アイスクライミング

北ア 霞沢岳中千丈沢 アイスクライミング

2014.03.29(土)

 上高地でアイスクライミングをしてきた。場所は、釜トンネルを抜け大正池ホテルの少し先にある霞沢岳の中千丈沢で、Z(ゼット)やジョーズという氷瀑を登った。 登ったこの日も少しも寒くなかったけれど、下山後したその日の夜から天気が崩れ、翌日曜日は大雨となった。そのため、これらの氷瀑も融けて崩れてしまったかもしれないと思うと、今シーズン最後に登れて良かった。

 今回のメンバーは、所属山岳会のH明さん、NG野さん、M藤さん、HRさん、K藤さん、O野さん、私、それに富山県のMN子さんの8人。

 金曜日夜、私の車で八王子でHRさんを、小淵沢でK藤さんを乗せ、塩尻にある信州健康ランドというスーパー銭湯に到着。もう1台のM藤車は先に到着しているはずで、ここで翌朝5時まで数時間の仮眠を取る。私は館内には入らず車中泊した。

 翌朝、上高地に至る釜トンネルの手前にある坂巻温泉に車2台で移動すると、富山県から安房トンネルを抜けてMN子さんもやって来た。

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(↑坂巻温泉)

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(↑釜トンネル入口)

 準備を済ませて8人で歩き始める。トンネルをいくつか抜けると釜トンネルの入口に到着。ヘッドランプを点けて暗いトンネルの中を歩く。トンネルの長さは約1.3km。トンネルを抜けると焼岳が見えた。車道右側には土砂崩れの復旧工事中らしい産屋沢。さらに歩くと大正池が広がってきて、その先には雪を頂く穂高の峰々が見えてきた。西穂から奥穂、前穂が眺められる。きれいな眺めだ。雪の季節の上高地を訪れたのは、7年前のお正月に横尾尾根から槍ヶ岳を登って以来二度目だ。今回、河童橋までは行かなかったけれど。

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(↑大正池から西穂~奥穂~前穂を望む)
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(↑焼岳)
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(↑大正池ホテル)

 雪に埋まる大正池ホテルの前でちょっと休憩。ここからさらに奥にあるいたところに中千丈沢がある。除雪された車道から雪の積もる中千丈沢に入って行く。トレースの様子では先行者がいるようだ。YT川さん、O前さん達3人が別パーティーでここに来る計画なので、先に行っているのだろう。

 しばらく雪の沢筋を歩いて行くと、大岩のある滝が現れた。大岩の右手には流水が見え、左手には古びたフィックスロープがぶらさがっている。この残置ロープのところを登るのは大変そうなので、左にあるルンゼから巻くことにした。ルンゼを登ってから、右側にクライムダウンすると本流に戻れる。

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(↑中千丈沢 大岩のある滝)

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(左のルンゼから巻き、クライムダウン)

 そうして歩いて行くと、最初の氷瀑が現れる。ハバネロだ。さらにミルキーウェイというアイスが現れた。その右隣りはおそらくコメット。その先にはZ(ゼット)という氷瀑があり、ここでYT川さん達が登っていた。写真で見ていたので形は知っていたのだが、名前のとおりゼットの形をしたアイスだ。これはぜひ登ってみたい。

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(↑ハバネロ)
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(↑ミルキーウェイ(左)とコメット?(右))
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(↑Z(ゼット)が見えてきた)
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(↑Z(ゼット)を登るYT川さん)

 YT川さんPのほかに、別の3人組もいるらしい。一つの滝に全員が固まっては順番待ちになるので、私とK藤さんはまずはこのゼットを登ることにして、他の6人はもう少し上流にあるジョーズや一角獣を登りに行った。

 私のギアは、アックスは旧型のペツルのクォーク、アイゼンはやはりペツルのM10。ほかのメンバーは、シャフトがもっとカーブしていてグリップ部分も段違いになった高価で新しいモデルを持ってきていて、バーティカルなアイスでもいかにもすいすい登れそうだ。しかし、私は7年前のユーロ高の時になけなしのお金をはたいて買った旧型クォークで頑張って登る。ただでさえ機会の少ないアイスなので、まだまだこの旧型クォークを使い続けねば。

○Z(ゼット)

 YT川さん達が張ったトップロープを使っても良いと言ってくれたけれど、せっかくなのでリードすることにした。持参したアイススクリュー6本に、K藤さんの6本を加えた12本を持って登り始める。慣れないアイスクライミングなので、これでもかとスクリューをたくさん打たないと落ちた時に怖い。

 この氷瀑はゼットの形のとおりにジグザグと登っていくわけではもちろんなく、ジグザグを貫くようにつながった氷をまっすぐに登る。下段と上段で2ピッチに分けても登れるが、YT川さん達同様、分けずに続けて登ることにした。

 下段部分に取付く。結構バーティカルに近くて立っている。落ちると怖いのでついつい短い間隔でスクリューを打ってしまい、下段だけで5本も打った。K藤さんに借りたスクリューは良く尖っているのか刺さりが良い。それでも右手でスクリューをセットしている間にアックスを握った左手がパンプしてくるので、右手で持ち替えてレストしながらスクリューをセットする。スクリューをセットする作業も大変なのだから、もう少し間隔を空ければ本数が減ってラクになるだろうに。

 下段を抜けて雪の積もった緩斜面を上がると上段に至る。腕が張ってしまったので、ここでちょっとレスト。上段を見ると、左右の氷柱の間がチムニー状になっている。氷柱の正面を登っても良いのだが大変そうなので、チムニーの中を上がれるところまで上がることにした。氷に背中を持たせかけることができるのでラクだ。

 チムニーから左の氷に移るところはトラバース気味になるのでちょっとバランシー。左右のアックスを逆の手に持ち替えたいのだけれど、流れ止めのワイヤーが邪魔で持ち替えできず。こういうワイヤーがなければ、先月湯川で登った時にやったようなムーブもできるのだろう。チムニー右の氷柱はバーティカルで難しそうなので、上部の傾斜が寝ている左に移る。左に移ってさらに登ると雪が積もった緩斜面に出て、上部の木に架かっている残置ロープで懸垂下降できる。下段で5本使ったスクリューは上段でさらに7本も使って、持って行った12本全部使ったことになる。使い過ぎだ。もっとランナーの間隔を開けられるようにならないと。

 それでもこうしてゼットをオンサイトできたのは嬉しい。やった。

  私がリードしたあと、K藤さんもリードで登った。残念ながらノーテンではなかった。K藤さんが登っている頃、下から3人組がやって来たのに加え、上からも3人組が降りてきた。我々8人とYT川さんP3人を合わせると、この日ここには17人いたことになる。

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(↑ゼットを登るK藤さん。つぎの写真も)
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  ゼットを登った私とK藤さんは、H明さん達が登っているはずのジョーズと一角獣に移動することにした。少し歩くとすぐにこれらの氷瀑が現れる。さらにその先には達磨アイスという緩やかなのもあった。

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(ミウラー?)
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(↑一角獣とジョーズが見えてきた)

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(↑2段になった一角獣(右)とジョーズ(左奥))
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(↑達磨アイス)

 ジョーズと一角獣は隣接していて、一角獣は上下2段になっているようだ。見たところ、一角獣の下段は易しそうだ。その奥に細い氷柱状の一角獣の上段が見え、取付いている人の姿がある。ジョーズは一角獣上段の左隣りにあって、一角獣の下段を登らなくても、その左側にあるジョーズアップというルンゼを上がればロープ無しでも近づける。

○一角獣(下段)

 ということで、易しそうな一角獣の下段を私がリード。取付いてみると、やはりゼットよりはずっと易しく、その分スクリューの間隔もずっと開けられた。ジョーズとの間にある小尾根の中の灌木でピッチを切る。

 フォローで下段を登って来たK藤さんがそのまま小尾根のブッシュを抜けジョーズの取付へ。着いたジョーズの取付では、NG野さん達が登っていた。ジョーズは左側がバーティカルで難しそうで、右側は傾斜が緩い分易しめだそうだ。

○ジョーズ

 ジョーズ左はトップロープで皆が登っていたので、NG野さんにビレイしてもらって易しめの右をリードすることにした。ジョーズの氷瀑のほとんど右端から取付く。確かに私でも余裕をもって登れて、先ほどの一角獣下段と同じくらいの印象だ。たどり着いた上部の木にかかった残置ロープでセカンドビレイをして、フォローでNG野さんが登り、懸垂下降した。

 そろそろ引き上げる時間が近づいてきたので、最後にジョーズ左をトップロープで登っておく。トップロープはやはり楽チンだ。ノーテンで終了点へ。

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(↑ジョーズ)
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(ジョーズ取付から一角獣の上段を見る)
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(ジョーズ右側を登るNG野さん)
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(↑ジョーズ左側を登るHRさん)

