登山

北ア 太郎平 (黒部川上ノ廊下P捜索)

2014.08.19(火)
 所属山岳会のメンバーがお盆休みに北ア黒部川上ノ廊下を遡行していたのだが、予定日を過ぎても下山して来ないことが分かった。
 そこで、現地に捜索に向かうことになり、この日、北アの折立から太郎平まで歩くことになった。
捜索に関わることなので具体的な内容に触れられないところが多いのだが、私が太郎平まで訪れたことを中心に、所属山岳会や県警救助隊の対応などをほんの少しだけ書いておく。

 所属山岳会の4人と別の山岳会の1人の計5人のパーティーが、8/13(水)~17(日)の5日間の日程で、黒部ダムから薬師沢までの黒部川上ノ廊下を遡行する計画で出かけた。
 17日夜になっても山岳会へ下山連絡が来ず、翌18日(月)午前中になってから会から富山県警に対し救助要請を行った。県警はすぐにヘリを飛ばし口元ノタル沢付近で同Pを発見。ここのところは詳細を伏せるが、ヘリでの彼らのピックアップはせず。
 さらに翌19日(火)になって同Pは自力で本流を下降し、昼頃に奥黒部ヒュッテに下山し、山岳会へ連絡を行った。

 一方、当山岳会としては、同じ時期に入渓していた別パーティーに問い合わせて、同Pの目撃情報の収集などを行うほか、県警との連絡、同Pの家族や職場への連絡を行った。
 また、18日(月)夜に会合を開いて対応を協議。結果、Sのさん、O田さん、私の3人がこの晩から北アに向けて出発することになった。最長で2泊3日の行動となるので、勤め先へは3日間休むことになる可能性を連絡しておいた。

 ところで私の車、日産エクストレイルは前日の日曜日にエアコンが故障してしまった。月曜日の夕方は急きょ日産ディーラーに車を持ち込み、故障を見てもらったところ、どうやらコンプレッサーが壊れており交換が必要とのこと。部品を取り寄せる必要から、数日間車を預ける必要がある。今夜から車を使う必要があるうえに、人も荷物もそれなりに多いことから、営業所備え付けの代車ではなく、日産レンタカーから同じエクストレイルを持ってきてくれることになった。用意されたのは同じ赤いエクストレイルなのだが、現行型なので私のより一つ新しい型だ。思わず新型エクストレイルを運転できることになった。帰宅してから荷物をまとめて、Sのさん達との待ち合わせ場所に向かう。

 19日(火)の0時に埼玉県内でSのさんとO田さんと待ち合わせ、私の車で北アに向けて出発。上信越道~長野道~安房トンネル経由で、道の駅上宝に着いたのは明け方の4時。2時間ばかり仮眠をとることにした。眠い。

 明けた19日朝、有料の有峰林道から富山県の折立へ。天気は晴れ。私が折立に来るのは3回目。最初は、ずっと昔の高校2年生時の夏合宿で薬師岳~黒部五郎岳~槍ヶ岳と縦走した時。つぎは8年前に当時所属していた山岳会で赤木沢の遡行に訪れた時だ。
 駐車場は思っていたより車が多い。お盆休みが過ぎても登山者はそれなりにいるらしい。その中に知った車があった。下山してきていないパーティーのうちの一人の車だ。計画では折立に下山してくることになっているので、あらかじめこちらに車をデポしておいたワケだ。

 さて、我々3人Pの行動予定に少し触れておく。県警ヘリの発見から、遭難Pは上ノ廊下の口元ノタルという難所付近にいたらしい。他Pの目撃例から数日間ずっとその付近で停滞していたものと思われる。増水した本流の中で、具語句に動けなかったのだろう。その後、彼らがどのように行動するかで、こちらの行動も変わるわけだが、無線交信できるわけでもないので、想像するしかない。
前夜の会合で至った結論は、彼らが本流を上流に向けて遡行し、スゴ沢を詰めて登山道に至るだろうというもの。そのため、我々は太郎平から薬師岳を越えてスゴ乗越小屋に至り、スゴ沢を少し下降してみる計画となった。
 初日は折立から薬師岳山荘まで。2日目はスゴ乗越小屋からスゴ沢の様子を見てくる。3日目は折立に下山、というもの。
 そのほか、遭難Pの取る行動として、本流を下降して奥黒部ヒュッテに下山する。口元ノタル沢を詰めて読売新道から、やはり奥黒部ヒュッテに下山する、という案も出たようだが、捜索に向かえるのが1Pのみということから、結果的にスゴ沢案としたようだ。私は車の修理のため、会合での話し合いの詳細を知らない。

 ということで、折立から太郎平までの標高差1,000mの登山道を歩くのだが、書くことは何もない。快適な登山道を3人で歩いていくのだが、高度を上げて行くと眺めが開けてきて、捜索ではあるのだけど気分は夏山JOYという感じだ。歩きながら、今回の遭難や捜索の問題点や課題など真面目な話をするのはもちろん(!)、あとはいろいろな噂話などまあ世間話を延々した。途中、荷揚げのヘリが何度か往復していた。
 そうして昼の12時半頃に太郎平小屋に到着。薬師岳が見える。小屋の受付に行くと、県警山岳救助隊の隊員が駐在していたので話をする。話しの詳細は伏せるが、もちろん当会メンバーの上ノ廊下のことは知っている。

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(↑折立)
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(↑夏山JOYという雰囲気の登山道)
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(↑荷揚げのヘリ)
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(↑太郎平小屋に到着)
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(↑荷揚げのヘリと薬師岳)

 さて薬師岳山荘に向かうべく薬師峠に向かう途中、東京にいる会員からO田さんの携帯電話に着信があった。遭難Pが奥黒部ヒュッテに無事下山してきたとのこと。スゴ沢を上がってくるという読みは外れた形になるが、ともかくも下山できたことを喜ぶ。良かった。黒部湖の渡しや長い湖岸歩きもあるので、最終的な下山は翌日になるだろう。
 彼らの無事を知った我々も下山することにした。太郎平小屋に引換し、先ほどの隊員に遭難P下山の伝える。折立に下山する前に小屋の前でしばし休憩。無事下山を祝ってビールを飲んでいると、どこかで事故が発生したらしく、赤いヘリが鷲羽岳方面に飛んで行った。県の防災ヘリだろうか。

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(↑薬師峠へ。この直後、無事下山の連絡が)
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(↑ビールで乾杯♪)
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(↑太郎平から薬師岳を望む)

 折立に向けて延々下って行き、明るいうちに下山することができた。疲れた。デポしてある遭難Pメンバーの車のワイパーに我々のメモを挟んでおく。Sのさんは、有峰林道を以前タクシーで通った際に、運転手からここは熊が多いと聞いたという。走っていると、道中3回も道路脇にいるクマを目撃した。しかも全く別々の場所でだ。クマの生息密度が高いのは本当のようだ。1頭などは車が近くにいてもすぐには逃げようとしないので、停車して写真を撮ったりした。

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(↑有峰林道の熊。写真横向き)

 運転を交替しながら安房トンネルを越え松本へ。前夜の寝不足もあり、今夜は松本市内のホテルで泊まり、翌朝帰ることとした。O田さんは明日ゆっくりと帰るとのことだが、私は突然の休暇取得の日数を抑えるために、明日は出勤したいので、ホテルで少し休んだ後、未明のうちに松本を発ち朝までに帰宅することにした。するとSのさんも一緒に車で帰るとのこと。O田さんは別途電車で帰るそうだ。
 まずは松本インター近くのビジネスホテルにチェックインし、タクシーで、たくみというお店へ。信州地場の料理やお酒が美味しい。日付が替わる頃にタクシーでホテルに戻る。
 3時間ほどベッドで寝てから、眠い目をこすってSのさんとホテルを発つ。埼玉県内の家までSのさんを送ってから、帰宅したのは7時頃。シャワーだけ浴びてすぐに出勤。遅刻せずに済んだ。しかし眠いのなんの。

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(↑たくみというお店へ)
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(↑このお刺身もおいしい)

 さて、今回の遭難騒ぎについては、様々な問題点が浮かび上がってきたと思う。遭難P自身の行動の問題点はもちろんとして、山岳会側の対応や救助要請した県警との調整など、私自身多くのことに気付かされた今回の出来事だった。

甥っ子・姪っ子と高尾山~城山ハイキング

2013.12.23(月)
 天皇誕生日。甥っ子、姪っ子を連れて高尾山へ行ってきた。
 一昨年に高尾山、奥武蔵の物見山・日和田山、信州・霧ヶ峰と2人を山に連れて行ったものだが、その後すっかりごぶさたして、今年2月に奥武蔵・伊豆ヶ岳に連れて行った。それ以来なので10か月ぶりだ。
 計画したコースは、京王高尾山口駅~薬王院~高尾山~城山~相模湖~JR相模湖駅。甥っ子達は高尾山山頂から先を歩くのは初めてだ。
 甥っ子は小学6年生、姪っ子は4年生。2人は特に何か登山装備を持っているわけではないので、少なくとも帽子や手袋を含む防寒着を用意させた。あとは、お弁当に飲み物、おやつ。私は、お湯を沸かせるようにガスやコッヘルを持って行く。

