海外クライミング

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー06 ●06.24コネス山Mt.Conness 3,837m登山、06.25アフターシックスほか、06.26パットアンドジャック、06.27~29サンフランシスコ~帰国

■06.24(火) コネス山Mt.Conness (12,590ft・3,837m)/Tuolumne Meadows
 前々日のハーフドーム偵察、前日のハーフドーム登頂と、2日間歩き続けて疲れているのだが、レスト日としたこの日は一人でトゥオルミメドウズにある山に登りに行くことにした。ヨセミテに到着した日に買ったトゥオルミ版のスーパートポの中に、コネス山Mt.Connessという山が載っていた。スーパートポはその山にあるクライミングルートを紹介しているのだが、下山路となる登山道が載っていたのでそこを辿って登頂してみようと考えたわけだ。標高は12,590フィート、3,837mで富士山より61m高い。
私がこれまで登った最も高い山は富士山なのだが、富士山よりも高い山に登ろうと考えたら海外の山に登るしかない。日帰りで手軽に富士山より高い山に登れるならこれはぜひ行ってみたい。
 スーパートポに載っている地図と写真だけが頼りなのだが、まずは行ってみることにした。6時に一人キャンプ4を発ち、先日カシードラルピークを登りに行った際の登山口を通り過ぎる。ヨセミテ国立公園の東側の入口を通過して、登山口に至る道路へと左折する。ダートの道を走っていくと、登山口となるキャンプ場に着く。ここですでに3,000m近い標高のはずなので肌寒い。足回りはヨセミテで履いているファイブテンのアプローチシューズ・ガイドテニー。

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(↑コネス山が見える)
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(↑キャンプ場のある登山口)
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(↑入口の看板)

 歩き始めたのは8時過ぎ。キャンプ場の中を抜けてトレイルを進んでいく。カーネギーインスティトゥートという小屋跡の辺りに来ると風景が開けてカール状の眺めがきれいだ。なおも進むと湿原状になり、どうも写真が示す登山道と方角が異なる感じがしてきた。コネス山へと至る登山道へとどこかで分れるはずなのだが。トレイルを引き返すと、男性が一人歩いてきた。地図を示して聞くと、登山道へのサインなどは無く、花崗岩だらけというようなことを言っている。彼は山に登りに来たのではなく、湖を見に来たらしい。どうも明確な登山道というものではないらしい。写真には点線で道のように示しているけれど。写真と実際の地形を見比べて、適当なところからトレイルから離れて岩がちで遠くまで開けた広い山肌の斜面を登って行くことにした。高山植物の花々が咲く花崗岩の斜面を延々と登って行く。ギザギザしたスカイラインに並ぶ岩稜とトポの写真を見比べて、この広い斜面の先にある断崖部分を越える箇所として、滝が流れているところがあり滝の左側が断崖が途切れて越えられるように見える。

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(↑あの山を登るのだ)
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(↑きれいな眺め)
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(↑小屋跡)
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(↑正面の岩の斜面に入って行く)
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(↑岩の斜面を登っていく)
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(↑後ろを振り返る)

 滝から先には雪が見える。滝に近づくと踏み跡らしきものがあった。やはりここから越えていくのだろう。滝の上は崖の縁となって雪が残っている。雪の上を歩く前に、帰路に降り口を見失わないように岩の上に石でケルンを積み目印としておく。雪の向こうには池があった。これがアルパインレイクかと最初思ったけれど、あとで登って行って視界がさらに開けてくると、遠くに顕著な池が見えた。あれがアルパインレイクのようだ。

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(↑滝が見えてきた)
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(↑滝の上には残雪)
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(↑左手の岩の脇から上へ)
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(↑残雪を越えると)
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(↑先の風景が開ける)
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(↑あれがアルパインレイクらしい)

