沢登り

越後 魚野川水系 水無川真沢~祓川

2014.09.14(日)~15(月)
 敬老の日の3連休。越後水無川真沢を遡行する計画だったが、連休初日の天気予報がいまいちのため、入渓を一日遅らせ1泊2日の計画に変更した。初日の土曜日に越後湯沢の飯士山の負欠(ふっかけ)スラブを登ったことは、前回の日記に書いたとおり。
 そして、翌日曜日からの2日間で真沢を遡行してきた。
 メンバーは、Kぽんさん、富山のF野さん、私の3人。

■9/14(日) 入渓~逆くの字滝上
 関越道近くの某所で泊まり、未明の4時に起床。越後三山森林公園という水無川に沿って走った先にある駐車場へ。近くで大きな堰堤を造る工事が行われていて、工事車両も停まっている。駐車場には、あらやまの森千ノ沢小屋という避難小屋が建っている。弱い雨が降っており入渓したものかどうか悩ましいが、支度をしていると雨が上がったので明るくなった5時半に歩き出す。何年か前までは一般車も通行できたらしい林道を歩いていく。現在は相当に荒れていて入ることはできない。途中、一時的に雨に降られ、真沢をやめてどこか別の沢にでも転進しようかとも話したが、じきに止んだのでそのまま歩き続ける。

P9140045p
(↑越後三山森林公園駐車場)
P9140047
(↑堰堤の工事をしている)

 オツルミズ沢の出合いを通過。オツルミズ沢にもいつか行ってみたいものだ。さらにモチガハナ沢出合を通過する(モチガハナ沢は、地形図上はブナツルネ沢と記載されている)。その先で、グシガハナ方面へと続く登山道入口があるのだが、草で覆われていて相当に荒れていることを予感させる。

P9140048
(↑オツルミズ沢を望む)
P9140049
(↑オツルミズ沢出合)
P9140053
(↑モチガハナサ沢出合)

○入渓
 鉄柱の組まれた大きな堰堤が現れ、ここから入渓する。鉄柱の間を抜け、1カ所ほど簡単な巻きはあるものの、基本的には河原の中を歩いていく感じだ。

Dsc06842
(↑この堰堤の間から入渓する)

P9140059
(↑河原を行く)
P9140060

Dsc06847

 本流が大きく左に曲がるところで左岸から不動沢が出合う。このあたりがデトノアイソメのようだ。空も良く晴れてきた。
 なおも河原を歩いていき、滝沢を分けると、暗峡(あんきょうではなく、くらがりきょうと読むそう)というゴルジュ状が現れる。腰ほどの深さの水の中を進み、左側壁をへつって一段上がると暗峡を抜けられる。思っていたよりあっさり通過できた。

P9140064
(↑デトノアイソメ)
P9140067
(↑滝沢出合)
P9140069
(↑暗峡を行くF野さん)

Dsc06856
(↑これは私)
P9140072
(↑暗峡最狭部を行くF野さん。写真横向き)
P9140074
(↑Kぽんさん)

○御月山沢出合付近の大高巻き
 左岸から出合うオカメ沢を過ぎ、大きな岩が続く巨岩帯を歩いていくと、現れた滝の奥に大きな雪渓の末端が覗いている。御月山沢出合前後にかかる雪渓のようだ。これは左岸から大きく高巻かねばならない。手前にある左岸のルンゼを念のためロープを出して登って行く。沢床から結構な高さまで登ったようだ。ヤブ漕ぎしながら進んで行くと、眼下に大きな雪渓が眺められた。大きく裂けたところもあり、これでは雪渓の上を歩くのもキビしいし、スノーブリッジの下を通過するなんてあり得ない。
 ヤブ漕ぎしているとスラブが現れた。手掛かりとなるブッシュのない岩場をトラバースするのは危険なので、それを避けるようにブッシュに沿ってどんどん上に巻き上げられてしまう。現れた枝沢で1ピッチ懸垂下降。これが御月山沢なのかな。さらにヤブ漕ぎを続け、つぎのルンゼでは2ピッチの懸垂下降。相当上まで巻き上げられていたわけだ。
 2時間で越えたとか、3時間かかったとかといった記録があるけれど、我々はこの大高巻きに4時間も要した。御月山沢出合からさらに上流にも大きく雪渓が続いていて、巻きが長かったこともあるし、スラブを避けて相当高いところまで登ったこともあるだろう。

Dsc06864

Dsc06865

P9140086
(↑雪渓が覗く)
P9140087
(↑高巻きのルンゼ)
P9140090
(↑大きな雪渓を眼下に見る)
P9140099
(↑大高巻きが続く)
P9140103
(↑懸垂下降するKぽんさん)
P9140105
(↑なおも高巻きは続く)
P91401072p
(↑2Pの懸垂下降)

 ようやく沢床に復帰し、小滝などを越えて行くと関門ノ滝手前にある10m滝が現れる。これは右岸から巻く。巻いている最中、上流側にある連続する滝が見える。関門ノ滝か、あるいはその先の逆くの字滝だろうか。
 関門ノ滝の手前に懸垂下降で降り立つ。関門ノ滝50mは左壁から登れるので、ロープを出して私がリード。先ほどの大高巻きで時間を要したため、予定していた幣ノ滝の下まで今日中に到達するのはキビしそうだ。

P9140109

P9140111

P914011410
(↑高巻きから、関門ノ滝や逆くの字滝を望む。写真横向き)
P9140116
(↑関門ノ滝手前に懸垂下降)
P914011550
(↑関門ノ滝。写真横向き)
Dsc06882
(↑関門ノ滝をリードする私)

 逆くの字滝が現れるのでそれも登る。巻きが多く、今日まともに登れた滝は、関門ノ滝と逆くの字滝だけだ。逆くの字滝のすぐ先にも巻かないといけない滝がある。時刻はすでに17時頃。18時には暗くなってしまうので、今日の行動を打ち切る頃合いだ。

Dsc06888

(↑逆くの字滝をリードする私)

P9140121
(↑逆くの字滝2P目をリードするKぽんさん)
 ということで、逆くの字滝の落口付近でビバークすることにした。岩棚状になっていて、ところどころ窪んだところがあるので、3人ばらばらにその窪みに身体を横たえながら何とか寝られそうだ。
 まだ暗くなるまで少し時間があったので、ビバーク地点から翌朝すぐに始まる右岸巻きのためにフィックスロープを張っておくことにした。ここも私がリード。少し登るとすぐにブッシュだ。F野さんがそれほどヤブ漕ぎに慣れていないため、ロープを張っておいたほうが翌日の時間の節約になる。1ピッチ分ロープを伸ばして懸垂下降しながら戻る。戻りながら、灌木で取ったランナーそれぞれにロープをフィックスしておく。
 ビバーク地に戻ると、Kぽんさん達がハーケンを打ってビバーク地にフィックスロープを渡していた。夜中に寝ぼけて足を滑らせたりしたら、滝から落ちてしまいかねないので、今夜はロープにセルフビレイを取りながら寝ることになる。
 打ったハーケンでタープを張ると一応各自の寝床ができた。私が寝る場所は斜めの椅子状でうまく腰を落ち着けられそうだ。シートやマットを敷いたり、ギアは落とさないようにハーケンに吊るしておく。そうしておいてから、Kぽんさんのジェットボイルの鍋でお湯を沸かす。各自アルファ米など軽量の食事をとる。私が持って来た少ない焼酎を3人で分けて飲む。
 午後に曇ったりした空も星が見えている。雨に降られずに寝ることができそうだ。明日は4時に起き出すことにして、各自寝床に移る。私は下着まで全て乾いた服に着替えて薄いシュラフに包まる。ハーネスを履いたまま、スリングを伸ばして固定ロープにセルフを取っておく。日付が替わるまでの4時間ほどは一気に寝ることができたようだが、深夜になると気温が下がってきて寒くてなかなか寝付けなかった。加えて、下が岩で固いため同じ姿勢のままだと身体が痛くなってくるのだ。それでも風が吹いてなかったのは良かった。滝の音がうるさいけれど。

P9150134
(↑こんなふうな岩棚の窪みに各自寝る)

■9/15(月) 幣ノ滝~白龍ノ滝~祓川大滝~中ノ岳~十字峡
 まだ暗い4時に起き出す。着替えてからタープを撤収し、お湯を沸かして朝食を取る。薄明るくなってきた5時過ぎには遡行開始できた。まずは前日張っておいたフィックスロープを伝って高巻きだ。朝イチからヤブ漕ぎするのはなかなか堪える。
○幣ノ滝150m
 沢床に復帰し進んで行き、北沢と分けると大きな滝がある。幣ノ滝150mだ。まずはロープを使わずに登れるところまでは登って行く。全体の半分くらい登ったところだろうか、水流の右側でロープを出すことにする。
 1P目はKぽんさんのリード。水流の右側の乾いたスラブの傾斜の緩いところを選びながら登って行く。
 2P目は私のリード。左上するように水流を横断する。水流の中は意外とガバホールドが豊富で思っていたより登りやすい。登りやすそうなところを選びながらロープを伸ばしていく。ところどころハーケンを打ってランナーを取るが、たまたま見つけた残置ハーケン1本を含め3カ所くらいだけ。水流から左側の乾いた壁に上がりブッシュが出てきてピッチを切る。ラインとしてはなかなか良いだろう。
 3P目はKぽんさんのリード。スラブとブッシュの間を登って行くとすぐに滝の落ち口だ。

Dsc06899
(↑2条20m滝の右を登る私)
P9150142150
(↑幣ノ滝150mが見えてきた。写真横向き)
P9150145
(↑幣ノ滝と私)
P91501491p
(↑幣ノ滝中盤から1P目をリードするKぽんさんと、ビレイするF野さん)
P9150151

Dsc06906
(↑1P目フォローのF野さんと私)
Dsc06907
(↑2P目の水流をリードする私)
Dsc06908

Dsc06910

P91501542p
(↑2P目フォローのF野さんとKぽんさん)
P91501613p
(↑3P目フォローのF野さん)
Dsc06915

(↑3P目フォローのF野さんと私)

 幣ノ滝を越え、なおも進んで行くと25m滝がある。この滝は右から登った。そして進む先に細い滝が見える。最初あれが白龍ノ滝かと思ったが違う。白龍ノ滝は沢が右に曲がったところにあって、近くまで行かないと見えないはずなのだ。滝の100mほど手前でザックを置いて白龍ノ滝を見に行く。手前から見えた細い滝の右側に大きな滝が現れた。これが白龍ノ滝50mだ。右側の岩壁を登れないこともないだろうと思ったけれど、Kぽんさんの話では登攀していると数時間かかる可能性があるので、荷物を置いたあたりから高巻くことにした。
 草付きのスラブ斜面を登って行くのだが、結構ワルくて途中でロープを出す。ブッシュ帯に入ってヤブ漕ぎしていくと、白龍ノ滝の落ち口の上に出るので、そこに向かって懸垂下降。白龍ノ滝の上部には滝が続いているが緩傾斜で易しい。

P9150163

Dsc06916
(↑25m滝を右からリードする私)
P9150166
(↑奥に白竜ノ滝の左の枝沢の滝が見える。写真横向き)
P9150167
(↑白竜ノ滝は手前のこのスラブから巻いた)
P9150174
(↑白竜ノ滝とKぽんさんとF野さん。写真横向き)
Dsc06925
(↑白竜ノ滝を巻いて懸垂下降する私)
P9150178
(↑白竜ノ滝上のゆるい滝)

○祓川大滝250m
 真沢本流と分れて、祓川(はらいがわ)という沢の出合に祓川大滝250mが現れる。祓川というけれどもちろん川というような規模ではなく、本流に合わさる一つの沢の名前らしい。
 祓川大滝では落ち口手前で1ピッチロープを出しただけであとはずっとノーロープで登って行った。傾斜が緩いからそうしたワケだが、もちろん落ちたらはるか下まで止まらないので慎重に。途中のぼっている際に、落ち口近くに熊がいると、Kぽんさんが言う。私が見た時には熊の姿は見えなくなっていたが、これから登って行くところに熊がいるなんてイヤだなあ。最後はロープを出して私がリード。抜けた先には幸い熊はいなかった。

P9150179250
(↑祓川大滝が右上に見えてきた)
P9150180250
(↑祓川大滝全景)
P9150183
(↑祓川大滝を登るKぽんさんとF野さん。写真横向き)
P9150185

P9150186

P9150187
(↑写真横向き)
P9150192
(↑対岸には大きなスラブ壁が並ぶ)
Dsc06933
(↑祓川大滝の最後でリードする私)
P9150194
(↑フォローのF野さん)

 祓川大滝のすぐ先に10mもない滝が2つ連続している。滝登りはこれでお終いで、風景が一気に開けて草原状になり源頭の雰囲気になってくる。

P91501972
(↑祓川大滝の先の1つ目の滝。登るKぽんさん)
P9150200
(↑2つ目の滝を登るF野さん)

 すぐに二俣が現れるのだが、我々はここが三俣だと勘違いしてしまった。この二俣は左の垂量が多く、右はすぐに涸れる。水流のある左に進んで行けばやがて三俣が現れ、その三俣では右を選べばヤブ漕ぎ無しで、御月山と中ノ岳の鞍部で登山道に出られるはずだ。
 その手前の二俣で右に進んだ我々は、枯れた沢筋から草原状を登って行く。途中、カモシカを見かけた。すると御月山の東側付近の枝尾根に行ってしまった。後ろを振り返ると、遠く眼下に三俣らしい地形が眺められる。今更引き返すワケにもいかないので、御月山の山頂下の南面を巻くようにヤブ漕ぎしていくと、ようやく登山道に出ることができた。中ノ岳が目の前に聳えている。