 朝、甥っ子達の家に行き、車で中央線の駅まで送ってもらう。京王線に乗り換えて京王高尾山口駅へ。我々のほかにも高尾山を登るらしい登山客がたくさんいる。以前にも甥っ子達と歩いたコースを選ぶ。琵琶滝から急登の山道になり、途中小休憩を挟みながらロープウェイ山頂駅側の広場に到着。ベンチでお湯を沸かして、カップワンタンなどを食べる。この日の天気は曇りで陽射しが無かったけれど、遠く都心が望め、スカイツリーも眺められた。

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 薬王院でお参りしたり、おみくじを引いたりしながらのんびりと歩いて行く。高尾山の山頂には、最近の山ブームで登山を始めたような派手めな服装の人達も大勢いた。積雪の丹沢山塊北面も見える。お湯を沸かして抹茶オレを飲んだり、ビジターセンターを見学してみたりと、ここでものんびりと過ごす。ここからは一丁平を経て城山を目指すのだが、数日前の東京での雨がここでは雪だったようで、それが融けたせいか道がヌカるんでいて靴もズボンも泥だらけになる。

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 高尾山山頂からいくらも歩かないもみじ平の茶屋で姪っ子がおでんを食べたいというので、ここでもゆっくり休憩。一丁平を経て城山に着くと、ここでもおでんを食べたいというので再び休憩。持ってきたお弁当のおにぎりよりもおでんのほうが気に入ったようだ。

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 城山からは陣馬山方面へと続くメインの縦走路から別れて、相模湖に向かう南西へのコースを下りる。ここからずっと人が少なくなる。ススキの穂を拾ったり、わずかに残った雪で雪玉を作ったりと、急ぐこともないのでゆっくりと歩いて行く。
 下り道が続くので、足の裏が痛くなってきたのか姪っ子の歩くペースが落ちる。比較的元気な甥っ子に姪っ子の荷物を持ってもらったりしながら歩いて行く。樹幹越しに下のほうに民家が見えてきた。中央自動車道も見える。

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 国道を渡り、案内表示に従って相模川に架かる弁天橋を渡る手前で、ひっそりとした場所に老人と猫数匹がいた。クルミやキクラゲを売っていたので姪っ子がクルミを買った。焼いてあるようだ。疲れてきていた姪っ子も猫と遊んで少し元気を取り戻したかな。弁天橋を渡って坂道を登って再び住宅地に出る。途中、棒状に凍った氷を見つけてそれで遊ぶ。相模ダムに架かる橋を渡ると相模湖駅は近い。2人とも疲れてきていたので相模湖には寄らずそのまま駅へ。5分後に発車するという電車に乗った。

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 曇り空でいささか寒い一日ではあったけれど、甥っ子も姪っ子も道中いろいろなモノを見つけたりしながら、それなりにほどよく疲れるハイキングができたようで良かった。

甥っ子・姪っ子と奥武蔵・伊豆ヶ岳へ

2013.2.16()

 甥っ子、姪っ子を連れて奥武蔵の伊豆ヶ岳へ行ってきた。

一昨年は、高尾山、奥武蔵の物見山・日和田山、信州・霧ヶ峰と二人を山に連れて行ったものだが、その後すっかりごぶさたしてしまったので、直前になって低山ハイキングに誘ってみた。

 計画したコースは、西武池袋線・正丸駅~伊豆ヶ岳~子ノ権現~吾野駅というもの。伊豆ヶ岳の標高は850m、正丸駅が290mらしいので、標高差は560mだ。

しかし、前日に少し降雪があったようだし、伊豆ヶ岳山頂までは北面を登るので日陰で寒そうだ。さらにこの週末は冷え込みが厳しく、悪いことに風も結構強かった。

 甥っ子は小学5年生、姪っ子は3年生。二人は特に何か登山装備を持っているわけではないので、少なくとも帽子や手袋を含む防寒着を用意させた。

普通の運動靴で歩くので、念のため靴下の替えも用意。あとは、お弁当に飲み物、おやつ。

私は、予備の防寒着やお湯を沸かせるようにガスも持って行く。

■雪が残る伊豆ヶ岳へ

 正丸駅に着いたのは朝830分。よく晴れているけれど、風もあって寒い。歩き始めは二人とも元気だ。

しばらく集落のある車道を歩いていくと、左手に入って行く登山道があるので、そこに入る。正丸峠方面ではなく、直接伊豆ヶ岳に向かう道だ。

植林の中の寒々しい登山道を登って行くと、脇の斜面に少し雪が出てくる。やがて行く手の登山道も雪に覆われているところに出た。私はアプローチシューズを履いていたが、運動靴の二人はさらに歩きそうだ。足が滑ってしまうので、手で木の根をつかみながら少しずつ登って行く。陽射しがなく風もあって寒い。

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体の大きい甥っ子を先に歩かせる。姪っ子は、初めのうちは雪の上を歩くのを楽しんでいたが、寒さでだんだんと口数が減ってきた。中高年の登山パーティーも何組か登って来ていて、彼らに抜かれていく。二人が持ってきていた手袋が普通の化繊の手袋で、雪の斜面を登るために、雪に手を付いているうちに濡れてきてしまったようだ。

途中で、靴底に付けるスパイク状のバンドを姪っ子の靴につけてやる。ほんの少し歩きやすくなったようだ。急な斜面を抜け、小尾根上を進むもまだ日陰だし風もある。荷物を私のザックに移し替えて、姪っ子の濡れた手袋を私のと交換する。替えの手袋も持ってくれば良かった。私の薄手のダウンジャケットを姪っ子のジャンパーの下に着させておく。

やがて山頂直下の男坂と女坂の分岐に出た。男坂は絶対登ってはいけないわけでは柵が立てられていた。岩の斜面の男坂にも雪が付いており、さすがにここを登らせるわけにはいかないので、女坂を行く。姪っ子が寒さからぐずり出してきたので、薄い雪の残る女坂では私が姪っ子をおんぶして登った。クライミングに行く際にいつも背負っているザックくらいの重さかなあ。20㎏台ということか、軽いなあ。甥っ子はずっと身体が大きいので、頑張って自分で歩かせる。

出発から2時間以上かかってようやく伊豆ヶ岳山頂。11時過ぎ。風が強いので、ほかの登山者たちも休んでいる岩陰にレジャーシートを敷く。ここは陽射しがあるので、これまでの寒さを思うとずっと暖かい。

■名栗に下山

二人とも靴下を濡らしてしまっているので、履き替えさせる。寒がっている姪っ子には私が持ってきたダウンパンツも履かせる。これは暖かいはずだ。ガスでお湯を沸かしてカフェオレを飲ませる。へばってベソをかきだしていた姪っ子も食べているうちに元気を取り戻したようだ。

風の強い山頂で記念写真を撮ってから、子ノ権現を目指す。時間が圧してきているのであまりのんびりもしていられない。甥っ子の手袋も濡れてしまっているので、乾いた私の手袋と交換する。いくつかの小ピークのある尾根を歩いていく。伊豆ヶ岳までの北面に比べたらずっと歩きやすいが、ところどころ雪が残っているので、少し急な下り斜面では姪っ子の手をつないで誘導する。普通の運動靴だとこういう道ではグリップが効きづらくちょっと怖いはずだ。

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午後2時頃、ようやく車道が通過する天目指峠に着いた。登山地図を見ると、ここから子ノ権現までは50分、さらに吾野駅に下るのに1時間以上かかる。二人の疲れ具合を考えると、ちょっと厳しそうだ。

車道を南の名栗側に下りれば、北の鉄道側に下るよりも短い距離でバス停に出られるはずだ。子ノ権現は諦めて、ここから下山することにした。雪と寒風の伊豆ヶ岳は二人には過酷だったがよく頑張ったし、ここらへんが止めどころだ。

車道を下って行くと、集落に出る。陽射しがあって暖かい。やがてダンプカーの通る道路に出た。ちょうど森河原というバス停があった。10分ちょっとで飯能駅行きが来るようだ。バス停のある空き地にレジャーシートを敷いてバスを待つ。

 暖かいバス車内で二人はすっかり元気を取り戻し、寝ている私のスマホでずっとYouTubeのアニメを見ていたようだ。

私は5日前にスペインのクライミングツアーから帰って以来、時差ぼけから寝不足が続き、この日になっても未だに寝不足状態が続いていた。翌日曜日は二子にクライミングに行くことになっているから、この日くらい休養しても良かったのだが、せっかく晴れる予報なのだからと甥っ子達を誘ったわけだ。

飯能に着いて、定食チェーン店に入って、ラーメンや餃子を注文。ビールとジュースで、大変だった登山を労って乾杯。二人とも本当によく頑張った。今回に懲りずまた山に行こう。もっと暖かくなったらね。

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元日 雲取山登山(2012-13年末年始②)

2013.1.1()