 ここに至ってそもそも明瞭な登山道のようなものなどないことは分ったのだが、さてどこを歩いて行こうか。トポ本の写真を何度も見て、眼前に伸びる岩稜の側壁を左へ左へとトラバースして行って、その先にある岩峰がコネス山のようだ。雪渓があちこちに残っているし、断崖になっているところを避けながら岩の中を延々と歩いて行く。空気が薄いのを感じる。岩稜が途切れたところに至ると、北側の谷が見えた。万年雪が残っている。目を付けた岩峰へと登って行くと、開けた台地状に出た。ここも部分的に雪がある。眺め渡すと顕著なピークがその先に見えた。どうやらあそこがコネス山の山頂のようだ。雪を越えてそのピークに立つ。足元の岩を見ると、円形の金属プレートが埋め込まれている。やはりここが山頂だ。やった。

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(↑岩場をトラバースしていく)
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(↑北面の万年雪)
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(↑山頂の台地への登り)
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(↑台地に出ると向こうにピークが)
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(↑雪の上を行く)
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(↑靴はファイブテンのガイドテニー)
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(↑もうすぐ山頂)
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(↑山頂のプレート)
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(↑山頂の私)

 そのそばに金属の小箱が置かれている。蓋を開けてみるとメモ帳数冊とペンが入っている。登山者が登頂記念にコメントを残すためのものだ。私も日付と名前を書いておく。もし今後コネス山に登る人がいたら、2014年6月24日のコメントは私のものなのでよろしく。

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(↑箱を開けると)
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(↑中にはメモ帳が)
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(↑数冊入ってた)

360度の素晴らしい展望を楽しんでから下山にかかる。明瞭な道など何もないし、雪の上も結構歩くので、行きで歩いたところとずいぶん異なるところを歩いたりする。すると向こうから男性一人が登ってきた。こんな辺鄙なところに自分以外にも人が来るのだ。そういえばメモには前日登った人のものもあったからそれなりに登られているようだ。
山頂台地からの下降は行きとは全く異なり、岩稜の側壁というよりカール状のそこに降りていく感じでどんどん高度を下げていった。池の近くに出ると動くものがいる。目の前にライチョウがいた。日本のライチョウも人を恐れずすぐ近くにいたりするが、ここのライチョウも同じだった。

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 ケルンの目印から滝の脇を降り、下部の開けた斜面を適当に歩いていく。花々がきれいだ。そのうち自然とトレイルに出た。あとはキャンプ場を経て駐車場に戻るだけだ。駐車場に帰着したのは午後3時頃。7時間ほど歩いたわけだ。

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(↑いろいろな花が咲いていた)
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(↑トレイルに戻った)
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 今回、コネス山に登りに行くにあたり、ヨセミテバレーでレスト中のT橋さんにはトゥオルミの山に登りに行く程度にしか言い残してこなかった。万一、遭難していたら広大な山域から捜索するなんてことは無理だったろう。駐車場に止めた車が見つかれば、登った山を推測することができただろうけれど、何はともあれ無事下山できてよかった。
 行きで通過して講演ゲートでカードを見せて通過。トゥオルミメドウズにあるビジターセンターに寄って、お土産を買う。トゥオルミの往復でずいぶんガソリンを使ったので先日寄ったガソリンスタンドで50ドル分の給油。ガソリンスタンドはトゥオルミにもあったので、先日は残量でひやひやしたけれど、ここで給油できたのだろう。
 暗くなる前にキャンプ4に戻るとT橋さんはベンチで本を読んでいた。簡単に食事を作って夕食とする。

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(↑トゥオルミメドウズのビジターセンター)