P9150205
(↑間違えた二俣。左に進めば三俣があるはず)
P9150207
(↑草原状。写真横向き)
P9150209
(↑カモシカに遭遇)
P9150210
(↑八海山)
P9150211
(↑登山道に出て中ノ岳を望む。写真横向き)
P9150216
(↑中ノ岳避難小屋と左奥に山頂)

 ここでハーネスを脱いだりして、中ノ岳へと向かう。まずは鞍部へと降りる。鞍部から中ノ岳山頂までの標高差は約350m。沢を詰めてきて疲れた身体には堪える登りだ。
 各自のペースで黙々と歩いていき、1時間以上歩いただろうか、山頂手前の中ノ岳避難小屋に到着する。私が一番乗りだ。小屋に入って荷物を解く。小屋は2階建て。混ぜこぜになった3人のギアを整理するためだ。先ほど山頂付近に姿が見えた登山者が小屋に入ってきた。その人は、単独で中ノ岳を登りに来て今夜はこの小屋に泊まるらしい。前日はこの小屋に60人もの登山者が泊まったそうで、入りきれなくて入口の土間に寝た人もいたそうだ。すご。他にも一人が2階で休んでいるようだ。
P9150217
(↑越後駒ヶ岳)

 
 小屋で休憩してから外に出るとガスって肌寒くなっていた。先ほどは越後駒ヶ岳や八海山が眺められたのに。山頂で3人で記念写真を撮ってから十字峡に向けて下山開始。
 十字峡までの標高差は約1,500m。結構な下りだ。時刻は15時半頃。さくさくと下って行く。途中、日向山で休憩したあとは、デポしたF野さんの車のカギを私が預かって、先に下って行く。なかなかシンドイが、黙々と歩いていく。18時を過ぎるといよいよ暗くなってきたのでヘッ電を点け、18時半少し前に十字峡登山センターの建物前に降り立った。中ノ岳山頂から3時間を少し切るくらいで下れたが疲れた。辺りはもう真っ暗だ。建物前の駐車場には4人ほどの登山パーティーがいた。彼らもちょうど下山してきたところのようだ。自販機でコーラを買う。おいしい。
 デポ下車はトンネルの向こう側の駐車場にあるので、ザックを置いて車を取りに行く。戻って、沢靴をスリッパに履き替え、Kぽんさん達が降りてくるのを車内で待つ。19時10分頃に2人が降りてきた。彼らも相当疲れているようだ。2人とも股擦れして痛いと言う。
 Kぽんさんが自宅に帰る終電に間に合うために、のんびりもしていられない。まずは水無川側に停めた私の車の回収に行かなければならない。車で行っても結構距離がある。私の車を回収してから、コンビニに移動して手早く空腹を満たす。F野さんとはそこで解散。あとは関越道をひた走り、JR武蔵野線東所沢駅に終電の時間より余裕をもって到着。Kぽんさんと解散。
 帰宅したけれどクタクタに疲れた。濡れた装備を解く気力もなく、シャワーだけ浴びてベッドになだれ込む。

 3連休明けの火曜日、朝起きると両足の太ももがヒドい筋肉痛になっていた。これほどの筋肉痛は久しくないことだ。歳のせいかもしれないが、中ノ岳から一気に下ったのが原因だろう。痛む足を引きずるように疲れた身体を押して出勤。その日の夜はすぐに帰宅して寝るべきだったのだが、新宿で映画を観た。デビッド・ラマがセロ・とーれをフリー初登する「クライマー パタゴニアの彼方へ」。
 件の筋肉痛は日ごとに痛みが減ってきてはいるが、4日目の金曜日になってもまだ少し痛い。今夜からクライミングに出かけるというのに。
とはいえ、今回Kぽんさん達と真沢を遡行できたのはとても良かった。

南ア・戸台川イワンヤ谷(敗退) ~ 八ヶ岳山麓

2014.08.16(土)~17(日)
 天気が芳しくない今年の夏。
土曜日は、予定していた行き先を直前で変更して南アの戸台川にあるイワンヤ谷を遡行したものの、雨が降り出して途中で引き返した。
翌日曜日は雨後でどこの岩場も濡れて登れそうにないことから、八ヶ岳山麓周辺を巡ったりしながら、初対面のいろいろな人達と会う2日間となった。

■8月16日(土)
 15日夜、所属山岳会のH内さん、それからTさんと待ち合わせ、私の車で中央道から山梨県を目指す。初対面のTさんは、ピ○レ○ール賞もとっているスゴいクライマーではないか。
 途中のPAでKぽんさんとも合流。Kぽんさんとも初めて会うのだが、台湾の大きな沢を遡行していたりと、その名前が人の話によく出てくる人だ。
★南ア戸台川イワンヤ谷
 山梨県内の某所でテントと車中泊に分かれて仮眠するも、深夜から強い雨が降り出してくる。5時の起床予定が、寝坊して7時半となる。当初、南ア鳳凰山のドンドコ沢を遡行する予定だったのだが、時間を考えて、Kぼんさん提案の南ア戸台川にあるイワンヤ谷に行くことにした。1台を置いて、私の車で戸台を目指す。高遠という街を通り、戸台の河原の駐車場に到着。私がここを訪れるのは、高校3年時に友人ら4人で甲斐駒・仙丈を登った時以来だから○十年ぶりのことだ。下山してきてバスを待つ間、河原の石を投げ合う石合戦という危険なことをやって遊んだ記憶がある。
 とりあえず今は雨が降っていない河原の駐車場で身支度を整え、H内・T・Kぽん・私の4人で河原を歩き出す。30分ほど河原を歩き、右岸の山腹に岩壁が見える手前の谷に入る。ここがイワンヤ谷だ。この沢を1時間ほど遡行する。途中の滝は右岸のフィックスロープを辿って巻いた。二俣に到着。右俣を少し覗くと滝がある。左俣を遡行し、右またを下降してくる予定なので、不要な荷物をここにデポしていく。

P8160002
(↑駐車場を出発)
P8160006
(↑河原を歩いていく。遠くの岩壁にもルートが開拓されてるそうだ)
P8160007
(↑ここがイワンヤ谷出合。写真横向き)
P8160008
(↑出合)
P8160013

P8160020

P8160023
(↑こんな岩壁も)
P8160027

P8160028
(↑右俣にかかる滝)

 それまで普通の沢だったが、左俣に入ると急に狭いゴルジュとなっている。ビルの谷間のように本当に狭いのだ。最初に現れた小滝では、H内さんがCS岩の右端から直登を試みるも難しく、左から乗っ越していく。

P8160031
(↑左俣へ入っていく)
P8160039
(↑左俣最初のCS滝を登るH内さん)

 続いて現れる滝はもっと難しそうだ。右壁をKぽんさんが人工で登り始める。カムエイドで一段上がったところからハーケンを2本打ってアブミで立つ。しかしその先でリスが無いらしく下りてくる。今度は私がリードすることにした。ゴボウで上がってからアブミに立ち込み、新たにハーケンを1枚打ち、アブミをかけて乗り移る。すると、そのハーケンが少し動いた。やべ抜けるかもと思ったけれど、持ち堪えてくれたので構わず乗ったまま、さらに上に1枚打ち足す。これはかなりしっかり効いていそう。ここから滝の落ち口脇をトラバースする微妙なところなのだが、岩の隙間にカムをきめられたのでかなり安心感があり、そのまま滝を抜けた。有名な人たちが下で見ているところで、登れませ~ん、とならずに済んで良かった。抜けた先に残置ハーケンが2枚あったので、それでビレイ。カムでバックアップも取る。皆が登ってくる。すぐに次の滝がある。2段になっていて、低い1段目の上は丸いお風呂のような小さな釜だ。そこにKぽんさんが肩まで浸かって、2段目取付にハーケンを打っていると、雨が降ってきた。結構雨足が強い。水が増えてくる感じだ。ここで撤退を決める。

P8160044
(↑滝を登るKぽんさん。写真横向き)
P8160048
(↑同滝フォローのTさん)
P8160057
(↑続く滝。ここで雨が降ってきて敗退を決める)

 先ほど登った滝を懸垂下降していると水嵩が増してきた。花崗岩の南アルプスにあって、イワンヤ谷は石灰岩が露出しているところだ。山を越えた反対側の谷にも同様のところがあるらしい。フォッサマグナかな。とにかく、石灰質のためか、水が灰色に濁っている。そういえばKぽんさんが、ここは石灰質だからアクアステルスだととても滑ると言っていたけれど、確かにそうかも。
 危険を感じるほどの増水ではなかったので、元来た沢をどんどん下降していく。雨で全身ビショ濡れになって駐車場に帰着。高遠にある温泉施設に寄って身体を温めるも、お湯はぬるめ。

P8160067
(↑濁った沢の水の中を下降する)

 茅野に抜けて、途中でお酒などの買い出し。今夜は、Oさんというこれまた私は初対面の人の別荘に泊めさせてもらうことになっている。場所は八ヶ岳周辺の某所。強い雨の降る中、別荘に到着。立派な建物だ。Oさんも8,000m峰を登っていたりと、登山の実績がスゴい人だった。作ってくれる料理の数々が美味しい。皆でお酒を飲んでいると、Iさんがやって来た。山の天気予報で有名な人ではないか。そうして夜は更けた。

■8月17日(日)
 翌朝、雨は上がっているが、どこに行ってもビショビショに濡れているという感じだ。朝食後、Tさんの引っ越し先の某所へ皆で赴く。ここで解散し、H内・O・私の3人で、どこか岩場に行こうかとなるのだが、どこも濡れてしまってキビしそう。そこでH内さんの案内で、Yさん家に顔を出していくことになった。Yさんと言ったら、これまたピオレな人ではないか。行くと、2日前にヒマラヤから帰ってきたという本人がいて、家族を交えてしばし団らん。
 それからYさんの案内で、とあるボルダーやクラックの岩場を案内してもらう。クラックの岩場はアプローチで渡渉する川の水量が多く、その手前で引き返した。さらに、もう一つ案内してもらった岩場は未公開だけれど、すごいところだった。難しいルートの多さとかもそうだけど、霊感の強い人には…なところかも…。この日はビショビショに濡れていて見るだけ。
 Yさんと別れ、温泉に立ち寄ってから3人で東京に帰ることにした。Oさんを駅まで送ったあと、H内さんと埼玉県内の某病院へ。所属山岳会のYT川さんがひと月ほど前にクライミング中にグラウンドフォールして背骨を骨折し入院中で、そのお見舞いに寄ったのだ。手術を受けてチタン製のボルトで固定してあるというYT川さんは、思っていたより元気な様子で良かった。偶然同時にお見舞いに来たM田さんという人は瑞牆でクラックをよく登っているそうだ。

ということで、沢登りは途中敗退で、クライミングもできなかったので体力的には消化不良となったけれど、強ーいクライマーの人達に会えた週末となった。
名前も場所も伏せ字ばかりで、駄文がさらに理解しづらかったかもしれないけれど、プライバシーもあるので。

奥美濃 板取川・川浦谷 西ヶ洞~箱洞

2014.07.26(土)~27(日)

 岐阜県は板取川の川浦谷(かおれだに)にある西ヶ洞(にしがぼら)を遡行し、箱洞(はこぼら)を下降する1泊2日の沢登りに行ってきた。
 初日は、川浦谷本流の西ヶ洞出合付近から入渓し、河原歩きの多い西ヶ洞を延々遡行し、川浦ダムを越えたところでビバーク。2日目は、ドウノ天井(標高1,332.5m)に立ち寄り、箱洞を下降して銚子洞も近い箱洞の出合から本流沿いの遊歩道へ出た。
 同行者は、所属山岳会のK寅さん。

 金曜日夜に私の車で出発し、中央道~東海環状道~東海北陸道経由で郡上八幡ICへ。タラガトンネルのある国道256号線から板取川沿いの県道52号線へ。川浦渓谷の新錦トンネルを越えたところにトイレのある駐車場があるので、そこでテントを張って寝たのが日付を回った深夜2時半頃。

■7/26(土) 西ヶ洞~川浦ダム
 6時起床し、身支度を整え出発。天気は晴れ。駐車場の先には開いているゲートがあり、車道はまだ先まで乗り入れられるようだが、西ヶ洞出合までは1㎞強ほどなので車はここに置いていく。
【西ヶ洞出合の入渓点】
 車道を500mほど歩き、長さ700mほどの新深山トンネルを抜けたあたりの対岸で西ヶ洞が本流に出合っている。西ヶ洞出合付近から入渓するのだが、ネットの記録を見ると、出合の下流側に吊り橋があってそれを渡っているらしい。しかし、吊り橋を渡って出合まで本流を遡るのがちょっと大変らしいことが書いてあった。逆に出合の上流側から本流に入り、出合まで下降したほうが良いようだ。
 そこで、新深山トンネルの脇にある車道を100mほど戻ったところから本流に向けて下りて行く。下降地点には車が1台停まっていた。後ほど会う釣り人の車だ。踏み跡を下降していくと西ヶ洞出合の100mほど上流側に出た。梅雨明けしてからこの1週間雨は降っていないようなので、水量は多いワケではないようだ。右岸に渡って少し下流に進むと側壁にロープがフィックスしてあった。これも釣り人用なのかも。このロープを手繰るように胸まで水に浸かって下流に進むとその先が西ヶ洞出合だ。西ヶ洞に入ってすぐに釣り人2人で会った。水は驚くほど透明度が高く、胸まで浸かるような深さでも底の石が見える。水温は昨夏行った南紀の黒蔵谷よりはずっと低いけれども、最近行ったところに比べれば温かいので、全身水に浸かっても歯を食いしばるほどではない。それでも、遡行を初めて午前中の早い時間はまだ水が温められていないせいかちょっと冷たかった。