 新年明けましておめでとうございます。2013年を迎えたこの日、過去何度か登っている雲取山を日帰りで登った。数日前に所属山岳会に参加募集を呼びかけたところ、O野さんが手を挙げてくれた。

 前日まで3日間二子山でクライミングしていたので疲れていないわけがないのだが、クライミングでは腕はヨレても足腰が疲れるわけではないので、元日から家でごろごろしてないで久しぶりに普通の山登りをしようと思ったわけだ。

 行き先は、群馬県水上の白毛門なども考えたのだが、北関東方面の天気予報が悪いので、晴天が期待できる奥多摩に行くことにした。

 まだ夜が明けない5時に吉祥寺駅のヨドバシカメラ前でO野さんと待ち合わせる。ヨドバシの前には暗く寒い中、行列ができていた。初売りセールを待つ客のようだ。私の車で一路奥多摩へ。登山口となる丹波山村の鴨沢の駐車場は満車だったので、数百メートル戻った奥多摩町側の駐車場に停めた。装備に防寒着やアイゼンも加えて、740分に出発。

 集落を抜け山道を少し歩いた先にある山中の駐車場にはたくさんの車が停まっていた。その後、登山道を登っていると上からたくさん登山者が下りてくる。大晦日の夜を雲取山荘などで泊まった登山者が朝になって下りてきているようだ。

 O野さんは御年70歳。昨秋、易しい岩場でのクライミングで一緒になったくらいで、どのくらい歩けるのか分からなかったが、今回、道中ずっとおしゃべりをしながらも1時間以上休憩をとらずコンスタントに歩き続けるのを後ろから見ていて感心した。

 そういう自分も普段山登りをほとんどしない割にはさくさくと歩けた。普段の岩場へのアプローチは短いけれど、昨秋は甲斐駒の赤蜘蛛を登るため8合目まで重いギア類を背負って登ったりしたし。

 天気は快晴で絶好の登山日和。長い尾根を登って標高を上げていくと、富士山が見えてきた。真っ白な富士山を眺めることができて元日らしい。

 七ツ石小屋に着いたのは11時前。ここまで積雪は一切無し。下山してくる人を見ると、ここでアイゼンを脱いでいる。ここから先はアイゼンが必要な個所がありそうだ。

 七ツ石山に11:20到着。雲取山へのなだらかな尾根が眺められるが、七ツ石山の北面に薄く残る雪は凍っているようだ。ここでアイゼンを装着。12本爪のアイゼンは仰々しいが、これしか持っていないので装着する。ざくざくと凍った雪面を下って行く。再び陽が当るところに来ると、雪がなくなってくるのでアイゼンを外す。

 遠くには南アルプスの峰々も見える。良い眺めだ。ずいぶんと老朽化した感じの奥多摩小屋を過ぎ、小雲取のピークを越えて行く。ところどころ残る雪面ではアイゼンを付けずに通過する。

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 避難小屋が見えてきた。雲取山の山頂に到着したのは13時ちょうど。記念写真を撮って、避難小屋へ。避難小屋の中ではマウンテンバイクで登ってきたと言う若者2人が休憩していた。備え付けの登山者用のノートにコメントを書いておく。2013年初コメントは私のだ。

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 13:40分に下山開始。巻き道を経て七ツ石小屋に帰着。さらに朝登って来た長い登山道をどんどん下って行く。下りながらもO野さんとほとんどずっとおしゃべりしていたが、さすがにだんだんと足の裏が痛くなってきた。

 私が履いている登山靴は、ボリエールのスーパーラトックという冬の北アルプスでも履ける重登山靴だ。過剰装備だけれど、近く八ヶ岳に行く計画があるので、その前に一度は履いて慣れておこうと思ったのだ。

 暗くなってきて、駐車場に戻ったのは17時半。O野さん、お疲れさまでした。前日に続き再び山田うどんへ。別の店舗だけれど。吉祥寺にO野さんを送って解散。

さて、明日から2日間再び二子山だ。脚が筋肉痛になっていなければ良いけれど。

北アルプス縦走(北鎌尾根~前穂北尾根)

8/8()夜~12()

■行き先・ルートの検討

 ひさしぶりに北アルプスを歩いてきた。以前は縦走をしていたものだが、クライミングを始めてからは歩く登山からは縁遠くなっていた。

 今回、行き先を考えるにあたり、5月に入会した山岳会の人達の多くは早々に夏の計画を固めていたので、それに加わらなかった私としては、こういう時でもなければ一人で行きそうもないところを考えてみた。

 そこで、夏山と言えば北アルプスというのは良いとして、ただ一般登山道を歩くだけでは物足りないし、せっかくクライミングをやっているのだから、登はん要素のあるバリエーションルートに行くことにした。

【北鎌尾根】

 すぐに思いついたのは北鎌尾根。言わずと知れた槍ヶ岳の北側に突き上げるクラシックルートだ。古くは加藤文太郎や松濤明の遭難が有名なので、無雪期とはいえ一度は訪れてみたいと思っていた。いちおう、「単独行」も「風雪のビヴァーク」も読んだことがあるし。

 尾根の末端から取り付くというのは相当大変そうなので、行く人の多くが選んでいるはずの北鎌沢を詰めることにした。

アプローチとしては主に3つあるようだ。①高瀬ダム~湯俣~千天出合~、②中房温泉~合戦尾根~大天井岳~貧乏沢~、③上高地~水俣乗越~。

②は、合戦尾根を登って沢をまた下りるというのがどうも面倒くさい。③は、上高地を起終点にできるが、文字どおり縦走するという感じがしない。

③は、水俣川の渡渉が心配されたが、高瀬ダムから南に向かってずっと歩いて北鎌尾根をこなし、後述する穂高方面への縦走とすれば、北から南へのきちんとした縦走という感じがする。ということで、高瀬ダムからアプローチする案に決めた。

【前穂北尾根】

 貧乏性の私としては、交通費をかけて北アルプスまで行くのに、北鎌尾根ひとつだけではもったいないので、もう一つどこかのルートを登ろうと考えた。そこで、これまた行ったことのない前穂高岳の北尾根にした。ガイドブックを紐解くと、涸沢から五・六のコルにあがり、北尾根の上半部だけを登ることができるようだ。核心が3峰のようなので、おいしいとこ取りだ。

 日数を足して北穂東稜も登ってしまおうかとも考えたが、そこまで欲張るのはやめた。

 そこで、計画した行程は以下のとおり。

【計画】

8/8():仕事を終え、夜に車で信濃大町駅へ。

8/9():タクシーで高瀬ダムへ、湯俣~千天出合~北鎌沢出合泊

8/10():~北鎌沢右俣~北鎌のコル~北鎌尾根~槍ヶ岳~肩泊

8/11():~北穂~涸沢泊

8/12():~五・六のコル~前穂北尾根~前穂~岳沢~上高地、帰途へ

 結論を先に書くと、行程はそのままに実際の日程を以下のとおり縮めることができた。

【実施】

8/8():仕事を終え、夜に車で信濃大町駅へ。

8/9():タクシーで高瀬ダムへ、湯俣~千天出合~北鎌沢出合~北鎌のコル泊

8/10():~北鎌尾根~槍ヶ岳~北穂~涸沢泊

8/11():~五・六のコル~前穂北尾根~前穂~岳沢~上高地、帰途へ

【装備】

 装備についてちょっと触れておく。ザックは40L。日数分の食料やガス・鍋類。着替えは必要最小限。今回のために、モンベルの通気性の良い襟付き長袖シャツとハット型帽子を購入。これで少しはヤマケイJOYっぽい格好にはなるかな。

荷物が重くなるけれど沢の遡行に備えて沢靴、それから前穂用にクライミングシューズも。120㎝スリング2本に環ビナ2枚、ヘルメット。それから補助ロープとして720m。懸垂下降にしか使わない。

山岳会のS木さんに貸してもらったパイネのソロテント。シュラフカバーのみとし、代わりに薄いダウンジャケットを携行。無線機も。

88()夜 信濃大町駅へ

 ウェザーニューズの天気予報を見ると、松本や高山方面は、土曜日は曇りっぽくて、日曜日になると雨マークがある。山行後半の天気が心配だ。

仕事をちょっと早引けして帰宅。荷物はまとめ終わっているので、シャワーを浴びて18時半に車で出発。関越道~上信越道と走り、22時を過ぎてから麻績ICを下り、23時前に信濃大町駅に着く。あらかじめ電話でタクシー利用を申し込んでおいた、駅前にあるアルプス第一交通㈱の営業所の声をかけると、残念ながら翌朝乗るタクシーの同乗者はいない見込み。営業所裏手にある駐車場に車を停めて車中泊。

89() 高瀬ダムから北鎌のコルへ

【高瀬ダムへ】

 4時過ぎに起きて、着替えて車を出る。営業所を覗くとすでにタクシーが待機していて、5時前に出発。やはり同乗者はいなかった。5時半に開くという七倉のゲート脇に建物があり、そこで登山届を書いて提出。そこにいる女性の管理人がちょっと個性的な人で、登山行程などを聞かれたあとに「あなたにとって山ってナニ?」と質問された。何と答えたものかちょっと迷ったが、山に遊びに来たんです~とかなんとか答えておいた。タクシーの運転手さんの話しでは、「あなたはなぜ山に登るのか?」とか聞かれた登山者もいたらしい。

