、蜂屋本店というお店。皆で味噌や塩ラーメンを食べたのだが…、味がイマイチ。なんだろう、スープがヤケに焦げ臭い。ネットの某サイトの評価ではそこそこなので来てみたのだが、これが旭川ラーメンのレベルなのだろうか。腑に落ちないまま店を後にする。

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(↑蜂屋本店)
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(↑塩狩峠)

 旭川からはずっとした道を走り、夕方に名寄の街に入った。スーパーで買い出ししてから、郊外にあるキャンプ場に向かう。トムテ文化の森という広い森林公園があり、その一角に無料のキャンプサイトがある。到着すると、無料とは思えないような設備の整ったキャンプ場だった。車から荷物を降ろし、各自テントを張る。

 それから、再び車で少し走り、なよろ温泉サンピラーという施設へ。スキー場が近くにある、山の中の宿泊施設のようだ。ここのお風呂に浸かり、ビールを買ってからすっかり暗くなったキャンプ場に戻る。炊事場のテーブルで買い出ししたお惣菜などを食べつつ、無事の北海道入りを祝ってビールとワインを飲む。

■8/31(日) 名寄見晴岩1日目
 今日からクライミング開始だ。目指すは見晴岩。キャンプ場で朝食を済ませ、名寄の街で、道内にたくさんあるコンビニ・セイコーマートで買い出ししてから岩場に向かう。

 

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(↑トムテ文化の森)
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(↑キャンプサイト)

 日本100岩場の案内図を頼りに、下川町方面に向かう国道239号線から中名寄7線というバス停のある橋を渡る。橋を渡ってすぐ左折し道なりに走り、五十嵐組の採石場の間を抜けて林道を進む。日曜日なので採石場はお休みのようだ。林道の途中で鍵のかかったゲートがある。暗証番号をセットしないと鍵が開けられない。電波の通じるところまで車で戻ってから、ゲートの表示板に会った森林管理署の連絡先に電話をかけると、事務所まで来てくれと言われた。下川町にあるとのこと。
 仕方なく車で下川町に向かう。行くと、日曜日ということで担当者が不在のため、一人だけいた職員はその暗証番号を知らないという。たくさんある林道ゲートの鍵の番号は、基本的には共通の某4ケタの数字にしているそうだが、道が荒れていたりして一般車を侵入させたくない場合は個別の番号に変えているという。その個別の番号が分からないというので無駄足になってしまった。

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(下川町の森林管理署)

 再び林道ゲート前に戻り、少し手前にある転回スペースに車を停めて、ゲートの脇を抜けて林道を歩いていく。林道から岩場に向かう入口がどこなのか知らなかった我々は、日本100岩場の案内図を頼りにするしかない。案内図ではゲートを通過したあと、川を2度渡ったところに駐車スペースの印がある。その付近から岩場に行く道があるのだろうか。
 結論からいうと100岩場の案内図は正確ではない。まあ、この本ではよくあることだけれど。2つめの橋からさらに何百mか林道をそのまま歩いていけば、右手が膨らんだ駐車スペースになっている場所に至る。その駐車スペースのすぐ手前に左に登って行く明瞭な山道があり、それが岩場へ通じるアプローチ道だ。一口の木にテープが巻いてある。

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(↑林道ゲート)

 我々はその駐車スペースに至る手前で、左手の木に表示板が張り付けられているのを見て、その森林巡視用らしい踏み跡に入り込んでしまい30分ほど時間を無駄にした。この踏み跡はやがて消えてしまうので入らないこと。
 駐車スペースには1台停まっていた。我々が踏み跡で迷っている間に林道を通過して行ったらしい。アプローチ道を20分ほど登って行くと岩場が現れた。岩場に至る直前に、先ほどの車の乗員らしい人達に追い付いたところだ。4人グループだった。時刻は10時半頃。
 散々歩いたせいで汗だくだ。汗が引くのを待ってから登る支度をする。荷物を広げた場所は木陰なのだが、見上げる岩壁は陽に照らされて暑そうだ。

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(↑駐車スペースとアプローチ道入口)

 まずは「森のカバさん」5.10aでアップ。
続いて「私が好きだ」5.11aという三つ星ルートにトライ。100岩場のコメントには、ガバでグイグイ登る好ルートとあるが、出だしがちょっと悪くて核心部分となる。オンサイト。

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(↑「私が好きだ」を登るU野さん)