P7260002
(↑トイレ棟のある駐車場)
P7260005
(↑新深山トンネルの上流側出口と脇道)
P7260009
(↑脇道のここから下降)
P7260011
(↑川浦谷本流の入渓点)
P7260015
(↑入渓点から下流方向を見る。フィックスロープがある)
P7260016
(↑ロープを伝うK寅さん)
P7260018
(↑西ヶ洞出合)
P7260021
(↑水の透明度は高い)

 西ヶ洞は10㎞以上延々と歩くのだが、その間ゴルジュの通過もあるのだが難しいワケではなく、一方で河原歩きが長い。二俣で迷いやすいということもないし、あまり書くこともないので西ヶ洞の遡行そのものは関門ノ滝の通過のことに触れるだけにする。

P7260024

P7260025

P7260028

P7260030
(↑中部電力のトンネル)
P7260034

P7260036

P7260040

P7260046

P7260047

P7260048

P7260055

P7260059

【関門ノ滝】
 西ヶ洞の途中に関門ノ滝というのがある。あるネット記録では通過に手間取ったようなことが書いてあったので、我々も警戒していたのだが、結果的にはものすごくあっさり登れてしまった。
 滝の手前には釜があるので、ロープを結んでまずは私が右岸をへつって途中水面ぎりぎりの岩棚でピッチを切る。再び私が空身でリードして釜を泳いで滝のすぐ左側の壁に近づく。流れが強くないので押し戻されるようなこともなく、普通に泳いで壁に取り付けた。見上げた壁は拍子抜けするほどガバホールドだらけで簡単に登れる。
 滝の落ち口に立って、ザックを2つ引き上げる。K寅さんが続く。なんだか簡単に終わったしまったけれど、楽しい水遊びができた。

P7260064
(↑関門ノ滝)
P7260065
(↑関門の滝を登る私。以下4枚の写真も)
P7260066

P7260068
(↑)
P7260069

P7260070

P7260075
(↑遡行を続ける)
P7260078

P7260082

P7260084

【ダム周辺】
 水量計が現れると川浦ダムはいよいよ近い。右岸の開けたところの木に赤テープが巻いてある。その先にプラスチック製の階段が造られていて、そこを上がればダムの上に行けるのだが、その前にダムの堤体を下から見上げに行く。赤テープのあるところから50mほど先に二俣になっていて、左の先に巨大なコンクリートの壁が聳え立っているのが見える。近づいて記念撮影。
 先ほどの赤テープに戻り、朽ちかけた階段を登ってヘリポート脇に出る。出たところの車道は、右に行けば川浦ダムだが左に行く。トンネルを2つ抜けると、もう一つのダム川浦鞍部ダムに至る。ダムの先にまたトンネルがある。真っ暗なトンネルを歩いた先の出口はフェンスで塞がれている。フェンスを乗り越えた先はダム施設の機械が設置されている行きどまりの場所だ。真っ暗なトンネル内部ではフェンスの少し手前で左に分岐しているのだ。そちらに進むと道が続いている。そろそろ今夜の寝床を探す。舗装された道は手入れされていないのか、進むにつれて両側から草が生い茂ってくる。左手の細い流れに降り立つ適当な場所を探していると、鉄の棒が立っているところから降りられた。水があるので今夜はここで泊まることにする。
 周辺で焚き木を集めて、水辺で焚き火を熾す。焚火缶でご飯を炊く。ナスやピーマン、ニンジンを切って炒め、麻婆茄子のもと加えてできあがり。お酒を飲みながら夕食を取る。目の前の小さな水流で食器を洗えるし、水の流れが小さいのでゴウゴウと水の音もうるさくない。寝場所は舗装された道に上がって、雨の心配もないのでタープも張らずに道の上で横になった。途中で倒木が道を塞いでいるし、こんなところに間違っても工事車両など車がやってくる心配もない。アスファルト舗装された道が昼間の日差しを浴びているせいか、背中側が熱くて寝苦しかった。しかし先日の蔵王の八方沢で濡れたままの服で振るえる夜を過ごしたのに比べたら極楽だ。

P7260086
(↑水量計)
P7260088
(↑川浦ダムが見えてきた)
P7260091
(↑川浦ダムと私。写真横向き)
P726009250
(↑木の赤テープ)
P7260093
(↑プラスチックの階段を上がる)
P7260095
(↑ヘリポート)
P7260097
(↑川浦ダム)
P7260098
(↑川浦鞍部ダム)
P7260099
(↑川浦鞍部ダム脇のトンネル)
P7260102
(↑トンネルの先はフェンスがあるが、その手前で左に分岐している)
P7260103

P7260104_2
(↑道を歩く)
P7260105
(↑道脇の沢)
P7260106
(↑焚火を熾す)
P7260107
(↑夕食)

■7/27(日) ドウノ天井~箱洞
 明るくなった4時半頃に起き出して、消えたしまった焚き火を再び起こす。K寅さんが用意した朝食はラーメン。身支度を整え出発。しばらくは前日歩いた道をさらに歩いていく。空は曇っている。というかガスっていて視界がイマイチ。山肌に沿ってつけられた舗装道を2㎞くらいは歩いただろうか、立派な車道にぶつかった。車道を右に行く。この車道、地形図では少し進んだところで行き止まっているのだが、グーグルの航空写真を見れば分かるように現在はさらに延伸されていて、大ツゲ谷方面に伸びているのが分かる。実際、我々が車道に出た際も工事車両が走っていた。場合によっては、この車道から大ツネ谷へと下降できるのかもしれない。

P7270108
(↑舗装道の上で寝た)
P7270111
(↑道を行く)
P7270112
(↑車道に出た。右に曲がる)

【箱洞下降点~ドウノ天井】
 さて、ガスって視界のきかない車道をドウノ天井方向に歩いていく。ドウノ天井は地形図に標高1,332.5mと記載されているピークだ。やがて一つ目の駐車場が現れる。とあるネット記録にもあったように、この駐車場の脇から箱洞へと下降していくことにした。その前にドウノ天井に行く。一つ目の駐車場を通過してさらに歩いていくと二つ目の駐車場が現れる。車道はまだずっと続いているはずだが、ドウノ天井への登山道入口は、この二つ目の駐車場のほんの10m手前、道路脇南側にある。茂った草に隠れがちだが板が敷かれているのが目印。そこを100mも高度を上げないと思うが登って行くと山頂に至る。この時の視界はゼロ。

P7270113
(↑ひとつめの駐車場)
P7270114
(↑ここから箱洞へ)
P72701152
(↑ふたつめの駐車場)
P7270116210
(↑その少し手前からドウノ天井へ)
P7270121
(↑ドウノ天井山頂)

 一つ目の駐車場に戻り、箱洞へと降りることにする。最初はヤブ漕ぎだが、それほど苦戦させられる前に枯れた小さな沢筋に出た。その沢筋も下るにつれて広くなってきた。それでもしばらくは水の流れはほとんどない。時々現れる滝で4回ほど懸垂下降した。
 やがて水流も大きくなってきて、水に飛び込んだりと遊べるところもある。途中、左右2条に分かれた滝でも中央の大木で懸垂下降。箱洞を下り始めてからは時々雨が降ったりしたけれど、それもそのうちに止んで後半はすっかり晴れてくれた。

P7270124
(↑箱洞への下降)
P7270125
(↑沢筋が現れる)
P7270126
(↑懸垂下降するK寅さん)
P7270127

P7270140

P7270145

P7270152

 そうして、川浦谷本流に出た。対岸に朽ちた遊歩道の石積みが見える。本流を上流側に行けばすぐに銚子洞で、調子滝があるはずだ。川浦谷本流沿いに付けられた遊歩道は最初のうちは左岸右岸と渡り返すようだが、そこに架けられた橋もないし、本流の水量もまだ大したことがないのでそのまま水の中を歩いていく。すると3号橋という吊り橋が現れるので、そこで左岸側の遊歩道に上がった。遊歩道と言っても整備の手が加えられていないのか、ところどころ歩きづらい。
 1号橋を渡った先に閉鎖されたトイレ棟がある。見た目真新しいのだが、一般車がここまで来られるワケではないので閉めているのだろう。そのそばにトンネルがあるのでそこを抜け、車道をどんどん歩いていく。小ツゲ谷を過ぎ、大ツゲ谷に至る少し手前に山の斜面を登って行く新しそうな林道がある。もしかしたらドウノ天井へと続く林道へつながる道なのかもしれない。
 大ツゲ谷を渡った先でゲートがある。このゲートのところまでは一般車も来られる。ゲート脇には鉄扉で閉じられたトンネル入口がある。そういえば昨日、西ヶ洞に入ってしばらく行ったところにもやはり鉄扉のトンネル入口があったのだが、もしかしたらこことつながっているのかもしれない。中部電力の施設らしい。
 さらに林道を歩くと昨日入渓点へ下降していった新深山トンネルに至る。トンネルを700mほど歩き、さらに500mほど歩けば駐車場に帰着する。思っていたより最後の林道歩きは長く感じなかった。ヨセミテ以来、ここのところよく歩いているし。

P7270154
(↑川浦谷本流に出た)
P72701583
(↑3号橋)
P7270160
(↑遊歩道)
P7270161
(↑1号橋と閉鎖されたトイレ)
P7270162

P7270163
(↑トイレ棟脇のトンネル)
P7270165
(↑大ツゲ谷)
P7270167
(↑ゲート。一般車は向こう側まで)
P7270171
(↑帰着)

 川浦谷を離れる前に海ノ溝洞の出合いを見てみた。橋から見下ろす海ノ溝は出合いからすごいゴルジュで、果たしてあんなところを突破できるのか。

P7270172
(↑海ノ溝洞を見下ろす)
P7270173
(↑本流と海ノ溝洞出合)

 郡上八幡方面に移動し、郡上温泉宝泉で疲れを癒す。ジェットバスとラドン風呂が良かった。この温泉施設のそばにある台湾料理店の四季紅へ。量が多くて満足。帰路はずっと私が運転した。日付が替わる前にK寅さんを家まで送って解散。
 西ヶ洞は河原歩きが長くてこれと言って難しいところもないけれど、適度な泳ぎもあるし水の透明度が高いので、興味のある人は訪れてみては。

P7270177
(↑郡上温泉宝泉)
P7270178
(↑台湾料理四季紅)
P7270181980

西丹沢 東沢本棚沢

2014.07.21(月)
 西丹沢の東沢本棚沢に行ってきた。2年前にも遡行を試みた場所だが、その際はカル沢と思われる枝沢に誤って入ってしまい、本棚沢を登れなかった。

 海の日の3連休。当初は3日間かけて長い沢を遡行する計画だったのだが、天気予報が芳しくないため予定を変更して、月曜日に丹沢に行くことにした。同行者は所属山岳会のK寅さん。日曜日夜にK寅さんの車で出発し、西丹沢にある道の駅山北という小さな道の駅で車中泊。

 月曜日朝、西丹沢自然教室の駐車場に車を停め、身支度を整え出発。キャンプ場のある車道をしばらく先に進み、ツツジ新道に入る。ツツジ新道からゴーラ沢出合付近で入渓できるのだが、その先は堰堤が10個くらい続くので、そこをショートカットするため、新道を離れ地形図上の855m地点に向けて緩斜面を登って行く。855m地点を通過すると林道に出るので、それをしばらく歩いていくと、棚沢橋に至る。ここから入渓。

P7210002_2
(↑西丹沢自然教室)
P7210003_2
(↑キャンプ場)
P7210004_2
(↑ツツジ新道入口)
P7210005_2
(↑855m地点への緩斜面の登り)
P7210008_2
(↑タマゴタケ)
P7210016rs_2
(↑モンベル・サワートレッカーRS)
P7210017_2

 前回間違えたカル沢らしきところは気づかないうちに通過したようだ。もしかしたらその先のユイバシ沢に入ってしまったのかも。よく分らない。ユイバシ沢出合で水量がさらに減る。ユイバシ沢のほうが水量が多い。その先でF3-25m本棚が現れる。
 本棚では私がリード。水流の左側の壁を登るのだが、出だしの段状の乗り上がりも結構悪い。錆びたハーケンがランナウト気味に残っている。上に行くにつれて傾斜が少しずつ緩くはなるのだが、落ちたらハーケンが抜けてグラウンドフォールしかねず、まったく気が抜けない。今回新調した沢靴、モンベルのサワートレッカーRSのグリップ性能もよくまだ分らないし。ハーケンを摘まんだり踏んだりしながらも、あとはフリーで登って行く。落ち口付近では左岸側から垂れ下がっていた木の枝を掴んで越えた。滝上の岩でビレイを取る。フォローでK寅さんが続く。

P7210018f210m_2
(↑F2-10m滝は右岸から巻く)
P7210020f325m_2
(↑F3-25m本棚)
P7210021f325m_2
(↑F3-25m本棚をリードする私。写真横向き)
P7210026_2

P7210027_2

P7210030f410m_2
(↑F4-10m滝)