 ということで、一角獣の上段の氷柱を登れなかったのはちょっと残念だったけれど、リード3回とトップロープ1回できて、一度もテンションしなかったから今回はまずまずだ。坂巻温泉から釜トンネルを経てずっと歩いてくるのはちょっと大変だけれど、アプローチも分かったことだし、機会があればまた来たい。

 荷物をまとめて下山する。大岩のあったところでは懸垂下降して車道に出る。今夜はこのまま帰らずに、安房トンネルを抜けた平湯側の栃尾にある民宿に皆で泊まることになっている。当初は大正池ホテル周辺でテント泊して日曜日も登る予定だったのだけれど、天気予報が大雨だったので、用意した共同の食料を食べるためにも民宿で泊まることにしたのだ。

 そのため、駐車した坂巻温泉から釜トンネル入り口の前を通って安房トンネルに向かうことになるので、全員が坂巻温泉まで戻る必要がない。ドライバーだけが車を取りに坂巻温泉に行けば、残ったメンバーはトンネル入口で待っていればよいので、私が先行して車を取りに行くことにした。

 YT川さん達を追い抜き、真っ暗な釜トンネルの中をヘッ電を点けて一人で急ぎ足で歩いていく。1.3㎞のトンネルは随分と長く感じられた。トンネルを出たところでザックを置き、空身で坂巻温泉へ。靴はボリエールのアイスマスターだけれど、やはり走りづらい。すっかり暗くなった頃に坂巻温泉に着き、すぐに釜トンに戻ると、皆が待っていた。他2台のドライバーを乗せ、車で再び坂巻温泉を往復。戻って3台8人で安房トンネルを抜け栃尾の民宿へ。

 民宿は富久の湯というところ。あまり堂々とは書けないけれど、お風呂で身体を温めたあとは1階にある大部屋でガスで食事を作った。皆がたくさんの食料とお酒を持ち寄っての大宴会。H明さん始め皆が持ってきたワインも美味しかったけれど、富山のMN子さんが持ってきてくれた名物マス鮨もこれまた美味しかった。

 布団で寝たけれど、畳の下が床暖房になっているらしく、暑くて暑くて寝苦しかった。民宿の人に言って、床暖房を切ってもらえばよかった。夜中に雨の音で目が覚める。けっこう強く降っているみたいだ。

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 翌朝、思い頭のまま起きだして、残った食料で朝食をとる。このあとは東京へ帰るだけだが、途中、スーパーでこもどうふというこの土地の豆腐を買ったり、平湯ではんたい卵という温泉たまごを食したりてから、車3台は解散。私の車でK藤さん、HRさんを送って自宅へ。道中、結構強く雨が降っていた。これでは昨日登ったアイスも融けてしまっているかも。午後3時頃に帰宅。

 そんな感じで、先々週の錫杖に続いて今回もアイスクライミングができて良かった。私としては今シーズンのアイスはこれでおしまいだけれど、来シーズンはもう少しアイスに取り組んでも良いかも。

佐久湯川でアイスクライミング

2014.02.26(水)
 佐久湯川でアイスクライミングをしてきた。湯川にはクラックで4回訪れたことがあるが、アイスしに行くのは初めてだ。
 本当は西上州の相沢奥壁に行く予定だったのだが、先日の大雪のためアプローチで断念。転進先の神津牧場も通行止めで、内山峠を越えて信州は佐久湯川まで転進してきたというワケだ。
 メンバーは、所属山岳会のYT川さんとN野さん、私、某山岳会のクラックもアイスもうまいO前さん、別の某山岳会のY崎さんの5人。
 前日の夕方にこの計画を知った私は、彼らにお願いして急きょメンバーに加えてもらうことにした。夜には入間のクライミングジム・ベースキャンプでN野さん他とともにルート壁を登ったのだが、急きょ行くことになった翌日のアイスのため閉店1時間前に切り上げて帰宅した。
 なお、自身の過去の記録を見ると、相沢奥壁には2008.02.24、神津牧場には2010.01.31に訪れている。

 土曜日朝、埼玉県内で待ち合わせして、O前さんのパジェロで相沢奥壁を目指し荒船山方面へ。
 国道254号線の三ツ瀬という地名の辺りからか、遠くの山中に陽に当る氷瀑が見え、あれが相沢奥壁の氷瀑だとO前さんが教えてくれた。集落内を進んで行くと、先日の記録的な大雪で、車1台が通れるくらいしか除雪が済んでいない。対向車が来ると少し道幅が広がったところで避けないといけない。そうすると、アプローチとなる荒船山登山口に至る林道に入るところが完全に雪の山になっており、車で入ることができなかった。その先を歩いて見てみたのだが、トレースも無く、降雪以来誰も入っていないようだ。これではアプローチが大変なので、ここは諦めて別のアイスゲレンデを目指すことにした。

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(↑集落内の林道入口はこのとおり雪だらけ)

 ここからごく近い神津牧場に転進することにした。が、国道から神津牧場に至る道路入口に通行止めの看板が立っていた。ここも雪のため不通らしい。
 さらなる転進先として佐久湯川に行くことになった。当初予定した場所に行けなかったのは残念だが、前述のとおり、私は湯川でアイスをしたことがないので、不意のことだけれど初めて訪れることができて良かった。
 内山峠を越えて信州に入ると、晴れた空のもとこちらも雪景色が広がっていた。その時、そういえば長野県に来るのはずいぶん久しぶりだと気がついた。帰宅後に記録を見たら、長野県に来たのは昨年10月の体育の日の3連休の中日に小川山に訪れた以来だった。

 灯明の湯を過ぎて、林道入口付近だろうか除雪が途中で泊まっていて、駐車スペースのように少し広がっていた。そこから先はトレースがあるので、ここから歩くことになる。車が1台停まっていた。後で聞いたところでは、湯川のアイスゲレンデのうち白髪エリアというところで登っていたらしい。

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(↑灯明の湯を過ぎて、除雪終点で駐車)

 我々は乱菊エリアというところを目指すことにした。積雪に残るトレースをずっと歩いて行く。昨日あたりから気温が高くなり、ヤッケを着たまま歩いていると暑いくらいだ。ずっと歩いて行くと右上の樹幹越しに岩場が見える。クラックルートのある岩場だ。林道から遠目に見た限りでは岩は乾いているように見える。晴れて暖かければ冬でもクラックができるのかも。そうするとアイスとクラックの装備を用意しておけば、両方とも楽しめるのか。
 さらに少し歩くと、林道が上と下に下りていく二俣に出る。ここまで30分、いや40分くらい歩いたかもしれない。ここで二手に分かれる。O前さんとY崎さんはロープを持って上の林道を行く。残る3人は下に降り河原沿いを進みアイスの取付に行く。

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(↑林道を歩いていく)

 河原に向かって下りていくも、トレースが無くなりラッセルとなる。あまり水際を歩くと雪を踏み抜いて水に落ちそうだ。途中、頭上に導水管の橋のようなものがあり、その下の右岸側ちょっとしたアイスがある。帰宅後にアイスのガイドブック「チャレンジ!アイスクライミング」(廣川健太郎著/東京新聞出版局)を見たら、ミクロトワンソンというアイスらしい。トレースが残るところでは少し歩きやすくなるけれど、途中2回飛び石を伝って沢を渡り返したりする。そうすると左岸側に崖に氷柱がいくつも並んでいた。乱菊の氷柱エリアだ。氷には陽が当っていて明るいのだが、そのためか少し融けて水が垂れているように見える。崖を埋め尽くすほど氷で覆われているわけではなかったので、氷が最も発達した頃よりは量が少ないのかもしれない。対岸にあるアイスは修行の滝みたい。

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(↑ここで林道を離れ沢へ下りていく)

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(↑沢筋を進む)

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(↑乱菊の氷柱が見えてきた)

○乱菊の氷柱
 さて、上の組が林道のガードレールを支点にトップロープを張る作業をするのだが、ロープを下ろす箇所がちょうどアイスのところになるように、上と下の組は無線機で交信する。下から大声を出しても聞こえるのだろうが、なるほどこのほうが確実だ。林道からアイスの上端までも距離があるので、補助ロープを伸ばした先にトップロープが下がるようにする必要があり、ロープの本数はそれなりに必要だ。

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(↑乱菊の氷柱)
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(↑トップロープを2本張った。写真横向き)