■06.25(水) アフターシックスAfter Six 5.7(5P)/Manure Pile Buttress,Reed’s Pinnacle Area
 ヨセミテで登れるのも今日明日の2日間を残すだけとなった。しかし、キャンプ4の受付に貼り出される天気予報を見ると、数日前から明日26日は雨の予報となっていた。降水確率は20%らしいのでどの程度降るのか分らないけれど、雨で登れないとすると、今日がヨセミテでの登り納めとなるわけだ。
 T橋さんは今回のツアーで登っておきたいルートとして、ナットクラッカーやフレンジーとともにアフターシックスを挙げていたので、今日はそのアフターシックスを登りに行くことにした。名前のとおり1P目が5.7で、5.6が登れたら次に登るルート。先日、アフターセブンの1P目を登ったけれど、グレードはつまり5.8。
 T橋さんが凹角の1P目をリードしたあと、2P目以降はグレードがさらに易しくなりつるべで登っていき、昼ごろにはトップアウト。先日のぼったナットクラッカーと同じ大テラスに出た。登っている途中、下から女性ペアが登ってきて我々を追い抜いて行ったのだが、見るとリードの女性は足はアプローチシューズで、ハーネスをつけずにロープは腰に巻きつけてあるだけ。余ったロープと少々のギアをぶら下げていた。フォローの女性はハーネスにクライミングシューズだったけれど、ほとんど同時登攀という感じで、登るのが速いわけだ。たくさんのカムをジャラジャラとぶら下げて登っている我々は過剰装備なんだろうなあ。

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(↑アフターシックス1P目を登るT橋さん)

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(↑アフターシックスを登り終え、大テラスの私)
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(↑エルキャピタンのイーストバットレスを見上げる)

 裏手の下降路から取付に戻る。午後はリーズピナクルエリアに行くことにした。この頃から空が曇り出してきて、翌日の雨予報を予感させる。そのおかげで、いつもだったら日差しで暑くて登っていられないらしいこのエリアも過ごしやすかった。まずはダイレクトルートの1P目を2人それぞれリードで登る。中盤のハンドジャムが快適。見上げる2P目のクラックが見事だ。
 続いてストーングローブ5.10bにトライ。私がリードで試みるがテンションだらけ。トップロープを張って、T橋さん、私と登るとノーテンで登れた。明日は雨で登れないとするとこれでヨセミテの登り納めだ。トゥオルミも含めよく登ったので、明日は登れなくても満足している。

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(↑リーズピナクルエリア)
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(↑ダイレクトルート1P目を登るT橋さん)
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(↑ストーングローブを登るT橋さん)
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(↑フナティックフリンジを登る)

■06.26(木) 雨後、Pat and Jack Pinnacle
 未明から雨が降り出す。テントを打つ雨音が聞こえるが、ザーザー降りというワケではない。しかし、やはり予報どおり雨が降ってきたわけだ。これでは岩が濡れてクライミングはできないので、そのままごろごろとテントの中で寝て過ごす。8時頃になって、ミッドナイトライトニングのあるボルダーの下で雨宿りしながら朝食をとる。ベンチ状の石があって荷物を広げられる。そうするうちに雨が止んできた。これなら岩が乾けば登れそうだ。前日までの11日間よく登ったので満足しているけれど、登れるとなったら休んでいるワケにはいかないかな。それでもまだ岩が濡れているだろうから、午前中はカリービレッジに行ってメールチェックなどして過ごした。

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(↑キャンプ4のゴミを収集する車)
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(↑こんなふうに機械のアームで大きなゴミ箱を持ち上げる)
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 雨が上がった空は曇りがちで雲間から日差しがあるくらい。ハーフドームにも雲がかかっている。午後からパットアンドジャックピナクルへ行くことにした。
 ヌードルという2ピッチのルートを1P目を私がリードし、2P目をT橋さんがリード。懸垂下降して、Knob jobにTr.を張り、私が登る。続いて左隣りにあるSherrie’s CrackをT橋さんがトライするも核心でテンション、Tr.にしてもらって私もトライするも核心部でテンション。あとは快適なハンドジャムでいけた。
これでヨセミテでのクライミングは終了。12日間、よく登ったものだ。

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(↑パットアンドジャックピナクル)
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(↑ヌードル)
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(↑Sherrie’s Crackを登るT橋さん)