 小滝を越えて行くと、大岩のあるF6-20m滝が現れた。ここでは最初、乾いた大岩そのものを登ろうとしたけれど、残置ピンが遠いし、上に行くにつれてホールドがなくなり、やむなくクライムダウン。本当はこの大岩と左の垂壁の間のワルそうなルンゼを登れば良かったみたいだが、我々は大岩のずっと左の方にある斜面から巻くことにした。しかし、左に行き過ぎたようでルンゼをトラバースして沢筋に戻るのが相当に大変そうなことが分かり、このまま樹林帯を登って行くことにした。

P7210034f620_2
(↑F6-20m滝大岩)
P7210039_2
(↑F6-20m滝大岩の登攀を試みる私)

 傾斜の緩いところを選んでヤブ漕ぎしていくと踏み跡が現れてきた。当初は獣道かと思ったが、だんだんと明瞭になり、明らかに人が歩いている感じになってきた。ヤブの薄くなり、はっきり言ってとても歩きやすい。やがて登山道に出た。檜洞丸の北西側、標高1,500m付近だ。檜洞丸の山頂はすぐそこ。山頂がガスって視界はゼロ。登山者が数人いた。
 休憩後、ツツジ新道を下山。ゴーラ沢出合いを通過し、西丹沢自然教室に帰着。途中、ぶなの湯に寄って疲れた身体を癒す。東名道は大渋滞。厚木から先月開通したばかりの圏央道に入り中央道経由で帰宅。

P7210041_2
(↑登山道への登り)
P7210046_2
(↑檜洞丸山頂)
P7210047_2
(↑ぶなの湯)
P7210048pa770_2
(↑中央道・石川PA「東村山黒焼きそば定食」)

 今回、F3の本棚は登れたものの、大岩のあるF6以降はすべて巻いてしまったため、F7-45m涸棚も見ることができなかったのはちょっと残念。ということで、いささか中途半端な遡行となってしまった。

奥鬼怒 黒沢赤岩沢~魚沢(敗退)

2014.07.13(土)
 栃木県の奥鬼怒において1泊2日で沢登りする計画で出かけてきた。
所属山岳会の企画で、3パーティーに分かれて周辺の沢を遡行するもので、私のいる班は黒沢の赤岩沢を遡行し魚沢を下降する計画だ。メンバーはS藤さん、Sのさん、S幡さん、私の4人。
しかし結果として、メンバーの負傷から初日に途中で引き返すことになった。

 金曜日夜、23時過ぎに南浦和駅で待ち合わせるなどしてから、日光道の今市ICで降り、鬼怒川温泉近くの某所でテント泊。

 土曜日朝、さらに数十㎞走って奥鬼怒の女夫渕温泉の駐車場へ。他パーティーの車も停まっており、すでに出発して行ったようだ。我々も出発。黒沢沿いの登山道を歩いて行く。ゲートの脇を通って1時間ほど林道を歩いていく。その間、対岸にある魚沢の出合を通過。赤岩沢出合で入渓。水量は少ない感じ。これといった特徴のない沢を遡行していく。

P7120001
(↑女夫渕温泉の駐車場)
P7120005
(↑荒れた林道を歩く)
P7120009
(↑この辺りから入渓)
P7120011
(↑入渓点)
P7120013
(↑堰堤を越えて)
P7120016

P7120021

 左奥に大きな滝が現れたので50m大滝かと思ったが違った。そこで沢は右に曲がるのだが、その先に大滝があった。11時半頃だったろうか、大滝に向けて進んで行ったところ、後方を歩いてたS藤さんが何か声をあげている。引き返すと、S藤さんの右手の手のひらからひどく出血している。バランスを崩して手をついた際に木の枝か何か尖った物が刺さってしまったそうだ。たなごころの辺りをザックリと切ったようで傷も深そうだ。とりあえず止血しなければならないので、キズパワーパッドを貼ってテーピングテープでその周辺を巻く。それでもすぐには血は止まらないようだ。
 しばらく休憩することにした。12時に他パーティーと無線機で交信することになっていたので、無線機でコールするも反応無し。相手側の声がこちらに聞こえないだけなのかもしれないので、とりあえず現在地とケガ人が出たことを一方的に告げておく。
 1時間ほど休憩しても血はなかなか止まらないようだ。ここで今回の山行のリーダーでもあるS藤さんが遡行の中止を決定。まだ時間があるということで、目の前の大滝を残った3人で登り戻ってから下山することにした。
 遠くから見た大滝は、下部は傾斜が緩くそのまま登って行ける。上部もそれほど立っているわけではないがロープを出すことにした。私のリードで滝の右壁を登って行く。途中に錆びたハーケンがあったのでランナーをとる。
 落ち口の脇を越え、右上の灌木に向かうところが傾斜が緩くなるもののホールドが乏しくちょっと怖い。灌木には残置スリングあったのでそれを拝借。S幡さんとSのさんがフォローで登ってくる。50mロープを折り返して、半分では滝の取付までは届かなさそうだが懸垂下降をセットし私が先行して降りる。届かなかったけれど、最後は易しいクライムダウンで済みそうだ。

P712002350
(↑50m大滝が見えてきた)
P7120024
(↑下から見ると)
P7120025
(↑大滝を登り下を見るとS幡さん、Sのさんがいる)
P7120027
(↑登るS幡さんとビレイするSのさん)
P7120034
(↑登るSのさん)

 こうしてケガしたS藤さんが休んでいるところに戻ったのが14時。それから1時間ほどで赤岩沢出合、さらに1時間ほど歩いた16時頃に女夫渕温泉の駐車場に帰着。S藤さんが消防に電話をかけて救急病院を教えてもらい、向かった先は日光市内の川上病院。ロビーで待っていると、治療はすぐに終わった。傷口は縫うことなくメッシュ状のシートを貼るだけらしい。あとは抗生物質。

P7120037

(↑下山する)

P7120040
(↑日光市内にある川上病院。写真横向き)

 この後どうしようかと話し合ったが、このまま東京へ帰ることにした。とっても治療も済んだし、今夜食べる予定だった食材が残っているので、どこかで泊まってから明日帰ることにした。
 道の駅うつのみやの広い駐車場で、曇りがちの夜空にスーパームーン(それほど大きくは見えなかったけれど)を長めながら、お酒を飲みながら夕食を作る。献立はSのさんが持ってきた豚肉を焼いたり、私が用意した枝豆を茹でたり。それからこれまた私が用意したラタトゥイユを作った。水を一切加えずに野菜だけを煮込んだ南仏料理だ。用意したものは、トマト、ズッキーニ、ナス、パプリカ赤、ピーマン、玉ねぎ、セロリ、ニンニクひとかけ、ローリエ、オリーブオイル、塩、コショウ。

P7120041
(↑ラタトゥイユの材料。これにニンニクひとかけも)
P7120042
(↑満月)
 複数あるここの駐車場は区画によって夜間は閉鎖されるみたいなので、飲酒していないS藤さんの運転で東北道の佐野ICへ。ここで隅の方の芝生にテントを張って寝る。
 翌日曜日の朝、南浦和駅などに皆を送ってから帰宅。今回は行動時間が短いので疲れていないけれど、日頃の寝不足気味を解消するためちょっと昼寝。洗濯も済ます。それから平日夜に予定していた車の法定点検を急きょこの日の午後にディーラーでやってもらった。ほとんど使っていない折りたたみ自転車の調整をするなど、普段やらないような雑事をこなした。

山形蔵王 馬見ヶ崎川・八方沢

2014.07.05(土)~06(日)
 蔵王にある八方(はっぽう)沢を遡行してきた。同行者が釜の渦に巻かれたり、至近距離で熊の親子に遭遇したり、私の装備が全て濡れてしまい濡れた服のままで眠れぬ寒い夜を耐えたりと、なかなかに大変な沢登りだった。
 同行者は所属山岳会のK寅さん。先月にも下越にある五頭山塊の沢へ一緒に行っている。
 当初行き先として計画していた東海地方の天気予報が芳しくないので、K寅さんの提案で東北のこの沢を選んだワケだが、晴れると期待していた土曜日は終日小雨模様。日曜日になってようやく晴れ間が出る天候だった。

 金曜日夜、ヨセミテツアーの疲れがいまだ身体にじっとりと残る私だが、K寅さんと待ち合わせ後、久しぶりの自車を運転して東北道経由で一路、山形蔵王ICを目指す。後半はK寅さんに運転を交替してもらい、日付が回った深夜1時半頃、蔵王ダムの脇の駐車スペースに到着。小雨が降る中、テントを張って寝る。

■07.05(土)
 7時起床。8時半頃に出発。柵を越えて草ぼうぼうの林道を歩いていく。翌日下山してくる尾根上にある登山道の入口を通り過ぎ、いつしか道が細くなると八方沢へと入渓する。

P7040002
(↑蔵王ダム)
P7040004
(↑林道入口のゲート)
P7040007
(↑翌日下山してくる登山道の入口)
P7040008
(↑入渓点にいるK寅さん)
P7050010
(↑入渓点に架かる吊り橋跡)
P7050012
(↑遡行するK寅さん。写真5枚)
P7050016

P7050017

P7050020

P7050022

★F1-5m通過
 腰上まで水に浸かったり、ほんの少し泳いだりして進んでいくと渦が巻いている釜のあるF1-5mが現れる。ここでは空身になってロープを結び私が行く。釜の右からへつって行く。右壁のホールドを伝いながら進むが水流に押し流されないように慎重に手を出していく。滝身近くになってハイステップで水中から脱出。そのまま流れ落ちる水の際を進んでいく。落ち口近くでは水の中に足を入れると意外とフリクションが効いたのでそのまま滝を突破。
続いて、私のザックを背負ってもらいK寅さんがフォローで釜に入る。が、釜の渦に飲まれて壁から離れてしまい、壁に戻れなくなってしまった。ロープを引っ張ってしまっては余計に渦の中に入ってしまうので、ロープは出し切る。何とか壁に戻ったK寅さんだが再び渦に巻かれてしまい、水面に長時間浮いたままとなる。かなり切羽詰った状態だ。私よりもずっと寒さに強いK寅さんだが、この水温にずっと浸かっているのは危険だし、とにかく渦から脱出しなければならない。
 そんな状態が15分かそれ以上続いていたかもしれないが、K寅さんが何とか釜の下流側に戻ることができた。滝上から見ていると、さすがのK寅さんも疲労が激しいようだ。相当身体が冷えたに違いない。あとで聞くと、背負ったザックが浮き輪替わりになったけれど、手指が冷えてしまい岩のホールドをつかむことができなくなっていたそうだ。
 K寅さんが釜から脱出したので、ザック2つを引き上げることにした。しかし、傾斜が寝ている滝なので、ロープでザックを引き寄せようにも流れ落ちる水の圧力のため、ロープがものすごく重い。そのまま引っ張ってしまっては力を弛めた隙に再びザックを流されてしまう。私はハーケンを2枚打ってセルフビレイを取ってから、頭上に見つけたクラックに手持ちのカムを皆突っ込んでロープを通した。さらにロープにマッシャーでスリングを結び引き寄せて弛んだロープが再び引っ張られないようにした。そうしておいてザックを一つずつ引き寄せたが、なかなかの重労働だ。なお、持参したロープは50m1本。
 K寅さんには声が何とか届いたので聞いてみると、滝を登れそうになく高巻きするというのでロープを解いてK寅さんに渡す。F1の先もちょっとしたトラバースがあるので、K寅さんが右岸から高巻いて懸垂下降2回で降りてくる間に2つのザックを上流側に運んでおく。K寅さんと合流して無事を労う。

P7050024f15m_2
(↑F1-5m)
P7050025f15m
(↑F1-5mを越える私。写真6枚。横向き写真あり)
P7050026

P7050027

P7050028

P7050030

P7050031

 このF1の突破で時間も労力も使ってしまったので、F2-8mはさっさと右から巻く。この沢の巻きでは大抵最後は懸垂下降をして沢床に戻った。F3-8mだったと思うが、滝の右側からへつって壁に取り付き越える。へつって行く際は、水中は岩がえぐれており足が届かないのでえぐれた岩にトゥフックして支えながら手をホールドに伸ばしていったりした。

P7050036

P7050038

P7050040f28m

P7050046
(↑先に荷物を引き上げる)
P7050047
(↑側壁をへつるK寅さん)
P7050048

P7050050f38
(↑F3-8m)

★熊との遭遇!
 沢筋がぐねぐねと結構左右に曲がって行くのだが、右に回ったところだったか、前を歩くK寅さんが突然ばたばたしだしたので、何?と聞くと、「クマックマッ」と言う。え?と思って左を向くと10mほど先の斜面を動く黒いものがいる。しかも2つ。熊だ。それも親子。こちらがあたふたしてる間に、熊は斜面をかけ登って見えなくなった。ちょっとドキドキものだ。ふう。襲ってこなくて良かった。K寅さんは熊と目が合い、「死んだ」と思ったと言う。こわ。先日、ヨセミテで熊を見かけたけれど、逃げ場のない沢の中でこれほどの至近距離で遭遇したのは初めてだ。
 なおも歩いていき、そろそろ今夜のビバーク地探しを始める。ところどころ寝られそうな場所がある。ある左岸の草むらの中に場所を見つけ、そこを今夜のビバーク地とした。翌朝、もう少し上流側に快適な場所を見つけたけれど仕方ない。
 ぼうぼうに生えた草を毟って、板状の石がたくさんあったので、床板のように敷き並べる。近くの立ち木にロープを渡して、タープを架けて今夜の寝床の出来上がり。