 こうして乱菊エリアの崖の大きな木を挟んで左右の氷柱にそれぞれトップロープを張る。上で作業をしてくれたO前さん達が来るまでに、我々3人はトップロープで先に登ることにした。私のギアは旧型クォークとM10。まずは右の氷柱から登り易そうなラインを適当に選んで登っていく。日が当っているためかやはり氷の表面がシャリシャリと柔らかい感じ。テンションするようなことはなくトップアウト。
 今季、クォークを振るうのは12月にYT川さん達と行った甲斐駒坊主ノ沢以来だ。坊主ノ沢はずっと緩傾斜だった。昨季は、笛吹川東沢の乙女ノ滝に一度行っただけだ。それ以前にも何度かアイスに行く機会はあるが、普段フェイスのクライミングをやっていて、たまにクラックをやるという以上に、アイスは稀にしかやらない。
 O前さん達も合流して、2本のロープを使ってあれこれ登る。アイスのベテランO前さんは他の人とはやはりムーブが違う。アックスをサクッと一発できれいに打ち込むし、アックスをただ真上に刺して正対でワシワシ登るだけでなく、斜めや横向きに刺したりクロスして左右のアックスを持ち替えたりとムーブが多彩だし安定感がある。

 一つの氷柱でも、右側とか左側とかラインを変えながら私は乱菊を5本登った。これまでやったアイスクライミングでは、正対でアックスをとにかく上に上に刺して、アイゼンの爪も同様に上げていくという風にワシワシと登っていくだけだった。今回はトップロープの安心感もあるだろうが、アックスを横向きにツララ状の裏側に刺してサイドプルのようにしたり、凹角状に身体を入れた際はキョンしたり、さらに軽くニーバーや背中を氷柱に預けたりして荷重を軽減したりと自然にできた。
 今回思ったのはコルネの発達した石灰岩を登っているのに似ていると感じたことだ。コルネも垂直方向に伸びているので、ホールドを横から持ったりキョンしたり、ヒザなど手足の先以外の身体を岩にあてるのは普通のことだ。特に先日、トルコの石灰岩で登り込んできたばかりなので、アイスをしながらそれに通じる体感を得たのだろう。O前さんが「○○くん(私)はフリーやってるから、手に持つものを変えただけだよね」と言ってくれていたけれど、確かにそんな感じに近いのかも。

 ミクロトワンソンで登ったあと、再び乱菊に戻って右の氷柱を1本登った際は、午前中にO前さんが左端から登って、氷柱を右に回り込むようにトラバースするラインを真似て登ってみた。氷柱を回り込む際はその向こう側にアックスは刺せてもアイゼンは刺しづらい。右手右足でスタンスを取ると、オープンドアのように身体が左から開いてしまうので、ここでは自然とフラッギングをやってみた。そうして右手右足に乗った状態で左のアックスを近づける。そうすればさらに右のアックスを右に打てて、氷柱を回り込んでしまえばアイゼンの爪も刺しやすくなった。フリーだってそうだけれど、これがハングした氷の乗っ越しとなればさらに立体的なムーブが求められるのだろう。本格的なアイスからしたらおよそ何でもないことなのだろうけれど、今回初めてアイスでムーブらしいムーブの一端に触れることができた感じだ。

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(↑YT川さん)
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(↑O前さん)
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(↑Y崎さん)
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(↑私)

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(↑私)

○ミクロトワンソン
 乱菊に至る途中、導水管の橋の下の右岸にあるのがミクロトワンソンのはずだ。高さは10mくらいか。O前さん達がすでにトップロープを張っておいてくれたのだが、せっかくなのでリードしてみることにした。
 乱菊でのトップロープのつもりで、アイススクリューを車に置いてきてしまった人もいたので、YT川さんの2本、私の5本の計7本を使う。YT川さんが右寄りを登るのに4本持って行ったので、同時に左寄りから登ることにした私は3本。取り立てて難しくはなかったのだが、刺したスクリューが足よりも下になると、落ちた時のことを考えるとやはり怖い。3本しかないので2.5~3mくらいの間隔でスクリューを打ったと思う。
 左寄りよりももう少し傾斜がキツい右寄りもリードする。この時は手持ちの5本を全部使ってしまった。この滝で5本も使っていては、もっと高い滝では何本必要になることか。もっとランナウトに慣れないといけないのだろう。
 O前さんに言われたのは、スクリューを打つ際の姿勢。右手でスクリューをセットしている間、左手はアックスを握っているワケだが、その左手のヒジが曲がったままだと腕が疲れてしまうので、アックスはなるべく腕を上に伸ばした状態に打って、両足の位置を決めるようにするとのこと。アックスを打ったら、改めて両足の爪を刺して安定した状態にしたほうが良いようだ。
 しかし、やってみるとこれが意外と慣れない。アックスを打って足位置を決め直す際についつい足位置が上がり、結果上体が上がり、腕ぞ曲がってしまう。普段やってるフリークライミングだって、クリップはもっと短時間で済むけれど、身体を上げる際にはいつもいつも腕を引き付けていてはヨレてしまうので、身体を振ったりして腕をなるべく伸ばした状態で、一方の腕で上のホールドを取りに行くようにしている。要は慣れだ。

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(↑ミクロトワンソンを登るN野さん)

○修行の滝
 修行の滝は、乱菊の対岸にある。O前さんとYT川さんが上から回り込んでトップロープを張ってくれた。滝の流身にも氷ができているが、内部は水が流れ落ちていて筒状のごく薄い氷に見えるけれど、滝の左側にある氷は日陰ということもありしっかり氷っているようだ。
 出だしの低い氷柱を登って、テラス状を右にトラバースして流身の氷の左側に取付く。そこを登ると木の根っこがあるのでそこで終了とした。

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(↑修行の滝)

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(↑YT川さん)

 夕方になり撤収することにした。YT川さんが修行の滝を懸垂下降してロープを回収してくれる間に、O前さんは乱菊にかけた補助ロープを上の林道から回収に行ってくれた。Y崎さんも含め、皆さんにはお世話になりっぱなしだ。
 積雪の林道を歩いて帰るうちに暗くなってきた。40分くらい歩いたのだろうか。もっと歩いたような気もする。疲れた~。でももうすぐ3月。真冬よりは陽が伸びたものだ。
アイスではトップロープ7便とリード2便で、思ったよりもたくさん登れたのは良かった。駐車スペースには白髪エリアで登っていたらしいパーティーがテントを張っていた。明日も登るのだろう。上信越道~関越道経由で埼玉県内で解散。
 東京へ帰る途中、山田うどんに寄って日替わり定食を食べる。埼玉県内を中心に展開する山田うどん、特別美味しいわけではないけれど、この安っぽさが好きなので一人で行動する時はちょくちょく利用している。
 今回、急ながらアイスをする機会を得られて良かった。トップロープばかりだったけれど、ムーブらしいムーブも試せてアイスの面白さが少しだけ分かったかも。

南アルプス 甲斐駒ケ岳 坊主ノ沢 アイスクライミング

2013.12.14(土)~15(日)

 南アルプスは甲斐駒ケ岳の坊主ノ沢でアイスクライミングをしてきた。
 アイスそのものは滝の傾斜が緩く難しくないのだが、アプローチの黒戸尾根や五丈沢の登り返しなど、普段あまり山を歩かない身には堪えた2日間だった。
 甲斐駒には、高校生の時に2回登り、その後時を経て雪のある12月に2回登ったり、4年前には足首骨折後のリハビリを兼ねて日帰りで登っている。さらに、黄蓮谷の沢登りで2回、昨年秋には赤石沢Aフランケ赤蜘蛛ルートを登っており、今回の坊主ノ沢で都合9回目の甲斐駒訪問だ。
 同行は、所属山岳会のYT川さんをリーダーに、M田さんと私の3人パーティー。YT川さんとは今夏、南紀黒蔵谷へ沢登りに行ったり、普段は入間のクライミングジム・ベースキャンプで登っている。

■12/14(土)
 前夜YT川さんの車で中央道を走り、甲斐駒黒戸尾根の登山口となる竹宇駒ヶ岳神社の駐車場で車中泊。
 翌朝起き出すと、他にも数組の登山者が支度をしていた。女性3人組がタクシーでやって来て、やはり支度をしていていたので挨拶する。我々と同じ山岳会のメンバーで、黒戸尾根から甲斐駒山頂を目指す計画だ。
 彼らが出発していった後に、我々も黒戸尾根に向けて歩き出す。
今日の予定は、五合目から五丈ノ沢を下り出合付近にテントを張り、残った時間で黄蓮谷の坊主ノ滝50mを登る。
 明日は、坊主ノ沢を登って坊主岩東稜を下降し、テントを撤収。五丈ノ沢を登り返し黒戸尾根を降りる。