 それから、「シェ・マリア」5.12bを触ってみることにした。このルートと「月の石」5.12dはどちらも三ツ星で、北海道に発つ前に所属山岳会のH内さんからぜひ登るよう言われていたルートだ。が、ブランクのある私には5.12dはもちろん5.12bだってトライを躊躇われるグレードだ。でも、シェ・マリアには先ほどの4人組の一人がトライしているみたいでヌンチャクがかかっており、トライすることにした。
 アプローチとなる「プチトマト」5.10aを登り、テラスから薄かぶりのカチカチフェイスが始まる。これが本当にカチカチで、とても保持していられずテンションだらけ。おまけにカンカン照りで岩の表面も温かく、汗が噴き出してくる。ただでさえキビしいのに、まともにトライできないので、この1便だけで敗退。このルートをトライしていた人が私が登るのを見ていて、少しだけムーブの参考になったようで、その点だけは私のトライは無駄にならなかったかも。

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(↑「プチトマト」から「シェ・マリア」を登る私)

 その人が「サンピラー」5.12b/cを薦めるので、やはりグレードに躊躇してしまったが、とりあえず登ってみることにする。ルート名のサンピラーとは太陽柱のこと。寒い名寄の冬に見られる現象らしい。
 えらく高い位置にある1ピン目まで慎重に登り、1ピン目は長スリングにしておく。そこから少し登って左手の凹角でレストできる。そのあとはかぶったカンテをぐいぐい登って行く。途中まではマスターで行けたのだが、そのキツいカンテの途中に核心部が現れ、ここでフォール。そこからはテン山。最後はカンテの左壁から終了点の高さを右にトラバースして終了点に至るのだが、ランナウト気味で怖い。回収しても良かったのだが、ヌンチャクを残して降りる。

 サンピラーのトライで疲れてしまったのだが、U野さんがトライしている「アンジェラ」5.11cに私もトライすることにした。中盤まではごく易しい。後半部分のさらに終盤で核心部となるムーブが2回出てくる感じだ。ヨレヨレでテンション。明日またトライしよう。

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(↑「アンジェラ」を登るU野さん)

 最後に「モグラの穴」5.11aをオンサイトして本日は終了。

 岩場への到着が遅くなったけれど、それなりによく登ったものだ。しかし陽の当たる岩は暑過ぎる。
 アンジェラやサンピラーにヌンチャクを残し下山する。名寄の街で買い出しし、昨日も行ったサンピラーの温泉へ。ここで入浴料とセットで1,000円というメニューで夕食。キャンプ場に戻ってからお酒を飲むものの、温泉でお腹が膨れていてお惣菜の箸が進まず。

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■9/1(月) 名寄見晴岩2日目
 前日岩場で会った人達に林道ゲートの番号を教えてもらっていたので、今日は車でゲートを越えて、昨日よりも2時間近く早く岩場に到着。

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(↑無人駅の日進駅)

 まずは「フェミニスト」5.11aにトライ。終了点のテラスに出る直下のカチパートが核心部。カチホールドを3手ほどつないでテラスのリップを取るのだが、オンサイトできず2便目でRP。

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(↑「フェミニスト」を登る私。写真横向き)

 それから、前日1便出していた「アンジェラ」5.11cにトライ。この日の1便目でムーブを確認し、つぎの便でRP。

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(↑「アンジェラ」を登るU野さん)

 エリアの右のほうにある「デスモスチルス」5.11aという2つ星のルートも、U野さんのトライに続いて登る。前半に3つの小ハングがあるのだが、出だしと3つ目が核心といった感じで、フラッシュできた。

 当初の考えでは、クライミング3日目の明日も午前中までここ見晴岩で登って、午後の時間を使って赤岩青巌峡に移動するつもりだった。しかし、陽に照らされた岩があまりに暑いので、相談して今日で見晴岩を終えることにした。
 さて、となると、前日ヌンチャクを残しておいた「サンピラー」5.12b/cのヌンチャクを回収しないといけない。行けるところまでは頑張って登ってみるが、実質ヌンチャク回収の便だ。暑い中を登って行くと、前日到達した核心部下までは行けた。あとはテンションしつつトップアウト。

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(↑「サンピラー」を登る私。写真横向き)
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(↑「モグラの穴」を登るMねさん)

 最後に「山田のタマル」5.11aをオンサイトして終了。

 こんな感じで、イレブン台、それもほとんど前半台ばかりをいくつも登っただけだったけれど、こうして見晴岩のクライミングを終える。でも、久しぶりにこうして初めての岩場でフェイスのルートを登るのは新鮮で良いものだ。
 しかし繰り返しになるが、陽の当たる見晴岩の岩壁は暑すぎる。ここで快適に登るには季節がもう少し後に訪れるとよいのかもしれない。
 岩場であった地元クライマーの話では、北海道では冬は当然雪で登れなくなるので、クライミングできる期間は限られるのだという。関東に住んでいる我々は、春秋はどこでも、夏は小川山とか、冬は城ヶ崎などと、何だかんだ言って一年中どこかで登っていられるのは恵まれているのだろう。

 前夜は温泉施設で夕食を取ったけれど、満腹になり過ぎるので、今夜は一昨日と同様にスーパーで買い出ししたお惣菜等で済ませお酒を飲む。

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