P7050051
(↑タープを張り終えた)

★装備が水没…
 さて、このあと私の悲劇が判明することになる。F1通過後、やたらと荷物が重くなったなと思っていたのだが、ザックから装備を出してみると、ダウンジャケットを含めすべての装備がビショビショに濡れており、愕然となった。買ったばかりのモンベルの防水袋に入れて、きっちり閉じたはずなのに。あの激流の突破時に水が入ったのは明白だが、それにしても防水を謳っているモンベル製品のあまりの頼りなさにさんざん悪態をつく。K寅さんが、カヌー用のこの防水バッグはいいですよ~とのこと。チェコのメーカーらしい。
 たっぷり水を吸ったダウンジャケットは脱水する前の洗濯物同様に重い固まりだ。寒さが苦手の私はダウンパンツも持ってきたのだが、これも同様。シュラフカバー、その他シャツやズボンといった着替えて寝るつもりだった服が全てビショビショ。その他の装備もとにかくすべてが水に浸かっている。
 小雨が降り続けていて、焚き火も熾せる状態ではなかった。これでは今来ている全身濡れた服を乾かすこともかなわない。今夜一晩、濡れた服のままで過ごせるだろうか。低体温症が心配になってきた。歩くのを終えると少しずつ体温が落ち着いて、寒さを感じてくる。ガタガタと身体が震えてくる。
 ガスバーナーを点けて夕食の調理を始める。夕食は私の担当。K寅さんに沢で水汲みとお米とぎをお願いしている間にナスやピーマンを切っておく。ご飯を炊いて、麻婆茄子を作る。ご飯を食べると少し落ち着いたけれど、濡れた服のままなので寒いことには変わりはない。
 うす暗くなってきて寝ることにしたのだが、やはり寝付けるものではなかった。K寅さんは寝息を立てているので結構快適に寝ているようだが、最初の1時間ほどは寝られた私は寒さから頻繁にトイレに立つことになる。夜中に濡れた服のままシュラフカバーに入って、出ることを何度繰り返したことだろうか。深夜になると気温がさらに下がってくる。風が吹いていないのがせめてもの救いだ。
 深夜2時頃、いよいよ寒さに耐えられなくなり、起き出してガスバーナーに火を点け暖を取る。重ね着した濡れた服を小さく灯した炎を上にかざして少しずつ乾かしていく。そんなこと1時間半くらいやっていた。薄手のシャツはそれなりに乾いてくれたが、厚手のシャツやタイツはそうそう乾いてくれない。明るくなるまで再びシュラフカバーに入って、明るくなってくれるのを待つ。ああ、ツラい…。

P7050053
(↑今夜の食事は麻婆茄子とご飯)

■07.06(日)
 明るくなった4時過ぎに私だけ先に起き出す。装備が全部濡れてしまったことが判明した昨夕は、無事に夜を越せるのかとも思ったが、何とか朝を迎えることができた。枝豆を茹でて食べる。それからK寅さんが用意してきたうどんを食べる。

P7060057
(↑朝食はうどん)

 本日の遡行開始。8m滝が現れたので右岸から高巻くと、滝の上流側に雪渓が残っているのを見下ろせた。そのままヤブ漕ぎを続けルンゼに出たところで懸垂下降し、さらにルンゼを下って雪渓の側面へ。雪渓はスノーブリッジになっている。10mほど下をくぐる。
 その後、大釜のある8m滝では、釜の左側から水に浸かって滝の左壁に取り付こうと試みたが、足が届かないほど深くなるし、壁の取付もキビしそうなので諦めて、これも高巻く。右俣出合に4m滝がかかる二俣では左俣へ。倒木が多い感じ。それにしても眠くて仕方がない。ヤブ漕ぎしていると頭がクラクラしてくる。昨夜はほとんど徹夜みたいなものなのだから当然だ。身体に堪える。

P70600638
(↑8m滝)
P70600648
(↑下を見ると雪渓が)
P7060066
(↑ルンゼから雪渓へ)
P7060071
(↑スノーブリッジをくぐるK寅さん)
P7060072

P7060083
(↑大釜を左側から行く私。でもここまで)
P7060085
(↑K寅さんもチャレンジするが)

 左に見える20m滝のすぐ先、15m滝は左岸から高巻いて登山道に出た記録があるが、我々は右岸に取り付いた。高巻きは出だしがちょっと悪くロープを出す。3ピッチ分私がリードしてヤブの中を上に登って行く。ヤブの中を登って行く最中、15m滝の上流にも2つほど大きな滝が見えた。参考にした遡行図には載っていない滝だ。遠目で見た限りだがキビしい直瀑のようだったので、沢床に戻らずにこのまま全て巻いてしまったよいだろう。ここまで結構時間もかかっているし。巻くというより、沢から離れ登山道を目指して登って行く。
3P目で岩場が現れ、その基部が平たんになっていたのでそれを滝と反対側の左へと回り込んでいくと、傾斜の緩んでいたのでここでロープを解く。あとは木が密になっていて手掛かりが豊富なので、大変ではあるがどんどん登って行くとひょっこりと登山道に出た。ここで私はアプローチシューズに履き替える。こうして無事遡行を終えられた。あとは下山だ。

P7060090
(↑奥の二俣。右奥が15m滝)
P7060091
(↑水流左側を登ろうと試みる私。しかし断念して手前から巻く)
P706010014
(↑登山道に出た)

 途中に鍋倉不動というお社がある登山道なのだが、今は整備の手が施されていないようで、倒木は多いし崩落しているところも多い。これでは訪れる登山者も限られるだろう。下り始めてしばらくは道が山をトラバースして行くので、次々に枝沢を横切って行く。やがて緩やかな下り坂を延々と下って行く。雨量計や鍋倉不動尊を過ぎて、昨日の朝通った林道に出て、車を停めたダムに至る。下山は2時間ほど。ああ、疲れた。

P7060105
(↑アオモリトドマツかな?)
P7060107
(↑鍋倉不動尊)
P7060111
(↑駐車場に帰着)

 車の前で荷物を解いていると、男性が話しかけてきた。熊に遭わなかったかと言う。昨日、沢の中で遭ったと言うと、その人は先ほど林道の橋のところで1頭の熊に遭ったという。東北は熊が多いのだな。
 車で街に降りる。東京に帰る前にまずは温泉に寄りたい。臥龍温泉保養センターへ。350円。それから、高速道路に乗る前に、源龍というラーメン屋に寄って、私はみそラーメン760円を食す。

P7060112
(↑臥龍温泉。写真横向き)
P7060113
(↑ラーメン玄龍。写真横向き)

 あとは山形道~東北道をひたすら走って東京を目指すだけだ。運転を交替しながら都内へ。日付が回ってからK寅さんの家へ。それから私の駐車場に着いたのは深夜1時半頃。家と駐車場が少し離れていていつも自転車で行き来しているのだが、こんな夜中に荷物を部屋に運ぶのも面倒なので朝まで車中泊することにした。
 月曜日の朝、ビショビショに濡れた荷物を部屋に運び込み、シャワーを浴びてから職場に出勤。3泊2日の山旅が終わった。ああ、眠い。K寅さん、お疲れさまでした。

下越 五頭山塊 大荒川本流中ノ沢、安野川小倉沢ハゲ沢

2014.06.07(土)~08(日)
 当初、所属山岳会の人達と越後にある某スラブ岩壁の登攀に行く計画だったのだが、雨の天気予報を受けて計画は中止に。
 そこで、金曜日の昼間に急きょ同じ山岳会のK寅さんに連絡して、どこか雨が降らなさそうなところを選んで沢登りにでも行かないかと誘ってみたところ、行きましょうとの返事。
 天気予報では関東甲信はほとんど全滅、新潟の一部も悪そうだ。私は、三重県あたりが良さそうだったので提案してみたが、三重まで行くのはちょっと遠いとのことでK寅さんが提案した場所は、五頭山塊。ゴズと読むらしい。
 どこだろうと思ってネットで検索してみたら、新潟県新潟市の東方にある標高1,000mに届かない小さな山塊らしい。もっと東には飯豊連峰がある。
 この辺りなら確かに雨に降られないで済むかもしれない。沢登りだから多少雨に降られてもどうせ濡れるのだから平気だし。
 行き先を五頭山塊としたけれど、遡行する沢は私が調べて決めることになった。時間もないし、手元に資料もないので、ネットで調べて決めることにした。そこで、某沢登りのブログを見たところ、偶然に前週五頭を遡行した記録があったので、その沢をそのまま選ばせてもらうことにした。あとでK寅さんに聞くと、この記録を見たわけではなく、前から五頭山塊というのがあるらしいと知っていたとのこと。

 さて、そこで日帰りでいける沢を土日で2本登ることにした。初日は、大荒川本流中ノ沢で、松平山に突き上げている沢。2日目は、安野川小倉沢ハゲ沢で、五頭山の山頂に近い、一ノ峰とゼロ峰(便宜的にそう言うみたい)の間に突き上げる沢。
 仕事から帰宅してからすぐに沢登りの荷物をまとめ、夜20時過ぎに私の家までK寅さんが車で迎えに来てくれた。K寅さんの車は、トヨタ・ハイエースに乗り換えたばかり。ひと月かけて車内を改造したそうで、車内の後部は台が組まれクッション材の上で寝られるようになっているし、パイプが組まれて物が掛けられるうえに、ソーラーパネルで終電しておいて、コンセントや照明、さらにテレビが見られる。自分で造ったというのだからすごい。これなら車中泊が快適だ。
 雨の降る中、関越道をひた走る。往路ではK寅さんが運転しっぱなしで、寝不足気味の私は後ろで横になって寝させてもらった。ああ、楽チン。
 関越道から北陸道、さらに磐越道に入り安田ICの手前にある五泉PAで車中泊する。

■6/7(土)  五頭山塊 大荒川本流中ノ沢
 4時間ほど寝て5時前に起床。少し雨が降っているようだ。安田ICで降りて途中のコンビニで買い出ししてから五頭山塊に向かう。雨模様の空で山は雲に隠れている。国道290号線を北上し、村杉温泉がある。ここは翌日行く安野川の沢への入口だ。さらに国道を北上し、角にセーブオンがある道に入る。五頭山麓いこいの森などを通り過ぎ、車道の終点にある駐車スペースへ。ほかに車は無し。

 6時40分くらいに出発。ほとんど雨は降っていない。駐車スペースから沢に下りるとすぐに入渓。あまり細かく覚えていないのだが、ゴルジュにかかる小滝を多少直上できるものはあったのものの、とにかく巻きが多かった。序盤は右岸側に山葵山に至る登山道があり、巻きで登り上がるとその登山道に出て、沢筋から離れる登山道から分かれる踏み跡に入り沢に戻ったりした。石積みの古い堰堤がある。巻きのヤブ漕ぎだらけで、沢登りをしているという感じがあまりしない。気が付くと日差しがあり、雨の関東を離れここまで来たのは正解だった。
 残置ロープのある巻きも1カ所あり。それ以外の巻きでは何となくうっすらと踏み跡があるので、それを見逃さなければ少しだけ巻きがラクになる。ヤブ漕ぎする木々には毛虫が多い。本当に多い。スグノ沢出合を右に行くと雪が現れた。スノーブリッジになっておりその下をくぐる。つぎの二俣は左へ。小ヤゲンや大ヤゲンというらしいゴルジュがある。途中、ごこだったかV字状2条小滝がある。投げハンマーをしてみたがうまくひっかからない。取付いてみると左側が何とか登れそうだ。見ると、左側壁に小さなクラックがあり、0.3番キャメがばっちり効いたのでセットしたカムでAゼロして突破。
 権四郎沢と中ノ沢出合および2段8m滝というのが参考した某遡行図ではもしかしたら位置関係が少し違うのかもしれないが、標高740付近で我々は権四郎沢と分かれ中ノ沢へ。中ノ沢に入ると水量がぐっと減るが雪は残っており、K寅くんが雪を踏み抜いて沢の中に落ちる。浅いから良いものの、それでも踏み抜くのはちょっと怖いので適当なところから右岸の尾根に取付くことにした。途中、赤土色の壁の滝があり、これは左岸のブッシュ帯から巻いた。最後の尾根もひたすらヤブ漕ぎで、いい加減イヤになった頃に松平山の山頂にひょっこりと出る。曇り空だけれど山が眺められる。稜線上は風が強かった。日本列島の南側を低気圧が通過中で各地で大雨が降っているみたいだが、雨は降らないまでもここも風の影響があるようだ。

 山葵山を経て、朝少し通った登山道を経て駐車スペースに帰着。16時半頃。丸々10時間の行動だった。疲れた身体を癒すため、国道を北上し月岡温泉へ。水田の広がる中、温泉街の大きな建物群が現れる。新潟の街は、こんなふうに田んぼが広がる中に街がまとまっているのが良いと感じる。城塞を起源とするヨーロッパの田舎の街なんかはもっとギュッと市街がまとまっている。東京のようにスプロール的にどこまでも市街地が広がっているより、一つの街の範囲がはっきりしていて良い感じ。
 美人の泉という日帰り温泉施設へ。520円。お湯はエメラルドグリーン色で、温泉成分が濃そうで効能が高そうだ。それから阿賀野市役所のある水原(すいばら)の街へ。古田食堂という本当に鄙びた雰囲気の定食屋へ。上等かつ丼を注文。850円。ボリュームがあってまずまず。こういう昭和の雰囲気のような地味な食堂を訪ねるのが好きだ。コンビニでお酒を買ってから、道の駅阿賀の里に移動して車中泊。カーナビのように小さくないテレビで、日立世界ふしぎ発見を見ながらお酒を見る。番組はトルコの特集で、2月に行ったイスタンブールも出てきて、観光した時のことを思い出した。番組でも紹介されたボスポラス海峡の海底を抜けるマルマライ線という地下鉄にも乗ったし。22時過ぎに就寝。