 7時半過ぎに歩き始める。登り始めはまったく積雪はなかった。笹ノ平分岐を過ぎ、八丁登りの途中からだったろうか、ちらほらと雪が現れ出して、地面も凍ってきた。久しぶりにストックを使う。今春の残雪期登山で初めて使ったのだが、足の負担が軽減されてやっぱり楽だ。我ながら歳を取ったものだ。
 刃渡り、刀利天狗を経て、黒戸山を巻いて五合目に12時半過ぎに到着。途中、刃渡り付近では、快晴の空に八ヶ岳をきれいに眺められた。八ヶ岳の山頂付近は雲がかかっていたけれど。五合目からは篠沢七丈瀑らしい凍結した滝が眺められる。

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(↑刃渡り)

 五合目からは雪の踏み跡と赤テープを頼りに五丈ノ沢右岸側をどんどんと下降して行く。1時間以上も歩いて、黄蓮谷との出合に降り立つ。その少し手前には岩屋がある。ハングした岩の下でテントが張れるくらいのスペースがある。そこでは水も汲めないことから、我々は出合付近の雪を均してテントを張った。目の前の黄蓮谷の沢で水が汲めるので、雪を融かして水を作る手間が省ける。

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(↑五丈ノ沢左岸側を下降)

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(↑岩屋)

○黄蓮谷 坊主ノ滝50m
 私が持ってきたテント・モンベルステラリッジ3型を張り終えてから、残った時間を使って、黄蓮谷にかかる坊主ノ滝50mを登りに行くことにした。
 テントを張った場所の目の前にある小滝は手前に釜もあることから、右岸から巻き20分ほど歩くと坊主ノ滝下に到着する。沢登りで訪れた時、この滝は左岸のルンゼから巻いたけれど、それほど傾斜の無い坊主ノ滝はアイスなら比較的容易に登れそうだ。すでに取り付いているパーティーがいる。聞くと、黄蓮谷の右俣を詰めるそうで、この日はもう少し登って途中で泊まるらしい。

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(↑坊主ノ滝50m)

 我々もロープを出して登る。すでに15時過ぎ。あまりのんびりしていられない。最初はM田さんのリード。M田さんは昨シーズン、バーティカルの氷瀑をあちこち登り込んで経験を積んだらしい。緩傾斜のこの滝を何でもなく登ってところどころにスクリューを打つ。傾斜がさらに緩くなった先でピッチを切り、2人が続く。

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(↑リードするM田さん)

 私のギアは、アックスは前の型のクォーク、アイゼンはペツルM10、靴はボリエールのアイスマスター。何年も前に買いそろえたものだが、アイスなど滅多にやらないので使い込まれた感じがしないギアばかりだ。
 YT川さんの登り方を観察して、ちょっと真似てみる。力任せにアックスを打ち付けて無駄に氷を壊すのではなく、刃先でチョンチョンと穴を穿ってから、その穴に軽く打ち込む感じだ。それでも刃先がすっぽ抜けるのが怖いので思い切り打ち込みたくなる。
 2ピッチ目は私がリード。さらに緩くなったところを右上にトラバースしながら登っていき、左岸の灌木帯に入る。立木を使って懸垂下降するためだ。懸垂下降で滝下に降り立つ。暗くなり出してきて、気温も下がって来て寒い。

 テント場に戻り、お湯を沸かして夕食を取る。凝った食事を作るのも面倒だったので、食事は各自用意してお湯で戻すだけのアルファ化米などで手早く済ます。19時半頃には横になる。テントの外で時々強い風が吹いていたけれど、厳冬期用のシュラフを持ってきた寒がりの私は震えることなく寝られた。

■12/15(日)
 5時前に起床。まだ暗いけれど、お湯を沸かして朝食を手早く済ませる。不要な荷物をテントに残し、風に飛ばされないようにポールを抜いてテントをつぶしておく。少しずつ明るくなってきた6時半頃に出発。
 まずは千丈ノ滝の右岸側を下ること10分ほどで坊主ノ沢出合に到着。参考にした本はチャレアルで、滝の記載などはそれに寄る。出合のF1滝30mが凍っている。黄蓮谷との間にある尾根が坊主岩の東稜で、下降に使う尾根だ。

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(↑坊主ノ沢F1)

 F1ではロープを出してYT川さんのリードで越える。

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(↑F1をリードするYT川さん)

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(↑フォローのM田さん)

 その後の小滝やナメ滝ではロープを使わず各自登っていく。途中の凹角状の岩の乗っ越しではYT川さんが登って、後続はロープで確保してもらう。二俣を右に進むと長いナメ状が続く。大ナメ滝100mだろう。アックスとアイゼンをきかせてザクザクと登る。遠く左上に坊主岩の大スラブが見える。東壁らしい。

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(↑アックスを大振りする私。写真横向き)

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 2段40mらしい滝も登ると坊主ノ沢のアイスクライミングもいよいよ終わりで、右岸側の尾根の緩そうなところを目指して樹林帯に入ると、すぐに小尾根上に出る。10時半頃。
 その向こうには東壁のスラブが眺められ、その基部を巻くように雪面をトラバース。下降に使う東稜そのものに取付くため、スラブ基部と樹林帯の間を目指して少し登って東稜の尾根上の乗る。

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(↑坊主岩東壁を見上げる)

 そこからは細い東稜を下って行く。下るにつれて尾根が枝分かれして分かりづらいところもあり、どんどんと下って行き、最後はテントを張った五丈ノ沢出合付近に至る右の枝尾根に入りたかったのだが、そのまままっすぐ進む尾根を下降したため、最後空中懸垂も含む50mいっぱい懸垂して東稜末端に降り立つ。つまりすぐ脇にF1がある。こうして坊主ノ沢のアイスを終える。

 テント場に戻り、テントを撤収。ここから五合目まで五丈ノ沢右岸の登り返しがものすごく大変だった。ある意味ここが核心部だ。1時間半くらいかかってヘロヘロになって15時半過ぎに五合目に到着。つ…疲れた。
 黒戸山の登り返しから黒戸尾根をどんどん下って行く。と言ってもヨレヨレだし、暗くなってきて、月明りに照らされて樹林帯を下って行く。いよいよ暗くなったのでヘッドランプを点ける。ものすごい速さで駈け下って行く若者3人組に抜かれ、だんだんと痛くなってくる足の裏を我慢して歩く。神社を経て駐車場に帰着したのは19時過ぎ。
 ヘロヘロに疲れたものの、思っていたよりは短い時間で下山できた。しかし、下りでかいた汗が一気に冷えたのか身体がガタガタと震えだしてきた。温泉に入りたい~。しかし、行ったベルガは臨時休館。むかわの湯でようやく身体を解凍できた。ああ、極楽極楽。渋滞の無い中央道を走り解散。YT川さんと別れ、私の車の駐車場に帰ったのは0時近く。駐車場から家までちょっと距離があるため、帰宅するのが億劫になりそのまま車中泊。翌月曜日の朝、6時くらいになってから帰宅した。足が筋肉痛だし、慣れないアックスを振った腕もダルい。
 岩(赤蜘蛛)、沢(黄蓮谷右俣)、氷(今回の坊主ノ沢)、雪(12月黒戸尾根)と、ひととおり甲斐駒で登ることができた。氷は今回の坊主ノ沢だけでなく、黄蓮谷の右俣や左俣に行く機会がいつかあればと思う。

宮城県 作並・鎌倉山 ドライツーリング ◆東北クライミングツアー①

2013.921()23()  東北クライミングツアー

 秋分の日の3連休は、宮城県と山形県の岩場を巡ってきた。

 初日は、宮城県は作並・鎌倉山でドライツーリングをやった。

 2日目は、山形県は山寺でフリークライミング。

 3日目は、やはり山形県にある黒伏山南壁の中央ルンゼでマルチピッチクライミング。

 

 私は3ヵ所の岩場とも行くのは初めてだ。

人工壁で少しだけマネ事をやったことはあるものの、岩場でドライツーリングするのは初めての体験でとても新鮮だった。

 また、山寺も黒伏山南壁もどちらも行ってみたかった場所なので、今回どちらも行けたのは本当に良かった。

 東北のクライマーの人達に会うこともできたし、充実した3日間だった。

9/21() 宮城県 作並・鎌倉山 ドライツーリング

 クラックとアイスがめっぽう強いO前さんに、東北の人に誘われてるということで、山寺や黒伏山に行こうとお誘いをもらった。

 山寺は前から行ってみたいと思っていたフリーの岩場だし、黒伏山南壁のマルチも一度は行ってみたくてネットで山行記録などを調べたこともあった。O前さんからの電話でこの2ヵ所の地名を聞いた瞬間、この話に飛びついた。