 七倉から高瀬ダムまでは、トンネルを抜けダムの堤体を登っていくと着く。車を降りると、思ったよりも風が冷たい。Tシャツ一枚では寒いので服を重ねる。

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【湯俣へ】

ほかのタクシーで来た登山者たちが真砂岳方面に向かっていくのを横目に、5:45に歩き出す。湖面左岸側にあるトンネルに入る。長いトンネルを歩いていると、何か作業のためか車が通り過ぎていく。延々と歩いていると、道路下の広場で何人かが作業をしている。荷物が積んであるので、山小屋にヘリで荷物を運ぶベース地なのかな。なおも歩いて6:40頃、車が通れる幅だった道が途切れて、この先は車は入れなくなる。

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途中、無名避難小屋と書かれた建物を覗く。昔、八ヶ岳の天狗尾根に行った際に停まった出合小屋にあったものと同じ形のストーブがあった。

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真砂岳方面から下山してきた登山者だろうか、数組とすれ違う。7:45、対岸に晴嵐荘が見えてきた。

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と、登山道のすぐ左上に湯俣山荘の廃屋が建っている。晴嵐荘に渡る吊り橋のたもとに道標があり、北鎌尾根を経て槍ヶ岳まで10㎞とある。長い道のりだ。

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高瀬川が右手に曲がっていく先に取水施設があり、そこを通り抜けると水俣川と湯俣川の出合となっていて、水俣川側に吊り橋がかかっている。昔、流されたという吊り橋がこれだとすると、架け直されたのか。それでも古びた感じだけれど。

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吊り橋を渡ったところの出合の突端にお社がある。ここで安全登山を祈願する。

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空は抜けるような青空だ。吊り橋のたもとから河原に下りる。

【水俣川~天上沢遡行】

今回、水俣川から天上沢を遡行するにあたり、登山靴を濡らすまいと山の斜面から無理に巻くよりも、濡れるのを承知で沢の中を行ったほうが帰って安全だし速いだろうと考え、沢靴を用意してきた。ここでその沢靴に履き替える。ズボンも沢用タイツに履き替え、ハットをヘルメットにかえる。

ほかに誰もいない沢を歩いていく。強い陽射しで辺りがきらきらと光って、いかにも夏山という感じできれいだ。

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千天出合まで渡渉を20回近くは繰り返しただろうか。沢がカーブするたびにその外側は河原が途切れ崖になっているので、その手前で対岸に渡らないといけない。水量は私の身長でひざ上くらい。女性だったら股下くらいになってしまうだろう。慎重に足を出さないとバランスを崩して流されそうになる。落ちていた木の枝を杖にして渡渉する。この杖、千天出合を過ぎて水量が減るまで大いに役立った。雪解け水のためか水が冷たい。

中東沢を分けても水量が減った印象はなかったが、9:45頃、千天出合に着くと、明らかに減ったのが分かる。

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一方、これまでほとんど平坦だったのが、天上沢からは沢らしくなってきた。小滝には巻き道があるのでそっちを行く。

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水量も減ってゆきどんどん歩いて行くと、河原が広く開けてきた。北鎌沢の出合が近いかもしれないと思い、右岸側を見ながら歩いて行く。1120頃、どうどうと水が流れる沢の出合に着き、そばにケルンもあることから、北鎌沢出合であることが分かる。ここでも誰にも会わず。上を見上げると、北鎌のコルらしきところへ続く沢筋が見える。ここで、沢靴やタイツを脱ぎ、湯俣までの靴とズボンに戻る。

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【北鎌沢】

 当初の予定では、ここ北鎌沢出合に泊まるはずだが、まだ昼前なので北鎌のコルまであがることにした。

 北鎌沢は右俣と左股があり、行った人の話しで、間違って左俣に入ってしまうことがあると聞いていた。眺めると、コルに突き上げる沢には雪がなく、明るい緑色で覆われた沢筋が続いているように見える。ここを詰めて行けば良いはずだ。と、思っていたら結論から書くと、愚かにも左股に入ってしまったのだ。

 右俣はかなり上のほうでも水が汲めるらしいので、出合では水を補給せずに出発。しばらく沢筋を左右に行ったり来たりしながらどんどんと登って行く。やがて見上げると正面に雪渓の突端があった。ここでルートを誤っていることに気づかなければならなかったのだ。

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 左俣は延々と大きな雪渓が続いている。それと気づかずに雪渓左岸側を登って行く。

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 時計の高度計が2,150mを示しているあたりに着いたとき、見上げる雪渓が左に大きくカーブしている。さらにその先で右にカーブしているようだ。谷を埋め尽くす設計は谷の斜面際では切れていて、その隙間に落ちたらヤバい。今頃になってやっと間違ったことに気づいて辺りを見渡す。左俣は左にカーブしていくが、涸れた沢が正面に分かれている。とりあえずここを詰め、なんとか右俣に出ようと考えた。これがまた大変だったのだ。地形図とにらめっこして現在地を推定し、左俣の現在地から上部には枝沢がいくつもあり崖マークもあるのが分かる。

 涸れた沢を少し詰め、左岸側を見ると、枝尾根の傾斜が緩んでいるところを見つけたので、そこを目指す。斜面に生えた草を掴みながらのトラバース。枝尾根を回り込んでも、すぐには右俣らしきところには出ない。延々とヤブ漕ぎを続ける。途中、踏み跡らしきものを見つけるが、こんなところを人が通るはずがない。二度、大きな糞を見つけた。このサイズからすると熊か。ということは獣道か。野生の動物もなるべく通り易いところを選んでいくはずだから、私のヤブ漕ぎのライン取りも悪くないらしい。そもそも右俣と左俣を間違ってしまって入るけれど。

 細くても木の枝は良い手がかりになるのだが、草はつかんでもブチブチと千切れてしまう。と、足を滑らせる。滑り落ちながら目の前にある草を掴むがやはり千切れる。とっさに掴んだ細い枝で止まった。見上げると2mほど斜面を滑り落ちていたようだ。危ない、危ない。こんなところでケガをして身動きが取れなくなったら助けを求められない。水を汲みそびれてしまったので、あまり残っていない。水が少ないというのはやっぱり不安だ。

 このヤブ漕ぎで、買ったばかりの長袖シャツはすっかり使いこんだ感じになってしまった。右俣方向へ、そしてなるべく上のほうに延々とヤブ漕ぎしていくと、大きな谷が出て来た。これが右俣か。と言っても、谷そのものの幅が広く、北鎌のコルらしきところは谷の上部奥のようだ。向かいにピークがあり、それがP7のようだ。

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 やがて崖に突き当たった。ここをクライムダウンするのは手がかりもなくちょっと厳しそうだ。大きな木があったので、懸垂下降することにした。スリング2本を股と両腕に架け、環ビナでつなげる。720mを木にかけて下に下ろすと、なんとか下に届いているようだ。環ビナに半マストでロープをかけ、懸垂下降して行く。背中の荷物が重いし、スリングでは身体に食い込むが、ちょっとの距離なら問題ない。崖を下り着き、ロープを回収。右俣の中を歩いて、まずはコルらしきところを目指す。そして15時前にようやく北鎌のコルに着いた。誰もいない。約2時間ヤブ漕ぎしたわけだ。とりあえず無事にコルに着くことができ安心。コルは狭いながらも平坦になっている。

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【北鎌のコル】

 北鎌沢をさっさと登ってしまうことができれば、今日のうちにさらに北鎌尾根を歩き通してしまえるかもと欲張った考えも、北鎌沢を登り始めた頃はちょっとあったが、今となってはそんなことは諦めて、まずは水の確保が先決だ。

 今回S木さんに貸してもらったソロテントを張ってから、右俣を下りて水を汲みに行く。某ガイドブックに、少し下れば水があるとあったので、ザックに水筒を入れて出発。今回用意した水筒は、ナルゲンボトル1L、プラティパス2L0.75L3つ。

 標高差にして50mほど下ると、石の隙間に小さな流れを見つけた。汲みづらそうだったので、なおも下って行くが再び涸れた沢はなかなか水が現れない。諦めて登り返し、先ほどの流れで汲むことにした。0.75Lのプラティパスを横に寝かせて、水の流れに口をあてがい、一度に200mlくらい入れてから、ほかのボトルに移すというのを繰り返す。時間はあるのだから慌てる必要はない。汲み終え、喉の渇きも癒してからコルに戻る。

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 とにかく疲れた。テントの中で横になって休む。

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 一時間ほどごろごろと横になっていたら、誰かがやってきた。テントから顔を出すと、若者が一人でやってきたようだ。聞くと、上高地から水俣乗越を経てやって来たという。水俣乗越からの下りはけっこう雪渓があったという。確かに、あちこちに雪渓があって、水俣乗越らしきところにも貧乏沢らしきところにも雪渓があるのが眺められた。