P6070003
(↑ここから降りて入渓)
P6070006
(↑小滝を巻くK寅さん)
P6070008

P6070017

P6070019
(↑石積みの堰堤)
P6070025

P6070029
(↑雪渓と私。写真横向き)
P6070034v2cs
(↑V字2条CS小滝)
P6070038
(↑雪渓をくぐるK寅さん。写真横向き)
P6070039
(↑カエルの子)
P6070045
(↑トイ状滝とK寅さん。写真横向き)
P6070049
(↑最後も雪が残る)
P6070051
(↑松平山山頂)
P6070058
(↑新潟平野を望む)
P6070061
(↑月岡温泉 美人の泉)
P6070065
(↑水原(すいばら)の古田食堂)
P6070066850
(↑上等かつ丼)

■6/8(日)  五頭山塊 安野川小倉沢ハゲ沢
 4時半に起床。入山は、村杉温泉から入り、車道終点の駐車スペースへ。営業していなさそうなどんぐりの森キャンプ場というのがある。

 参考にした遡行図は白山書房の「日本の渓谷’96」。キャンプ場は、金山沢と小倉沢との出合の上に位置するはずで、目指す小倉沢が下に流れているのは分るのだが、どこから入渓するのだろう。

 キャンプ場内を上に登って行く道もあるようだが、下へと降りていく道があったのでそこを下っていく。と、左下に堰堤が見えたので、その堰堤上に向かって懸垂下降して沢床に降り立つ。前述した某ブログを後日見てみたところ、我々と全く同じところから沢に入ったようだ。

 そのブログによると入渓して最初に現れる滝は順慶ノ滝というらしい。日本の渓谷‘96にはその後に現れる金剛ノ滝と布引ノ滝の二つだけが記載されている。これら3つの滝はいずれも巻くことになる。最初の順慶ノ滝は確か左岸から巻いて最後は30mロープぴったりで懸垂下降できた。

 3つの滝の巻きを繰り返して、この沢も前日と同様に巻きだらけになるのかなと心配していたら、そのあとは普通の沢登りらしく小滝の登りを交えながら沢の中を進んで行けた。斜滝5m大石という小滝に、’96の遡行図には「確保用ボルト2本あり」とあるが、この少なくとも今から18年前に打たれたリングボルトは健在で、朽ちた細ロープがぶらさがっており、それを頼りにこの小滝を越える。右から入る朴木沢出合いには「朴木沢の看板あり」とあるが、さすがにそれは見当たらなかった。

 前日と違い、この日は雪を見ることがなかった。二ノ峰沢や一ノ峰沢と分かれていく。多少巻く滝はありものの、ほとんどの小滝は直上できた。終盤のハゲ滝10mも登れた。右手から稜線の登山道から降りてくる道があるが、そこが水場らしい。この道を辿って登山道に出ることができるのだろうが、ほとんど水流がなくなりかけた沢筋を詰めていくと、やがてヤブ漕ぎになる。それでも前日のヤブ漕ぎよりははるかにラクで、ひょっこりと一ノ峰と右手のほうにあるゼロ峰の間に出る。沢通しにきれいに遡行できた。

 荷物を解いていると、何人かの登山者が通り過ぎた。前日は誰にも会わなかったが、五頭山は五頭山塊の主峰奈だけあって登る人が多いようだ。多くに雪の残る飯豊連峰が眺められる。五頭山の山頂を往復し、一ノ峰、二ノ峰、三ノ峰と小ピークを越える。新潟平野が眺められるし、佐渡島らしきものも見える。

 登山道が分かれる三ノ峰には避難小屋があり、まわりでは10人ほどの登山者が休憩していた。先日沢登りで訪れた丹沢とは比べ物にならないのだろうが、新潟では手軽に登れる山の一つなのかもしれない。三ノ峰からは三ノ峰コースという登山道を下っていく。1時間強でキャンプ場に帰着。

 昨日の巻きだらけに比べ、今日は快適な沢登りが楽しめた。天気も時々晴れ間が見えるくらい良かったし。村杉温泉の共同浴場で汗を流し、川上とうふという豆腐をお土産に買う。それから五泉市の街中にある日ノ出食堂という定食屋へ。さといも麺というサトイモを使った面が名物らしいので、私はちゃんぽんを注文。T寅さんは生姜焼き定食。店を出ると雨が降り出していた。
 あとは高速に乗り東京に帰るのだが、長岡を過ぎ、六日町辺りからだろうか山が近づいてくる頃に再び雨が強く降るようになってきた。関越トンネルを越え関東に入るとさらに雨が激しくなっていた。当初予定していた越後の大スラブの登攀も、おそらく雨に降られたであろうから、中止にして正解だったのかも。
 所属山岳会の他のメンバーたちが計画していた関東甲信のクライミングや登山の計画は軒並み中止となっていたので、天気予報を見て新潟まで足を伸ばしたのは正解だった。雨の休日に混雑したクライミングジムでわさわさと登っているより、こうして雨に降られずに山の中で遊ぶほうが断然楽しいから。K寅さん、お疲れさまでした。

P6080068
(↑どんぐりの森キャンプ場)
P6080069

P6080072
(↑順慶ノ滝)
P6080074
(↑懸垂下降するK寅さん)
P6080075

P6080081

P6080083

P6080086
(↑残置スリングのあるCS滝を登る私。写真横向き)
P6080092
(↑小滝を登るK寅さん)
P6080098

P6080100
(↑写真横向き)
P6080104

P6080108
(↑ハゲ滝10mを登るK寅さん)
P6080112
(↑登山道に出たところから五頭山山頂を望む)
P6080117
(↑雪の残る飯豊連峰)
P6080123
(↑三ノ峰にある避難小屋)
P6080126
(↑村杉温泉の共同浴場 薬師乃湯)
P6080127
(↑川上とうふのお店)
P6080128
(↑五泉市の街にある日の出食堂)
P6080129
(↑さといも麺ちゃんぽん)

越後 三国川芋川ジロト沢右俣 布晒ノ滝

2014.05.31(土)
 越後にある三国川芋川ジロト沢を遡行してきた。ハイライトは右俣に架かる布晒ノ滝(ぬのさらしのたき)の登攀だ。
 同行者は所属山岳会のYT川さん。YT川さんは昨年左俣に行っていて、右俣のこの大滝を登ろうと言うのはYT川さんの提案だ。

 三国川芋川ジロト沢の場所は、関越道の六日町ICから三国川に沿って東へ。三国川ダムに至る手前の野中の集落から南に向かう道に入る。地形図では野中沢と記載されているが、これが芋川のことらしい。その野中沢に沿った車道の終点へ。大きな赤い鉄柱とコンクリートの堰堤が目印だ。
 この辺りには昨夏訪れている。奥利根本谷を遡行した際に丹後山経由で十字峡まで降りてきて、十字峡からは電話で呼んだおいた送迎バスで五十沢温泉まで送ってもらった。その時にこの野中の集落も通り過ぎているはずだ。

 金曜日夜、川越でYT川さんと待ち合わせ、私の車で関越道を走る。日付が替わってから六日町ICを降りる。遠くで稲光が激しく光っているのが見える。六日町ICを降りたあたりは雨は降っていなかったが、遠くではずっと雷が鳴っている。え~、天気予報は良かったはずでは? 三国川ダム方面に向かうにつれて雨が降ってきた。ザーザー降りではないが、小雨というほどでもない。
 三国川ダム下にしゃくなげ観光センターという施設を見つけ、そこの東屋の下で寝ることにした。雨が降っているので軒下で寝られるのは助かる。テントを張る手間も省けるし。風も多少吹いている。地べたにシートを敷いて寝袋に包まる。深夜1時前。4時に起床することにしたので、3時間ほどしか寝られない。

 土曜日4時に起床。昨夜の雨と雷がウソのように収まっていて、空は晴れている。今頃の季節すでに空は明るくなり出している。風が吹いていたせいか、駐車場の路面もすっかり乾いている。その風も冷たくないというか、生暖かい感じで、今日は絶好の沢登り日和となりそうだ。身支度を整えてから出発。
 車を走らせ、前述した野中沢沿いの車道終点の駐車スペースへ。歩き出したのは4時50分頃。注射スペースの奥、目の前の堰堤の右側に山道があるのでそこに入っていく。しばらく沢の左岸の山道を歩くと、右岸、左岸を沢を渡渉するように山道が続いており、最後は大きくガレた場所で山道は右岸へと続くので、山道から離れ沢に戻る。
 滝沢との出合はこの途中の早い段階で現れる。地形図上の車道の終点は野中沢の右岸側で途切れているが、実際はもう少し伸びて左岸側で終わっているので、滝沢の出合いを近く感じたようだ。
 先ほどの山道は帰路にも使うのだが、ガレ場から越路沢の右岸側の山中に作られているらしいこの道は重松越路という鞍部を経て、雨量計小屋まで続いている。この辺りは下山のところでまた触れる。
 ジロト沢を遡行していくのだが、左俣と分かれ、右俣に架かる布晒ノ滝に至るまでこれといって難しいところはなかった。ただ、雪渓がたくさん残っていたので、その上を慎重に歩いて越えていく。こうした雪渓を過ぎていくと、遠くに白い水の流れが見えた。布晒ノ滝。あれを登るのだ。左俣との二俣から布晒ノ滝まではずっと雪渓上を歩くことになる。二俣から左俣を見ると雪渓の先にスラブ状の滝がある。100m大滝らしい。

 雪渓上を歩き布晒ノ滝に近づく。滝の下部は雪渓に隠れているようだ。滝壺周辺は大きなシュルンドになっているので岩壁に取り付けない。どのようにして取り付くか。昨夏奥利根本谷でスノーボラードを作って懸垂下降したように、降りることも考えられるが、支点を作るのが容易ではないし、降りた先がどうなっているか分らない。あとで滝壺を覗くと、岩壁と雪渓の大きな隙間に吸い込まれるように滝の水が落ちていくのを見て、あんなところに降りたら大変なことになっていただろうと思った。
 さて、雪渓から岩壁に戻るため、左俣の略奪点側に少し雪渓を登ると、シュルンドが開いておらず、雪渓が岩壁に接しているところがあった。岩壁にはブッシュが生えていて、それを手掛かりにすれば登れそうだ。取付いてみると確かに登れる。灌木の生えた斜面をトラバースするように行くとルンゼがあり、それを降りていくと布晒ノ滝の左壁に至ることができた。ロープを出すこともなくここまで来れたので、ルートファインディングとしては正解だったろう。右下を見ると、先ほど書いたように滝の水が大きなシュルンドの中に吸い込まれていく。すごい眺めだ。
 少し登った場所でロープを結ぶことにした。YT川さんによると、ここまでですでに雪渓がない時の布晒ノ滝の1ピッチ分くらいを登った高さまで来ているらしい。

 布晒ノ滝そのものは、右俣の出合にかかっているのだが、この滝を登った先もスラブ状の滝が延々と上に続いている。登るラインは、水流の左壁の中、ハングした部分のさらに左側のブッシュの中を選んだ。他の登攀記録を見ると、ここら辺から登ることが多いようだ。
 最初はYT川さんのリードで登り始めることにした。この大滝を登りに行こうと言ったのがYT川さんだから、ぜひリードして登りたいはずだし。この1ピッチ目、滑り落ちそうな草付きなど悪いところがあり、フォローで登った私は、リードしなくて良かった~と思ったものだ。ということで、奇数ピッチはYT川さん、偶数ピッチは私のリード。ピッチと言っても、明確なピッチ支点などもちろん皆無で、50mダブルロープをめいっぱい伸ばす前くらいに灌木などでピッチを切っていった。
 2ピッチ目は私のリードで乾いた岩場を登りつつ、ランナーはところどころ生えている細い灌木で取った。布晒ノ滝そのものはすでに越えているらしいが、傾斜がありまだまだ気が抜けない。
 3ピッチ目をリードしたYT川さんは水流の中に入っていった。基本的には左手のブッシュ帯とのコンタクトライン辺りのスラブ帯を登って行けばよいはずだけれど。水流の中の大きな段差状を登って行ってピッチを切っていた。フォローで登ると上半身に水流をもろにかぶり冷たいのなんの。急激に身体が冷える。ハーケンを打てるようなリスもあまりないところだが、偶然ハンドサイズのカムがきまる隙間があり、YT川さんはそこでピッチを切っていた。
 4ピッチ目は私のリードだが、水の流れるスラブをそのまま登って行けるか試してみる。表面を水が流れる岩のカチホールドを拾いながら3mほど登ってみるが行き詰まってしまう。およそプロテクションが取れる感じがしないし、ハーケンを打つ余裕もないので、登る以上に慎重にクライムダウンしてYT川さんのところに戻る。水流の中を登るのはちょっと無理なので、左の乾いたスラブに戻ることにする。左にぴょんと飛ぶように水の中を移動してから、乾いた岩に取り付く。ところどころ微妙なところもあったけれど、乾いているだけで安心感が違う。
 5ピッチ目以降はずっと易しくなってくるのであまり書くことはない。左側のブッシュとのコンタクトラインをたどって行く感じで、交互にロープを伸ばしていく。終盤はさらに易しくなり、リードのYT川さんがロープ目いっぱい伸ばしたときは私もビレイしながらそのまま登っていった。
 最後、YT川さんがリードした11ピッチ目で雪渓の上を歩くと二俣状になっており、そこで登攀終了とした。振り返ると越後三山が眺められる。右から中ノ岳、越後駒ヶ岳、八海山。私はまだどれも登ったことがない。それにしてもこんな長いスラブ滝をよく登ったものだ。楽しかった。