 ヨセミテ滞在の最終日は、カリービレッジのレストランで夕食を取った。セルフサービスで、肉やマッシュポテトなどを指差して選んで皿に盛ってもらうのだが、味はまあ大味というか、特別美味しいワケではない。わかってはいたけれどこんなものかな。私たちはこれだけで十分な量だったので追加しなかったけれど、自分で盛るサラダはその重さで料金がかかるようだ。質より量ということか。キャンプ4に戻り、計11泊の最後の夜を迎える。

■06.27(金) サンフランシスコに移動
 今日はキャンプ4のテントサイトを引き払い、帰国のためサンフランシスコに移動する。荷物をまとめて車に積み込み、晴れたヨセミテバレーをあとにする。

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(↑キャンプ4最後の朝)
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(↑ミッドナイトライトニングの前で)

 2週間前にやって来た道を引き返していく。オークデールの街でバーガーキングに寄り朝食を取る。ドリンクのカップが普通サイズでも大きい。Wifiがつながるので、私は所属山岳会宛てにヨセミテのクライミングを終えた旨のメールを送る。駐車場がとにかく広いので、適当に車のトランクに詰め込んだだけだった荷物を広げて、飛行機の預け荷物としてパッキングし直した。

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(↑バーガーキングにて)

 途中、鉄道踏切で停車すると、長い貨物列車が通過して行った。前を3台の機関車がけん引し、その後を貨物車両が延々と続き、後ろからも2台の機関車が押していた。信号のない広い道を走るのは快適だ。狭くて信号だらけの日本の道とは違う。また、ターゲットという大きなスーパーにも寄って、チョコレートなどのお土産も買い込んだ。

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(↑貨物列車、前の機関車1両目)
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(↑前の機関車2両目)
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(↑前の機関車3両目)
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(↑貨物車両が続く)
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(↑後ろからも2両の機関車が押していた)
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(↑ターゲットというスーパー。写真横向き)
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(↑ターゲットのミューズリー売り場)

 今夜はサンフランシスコ市内に予約しておいたホテルに泊まる予定なので、シスコ市街へ向かうためには往路で通った橋を渡り、北上してサンフランシスコ国際空港を通り過ぎて行けばよいのだが、ゴールデンゲートブリッジを渡ってみたかったので、わざわざ北の方から迂回して行ってみることにした。
 オークランド、リッチモンドと経て、リッチモンド・サン・ラファエル橋では5ドルを支払って渡る。橋を渡ってからゴールデンゲートブリッジに向かって南下し始めると濃霧がかかってきた。ゴールデンゲートブリッジそのものは通行料金を取られなかった。しかし、橋は濃霧に包まれ、吊り橋の上の方ですらガスで見えず、見えるはずの海峡も何も見えず。

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(↑リッチモンドサンラファエル橋)
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(↑濃霧のゴールデンゲートブリッジ)

 橋を渡っていよいよサンフランシスコ市街に入っていくと急に霧が晴れる。映画で見たようなアップダウンの激しい急坂が本当に続いていて、予約ていたホテルに向けて坂道を登って行く。ホテルはシビックセンター駅という地下鉄駅から北に数ブロックのところで、決して高級なホテルではない。周辺はアジア系の店が多くて、ホームレスも目に付く。ここを選んだのは宿泊代の安さと駐車場があるからだが、あんまりのんきに散歩する気にはならなさそうなところだ。
 15時頃チェックインを済ませると、T橋さんとホテルを出て観光スポットのフィッシャーマンズワーフに行ってみることにした。バスの路線図を見て、やって来たバスに乗る。フィッシャーマンズワーフに着くと、観光スポットだけあって観光客が大勢いた。海を臨むとアルカトラズ島が見えた。かつて刑務所だったところだ。海風が寒い。サンフランシスコは曇っていて、日差しの強いヨセミテにいるよりも肌寒いくらいだ。ボイルしたカニを出す店が並んでいる一角があった。カニは高いので、クラムチャウダーと生ガキを食べた。観光地価格なのかこれでも結構な値段だ。寒いのでこれ以上歩き回らずにバスでホテルに戻ることにした。暗くなってくると街中を歩くのも不安なので部屋の中で過ごす。