 若者はテントを張らずに地面にごろ寝するという。今夜は天気が良さそうだから大丈夫か。若者は食事を済ませて早々に寝るようだったので、私も食事をとる。アルファ米にフリーズドライのマーボーなす丼、あとはスープやコーヒーなど。

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 あと、ウイダーのリカバリーパワープロテインという粉末を持ってきたので、水で溶かして飲む。今回、筋肉痛になるくらい歩いているのに、翌朝にはなんとか回復していたのは、少なからずこのプロテインのおかげかも。この製品はプロテイン100%でなく、むしろ糖分が多いので、こういう一日中身体を動かしたあとのケアには良さそうだ。

 荷物を削ってシュラフを持ってきておらず、薄いダウンを着ているとはいえシュラフカバーだけでは寒かった。とくに夜が更けてくると気温が下がってきて、腰や腿まわりが冷えるとなかなか寝付けない。若者は4時くらいに発つといっていたので、私もそれくらいの出発を目指して起きることにした。途中、トイレにテントを出ると、空は良く晴れていて星がきれいだった。こうして長い第一日目が終わった。

810() 北鎌尾根から槍、北穂、涸沢へ

【北鎌尾根】

 まだ暗い2時半頃に起きる。若者も起き出しているようだ。残しておいたアルファ米をお茶漬けにして食べて片づけをしても3時過ぎでまだまだ夜明けには遠い。暗い中を岩稜歩きするのもイヤなので、テントの中で横になって時間をつぶす。若者が一足先に出発していった。今日中に上高地に下りるらしい。まだ暗かったがテントを撤収。ヘルメットにヘッ電を付けて4時に発つ。しばらく急登が続く。4時半をまわってようやく明るくなってきただろうか。やがて開けたところに着く。天狗の腰掛け2,749mか。ここら辺で若者を追い抜く。Imgp5818

岩稜の中にははっきりした道もあれば踏み跡程度のところもある。稜線を行ったり岩峰を巻いたりとルートファインディングに迷うところも多い。5:35頃、独標2,899mに着く。朝日に照らされた北鎌尾根の先に槍ヶ岳が聳えている。ここから再び標高を下げて進んで行く。稜線上を行くこともあるが、千丈沢側の斜面を行くところも多い。踏み跡が複数あるのだろうか。斜面側を行く時は、岩屑が堆積しているところを行くことも多く、稜線を行くよりも返って危ないのかもしれない。一般登山道ではないので、やはり浮き石が多く、手で叩いてみながら慎重に進んで行く。途中、大きめの石を落っことした時は、轟音を立てて谷底に転がって行った。後続の若者も無事に来ているだろうかと思い、振り向くと後方の稜線に一度だけ姿を確認できた。その後は見ていないので分からない。Imgp5824 Imgp5825

735頃、北鎌平らしきあたりに着く。槍ヶ岳が近い。小槍も見える。Imgp5826

途中、ザックが2つデポしてあった。誰かがどこかを登攀しているのかと思っていたら、後で槍に登頂した際に、小槍を登っている人達が見えた。彼らの荷物だったらしい。

槍ヶ岳山頂への最後の登り、やがて山頂にいる人の姿が見えてきた。最後は岩をさくさくと登って山頂着。やった。810分頃。高校生らしいグループを含め、10数人ほどが山頂にいた。登山者に、北鎌尾根から来たのかと聞かれたので、そうですと答える。

今日は金曜日。職場の始業時間は8時半だから、職場の面々が仕事を始める前に、私は北鎌尾根を登るという一仕事を終えたわけだ。コルから4時間10分。5時間くらいかかると見ていたので良いペースだ。素晴らしい眺めだ。穂高方面もよく見える。下には槍ヶ岳山荘が建っている。

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【槍~北穂~涸沢】

 槍ヶ岳には、高校生の時に初めて登り、縦走をしていた頃にも数回登っている。以前所属していた山岳会にいた2006-07年の年末年始には、横尾尾根を往復して登ったこともある。この時は天気に恵まれ、冬山の厳しさをあまり感じることなく快適に登ることができた。

 さて、槍の山頂にいるのもつかの間、さっさと下山にかかりたいところだけれど、梯子が順番待ちでしばらく待つ。山頂からの下りは、北鎌尾根側に比べるとはるかに安定しているので、他の登山者をどんどん抜きながらあっという間に槍ヶ岳山荘に到着。ここで一休み。小屋の自販機でCCレモン300円を買う。ああ、おいしい。

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休憩中脱いでいた靴を履き直し、9時頃に北穂に向かって歩き出す。ヘルメットも帽子にかぶり直して。まだまだ一日は長いので、この日のうちに涸沢まで行ってしまおう。一般登山道をヤマケイJOYな気分でどんどんと稜線を南下していく。大喰岳は山頂が登山道からちょっとはずれているので、気が付いたら通過していた。中岳を過ぎ、南岳を越えると、下に南岳小屋が見える。南岳小屋に着いたのは10:45頃。まだ午前中だ。木製の台の上で横になってしばし休憩。

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 ここから北穂までは、槍穂縦走路中の難所と言われるところを通る。ガスが少し山にかかってきた。まずは長谷川ピークに登る。

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 その先で、飛騨泣きというところがあり、ここではピンや鎖を遠慮なく使って越える。さすがに疲れてきた頃に、北穂高小屋が頭上に見えてきた。小屋に着いたのは13時半過ぎ。ここで再び大休憩。

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 さくさく歩いて、計画していた山行日程を縮めてきているので、背負ってきた食料も余ってしまう。お湯を沸かしてカップラーメンを消費する。ビスケットなども我慢せずにぱくぱく食べる。トイレに行く。100円。小屋から前穂北尾根も涸沢も見える。明日はあそこを登るのだ。

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 北穂山頂を経て、分岐から北穂南稜の登山道を涸沢に向かって下りていく。涸沢山荘といくつものテントがはるか下に見える。その向こうには前穂北尾根が連なっており、明日取り付く五・六のコルに至るアプローチをじっくりと眺める。大雪渓がテント場の正面に大きく広がっているのはもちろん、雪渓右岸側から五・六のコルに至る谷筋にも雪渓が伸びている。大雪渓の右岸に沿って登っていけそうに見えるが、五・六のコルへの谷筋の手前の小さな谷筋にちょっと食い込んだ雪渓は渡らないといけなさそうだ。五・六のコルへの谷筋に残る雪渓の左側の斜面にはうっすらとジグザグの踏み跡が見える。どうやらあそこを辿っていけば良いようだ。北穂南稜を下りながら、五・六のコルへのアプローチに目星をつけることができた。

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 ついでに、北穂東稜へのアプローチも見ておきたかったのだが、よく分からなかった。ゴジラの背と呼ばれる岩稜らしきギザギザはよく分かったけれど。

【涸沢】

 涸沢小屋を横目に、テント場に着いたのは16時過ぎ。昨今の山ガールブームで、北アルプスのメジャーなテント場はソロテントで埋め尽くされていると聞いていたけれど、この日は思ったほどテントの数はなかった。涸沢には、穂高から下山してきたときに一度通過したことがあるだけだったので、一度くらいは泊まっておこうと思っていた。

 テント場そのものは、石が堆積した中にあるので、決して快適とは言い難い。なるべく小石が平坦になっているところを探してテントを張った。マットが無かったら背中が痛くて寝られないだろう。

 テン場代500円を払って、涸沢ヒュッテでビールを買う。キリン一番搾り500ml缶で700円。ちなみに350ml缶は500円。テントに戻って、柿ピーをつまみながらビールを飲む。ああ、うまい。

近くの大きな岩で女性2人がボルダリングをやっている。クラッシュパッドまで用意している。わざわざここでボルダリングをするためだけに背負ってきたとは思えないから、小屋のスタッフなのかな。フラットソールを持ってきていたから自分もできないことはないのだが、ビールを飲んでふわふわと気が抜けてしまったし、そもそも両足が筋肉痛で今更動くのもイヤだった。

先ほど小屋で見たウェザーニューズの天気予報では、明日は曇り、明後日は雨マークがある。やはり頑張って日程を縮めたのは正解だった。明日、前穂を登って下山しよう。

アルファ米をお茶づけにして夕食。寝る前には前夜同様、プロテインを飲んでおく。なるべく寒い思いをしないために、ダウンジャケットを腰まわりに巻いて寝る。その分上半身が寒くなってしまい、夜中に起き出して、シュラフカバーの中でザックカバーを両肩と両腕を包むようにかぶせた。使えるものは何でも使わねば。

811() 前穂北尾根から上高地へ

【前穂北尾根】

 3時頃に起床。残ったアルファ米にフリーズドライの中華丼をかけた昼食。ほかにコーヒーなど。テントを撤収し、ヘルメットにヘッ電を付ける。クライミングシューズやスリング・カラビナはザックの上部に入れておく。真っ暗な中、大雪渓のほうに灯りが見える。先行パーティーがいるようだ。あとを追うように4時に出発。