 休憩してから下山開始。まずは左俣を越えてさらにその左の尾根上にある展望台を目指す。展望台と言っても東屋があるワケではなく、尾根上の露岩があるだけだ。登攀終了点からは真東を目指すようにヤブ漕ぎしていく。どこで左俣を通り過ぎたのかよく分らないのだが、昨年来ているYT川さんが先行してヤブ漕ぎする。久しぶりのヤブ漕ぎは疲れるし、とにかく暑い。途中、見晴らしのきくところからは露岩と、さらに先の雨量計小屋が見えた。露岩の展望台から雨量計小屋までは何となく踏み跡があるところもあるのだが、ほとんどヤブ漕ぎだ。汗だくになる。
 ようやく雨量計小屋に着く。ここから先は平たんな明瞭な道がしばらく続く。が、この快適な道はずっとは続いてくれなかった。重松越路という鞍部をどこで通過したのか気づかなかったのだが、下りの急坂になりだすのに合わせて、道も悪くなってきた。滑りやすい土斜面で、すり減った沢靴だと滑りやすい。フィックスロープが延々と張られているので、それを伝って下っていく。この下りが結構長い。とっくにイヤになった頃に開けたガレ場に出る。朝通過したガレ場だ。ここからは沢を何度か渡り返したりしながら朝通った山道を通ると駐車場所に戻る。17時前。丸々12時間の行動だった。こうして無事に下山。天気にも恵まれ充実した山行となった。YT川さん、ありがとう。

 濡れた服を着替えてから、帰途につく。関越道に乗る前に五十沢温泉旧館に寄って、疲れた身体を癒す。冒頭書いたとおり、昨夏に奥利根本谷から下山した時にここを利用している。お風呂はもちろん、ここで1泊して皆で打ち上げをした。その時は近くのおあしす食堂という定食屋で晩ご飯を食べた。
 今回はお風呂に入っただけで、すぐに関越道に乗って帰った。東松山ICで降りて、YT川さんおススメのラーメン屋で夕食をとることにした。ラーメンショップ吉間家(よしまけ)。20時の閉店にぎりぎり間に合った。私はみそラーメン中盛を注文。ニンニクがきいていて美味しい。満腹になったところで川越までYT川さんを送って解散。

 さて、一人になった私は東京に帰らず、そのまま車を走らせる。秩父、小鹿野を経て志賀坂峠を越えて群馬県上野村へ。上野村ふれあい館という道の駅に似た施設の駐車場に着いたのは日付を回った頃。ビールを飲んでから車中泊。ああ、疲れた。

P5310002
(↑しゃくなげ観光センター)
P5310006
(↑東屋の下で寝た)
P5310007
(↑車道終点)
P5310008
(↑出発)
P5310009
(↑沢に降りる)
P5310011

P5310012
(↑ガレ場を通過)
P5310013
(↑雪渓が出てきた)
P5310015
(↑雪渓の上を歩く)
P5310019
(↑また雪渓。写真横向き)
P5310021

P5310025
(↑ポットホール)
P5310027

P5310030
(↑まだまだ雪渓。写真横向き)
P5310032

P5310034

P5310035
(↑布晒ノ滝が見えてきた)
P5310036
(↑おお~っ)
P5310038
(↑布晒ノ滝の手前も延々と雪渓が残る)
P5310039

(↑左俣の100m大滝)

P5310042_2
(↑布晒ノ滝に近づく)
P5310043
(↑左上を見ると略奪点)
P5310046
(↑滝には虹がかかる。写真横向き)
P5310048
(↑横から覗くとシュルンドが開いている)
P5310049
(↑雪渓から草付きへ。後ろを振り返るとYT川さんが雪渓上に)
P5310053

P5310056
(↑ブッシュ帯から滝の左壁に下降気味に近づく)
P5310059
(↑滝つぼを覗く)
P5310058
(↑1P目を登り始めるYT川さん)
P5310069
(↑2P目フォローのYT川さん)
P5310072
(↑3P目を行くYT川さん)
P5310075

P5310076_2

P5310077

P5310079_2
(↑4P目フォローのYT川さん)
P5310081

P5310085
(↑何ピッチ目か)
P5310087
(↑上のほうを見る)
P5310088_2
(↑後ろを振り返ると越後三山。写真横向き)
P5310092
(↑もうすぐ終わりかな)
P5310094
(↑あそこで終わりだ。最後も雪渓)
P5310096
(↑振り返ると越後三山)
P5310099
(↑大兜山)
P5310101
(↑写真の尾根上、右下側に展望台の露岩。左上側に雨量計小屋が見える。)
P5310105
(↑展望台の露岩)
P5310108
(↑雨量計小屋)
P5310111
(↑朝通過したガレ場に)
P5310113
(↑車道終点に私の車が見える)
P5310115
(↑五十沢温泉旧館)
P53101152
(↑東松山にあるラーメンショップ吉間家のみそラーメン。写真横向き)

東丹沢本谷川 キューハ沢、表丹沢水無川 新茅ノ沢

2014.05.17(土)~18(日)
 今シーズン最初の沢登りに行ってきた。
 土曜日は、所属山岳会のIG嵐さんとT橋さん、私の3人で、東丹沢本谷川にあるキューハ沢を遡行してきた。丹沢山を東側から突き上げる沢だ。
 日曜日は、所属山岳会の約26人が戸沢キャンプ場に集まり、5班に分かれて周辺の沢を登る企画に参加し、私は2年前にも行った新茅ノ沢を遡行してきた。鳥尾山に突き上げる沢だ。
 参考にしたガイドブックは「東京起点沢登りルート120」(宗像兵一編著/山と渓谷社)。キューハ沢はP.126-127、新茅ノ沢はP.88-89に載っている。

■5/17(土)  東丹沢本谷川 キューハ沢
 土曜日朝、私の家の最寄駅でT橋さんと待ち合わせ、私の車で環8経由でIG嵐さんを自宅まで迎えに行く。道路が混雑気味ということもあり、宮ケ瀬湖経由で、塩水橋近くのキューハ沢に至る林道入口ゲート前に到着したのは8時半頃。丹沢山への登山口にもなっているここは十分な駐車場がないため、路肩に延々とたくさんの車が駐車してある。ゲート近くはすでに埋まっているため、数百メートル先まで行って何とか車を止めた。そんなこんなで歩き始めたのは9時頃。天気は快晴。絶好の登山日和だ。

P5170002
(↑塩水橋先のゲート)

 冒頭書いたとおり、翌日は所属山岳会の表丹沢川にある戸沢キャンプ場を起点に皆で沢登りをする予定で、前日夕方に集まれる人、つまりこの日の17時まで戸沢に集まれる人は集まって、夏の沢登りの打ち合わせをすることになっていた。我々3人も17時に行くつもりで行動していたのだが、前半に多く現れる滝の突破に思ったより時間がかかり、とても17時には間に合わないことが分かってきた。

 装備としては、私はフェルトソールの沢靴(モンベル・サワートレッカー)。カラビナやスリング、確保器などのギアのほか、カムも少し持った。8㎜径の30m補助ロープ。
 ゲートをくぐって、塩水川方面に行く林道の橋と分かれ、本谷川沿いの林道を歩く。林道は崩壊しているところがある。
 また、林道上で白骨化またはミイラ化した鹿の死骸を多く見かけた。5~6頭見かけたと思う。3人で話したところでは、2月の大雪で動けなくなって死んだのではないかとのこと。林道上で行き倒れたのか、雪崩や融雪に伴って山の斜面から林道に落ちてきたのかは分らないけれど。生息数が多過ぎて丹沢の植物を荒らす害獣としてのニホンジカがこうして減るのは、そういう意味では良いことなのかもしれない。
 小一時間歩くとキューハ沢の出合い着く。周辺の地形と地形図を見比べて、ここがキューハ沢の入口だと判断した。アプローチシューズから沢シューズに履き替えていると、山の斜面から数人の登山者が降りてきた。聞くと、彼らもキューハ沢を遡行するためにやって来たのだが、道を間違えて4時間もかかってたった今ここに着いたそうだ。お疲れさま。

P5170003
(↑本谷川林道の崩壊箇所)
P5170005
(↑キューハ沢入渓地点)

 入渓すると5つ続けて堰堤が現れる。どれも左岸から越えられ、堤体にハシゴが取り付けられている。ゴルジュ入口の3m滝が現れる。ここは私がリードで左側から取り付き、滝の落口へと抜ける。

P5170010
(↑堰堤を越える)
Dscn0801
(↑ゴルジュ入口の滝をリードする私)

 そのつぎの4m滝だったろうか、滝の直登は避け、少し手間の右岸の岩の斜面から巻き気味に登る。この巻きも結構微妙で私がリードする。ずっと先にある灌木まではなかなかランナーが取れないのだが、途中の岩の隙間にカムをきめておいた。樹林を使って懸垂下降する。

Dscn0804

(↑4m滝手前を巻き気味にリードする私)

P5170021
(↑懸垂下降して沢に降り立つIG嵐さん)
 途中の釜のヘツリではT橋さんが足を滑らせて、水の中に落ち首まで浸かる。冷たそう。ちょっとワルそうなところでちょこちょことロープを出す。時間はかかるけれど、落ちてケガをしたら大事だ。

P5170023
(↑T橋さん)
P5170024
(↑IG嵐さん)

 四町四反ノ沢と分かれ、キューハ沢最大という7m大滝が現れる。ガイドブックには左壁のチムニーを登るとある。滝の飛沫を浴びながら左壁を少し登ると確かにチムニー状に狭い壁があり、滝のある壁の向かい側の壁にハーケンやボロボロのスリングが見える。ここも私がリードする。フリーで登るのはさすがにキビしく残置スリングをつかんで、残置ハーケンにランナーを取りながら岩壁を登っていく。頭上の岩をつかむとボロリと崩れる。下でビレイしているIG嵐さん達に向かってラク~ッ!と叫ぶや否や、手で押さえた石が落ちる。幸いIG嵐さん達に当たらなかった。
 垂壁から左に回り込むように登ると木が出てきて、その根っこをつかんだりしながら登っていき、太い木でピッチを切った。IG嵐さん、T橋さんも続いて登ってくる。樹林の中を歩いて沢床に戻る。

Dscn0811
(↑7m大滝と私)
Dscn0816
(↑左壁のチムニーを覗く私とIG嵐さん)
Dscn0819
(↑リードする私。A0してます)

 この先はガレのルンゼから巻いたり懸垂下降しながら進んでいき、標高1,000m付近の二俣を右に進む。倒木が多い。これも2月の大雪のせいかもしれない。

P5170038

P51700441000
(↑標高1,000m付近の二俣)
P5170048
(↑IG嵐さん)

 大ガラン沢出合には雪が残っていた。大ガラン沢側の雪は結構多い。左に入るキューハ沢本流のほうの雪はわずかだ。本流に入るとすぐに表れるチョックストーンは左右どちら側からでも越えられる。水流が涸れる。ガレ場から、ボロボロの石屑斜面に入り込んだりしたけれど、概ね歩きやすいガレ場を詰めていき、適当なところから左岸側の疎林の斜面に移る。あとは鹿避けフェンスに囲まれた明るい森を上に向かって登っていくと登山道の木道に出る。木道を登ると、みやま山荘のある丹沢山の山頂だ。丹沢山に登ったのは、山歩きをしていた若い頃以来だろうか。

P5170049
(↑大ガラン沢出合には雪が残っていた)
P5170057
(↑IG嵐さんとT橋さん)
P5170058
(↑明るい樹林を登る)
Dscn0832
(↑木道を登る私)

 山頂にいる登山者たちの多くが同じサンダルを履いている。どうやら今夜は山荘に泊まるようだ。今流行りの?山ガールもいる。地味な沢登り姿の我々に比べると華やかなものだ。祝百名山という旗を広げているグループがいた。その中の女性がこの丹沢山で日本百名山完登をちょうど達成したそうだ。おめでとう。
 山荘でビールを買う。350ml缶で500円。外のベンチで3人で乾杯。うまい。山頂に着いたのは15時半頃。30分ほど過ごしてから16時に下山開始。17時の戸沢キャンプ場集合というのは、およそ間に合わない。縦走して塔ノ岳を経て戸沢に下山するなら多少の遅刻で済むかもしれないけれど、登山口に置いた車に戻らないといけないからね。

P5170063
(↑みやま山荘)
P5170071

P5170072
(↑丹沢山山頂)
Dscn0835
(↑ビールで乾杯♪)

 キューハ沢左岸側の尾根である天王寺尾根を下っていき、尾根上の分岐では朝歩いた本谷川林道への登山道が通行止めになっていたので、反対側の塩水川の林道のほうに下りる。塩水側に沿った林道を延々と歩いて、18時頃だったろうか、駐車した車に帰着。