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(↑サンフランシスコは坂の街)
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(↑路線バスが来た)
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(↑フィッシャーマンズワーフ)
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(↑アルカトラズ島)
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(↑カニ)
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(↑まだ生きているロブスター)
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(↑カキ)

■6.28(土)~29(日) 帰国
 サンフランシスコを発つ便はお昼なので、朝食を済ませたら早々に空港に向かうことにした。ブルーボトルコーヒーというカフェに行って軽く朝食をとることにした。ホテルからてくてくと歩いて行き、通りから入った角地にその店はあった。ミントプラザという店名なのだが、斜向かいの建物の合間の小広場のある一角からその名前をつけているようだ。
 店内は明るく小ぎれいな感じだ。コーヒーとトーストを注文。ガラスのマグに入ったコーヒーを飲む。朝から結構お客が来ている。

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(↑ブルーボトルコーヒーミントプラザの外観。写真横向き)
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 市庁舎の近くを通ってホテルに帰り、ホテルをチェックアウトすると車で空港に向かう。2週間前ぶりにサンフランシスコ国際空港に戻って来た。ソウル行きの便の中ではなかなか寝付けないので、映画を3つも4つも見て過ごした。日付が替わった仁川空港で成田行きの便に乗り継ぎ、成田に着いたのは日曜日の夜。T橋さんと解散して、自宅に帰る。明日からまた出勤だ。

 こうしてヨセミテのクライミングツアーを終える。易しいグレードばかりだけれど、ハーフドームを含めマルチピッチのルートをたくさん登ったし、トゥオルミメドウズにも行ったし、バリエーション豊かな内容となり良かった。T橋さん、お疲れさまでした。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー05 ●06.22ハーフドーム偵察、06.23スネークダイク~ハーフドーム登頂

■06.22(日) ハーフドームHalf Domeアプローチ偵察

 カリービレッジの宿泊代は高い。ネットで予約したのだが、14,000円台だ。2人で割っても7,000円もする。造りはテント生地のキャビンで、ベッドが置いてあるだけ。つまりトイレやシャワーは共同。調理も禁止されているので、長く滞在するとなると、売店やレストランに歩いて行けるというのを除けば、値段ほど便利ではない。
 ということで、暗いうちから起き出して、1週間前と同様、5時前にキャンプ4の受付に行くと今回も一番乗り。2回目はもう勝手が分かっているから、さっさと寝袋に入って8時前まで寝続けた。1週間前のように寒さでふるえるということはなく、すっかり明るくなると寝袋に入っていると暑いくらいだった。
 受付では先週と同じサイトを指定した。今回は5泊するので2人で計50ドル。いったんカリービレッジに戻り、キャビンに残した荷物を回収し管理棟に鍵を返却。

 さて、今日はレスト日とした。これまで7日間連続で登っているし、明日はハーフドームに登りに行こうとT橋さんと話しているからだ。明日ハーフドームに行く代わりというワケではないが、そのハーフドームに至るアプローチを私が偵察に行くことにした。ヨセミテバレーのシンボル的存在であるハーフドームはぜひ登ってみたかった。
ハーフドームは谷側の西面がすっぱりと切れ落ちているが、他の面はドーム状の傾斜だ。それだってとんでもない大岩壁なのだが、その南面にスネークダイクというルートがあるので、それを登ってハーフドームの山頂に立とうというワケだ。
 ハーフドームには一般登山道があって、それを辿ってドームに立つこともできるのだが、事前に許可を取る必要があるそうだ。最後のワイヤーハシゴを通過する前に、レンジャーが許可証のある登山者かをチェックしているらしい。なので、許可無しに思いつきで登りに行くことはできないらしい。レンジャーの目をごまかして通過しようとすると逮捕されるとか。
 しかし、クライマーがスネークダイクなどを登って山頂に登るのには許可は不要だ。ワイヤーハシゴは下山時に通ってみて分かったのだが、上り下りとも一緒の一カ所しかなく、あれだけ急なことを考えると大勢の登山者が押し寄せると収拾がつかなくなりそうだ。それを許可制度によって抑制しているのだろう。その点、クライマーの数は知れているから、彼らが多少増えたって構わないのだろう。クライマー側からしたら、何か月も前から許可を取って登りに行くなんて相当の制約だろうし。
 と、前置きが長くなったが、スネークダイクそのものもランナウトを強いられるルートであることは後で書くにしても、アプローチも非常に長く、日帰りで行って帰ってくるのは結構大変だ。ルートそのものは取り付いてしまえば何とかなるにしても、順調に取付にたどり着けるかも一つの核心だ。道に迷ってしまっては登攀どころではなくなってしまう。T橋さんとしてもその点を心配していた。そこで、レスト日を使って、私が一人でスネークダイクまでのアプローチを調べてくることにした。普通に歩いても3~4時間はかかるらしいので、往復することを考えたらそれだけで一日仕事だ。