 おまけにドライツーリングもやるかもしれないとのこと。アックスとアイゼンを使って、岩場を登るという未知の体験もとても楽しみだ。

 それに、東北のクライマーの人達も合流して一緒に登るとのこと。

 彼らはアイスクライミングをやり込んでいるそうで、宮城県の二口渓谷などにはアイスができる氷瀑がたくさんあるそうだ。彼らに会うと、そんなアイスの話もたくさんでてきて、アイスはかじる程度にしかやったことのない私にはこれまたワクワクする話だった。

○宮城県へ

 土曜日の未明に埼玉県内でO前さんと待ち合わせ、O前さんのトヨタ・アクアで東北を目指す。このアクアはご存知ハイブリッドカーなので燃費がとても良い。遠方に行く今回は特に、ガソリン代の安さの恩恵を感じた。

 東北道を走り、福島県に入って福島飯坂ICでいったん下りる。今回東北ツアーに声をかけくれたT村さんをピックアップする。再び東北道に乗り、仙台宮城ICで下りる。

 作並街道(国道48号線)を走ると、右手に鎌倉山という岩山が現れる。この作並・鎌倉山は別名ゴリラ山というらしい。仙台方面から来て眺めると、山肌にある岩場の形がゴリラの横顔に見えるらしい。言われれば、そう見えなくもない。

 道路脇に駐車スペースに車を停め、ザックにアックス、アイゼンなどを入れ岩場へ。麓の民家の手前を横切る農道を左に入ると、単線(JR仙山線)の小さな踏切を渡る。渡ってすぐの踏切脇の草むらに入ると、山道が続いている。

 山道を20分ほど歩くと、樹林の中に岩場が現れる。ゴツゴツと凹凸が顕著な岩でハングしたところもある。思っていたより気温が高く、ここまで歩いてくるだけで汗でシャツがビショビショだ。

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(↑鎌倉山)

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○ドライツーリング

 ペツルのボルトが打たれたルートがいくつか見て取れる。T村さんによると、Ⅳ級くらいのマルチピッチルートもあるそうだ。

 我々がドライツーリングをやった場所は、山道から岩場取付に出て、少し右に歩いたエリア。T村さんによると、ドライツーリングの難易グレードで、M6からM10くらいのルートがあるらしい。この日我々が登ったのは、M6、M8、M9くらいのグレードの3本で、エリアの左から順に並んでいる。グレードが上がるほど、ハングの張り出しが大きい。さらに右手のほうにはM10くらいのルートが3つほどあるそうだ。

 Mはミックスの頭文字らしく、要は、氷の部分と岩の部分があるところをアックスを使って登るスタイルのグレード付けのようだ。

 ところで東北行から帰宅後、ネットで鎌倉山の記録を調べたら某ブログにトポ図が載っていた。そこには、ルート名やDのグレードも載っていたので、ここではそれも使わせてもらう。Dはドライツーリングの頭文字だろう。

 それによると、我々が登った3本は左から順に、

 ①小ハングルート D6

 ②つばさ D6

 ③こまち D7

 さらに、右手のほうにあるM10くらいのルート3本というのは、

 ④はやて D10

 ⑤やまびこ D9 (出だしは、はやてと一緒。中間で右上し、はやてからMaxやまびこにリンク。終盤ではやてと合流らしい)

 ⑥Maxやまびこ D9+ (終盤は、はやてと合流)

 アイスクライミングをやるために数年前に買ったものの、高いお金を払った割にはほとんど使う機会のない私の得物は、アックスはペツルのクォーク(旧型)と、アイゼンはやはりペツルのM10。ブーツは、カモシカスポーツのガラクタ市で半額で買ったボリエールのアイスマスター。グローブはブラックダイヤモンドで掌側が皮製のもの。

 人工壁でドラツーを少しやったと前述したが、一時期あった群馬県六合村(くにむら)の人工アイス施設アイスエクストリーム六合ができたシーズンに2回行っただけに過ぎない。

①小ハングルート D6

 まずはT村さんがリードして、小ハングルートにトップロープをかけてくれる。O前さんは何でもないようにこれを登る。

 続いて私。凹凸の大きい岩の隙間や割れ目などにアックスの先をひっかけて取付く。下部を何とかこなし、小ハングの抜け口へ。ハング先のホールドというかアックスをひっかけるポイントを探りながらハングを乗っ越し、なんとかノーテンで抜けられた。

 しかし、ずっとアックスを握っていたので前腕がパンプ気味だし、必死になって登ったので汗だくだ。普段やっている素手とフラットソールで登るフリークライミングとはまた異なる登り方だ。ドラツー特有の技術が必要らしい。

 アックスを反対の手に持ち帰る際に、いったん一方のアックスを肩に掛けたり、口にくわえたりと、O前さんはスムーズにこなしていた。

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(↑小ハングルートを登る私)

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(↑小ハングルートを登るO前さん)

②つばさ D6

 このルートにはT村さんがフラットソールでヌンチャクを掛けながら登りトップロープをかけてくれた。このルートは先ほどの小ハングルートよりもハングが顕著で、O前さんも大変みたい。私はハング部分でテンションしまくり。トップロープでなかったら、激しくフォールしまくっていることだろう。ロープに半分ぶらさがりながら、何とかトップアウト。小さな溝に両方のアックスをかけてマッチしたり、片腕チンニング状態から、もう一方のアックスを伸ばしたりと、腕力を使いまくる。

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(↑つばさを登る私)

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(↑つばさを登るT村さん)

③こまち D7

 このルートには私がフラットソールを履いてリードし、トップロープをかける。出だしのカチの垂壁は悪すぎてチョンボしたものの、ハングの部分はガバガバなので難なく抜けられた。出だしを除けば5.10台半ばのグレードか。

 しかし、ドラツーで登るとなると、まるで勝手が違う。出だしの垂壁は、アックスの先をわずかにひっかけ、じりじりと上がりながら上のポイントにひっかけるという登り方で、フリーで越えられなかったところを登れた。ハング下まではノーテンでいけた。

 ハング越えはつばさよりもさらに長く難しい。ぐいぐいと身体をあげていけるところもあるのだが、あとはテンションしまくりながら身体を引き上げる感じ。

 O前さんは、2度目のトライでこのはやてをノーテンで抜ける。さすが。

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(↑こまちを登る私)

 私はあとは、こまちとはやてをもう一度ずつ登って、計5便出した。二度目のトライもハング部分はテンションだらけで、腕はヨレヨレだ。それでも、ドライツーリング体験はとても新鮮で楽しかった。

 今夜は、山形県東根市のU松さん宅に泊めていただくことになっているので、お隣り山形県へ移動する。山形県に入り、天童市郊外にある湯ピアという立ち寄り温泉施設で汗を流してから、U松さん宅へ。

 先月、北ア錫杖岳の「注文の多い料理店」を登りに行った際に、やはり注文を登りに来ていた東北から来たという4人組パーティーに会った。U松さんはその一人だったのだ。その時、同行のH明さんと東北の人達はアイスの話をずいぶんとしていたが、今回別の伝手で私は東北に来たのだが、錫杖で会った人とこうしてまた会うというのは、クライミングの世間は改めて狭いものだと思った。翌日、山寺で会うH野さんとK沢さんもやはり錫杖に来ていたメンバー。

 U松さん宅で座卓を囲み、アイスクライミング談義をする。O前さんは東北のアイスクライマーと話して、来たる冬の東北アイスツアーを考えていることだろう。アイスは初心者だけれど私も行ってみたいものだ。

 

 ビールから始まって日本酒「出羽桜」も出てきて、ついつい飲み過ぎてしまう。明日はこれまた楽しみにしていた山寺で登るというのに、二日酔いになってしまうのはマズい。

奥秩父 笛吹川東沢・乙女ノ沢でアイスクライミング

2013.2.23()

 東沢乙女ノ沢にアイスクライミングに行ってきた。

アイスに行くのは、東日本大震災が起こる前の2011年の上州・霧積(2/22)や八ヶ岳南沢大滝(3/1)以来だから2年ぶりのことだ。

 どちらも難しい滝ではないし、今回の乙女ノ沢も傾斜の緩い易しいところだったけれど、一応アイスのギアを持っているのでたまにはアックスやスクリューを使わないともったいない。

 同行者は所属山岳会のNG野さん。NG野さんは今冬からアイスを始めて、すでに4回ほど行ったそうだ。

 金曜日の夜、私の家の最寄駅でNG野さんと待ち合わせ、中央道経由で笛吹川西沢渓谷や東沢への入口となる道の駅みとみへ。雁坂トンネルの山梨県側の出口だ。テントを張って寝たけれど寒くてあまり寝つけず。

■東沢

 5時に起床。ほとんど寝つけなかったので寝不足だ。西沢渓谷入口の無料駐車場に車を移動して、620分頃に歩き始める。よく晴れているけれどやっぱり寒い。もちろん寒いほうが氷が融けなくて良いのだけれど。