P5170076
(↑天王寺尾根からの眺め)

 戸沢に行けるのはもはや夜遅くになるので、まずは温泉に寄って夕食を済ますことにした。宮ケ瀬湖を経て七沢温泉に寄ろうと思ったけれど、入浴時間を過ぎていたりしてお風呂に入れず。
 お腹が空いてきたので道中見つけたラーメン屋へ。壱勢家というお店。横浜ラーメンというものらしい。おススメは塩とのことで、私は塩ラーメン650円を注文。すっきりした塩味のスープと思ったら、トロッとした感じの濃厚なスープで結構美味しい。飲み物はコーラなどのジュースがセルフサービスで飲み放題になっていた。外に出るとすっかり暗くなっていた。

P5170080
(↑らーめん壱勢家)

 湯花楽(ゆからく)という秦野の街にある温泉施設へ。830円のところJAF会員割引で600円。沢登りのあとはやっぱりお風呂に入りたいものだ。

 コンビニで買い出ししてから、大倉を経て、戸沢に至る林道に入る。2年前にも車で通っているが、大倉から戸沢まで7㎞くらいあるそうだ。翌日の沢登りために皆が戸沢に集まるのだが、車が手配できなかった人は歩くしかない。真っ暗な林道を延々と歩くのは大変だ。
 温泉施設に寄る前に、翌日の参加者の一人のO野さんからメッセージから届いていた。21時頃に戸沢に着くので、幹事の人に伝えておいてほしいとのこと。それを見て、もしかしたらO野さんはその林道を歩いているのかも知れないと思いながら、真っ暗な林道を走っていると、竜神の泉というのを過ぎたあたりで車のヘッドライトに浮かぶ人の姿があった。同乗のT橋さんはそれを見て驚いていたが、私の予想通りO野さんだった。林道区間の中間くらいの場所だった。O野さんを乗せて戸沢に向かう。O野さんは御年70歳過ぎ。私はO野さんよりはるかに若いが、こんな距離を夜中に歩こうなんて思わず車に頼ってしまう。昔の登山者は強いなあと感心。
 21時頃、戸沢キャンプ場に着くと、いくつもテントが張られ、盛大に焚き火を熾して所属山岳会の面々が集まっていた。17時集合に対して4時間の大遅刻だ。夏の沢登りの打ち合わせはとっくに済んでいた。ビールを飲みながら焚き火に当たる。寒いわけではないので焚き火の熱が熱いくらいだ。夜も更けた頃に張ってあったテントに入って寝る。

■5/18(日)  表丹沢水無川 新茅ノ沢
 テントの外が騒がしくなってきたので、何人かがすでに起き出しているようだ。この日も快晴。所属山岳会約26人が集まって、ここ戸沢を起点に周辺の沢を遡行する計画だ。5班に分かれて、水無川本谷や源次郎沢、新茅ノ沢、葛葉川本谷を遡行する。

P5180081
(↑朝の支度のようす)

 私のいる班は新茅ノ沢で、メンバーは昨日キューハ沢を一緒に遡行したT橋さん、H光さん、S幡さん、I瀬さん、私の5人。それからNG野さんをリーダーとする6人も同じ新茅ノ沢に入る。
 水無川本谷に行く班は7時半頃に出発していった。私のいる班は8時半に出発。林道を大倉方面に少し戻ると新茅ノ沢があり、橋の下をくぐって入渓する。
 所属山岳会ではこの時期毎年、戸沢をベースに周辺の沢を登る企画をやっており、会に入会したばかりの2年前に参加した時は、やはり同じ新茅ノ沢を遡行しているので今回で2回目だ。昨年は韓国・禅雲山(ソヌンサン)ツアーに行っていたので不参加。

 うす暗いところを行くとF1滝7mが現れる。ここはバックロープを引いて私が先行する。F2滝9mはH光さんがリード。

Dscn0850
(↑F1滝を登る私)
P5180092
(↑F2滝をリードするH光さん)
P5180094f2
(↑F2滝を登るS幡さん)

 ハイライトのF5大滝15mは私がリードする。2年前にも私がリードしたはずなのだが、あまり覚えていない。そのとき一緒に遡行したS幡さんが教えてくれた。S幡さんは昨年もこの沢だったそうで、3年連続で同じ沢を遡行していることになる。もしかしたら来年も同じ?
 F5大滝は水流の右側を登る。ところどころに残置ハーケンや切れそうなスリングがぶら下がっている。出だしからちょっと登ったところで、足を上げ過ぎてちょっと苦しい体勢になってしまい、目の前の割れ目に苦し紛れに0.5番キャメをきめる。あとは残置ピンにランナーを取りながら慎重に登っていく。滝の水がザバザバとかかって冷たい。岩が乾いたところを乗っ越してトップアウト。支点があるのでそこでセカンドビレイを行う。S幡さんがフォローで登る。
 巻いてきた3人のうち、H光さんとT橋さんが懸垂下降してF5滝の下に降り立ち、それぞれフォローで登る。新茅ノ沢に入ったもう一つの班NG野さんパーティーが追い付いてきて、滝下で待っている。後で聞くと、彼らもそれぞれ大滝を登ったそうだ。

P5180097f5
(↑F5大滝全景)
Dscn0860
(↑F5滝をリードする私)
Dscn0861
(↑同)
P5180100
(↑F5滝を登るS幡さん)
P5180106
(↑同、T橋さん)
P5180110
(↑同、H光さん)
P5180117
(↑鹿の骨)

 F8は左側の緩傾斜から越える。どんどん登っていくと倒木が多くなってきた。岩が崩れているところもある。これもやはり2月の大雪の影響だろうか。少し雪も残っていた。ガレた小滝を越えたりしながら登っていくと、4mチョックストーン涸滝がある。H光さんが先行して後続にロープを出したけれど、難しいわけではないので私はそのまま登って越える。最後にガレガレを詰めると、土止めされた草地が現れてきて鳥尾山の山頂も近い。後ろを振り返ると雪をまとった富士山と相模湾が眺められる。いい眺めだ。

P5180119
(↑F8滝)
P5180125

P51801284cs
(↑4mチョックストーンを登るS幡さん)
P5180131

P5180133

P5180139
(↑鳥尾山山頂)

 鳥尾山荘のある鳥尾山山頂に到着。12時半頃。登山者が多い。派手な服を着た山ガールもいる。沢靴からアプローチシューズに履き替え、ハーネスも脱ぐ。暑いので私は短パン姿に。
 いちおう14時を目安に戸沢に戻ることになっていたので、塔ノ岳方面に少し縦走するという時間もないので、鳥尾尾根をがんがん下って下山した。

 朝イチで出発していった水無川本谷Pがすでに戻っており、我々の後にも残りの班が続々と帰ってきた。全員が揃ったところで総括を行い記念写真を撮って解散。私の車は、IG嵐さん、T橋さん、O野さんが同乗。東名道の渋滞は疲れたけれど皆を自宅や駅まで送る。
 こうして2日間とも素晴らしい天気に恵まれ沢登りを楽しむことができた。キューハ沢でも新茅ノ沢でも小さいながら滝の登攀ができたのも良かった。

秋田県 森吉山 ノロ川桃洞沢~赤水沢 沢登り ◆東北クライミングツアー3

2013.10.18()20() 東北クライミングツアー

 東北ツアー3日目は、秋田県は森吉山(もりよしざん)東部にあるノロ川の桃洞沢(とうどうさわ)~赤水沢で沢登りをした。

 

10/20()  秋田県 森吉山 ノロ川桃洞沢~赤水沢 沢登り

 4時起床。テントを撤収して登山口となる森吉山野生鳥獣センターに向かう。森吉山に近づくにつれて空模様が怪しくなり、雨が降り出してきた。ザーザー降りというほどではないし、濡れるのが当たり前の沢登りだから、中止にすることはない。

 こぎれいな野生鳥獣センターのある駐車場に着くと、同じ沢登り目的らしき人達が何人か準備をしており、我々が着替えなど支度をしている間に出発していった。我々も7時前に出発

Pa200068_4

 しばらく紅葉の森の中にある遊歩道を歩いて行く。雨に濡れそぼった紅葉した樹々が本当にきれいだ。幹の表面がまだら模様をしたブナノキが多い。この紅葉を見られただけでもここに来た価値があったというものだ。

Pa200069

 桃洞沢と赤水沢の出合まではノロ川左岸の遊歩道を歩いて行った。出合から100mほど桃洞沢に入ったあたりに標識とベンチががあり、そこから桃洞沢に入渓する。

 

 歩き始めの沢床は砂地で歩きづらかったけれど、やがて平らな岩の沢床が出てくる。話に聞いていたとおり、ナメ沢だ。両岸の紅葉が本当にきれいだ。平らと言っても、あちこちに大小さまざまな凹穴(ポットホール)が口を開けていて、足元をきちんと見ていないとその穴に落ちてしまいそうだ。

Pa200088

 平らなところではだいたい足首の上くらいまでの深さのところを歩いて行くので、時々ヒザより上が濡れるくらいだ。この時期、こんな冷たい水の中に上半身まで濡らして遡行する気にはならない。

 これらの凹穴、深いものは何メートルもありそうだ。落とし穴のようにたくさんある。この穴に落ちようものなら、頭まで完全に落ち込んで、下手をすると溺れかねないかも。

 そんな凹穴を躱しつつ歩いて行くと、桃洞沢のハイライト、桃洞滝40mが現れた。滝の落口から流れ落ちる水流は、いったん幅広くなると、下ですぼまって穴の中に落ちていくように見える。夏に行った岐阜の沢上谷(そうれだに)にある滝も不思議な流れだったけれど、この滝も一見の価値ありだ。

Pa20009540

(↑桃洞滝40m。写真横向き)

 この滝は、左岸側にご丁寧に岩にステップが掘られているので、それを伝って登ることができる。桃洞滝から先も、ちょっと登りづらそうな小滝があると、必ずステップが見つかる。誰が掘ったのか知らないけれどご苦労なことだ。広葉樹の上に、杉の木が現れてくる。秋田杉らしい。210m滝では左岸に残置ロープがある。

Pa200117

Pa200123

 右に本流を分け、なおも歩いて行く。二俣で分かれるたびに水量が少しずつ減っていくが、ナメ床は続く。小道のように狭くなってきて、ナメから、終盤の源頭の雰囲気になってくると普通の石ころになってくる。ほんの少しブッシュを漕ぐと、地形図上の938mと941mピークの間のどこかに出た。ここから反対側の赤水沢に下りるのだが、20mも下りていかないうちに、舗装された小道のような沢に出た。赤水沢は、桃洞沢以上に舗装されたような平らな沢床で、脇から合流する枝沢も、沢が出合うというより、小路が交差するT字路のようだ。

 その赤水沢は下って行くにつれて幅が広がっていく。途中の傾斜の緩い滝では、斜面に沿って小走りに下る。210m滝はちょっと急だったので、左岸のブッシュを伝って巻いて下る。

Pa200148

Pa200153

Pa200156

(↑つくばいのような凹穴)

Pa200161
(↑うさぎ滝)

 すると、うさぎ滝40mの落ち口に至る。滝の下を見ると、先パーティー4人組がいて、左岸のブッシュにある残置ロープを伝って下りたところのようだ。我々は巻いて下りるようなことはせず、うさぎ滝の緩そうなラインを選んで小走りで下りる。滝壺には大きな凹穴が空いているので、勢い余って穴に落ちないように気を付けないといけないので、ちょっとスリルが味わえる。

 先行Pを追い抜き、あとは幅の広いそれこそ平らな道をジャボジャボと歩いて行く。ごく弱い雨が降っているし、スネくらいの深さとはいえ、だんだんと身体が冷えてくる。紅葉はひたすらきれいなのだけれど、そろそろ出合に着かないかなあと思った頃に、桃洞沢との出合に到着。桃洞沢側に100mほど戻った左岸から、入渓した遊歩道に上がれる。

 遊歩道を戻ると、野生鳥獣センターが開いていた。中ではクマゲラなど動植物を紹介する写真やパネルが展示してある。こうして5時間40分ほどの遡行を終える。

 

 さて、これから東京に帰らなければならない。その前に温泉に寄ることにした。少し走ったところにある杣温泉に行く。鄙びた感じの建物にある内湯と離れの脱衣所がある露天風呂がある。この鄙びた感じがよい。

Pa200170

 それから車を西に走らせ、五城目町へ。ここで食事を取りたかったのだが、適当なお店が見つからず、秋田道に乗ることにした。秋田県内のSAの食堂で、B級グルメ?の横手焼きそばを食べ、岩手県を経て宮城県内のSAでは盛岡じゃじゃ麺を食べた。

Pa200173

(↑横手焼きそば)

Pa200175
(↑盛岡じゃじゃ麺)

 雨がザーザーと降っていてワイパーを動かしまくる。相当降っている。運転を交替しながら、ひたすら南下し、助手席で寝ていて目が覚めると浦和が近づいていて、雨もほとんど止んでいた。外環を経て自宅へ。K寅さんと別れて帰宅したのは日付を回った1時頃。ああ、疲れた。

 

 今回の東北ツアーでの走行距離は約1,900km。よく走ったものだ。縫道石山での敗退はざんねんだったけれど、詰め込み気味の計画をこなすことができた。ほとんど行ったことのない東北には魅力的な山や沢がたくさんあるはずだ。クライミングでなく普通の山歩きでも良いので、これからも機会を作って訪れてみたい。

より以前の記事一覧

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
無料ブログはココログ