雪渓を右に見ながら、そのすぐそばのガレ場をヘッ電の灯りを頼りに進んでいく。10分ほど進むと、五・六のコルへの谷筋の手前の谷筋にかかる雪渓を渡るところに着いた。前日のうちに見ておいて良かった。うっかりするとこの谷筋を詰めて行ってしまうところだ。

雪渓の上を2030mほどだったか慎重に歩いて越える。再びガレ場を歩いていくと、先行パーティーの灯りが見えない。五・六のコルへの谷筋に向かって、左に曲がっていったようだ。

少しずつ夜が明けてくる。先行パーティーは何を迷ったのか、谷筋の雪渓を対岸にトラバースしたかと思うと、再び戻ってきた。どうやら少なくともガイド登山ではないようだ。初めて来るところで、迷っているみたいだ。その間、私はガレ場のジグザグした踏み跡を忠実にたどって高度を稼ぐ。ヘッ電を消す。先行パーティーとはほとんど同時にコルに着く。5時。地形図では涸沢の標高は2,309m、五・六のコルは約2,730mだから標高差420mを1時間で登ったことになる。

見ると先行パーティーは男性3人。ザックからハーネスを出して履いている彼らに、おはようございますと声をかけてから休憩を取らずに北尾根に取り掛かる。こちらはそもそもハーネスを持ってきていないから、その準備に時間を取られることもない。

ちなみに、今回の登山で履いている靴は、ファイブテンのイグザムガイドというアプローチシューズ。ステルスソールだから岩場でのフリクションは抜群だ。

さて、まずは5峰。これは易しい。明瞭な道を辿って登っていく。振り向くと3人組はまだコルにいる。

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つぎに4峰。涸沢側にある踏み跡をたどっていく。5峰よりは難しい感じ。Imgp5853

ルートの参考にしたのは「チャレンジ!アルパインクライミング北アルプス編」(廣川健太郎著/東京新聞出版局)。これに書いてあるとおり、3つほどの大岩が左上に迫って来る。

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残置スリングがかかっているのが見える。この大岩を登ることもできるそうだが、ロープで確保していない私は絶対に墜ちられないので、そのまま右から巻き気味に行った。そうすると3峰が正面に迫って来る。Imgp5857

平坦な三・四のコルに着いたのは、6:15頃。ここでクライミングシューズに履き替える。ここで履かなかったら、このシューズはずっとお荷物だったことになる。履かねば。後続の3人組も登ってきているようだ。Imgp5860

前述のガイドブックにあるルート図を見ながら登り出す。少し上がったところから左寄りのところを登って行くと、大きなチムニーの上に大きなチョックストーンが挟まっているように見える。このチムニーの中に入って行くと、屋根のように乗っかっているチョックストーンの下に来る。左下の斜面には踏み跡らしきものも見えるがそちらには行かず、右上のチョックストーンをくぐって抜ける。

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さらに進むと、先ほどよりはずっと小ぶりのチョックストーンがやはりチムニーの上に挟まっている。このチムニーではなく、その左側の凹角を登る。

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そしてなるべく易しそうなラインを探してガタガタとしたところを登って行くと、いつのまにか3峰を越え、2峰のピークに出る。ガイドブックに2峰から懸垂下降するとあるので、それと分かったが、実際は懸垂下降するほどではなく、普通にクライムダウンできた。仮に懸垂下降する場合でも、持参した補助ロープの長さで足りそうだ。とにかく短くて易しい。

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再びガタガタしたところを登っていく、景色が開けてきてその先に人がいる。前穂の山頂だ。7時過ぎ。五・六のコルから2時間だ。

【岳沢】

 前穂山頂で再びアプローチシューズに履き替え、やはりヘルメットもハットに替える。まずは紀美子平に向かって下りていく。登山者がたくさんいる。岳沢をどんどんと下っていき、8:50頃に岳沢小屋に到着。小屋の屋根の上では、干していた布団をスタッフが小屋の中に取り込んでいる最中だった。明日から天気が崩れてきそうだと話している学生グループもいる。

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 岳沢小屋から再び下っていく。道がだんだんと緩やかになってくる。登山者の中には外国人もいる。途中、風穴というのが道端にあり、顔を近づけると、穴の中から涼しい風が吹き出しているのが分かる。Imgp5877

 木道も現れてきて、上高地が近づいているのが分かる。やがて、平坦な道に出たかと思うと、登山者の格好ではない観光客が散策している遊歩道に出た。少し歩くとそこは河童橋。10:15頃。4日間の山行予定を、3日間で、それも午前中に終えることができた。振り返って下りてきた岳沢を見ると上部は曇っていて見えなくなっている。

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【上高地】

観光客でごったかえしている河童橋のたもとで、まずはプロテインを飲む。携帯電話の電源を入れ、所属山岳会の下山担当者に電話する。担当者のTさんは、一日早い私の下山連絡に、前穂をやめたのだと思ったので、きちんと北鎌尾根も前穂北尾根も登ってきたことを告げた。

縦走をしていた以前は、数日かけて歩いてきて上高地に下りてくると、下界に帰ってきたという感じがして、その雰囲気を味わうために山行の終点を上高地にすることが多かった。今回、ひさしぶりに上高地を訪れたが、こうも観光客で混雑している上高地にはあまり長居したい気分ではなかった。小梨平のほうはもう少し静かなのかもしれないけれど、雨が降りそうな予報なので、余った一日をキャンプして過ごすことはせず、すぐに帰ることにした。

バスターミナルに行き、11:30発の乗車券を買う。その間、お土産を買ったりジュースを飲んだりして過ごす。

【帰途へ】

新島々駅までバスに乗っている時間は思っていたより長かった。新島々駅から松本電鉄で松本駅へ。お腹が空いていたので、駅前のお店で肉うどんを食べる。けっこううまい。

 14:08発の大糸線・信濃大町駅行きに乗る。一時間ほど経ったか、三日ぶりに信濃大町駅に帰着。タクシー会社の駐車場に停めておいたエクストレイルにザックを積み込み、帰途につく。

急いで帰る必要もないこともないので、した道をずっと走っていき、ようやく碓氷軽井沢ICで上信越道に乗る。3日間お風呂に入っていないので、途中、日帰り温泉施設にでも寄りたかったのだが、入りそびれてしまった。途中、けっこう大雨に遭ったりする。渋滞しているところはなかったけれど、さすがに疲れてきたし、ここ数日の未明の起床のせいか、関越道に入ってから眠くなってきた。高坂SAに寄ったところで、車中泊することにした。21時頃。

12日の5時頃に起き出して、再び運転し帰宅。ああ、疲れた。荷物をひろげ、洗濯をしてシャワーを浴びる。

北アルプスから帰ったこの日は、このまま家で休んでいたわけではない。所属山岳会のN野さんが、行くはずだった剱岳を取り止めたらしいとのメールがあったので、ではジムに行こうと誘ったので、昼から入間のベースキャンプへ。

両足は筋肉痛だし当然疲れているので、散々だったのは予想どおりだけれど、ジムのことは別途、日記に書く。

【おわりに】

 こうして、北アルプス縦走を無事完遂することができた。もっぱらクライミングばかりで山を歩いていない割には、北鎌尾根も前穂北尾根も一人で登ることができて、やり遂げた感がある。背負って長く歩けないと、アプローチの長い岩場に行くのに苦労するから、こういう体力もつけないといけないなあ。

 さて、北アルプスの余韻にいつまでも浸っていられない。つぎの山行の準備をしないと。

寝袋を買った 「イスカエア810X」

今日、寝袋を買った。
数年前から買おう買おうと思っていたのだが、ようやく買った。
モンベルなどいろいろ考えたけれど、イスカのエア810に決めた。 157819
このシリーズでは、もうずっと何年も前にエア280という夏向きのを持っている。
冬期用としては、ウン十年前の学生時代に買ったスワンキーという寝袋をずっと使っていた。
当時、新宿か吉祥寺にあった山幸(やまこう)という登山用品店で買った記憶がある。
2万円くらいしたと思うが、学生の身としては大金だった。
冬山に行くと防寒性が足りなく寒く、薄い280と二重にして使ったこともしばしば。
そのスワンキー。先週、下吉田キャンプ場に泊まった際、S木さんも同じのを使っていた。私とS木さんは齢は一つ違い。同じ頃に買ったんだろうな。

社会人の今、寝袋を買うくらいのお金はさすがにあるのに、購入を伸ばし伸ばしにしていた。
他にも、最近は使用していない化繊のもある。
ここ数年クライミングで毎週のように出かけて、年間何十泊と寝袋で寝ているのだし、宿に泊まることを考えれば、この先また20年使うと思えば安いものだと思い、購入に踏み切った。
好日山荘で買ったのだが、セール期間中だというのもある。
まあ当面はこれまでのスワンキーも使いながら、山の中に泊まるような時にこそエア810を使おうと思っている。
今週末さっそくその出番があることを期待している。
というわけで、まずは今夜ベッドの上で新品のこの寝袋で寝てみよう。
先ほどちょっと寝袋に入ってみたら、やはり暖かい。