 ガイドブックの資料によると東沢を詰め乙女ノ沢出合まで約2時間。積雪はあるけれどアイゼンを履かずに歩いていく。林道を進み吊り橋を渡ると西沢渓谷と分けて東沢に入って行く。

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(↑廃屋の山小屋の前を通過)

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(↑吊り橋を渡る)

 トレースはあるが、先行するパーティーはいないようだ。というより、結論を書くとこの日の乙女ノ沢は我々だけの貸切だった。帰り道の林道でハイカーに会った以外は、往復のアプローチでも誰にも会うことなく、心配していたロープのすだれ状態ということもなく済んだのは良かった。

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(↑トレースをたどる)

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(↑トレースをたどる)

 ホラノ貝沢や山の神を過ぎる。シカかカモシカだろうか、動物の足跡がある。

途中、東沢を見下ろすと、沢の水面に浮かぶ円盤状の氷がゆっくりと回っている不思議な光景を見た。沢の表面の凍結した氷が岸から分離して、水の流れで動くうちに角が取れて真円になったのかもしれない。P2230024

(↑水面に浮かぶ円盤状の氷がゆっくり回っている)

■乙女ノ沢

 なんとかアイゼンを履かずに歩いていき、ガイドブックどおり2時間歩くと乙女ノ沢出合が右岸に現れた。出合の乙女ノ滝50mは一部雪に埋まっているもしっかり氷っているようだ。取り付きから見上げていると、想像していたよりもずっと傾斜が緩い。

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(↑乙女ノ滝が見えてきた)

 ダブルロープ50mなどを出して準備する。アイススクリューは、私は6本、NG野さんは5本。二人とも持っているスクリューはこれが全部だ。NG野さんは今期アイスに行っているとはいっても、まだリードをしたことはないということで、まずは私がリードで登ることにした。計画書上も一応私がリーダーだし。

 めったに使わない私の装備について言うと、アックスは前の型のペツルのクォーク、アイゼンはやはりペツルのM10。アイスをばりばりやっている人は最新モデルを使いこなしているのだろうけれど。

○乙女ノ滝50

 午前9時、登はん開始。中央左寄りから取り付く。傾斜はやはり緩い。片手でしっかりアックスを握っていなくてもスクリューを打てる。というよりノーハンドレストもできる。手持ちのスクリューの数が限られるので、どれくらいの間隔で打ったものか考えたけれど、結果的に5本ランナーを取った。

 ひさしぶりにアックスを振るうし、アイス用アイゼンを蹴り込むので、最初はちょっと慣れが必要だった。それでも傾斜が緩いのでレストしながら登っていける。

NG野さんが持ってきたブラックダイヤモンドの新品のスクリューは扱いやすい。貸してもらったスクリューラックも、スクリューを外すのが簡単だ。

 滝の後半部では雪に埋まったところもあるけれど、その下は凍っている。滝の落ち口を抜けて、水平面にスクリューを打って、ビレイ支点を作る。50mロープいっぱい登ったようだ。下から見上げた時は、傾斜が緩いせいもあってそれほど高さがあるようには見えなかたけれど、意外と距離があるのだ。

 姿は見えないけれど、フォローのNG野さんがどんどん登ってくるので、ロープを手繰りあげるのが忙しい。こうして乙女ノ滝をあっさり突破。いったんロープを解く。

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(↑乙女ノ滝をリードする私)

 ガイドブックのトポ図によると、この先210mや易しい20mというのがあるらしいが、雪に埋まっているせいもあり、それと気づかないうちに通過する。途中、雪崩跡があり、デブリが積もっている。デブリの上に雪が薄く積もっているので、しばらく前に雪崩れたのだろう。

 340mが現れる。半分ほど雪に埋まっている。これがその滝だと分かったのは、この後の大滝を登った後のことで、振り返ってみてあれが340mだったのかと気づいたわけだ。

 この340m、雪に埋まっている部分が多いので、どこがどう3段なのかは分からないが、最初に見上げた時は乙女ノ滝よりもさらに傾斜が緩く見えたので、ロープは出さずに各自登ることにした。NG野さんの登る姿はまだ直接見ていないけれど、まったく問題なさそうだ。

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(↑3段30mを登るNG野さん)

 ということで、340mを二人とも簡単に登ると、登ったすぐ先に大きな滝が現れた。これが80m大滝だ。

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(↑大滝にたどり着いたNG野さん)

○大滝80

 この大滝も初めに見た時はこれがその大滝だとは思わなかった。傾斜が乙女ノ滝より緩いので、想像していたより易しそうだからだ。80mとなると途中でピッチを切らないといけないのだが、滝の横幅も広いせいか一見あまり高さを感じさせない。しかし、実際に登ってみると50mロープ1回で登り切れる高さではないことはすぐに分かる。

 NG野さんのリードで大滝の登はん開始。先ほどロープを出さなかった箇所を除けば、NG野さんのアイス初リードだ。傾斜も緩く難しいところはないので当然と言えば当然なのだが、NG野さんは危なげなくロープを伸ばしていく。適度な間隔でスクリューも打っていき、ロープの残りも無くなってきたところでピッチを切る。

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(↑大滝1ピッチ目をリードするNG野さん)

 1ピッチ目をフォローで続いた私が残る2ピッチ目を登る。雪に埋まったところも過ぎ、大滝の上に出る。2ピッチ目も50m近くロープを伸ばしたので、やはりこれが大滝なのだ。大滝を抜けたところは雪が深く安定しているので、ビレイは肩がらみで済ませる。NG野さんも登って大滝の登はんを終える。この時点で1150分頃と、予定の大滝登はんが昼前に済んでしまった。

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(↑大滝2ピッチ目をリードする私)

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(↑大滝登はんを終え、後方の山を臨む私)

○下降

 想像していたよりもあっさり終わってしまったので、乙女ノ沢をさらに詰めて石塔尾根を越えて西沢渓谷側に下降しようかとも相談したが、当初の計画どおり登ってきたルートを引き返して、余った時間で出合にある乙女ノ滝をまた登ることにした。

 大滝は左岸側の木を使って懸垂下降2ピッチ。1ピッチ目も2ピッチ目も残置スリングのある木が使いやすい。340mでも懸垂下降。雪崩跡を下りて、乙女ノ滝では右岸側にスリングやカラビナが何本も巻きつけられた木があるのでそれを使って懸垂下降した。

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(↑大滝は左岸を懸垂下降)

○再び乙女ノ滝

 出合に帰着したのは13時半頃。まだまだ時間があるので、リード&フォローで乙女ノ滝を登ることにした。

 まずは、先ほどフォローでここを登ったNG野さんがリードで登る。滝を抜けたところでスクリューで支点を作って、私がフォローで登る。懸垂下降して再び取付に下りたのが14時半頃。

 今度は私がリード。まったく同じラインでは面白くないので左寄りから右寄りへとちょっと変化をつけて登る。NG野さんも登って、3度ここを懸垂下降して取付に下りたのが15半前。

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(↑乙女ノ滝をリードするNG野さん)

■帰途へ

 これで乙女ノ沢でのアイスクライミングは終了。荷物をまとめて、1540分に出発して来た道を戻る。往路ではアイゼンを履かなかったが、帰路は履いているので、坂道でもガシガシ歩いていける。行きで見かけた沢の水面上を回っている円盤状の氷はまだ回っていた。音もなくゆっくり回っている眺めはちょっと幻想的な感じだ。

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(↑円盤状の氷はまだ回っていた)

 アイスクライミングそのものは難しくなかったけれど、アプローチは片道2時間近くかかるし、一日中寒い中にいたのでやっぱりそれなりに疲れた。17時半に駐車場帰着。

 ネットで調べると先週末はそれなりに人が入っていたようだが、この日は他に誰もいない滝を我々だけで独占できたのは良かった。

 雁坂トンネルを抜け秩父に入る。道の駅両神薬師の湯で冷えた身体を温める。あ~気持ちいい。明日はフリークライミングの予定なので、今夜はどこで泊まろうかと考えたが、二子クライマー御用達の下吉田キャンプ場に電話して空き部屋があることを確認してここに泊まることにした。

 ヤオヨシで買い出ししてから下吉田へ。私にとっては散々泊まり慣れたところだが、NG野さんは初めてだ。明日行く岩場はあれこれ相談したけれど、当初の計画どおり河又に行くことにした。あれこれここで書けないような話題でおしゃべりしてしまい、寝袋に潜り込んだのが0時を回ってしまった。ああ、疲れた。眠い。

八ヶ岳 南沢大滝アイスクライミング

 3月1日、一週間前の霧積に続きHN田さんと再びアイスクライミングに行ってきた。行き先は八ヶ岳の南沢大滝。南沢大滝は3年前の3月2日に訪れている。その時は腕が張って力尽きてしまい、途中で降りて他の人に替わってもらうという力の無さを思い知らされた記憶がある。今回はそれを払拭すべくレッドポイントするのが個人的な目的だ。

 前夜HN田さんを乗せ、首都高~中央道経由で諏訪南ICで降りる。美濃戸口に建つ八ヶ岳山荘の中で夜11時半には寝ることができた。
 翌1日はまだ暗い5時に起床。荷物をまとめて6時10分頃に出発。私の車では上の赤岳山荘までは入れないのでここから歩かなければならないのだ。この頃には外はずいぶん明るくなってきた。凍った路面で転びたくないので最初からアイゼンを付けて行く。アイス用のアイゼンはザックに入れ、縦走用のを装着。最近はアイゼンを使うような山行に行かないので、こういう時に遠慮なく使うことにした。Imgp3135
 途中、男性二人組に会っただけで、50分ほどで赤岳山荘に到着。私はアイスマスターというボリエールの靴を履いていたのだが、右足の踵が靴擦れして痛くなってきた。HN田さんに靴擦れ防止パッドをもらって貼った。これでずいぶんと痛みが軽減された。ところどころ青空が見え風もないが、予報では午後から崩れるはずだ。
 美濃戸山荘のところから北沢の登山道と別れ南沢に入る。防寒具やギアなど用心してたくさん持ってきたものだから荷物が重い。だんだんと足取りが遅くなり、すたすたと歩くHN田さんに付いて行けない。
 南沢大滝・小滝に入るところで、HN田さんが待っていてくれて、誰かに電話をしている。ドコモだとこんな山中でも通話できるのだ。私のはauだが、とっくに圏外なので電源を切っている。私の古い機種は来年7月で周波数の関係で使えなくなるのだが、これを機会にドコモに換えるかな。携帯電話会社を換えると手数料とかで余計な出費がかかるが、これからもずっと山に行くことを考えれば、使いこなせないほどの高機能で比較するのではなく、通話エリアの広さで選択すべきかも。思い返せば、携帯電話が急速に普及しだした10数年前は携帯各社は通話エリアがどんどん拡がっていることを盛んに宣伝していたが、今はそんなことは聞かない。その間、一向にauがドコモのように山中でも使えるようにならなかったのは、auの怠慢と言われても仕方ないだろう。
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 さて、話を八ヶ岳に戻そう。まずは小滝に行く。着いたのは8時35分くらい。小滝は右側の氷が崩れてしまったのか途切れているが、残りはしっかり氷がある。週末にたくさん人が来て登られているようで、表面は穴ぼこだらけだが。この日は平日なので我々二人だけの貸し切り状態。餅入り粉末お汁粉をお湯で溶いて食べてから、まずは私がリード、HN田さんがトップロープで登ってアップとした。

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 午前11時前に大滝に移動した。この頃になると空が曇ってしまいガスも出てきた。南沢大滝は3年前に訪れた際に感じたよりは大きくなく、傾斜も無いように見えた。これなら十分登れそうだ。HN田さんも以前訪れた時よりも傾斜がないと言っていた。が、帰宅してから見た3年前の写真と見比べると、氷の付き方は多少違いはあるにしても、それほど傾斜が異なるようには見えない。いずれにしてもたくさん登ろう。まずは持参したスコップで雪を切り崩し、荷物置き場を作る。それからチャイ風生姜湯というのを飲んだ。今はいろいろな味のものが売っていて便利だ。温まる。

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 リード&フォローで登ることにして、1便目は私のリード。滝の右寄りに取り付く。下部の斜度が緩いところでスクリューを2本。上部で4本使った。先週登った霧積の隠れ橋の氷瀑より少し難しいといった感じのグレードか。 アックステンションせずにところどころスクリューをセットしながら登り滝上に抜ける。もっとスクリューを使わずに登ることもできるのだろうが、セットするのも練習だから良いだろう。滝上の向かって右側(左岸)の樹木にぼろぼろの残置スリングを見える。そのスリングは使わずに、フォローで登るHN田さんをビレイする。3年前には歯が立たなかった南沢大滝も、今回けっこうあっさりと登ることができたので、少しは力がついたのかなあと実感(ダブルロープが交差してしまったけど)。

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 懸垂下降して、今度は抹茶オレを飲む。寒い時にはこういう甘い飲み物が美味しい。ちらちらと雪が降ってきている。2便目はHN田さんのリード。滝の中央あたりを登る。途中アックステンションしながら、使ったスクリューは5本。見事滝上に抜ける。HN田さんは先週、霧積に行った際にアックスの振り降ろし方を手首のスナップを利かせるようにしてから、無駄打ちがずっと減って、この滝もきっちりとリードして登った。

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 私はフォローで登るも、アプローチで濡らしてしまったアイス用のグローブがあまりにも冷たくて指の感覚がなくなりそうだ。早く下りて予備の手袋に交換したい一心で、がつがつと急いで登って、すぐに懸垂下降した。
 雪の降りが強くなってきて、荷物が雪まみれになる。時刻は14時40分頃。あと1便は登れるので、私はウールのグローブにオーバー手袋を重ねて、3便目を出した。取り付いたのは滝の左寄り。上部では凹角っぽいラインを登った。これまたテンションすることもなく抜ける。HN田さんも登ってきてすぐに下降した。
 取り付きに戻ると荷物はさらに雪に埋まっていた。パッキングを済ませ、16時10分に下山開始。下りは速い。美濃戸山荘に着いたところで、私はアイゼンを縦走用のに替えた。HN田さんはここからはアイゼンなしだ。17時半頃、車を停めた美濃戸口に帰着。普段こんなに長く歩かないものだから、疲れてしまった。
 立ち寄り温泉「もみの湯」で冷えた身体を温める。アイスの後の温泉は極楽じゃ~。先週の霧積と今回の南沢大滝と、なかなか行く機会のないアイスクライミングに二度も行くことができて良かった。同行してくれたHN田さんに感謝。

上州 霧積アイスクライミング

 22日、HN田さんと群馬県の霧積(きりづみ)へアイスクライミングに行ってきた。霧積は山奥の鄙びた温泉宿があるところで、その周辺にアイスクライミングができるところが数か所あるのだ。

 霧積に行くのは私は初めて、HN田さんは先月O形さんと行ったので2度目。普段はフリークライミングばかりなので、たまにはアイスもやりたいと思って計画した。せっかくアイスの装備を持っているので、それを使いたいし。アイスクライミングをやるのは昨シーズン行った神津牧場以来だ。

 早朝、HN田さんと待ち合わせ、関越道~上信越道経由で松井田妙義ICで降りる。よく晴れている。国道18号から霧積に向かう道路に入り進んで行くと、霧積ダム近くの道路沿いのコンクリート壁に薄く氷が着いている。アイスができるエリアの一つのようだが、アックスを打って登れるほど氷が厚いようには見えない。

 さらに進み長野新幹線の高架をくぐった対岸にも氷瀑が見える。その先の橋のそばにも氷瀑があり、ここが隠れ橋の氷瀑らしい。温泉宿の霧積館が車道の終点。宿手前の身舗装路には雪が残っていた。宿の前の駐車場に車を停めて、アイスの支度をする。

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【温泉奥のエリア】

温泉から5分ほど歩いたところに高さ10mもないくらいの氷瀑が現れる。少し雪が積もった小広場状のところの正面に、左側が少し傾斜が緩そうな短い氷瀑、右側にやはり短いながらもバーチカルな氷柱がある。週末はたくさんのクライマーが来るのだろうが、平日のこの日は我々だけの貸し切り状態だ。Imgp3079

 私が持っているアックスとバイルはペツルのクォーク、アイゼンは同じくペツルのM10HN田さんもクォークで、アイゼンはブラックダイヤモンドのサイボーグというステンレス製のものだ。

 まずはHN田さんが左側の緩いところをリードした。フォローで私が続き、登って来た左側と氷柱のある右側にトップロープをそれぞれ張る。私は右側の氷柱をトップロープで2度登った。多くのクライマーがアックスを打ち込んだ跡なのだろう。穴が結構開いているので、それを手がかりにすると登るのは難しくない。3度目はリードして、持っているアイススクリューを数カ所セットしてレッドポイントした。HN田さんは左側の中央あたりをリード。

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【隠れ橋の氷瀑】

 時刻はお昼を回り、リードできたことだし、このエリアはもうこれ以上登っても仕方なさそうなので、場所を変えることにした。来る途中、車道から見えた隠れ橋の氷瀑に行くことにした。駐車場に戻り車で移動。橋の近くに駐車すると、目の前に氷瀑が見える。車道からは急に見えたのだが、近くに行って見ると実際はそれほど急ではなかった。ガイドブックによると7075度と書いてあった。これならまず登れそうだ。