値の張る登山用品としては、テントも新調したいとずっと思っている。
初めて買ったのはやはり学生時代で、石井スポーツのティンバーラインテントというもので、幅が160㎝ほどのもの。
その後、社会人になってアライテントのエアライズを買った。幅130㎝で軽量。
どちらもかなりくたびれてきたので、2~3人用のをほしいと思っているのだ。
2人ならゆったり余裕で、3人でも何とか寝られるくらいのもので。
候補としてはモンベルのステラリッジテント3型。幅は180㎝だから、ちょっと大きすぎるかな。

雨に濡れた北八ヶ岳を歩く

 22~23日の週末、独りで北八ヶ岳を歩いてきた。土曜日が雨の予報だったため、クライミングに行く計画を諦め、ジムに行こうという誘いも辞退した。雨でもなければ岩場に行ってしまうので、雨が降る時でもないと山歩きをしないからだ。
 行き先は北八ヶ岳にした。雨に濡れそぼる苔むした樹林の中を歩けるかなと考えて。雨が降っているのが分かっているので雨具などは当然しっかり用意した。
 コースは麦草峠を起点にした。麦草峠は今年5月にも訪れていて、その時は残雪の天狗岳を往復している。
 初日は、麦草峠~茶臼岳~縞枯山~雨池峠~坪庭~北横岳~亀甲池~双子池。2日目は、双子池~大河原峠~赤谷の分岐~蓼科山~天祥寺原~亀甲池~双子池~雨池~麦草峠というコース。

【22日(土)】
 早朝、自宅を発ち、関越道~上信越道~R254~R141~R299と走って、麦草峠に到着。車の中で雨具を着込み、午前10時過ぎに出発。雨の降る中、大石峠~茶臼岳と歩き、縞枯山に着く前には、雨は止んで雨具のフードは以後かぶらずに済む。それでもガスっているし木々は濡れているので、雨具は脱げない。
 登山道は露岩が結構多く、水たまりを避けながらということもあり意外と歩きにくい。縞枯山~雨池峠から、三ツ岳には向かわず坪庭方面へ。途中、三角屋根の縞枯山荘を通過する。

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 坪庭ではピラタスロープウェイで上がってきたらしい高齢者の観光客10人ほどとすれ違う。北横岳ヒュッテを過ぎ、北横岳から亀甲池に下る。Imgp4618 
 亀甲池のほとりに着くと、今流行りの山ガール?らしき2人がいた。彼女らはその後、双子池ヒュッテに宿泊した模様。私は双子池の雌池側にあるキャンプ地に荷物を置き、雄池側にあるこのヒュッテで幕営料500円を払う。水は雄池から直に汲む。Imgp4623

 小屋の人によると、県の職員が年3回水質検査をしており、安全なのだという。汚さないように使いたいものだ。
 テントを張って、持参した焼酎をお湯で割って飲む。安酒ながら、版日歩いてきて疲れた身体には美味く感じる。文庫本も持ってきたのでしばし読書。本は「全ての装備を知恵に置き換えること」(石川直樹著/集英社文庫)。Imgp4624

 暗くなってから簡単な夕食を済ませ、再び読書。外もすっかり暗くなり酔いも回ってきたので、寝ることにする。

【23日(日)】
 雨は降っていない。まずは蓼科山を登って、再び双子池に戻って来るので、テントを張ったまま、ナップザックにわずかな荷物を入れて出発する。 以前はよく山歩きをしていたのだが、この蓼科山を登ったのかどうかは記憶が定かではない。日本百名山は確か60数座は登ったはずだが、特に記録を付けているわけでもなかったので、蓼科山を登ったかどうか判然としない。齢はとりたくないものだ。でもその昔、3月に双子池に3人で来た時は、池が結氷していて、その上を歩いて渡ることができたのを覚えている。Imgp4630 
 双子池~大河原峠~蓼科山荘を経て、山頂そばに建つ蓼科山頂ヒュッテを過ぎると頂上に着く。展望はゼロどころか、近くにあるはずのお社を見つけるのも大変な濃霧。それにしても八ヶ岳は山小屋がたくさんあるものだ。Imgp4633 Imgp4636 Imgp4639 
 天祥寺原はササに覆われたところで、昨日通った亀甲池から双子池に帰着。テントの中で、カップラーメンを食べてしばしの休憩。テントを撤収し、双子池ヒュッテ裏手から雨池方面に続く林道に出る。林道をずっと歩いて雨池に到着。Imgp4651

 亀甲池、双子池、雨池と池巡りも悪くない。木道は濡れていると滑って怖い。いつになったら着くんだと思った頃にようやく車を停めてある麦草峠に帰着。午後1時少し前。
 帰路は、R299から狭い十国峠の道を走る。上野村側で国道が法面崩壊で通行止めになっている区間があり、十国峠の岩場の直下を通る県道を通って上野村に下りる。中里の岩場の下を通り、二子山への林道入口を通過して、小鹿野町へ。
 秩父名物のB級グルメ、わらじカツ丼を食べるべく、以前調べておいた鹿の子食堂へ入る。

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 団体客向けのような配置のテーブルに座り、カツ2枚乗せを食べていると、ちょうど競馬の菊花賞をテレビでやっていた。競馬に興味はない私だが、オルフェーヴルという馬がディープインパクト以来の三冠を達成するというシーンを見ることができた。2着を何馬身も引き離しての圧勝という感じ。本当に強いのだろう。
 道の駅ちちぶで、野菜をたくさん買う。ナス、長ネギ、ピーマン、シイタケ、キュウリ、柿。飯能から所沢の間は渋滞がひどくて辟易した。
 荷物がものすごく重かったわけでもないので、足腰の鍛練にはならなかったかもしれないが、静かな山歩きができて良かった。

猛暑の東京を離れ、甥っ子・姪っ子と霧ヶ峰へ

 9日(土)、甥っ子、姪っ子を連れて信州の霧ヶ峰へ行ってきた。春休みに高尾山、4月に奥武蔵の物見山・日和田山へ連れて行ったことは以前の日記に書いたが、今回はそれ以来の山行として誘ってみた。甥っ子は小学4年生、姪っ子は2年生だ。
 当初の予定は尾瀬だったのだが、群馬県方面が雨の予報だったので、梅雨明けが近いらしい長野県方面を検討して、霧ヶ峰にした。霧ヶ峰の車山は標高は高いものの、ほとんど車で上まで行けてしまうので登り応えという点ではもの足りないと思ったのだが、まあいいか。
 甥っ子達にとっては相当早い時間なのだが、目的地が遠いので朝5時半に出発することにした。そのために2人とも前夜は早く寝たはずだ。朝迎えに行くと、それほど眠そうにはしていない。ルーテシアに2人を乗せ、関越道~上信越道経由で信州へ。長い道のりに、車に乗っているだけの2人は早くも疲れてきた様相。大門峠を越え、白樺湖を横に見て、霧ヶ峰方面へ。車山肩というところにある駐車場に車を停める。空は良く晴れている。気温も高そうなので、私は運転中そのままの半ズボンとサンダル(一応Keenの)という格好で歩くことにした。
 車山山頂のレーダードームが丘のような山頂にすでに見えている。なだらかな登山道をてくてくと歩いて行くのだが、姪っ子の調子が悪そう。車酔いしてしまったようだ。甥っ子はさくさくと先に行ってしまうので、山頂で待っているように声をかける。朝食を済ませておらず、空腹のため余計気分が悪いのだろうと思い、道端に座らせて、お弁当のおにぎりなどを食べさせ、水分も摂らせる。するとみるみる元気が出てきて、そのあとは山頂までペースを上げて歩けた。山頂からの眺めは良い。雲がかかっているものの、蓼科山や八ヶ岳が望める。
 車山乗越から蝶々深山を経て、八島ヶ原湿原を一周して、車山肩に戻るというコースを考えていたのだが、2人の疲れ具合からするととても無理と判断し、乗越から車山肩にいったん戻ることにした。

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 そこから車で移動して八島ヶ原湿原へ。湿原を反時計回りに一周する。ほとんど木道で楽チンだ。花がたくさん咲いていることを期待していたのだが、ぽつぽつと咲いているくらいだったのは残念だ。尾瀬だったらもっとたくさん咲いていただろうか。Imgp3853 Imgp3865

 姪っ子は水たまりの中に靴のままジャブジャブと入って元気な様子だったが、車に戻るとやはりさすがに疲れた様子。後部座席に眠ってしまった。眠っていれば車に酔わないだろうと、そのまま霧ヶ峰を後にすることにした。
 まだ時間が早かったので、軽井沢まで行って見ることにした。下道をずっと走り、旧軽井沢の観光地らしいお店が並んだ通りへ。夕食をここで食べようかと思ったのだが、ジャムを売るお店などばかりで、あまり食べられるところがない。2人が唯一反応したのはジブリグッズのお店くらい。おみやげにバニラ味のジャムとクラッカーを買って、食事は車で移動して探すことにした。
 プリンスのアウトレットモールを過ぎた先にあるステーキ屋に入り夕食とする。甥っ子はとにかく肉が食べたかったと言う。お店を出たのは夜7時過ぎ。高速に乗り東京に帰ったが、二人にとっては長旅だったようで、相当疲れた様子。
 霧ヶ峰はいちおう日本百名山の一つ。百名山を知らない二人には興味はないだろうが、初の百名山登頂ができて、まあ良かったかな。