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 下段のほんの数mほどの氷を登ると傾斜が緩み確保のために立ち易そうなので、短いのだがそこでピッチを切って2ピッチで登ることにした。

 時刻は午後2時半過ぎ。冬至の頃に比べるとずいぶんと日が伸びたので、あと3時間くらいは登っていられるだろう。1ピッチ目はHN田さんがあっさりリード。私がフォローで登り、続けて2ピッチ目を私がリードした。スクリューをセットするのも練習なので、途中4カ所スクリューを氷にねじ込んだ。テンションすることもなく登れたのでオンサイト。

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滝の落ち口上の左岸側(右側)に木の根に結んだ残置スリングとビナの支点があった。HN田さんがフォローであがり、いったん下まで懸垂下降した。1時間ちょっとしか経っておらず時間はまだまだあったので、今度は順番を変えて登ることにした。まずは私が登り、後半をHN田さんがリードして完登。HN田さんはアイゼンの前爪をモノポイントにしておらず、2本爪なので氷への蹴り込みがちょっとやり難そうだ。また、アックスを氷に打ち込む際も何度も打ち直していて無駄に疲れてしまっているようだ。腕を上に伸ばして手首のスナップを利かせてアックスを振ると楽に打ち込めると教えてあげたら、その後は何度も打ち直すのが減った。これもやはりムーブなのだろう。

 2度登ってもまだ時間があったので、2ピッチ目の滝をトップロープ状態で、HN田さんが2回、私が1回登った。荷物を置いた下に降りると5時半で薄暗くなってきた。車はすぐそこに停めてあるので、アプローチを戻るのは気楽だ。二つのエリアをどちらも何度も登れて、良いトレーニングになったと思う。

 温泉宿の霧積館には事前に電話をしておいたので、このまま帰ってしまうわけにはいかないし、身体もやはり冷えていたので、温泉に寄った。平日なので宿泊客は誰もいないようだ。薄暗い館内を宿のおじいさんに案内されて、温泉に入った。ぬるめのお湯にゆっくり浸かった。男湯のほうは六角形をした浴場で、浴槽も六角形だった。

 霧積館を発ったのは午後7時過ぎ、途中上里SAで夕食を済ませ、午後10時にはHN田さんをJR山手線の駅近くまで送って解散。

 たまにアイスクライミングをやってみるのも良いものだ。もっと大きな滝に登るとなるとアイススクリューがもっと必要だけど、値が張るからなかなか買えないなあ。

 

神津牧場でアイスクライミング

 古賀志で登った翌31()は、総勢10名でアイスクライミングをやった。場所は西上州の神津牧場近くにあるアイスゲレンデ。

 前日から出かけている私とT辺さんは、早朝に東京を発つ28名と下仁田あたりで合流する予定。都心を朝6時に出発するようでは、スキー客で混む関越道の渋滞に巻き込まれて いるだろうからと、我々はちょっと遅めに起きて太田桐生ICから北関東道に乗る。途中彼らから電話がかかってくると、すでに上信越道の甘楽PAにいるという。まだ吉井IC付近を走っていた我々が一番遅くなってしまった。5分ほど待たせただけで済んだので良かったが、関越道はまったく渋滞していなかったという。メンバーはU井隊長、N村、Y木、S子、T村、M田、H口、Y本、T辺、私。

3台総勢10名で神津牧場を目指す。集落を抜け舗装してあるものの急な坂道を登っていく。路面が凍結していたら、この急坂はとても登れそうにない。牧場手前のスペースに車を停める。Imgp2263

装備をまとめて、駐車スペースから車道を少し戻ったところから踏み跡に入っていく。急な斜面を渓に向かってどんどん下っていくと、Imgp2272やがて右手奥に氷結した滝が見えてくる。神津牧場の氷瀑は、右エリアとインディアンサマー広場の2つ。見えたのは入門砦のようだ。私にとっては2年ぶりのアイスクライミング。入門砦の滝は約6mN村さんがリードしてトップロープを張って くれ、皆がそれをImgp2301Imgp2306る。しばらくしてN村さんが上に行こうと言うので一緒に行きナバホを登る。ナバホ は出だしが10m ほどで立っている。その上は緩やか。N村さんの話ではどれも氷がゆるいという。

2人が戻 ると他の8人はまだ入門砦にいたのでImgp2309、皆でインディアンサマー広場に移動することにした。インディアンサマー広場には4つ の滝があり、右から傾斜の緩いチェロキーアパッチシャイアンが並ぶように正面にそびている。左奥のリトルインディアンは下まで繋がっていなかった。先客パーティーが何人かいたのだが、我々10人が来てしばらくすると移動していった。我々が占拠していた入門砦に行ったのだろう。

N村さんがアパッチをリードして皆のためにトップロープを張る。N村さんばかり当てにするわけにもいかないので、私はチェロキーをリードすることにした。ここは本当に緩やかで易しい。アイスは久しぶりということで、スクリューをセットする練Imgp2313習を兼ねて登った。やっぱり易しいので、トップロープは張らずImgp2320にスクリューを残して 、他の人たちもリードで登ることになった。

N村さんはシャイアンも登ってロープを張ってくれたので、私もアパッチとシャイアンを登った。5時を過ぎ、暗くなる中アプローチの踏み跡を登り返した。

荒船の湯という温泉施設に寄り、藤岡までした道を走り「おやじのひれかつ丼」という豚カツが3枚も載った定食を注文した。2年前に注文した時は苦しいながらも平らげたのだが、この日は1枚残してしまった。同じものを注文した他のメンバーも軒並み食べ残している。大食いのN村さんも残している。

最近は以前ほどたくさん食べることに執着しなくなった。食べ残した豚カツがもったいないという気持ちよりも、無理にこれ以上食べた後の苦しさを想像すると、目の前の豚カツに箸をつける勇気が湧かなかった。自分も歳を取ったんだなあと感じる場面は最近はいくらでもあるが、残された豚カツを見て改めてそう感じた次第である。

アイスクライミング3回

2月17日Photo_6

 尾白川・錦滝

2月24日Photo_7

 上州・相沢の大滝

3月2日Photo_9

 八ヶ岳・南沢大滝

写真のクライマーはいずれも同行のN氏

再び春日渓谷へ

 クリスマスの3連休は正月山行の直前とあって、出かけるのは初日のみとし残り2日間は準備に充てることにしました。
 で、22日は2週間前にも行った春日渓谷へ。正月山行のリーダーが知り合いからアイゼンをもらって、正月に出かける前にどこかで試し履きをしたいとのことで、春日渓谷に行くことにしました。正月の山行は氷壁を登るようなところはないはずですが、もらったアイゼンがペツルシャルレのM10とのことでアイスクライミングにはもってこいのギアです。
 そういうわけで、私といつものパートナーにリーダーを加えた3人で金曜日夜に出発。車は道路の積雪が心配でしたが、私の愛車で行くことに。
 前回と同じく、春日温泉を過ぎた先の広場にテントを張って仮眠。翌朝、天気は曇り模様。林道を上がっていくと路面の積雪が増えてきて、一つ目のトンネルを越えた先で一台の車が雪には待って動けなくなっているのを発見。と、私の車もそこでいよいよ進めなくなってしまいました。これはマズいことになったと、持参したスコップでタイヤの周りの雪を掻き分け、何とか下り坂を後進。雪も降り始めてきました。
 私は、春日ルンゼまではそれほど距離がないだろうから、この辺りに駐車しようかと言いました。リーダーは、このまま雪が降り続ければ帰る頃には脱出できなくなるかもしれないから、引き返そうと言いました。そこで我々の車はその車を残し下りました。ずいぶんと引き返して路面の雪がほとんどなくなったところで車を停めました。さて、せっかく遠くまで来たのだから頑張って春日ルンゼまで歩くかこのまま諦めて帰るか相談した結果、歩くことにしました。
 荷物を最小限に抑え仕度をし出発。延々と春日ルンゼまで1時間20分歩きました。時刻は10時20分。数人の人達がF1を登っているのが見えます。リーダーは春日ルンゼが初めてとのこと。以前やはり雪に阻まれ諦めて帰ったことがあるそうです。
 さて、F1を私のリードを登りました。前回も登っている分落ち着いて登れました。このF1でトップロープで何本か登るのかと思ったら、このまま上の様子を見に行こうと言うことになりF2、F3と登り、F4ではパートナーがリードしました。さらにこの上はもう登るところが無いようで、懸垂下降を交え下に降りました。F1では再びリードで登ったりするうちに他の人たちが帰ってゆくので我々も下山することにしました。
 午前中歩いてきた車道を延々と下っていきます。帰りは前回と同様、春日温泉に寄りました。

2017年5月
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