GW終盤、荒船山~有笠山~北八ヶ岳を巡る旅 その3

9():北八ヶ岳 天狗岳 登山】

 8:30麦草峠駐車場発~丸山~9:30 高見石小屋~中山~11:40 東天狗岳~12:03西天狗岳~13:58中山~15:00白駒池~15:45麦草ヒュッテ~15:48駐車場帰着

 6時過ぎに目を覚ます。寝床を片付け、買っておいた朝食を済ませてから八ヶ岳に向かう。白樺湖を通り過ぎ、いったん街まで下ってから国道299号で麦草峠へと車を走らせる。

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 麦草ヒュッテの手前にキレイなトイレのある駐車場があったのでそこに駐車。あまりよく記憶していないのだが、麦草峠には学生時代の5月に初めて来た以外に、もう一度くらい来たことがあるかもしれない。それだってずいぶん昔のことだ。

 履いた靴はボリエールのアイスマスター。アイス用の靴を履くこともないだろうと言われそうだが、アイゼンを付けることになるかもしれないし、他に履きやすい靴がなかったのだ。

 天気は良い。麦草ヒュッテの前を過ぎ、樹林帯に入ると雪が残っている。

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 丸山を越え高見石小屋に着く。

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 さらに樹林の中を歩き続け中山の展望台に出る。北アルプスなどの山並みが眺められる。風がちょっと強い。

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 中山峠を過ぎ、東天狗岳への登りに入る。東天狗岳と西天狗岳が並んでいるのが見える。

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 樹林を抜け出て、行きの斜面を登るところでは念のためピッケルを手にした。

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 アイゼンはザックに入れたまま。東天狗岳に着くと、硫黄岳の爆裂火口壁や赤岳、阿弥陀岳が眺められる。

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 西天狗岳を往復し、戻る途中の鞍部でお湯を沸かしてコーヒータイム。Imgp3561 Imgp3564

 来た道をどんどん戻る。風が午前中よりも強くなってきた。一昨日の登山で頑張り過ぎたためか、さすがにここに来て疲れてきた。高見石小屋に至る道が長く感じる。

 高見石小屋からは白駒池に向かう。白駒池はところどころ表面に薄く氷が張っているようだ。ここで再びお湯を沸かしてコーヒーを飲む。Imgp3567 Imgp3568

 7時間ちょっとの行程で麦草峠に帰って来た。

 車で国道299号を佐久側に下り、国道254号で内山峠を越える。ここで荒船山の艫岩の絶壁が見える。一昨日は曇って何も見えなかったが、こうして下から眺められて良かった。

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GW終盤、荒船山~有笠山~北八ヶ岳を巡る旅 その1

 35日の3日間有笠山でクライミングして、6日は仕事、有笠での疲れが抜けないまま79日と再び山へ。ちなみに9日は仕事を休んだ。2日、6日と連休の谷間も出勤したから良いよね。

 行程は以下のとおり。

 7():西上州 荒船山ほか 登山 (1人で)

 8():有笠山 クライミング (I澤さんと)

 9():北八ヶ岳 天狗岳 登山 (再び1人で)

7():西上州 荒船山・大屋山・御岳山(兄倉山) 登山】

 7:45線ヶ滝登山口発~8:25田口峠分岐~9:10星尾峠~9:37艫岩避難小屋~10:05経塚山~10:30立岩分岐~11:15西立岩~12:00登山口帰着

 12:55大屋山登山口発~13:30大屋山山頂~13:55登山口帰着

 14:43御岳山(兄倉山)登山口発~15:05御岳山山頂~15:24登山口帰着

[荒船山(艫岩・立岩)]

 西上州の山は、荒船山や妙義山を含めどこも登ったことがない。ここらの山を登るのは初めてだ。そこで空いたこの日に荒船山に登ってくることにした。近くに立岩(たついわ)という岩峰があるそうで、軍艦が乗っかっているような艫岩(ともいわ)とともに登る計画だ。

 さらに、近くにある大屋山という小さな山も登る計画にした。荒船山だけでは時間が余りそうだからだ。

 土曜日早朝、疲れた身体を押して関越道~上信越道を走り、下仁田ICを降りる。南牧(なんもく)村を走り、荒船山の南側の登山口となる線ヶ滝登山口に駐車。携行した地図はおなじみ、昭文社の山と高原地図「西上州」の2011年版。地図には駐車場として路肩数台とあるが、路肩というより立派な駐車スペースがあり、23台といわずもっと停められる広さがある。

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 履いた靴は買ったばかりのファイブテンのイグザムガイド。岩場でもないのに履くのはちょっともったいないかもしれないが、足に慣らしておきたいし。Imgp3516_2

 ところで、天気は曇り。というよりものすごくガスが濃い。幸い雨は降っていなかったが、草木は濡れそぼっている。ということで端から展望は期待せずに出発した。

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 しばらく谷筋を歩くのだが、周囲は倒木が多く荒れた印象。田口峠分岐の少し先で道が不明瞭になる。迷いこまないように注意。ロープの張られた崩れた斜面を少し上がると星尾峠に出る。これまで荒れた感じの登山道だったのが、ここでいきなり良く整備された道となる。佐久市側だからだろうか。ここで初めて他の登山者に会う。中学生くらいの男の子とその父親のようだ。

 艫岩に向かう道中は山上とは思えないような平坦な道が続く。ここでは山ガールといった格好の女性二人組のほか、年配男性1人と行き交う。艫岩に建つ避難小屋は屋内部分に東屋部分がくっついている。屋内の広さは8帖くらいか。Imgp3520 Imgp3522

 艫岩からの展望はまったくのゼロ。足元がすでにガスってその下が見えない。分かってはいたが残念。

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 来た道を戻り経塚山、立岩分岐を経て南下。Imgp3525

 途中、立岩と思われる岩峰のそばを通り過ぎるが、これは立岩ではないようだ。遠くにぼんやりと浮かんで見えるのが立岩なのかなあ。Imgp3528_2

 鎖場があったが、鎖を使わないと下りられないというほどの斜面ではない。

 西立岩で中高年登山者グループに会う。67人。同じ線ヶ滝登山口から立岩経由で登ってきたという。ここでこれまた新品のプリムスのガスバーナーを初使用。お湯を沸かしてコーヒーを飲む。

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 立岩のコルからの下りは再び鎖場があったりガレた急なルンゼを通るのだが、このルンゼでは落石を起こさないように注意したい。特に複数で通過する時は注意。Imgp3531 Imgp3532

 それを過ぎると道は緩くなり、思わずトレラン気分で駆け下る。あっという間に登山口に帰着。正午ジャストだ。

[大屋山]

 車で大屋山に移動する。大屋山は荒船山の南東にある山で、地図を見て短い時間で登れそうなので選んだ。荒船山のついでに登るようなもので、わざわざこの山だけを登るために東京から来ることは絶対にしないような山だ。

 林道を車で登って行くと、民家が1軒だけ建つ登山口に着くので、路肩の狭い駐車スペースに停める。民家に至る道を上がり、民家の前を通る。Imgp3538

 萱だか笹だかの斜面を少し登ると樹林に入ったところで小さな沢をまたぐ。樹林の中の登山道を登って行くと、明神宮という小さなお社があり、そばにある窪地が蓼沼というもののようだ。誰もおらず静かだ。相変わらずガスっているし。Imgp3533 Imgp3534 Imgp3535

 狭い山頂でも展望はゼロ。

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 さっさと下ってちょうど1時間で往復できた。

[御岳山(兄倉山)]

 まだ時間があるので、当初予定していなかった山も登ることにした。下仁田駅の南にある御岳山(兄倉山)を選んだ。これは大屋山よりもさらに手軽に登れる小さな山だ。登山口はキャンプもできる公園にある。Imgp3539_2

 登山道には石像が所々立っている。山頂からは下仁田の街が臨めた。Imgp3543 Imgp3544

 あっという間に下山。

 道の駅下仁田に寄り、味噌だれの串に刺したコンニャクを食す。さて、翌日は有笠山でクライミングの予定なので今日のうちに現地に行っておくことにする。

 高速道は使わずに榛名さんの西麓を通る草津街道を経て中之条方面へ。途中通り過ぎた長野新幹線の安中榛名駅の駅前は閑散としていて、コンビニが1軒建っているだけ。山を切り崩して造ったらしい道路沿道に植わっているのはツツジだろうか、真っ赤な花が咲いているのが延々と続く。開発された宅地に住宅が建っているが、買い物するのに不便じゃないのかなあ。どこかにお店はあるのかもしれない。

 群馬原町の岩櫃城温泉で汗を流し、隣りのベイシアで買い出し。某所で車中泊。

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