 さて、カリービレッジのチェックアウトを済ませてから、休憩所に行くとWifiがつながったのでしばしメールチェック。車に戻って偵察ハイキングのための荷物をまとめて、T橋さんにカリービレッジからさらに奥の車道終点まで送ってもらい、歩き出したのは10時頃。手元にある地図は、スーパートポに載っている極めて簡略なものだけだ。持っている人は知っていると分かると思うけれど、本当に簡単な略図だ。しばらくは観光客が大勢歩いているトレイルをたどって行く。途中、ミストトレイルというヴァーナルフォールを見ながら登って行くトレイルに入ったりするが、観光客が皆そちらをたどって行くように、分かりやすい道だ。

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(↑ヴァーナルフォールが見えてきた)
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(↑ヴァーナルフォールの落口)

 ヴァーナルフォールを過ぎると、左手に2つのピークが見えてくる。右がリバティーキャップで、左がブロデリック山。地図には、トレイルから離れて、その2つのピークの間を抜けて行くアプローチ道がある。一方、そのままトレイルを辿ってネバダフォールを横目に見ながら、リバティーキャップを東から巻くようにハーフドームへの一般道を進んで、途中からアプローチ道に入ることもできるようだ。2つのアプローチ道はロストレイクの近くで合流して、ハーフドームの基部へと続いていくように描かれている。

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(↑2つのピーク)
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(↑リバティーキャップ。写真横向き)

 そこで、歩く距離が短そうな2つのピーク間を抜けるアプローチ道を辿ってみることにした。大勢の観光客とともにトレイルを歩いていく。坂道を登って行くと汗をかくほど暑いのだが、分岐を経てやがてヴァーナルフォールという滝に至る。滝のしぶきが気持ち良い。最初のJMTから離れてこの区間はミストトレイルというのだが、この滝しぶきのためだろう。この滝の前後は急な石階段が続く。滝の上には開けた釜がある。前述したとおり2つのピークが左手に見えてくる。アプローチ道への入口はどこだろうと左手に入る踏み跡がないかどうか見ながらトレイルを進んでいくと、ネバダフォールが見えてくる。トレイルがリバティーキャップの基部にぶつかったところで、基部に沿って左に入っていく踏み跡がある。これが2ピーク間を通るアプローチ道への入口だろう。結果的に正解だった。基本的に左手の岩場基部に沿って踏み跡を歩いていく。やがてリバティーキャップの西側に回り込み、ブロデリック山との間の谷に入っていく。箱庭的な感じのところだ。谷間を通るときも道はリバティー側に沿って付いている。岩がちのところを通過するが、やがて樹林帯の中の明瞭な道になる。それをずっと歩いていくと再び人が歩いているトレイルに出た。リバティーキャップで踏み跡に入ってから1時間ほど。他に会う人はいなかった。

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(↑リバティーキャップ基部に着いたところから右に入る)
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(↑谷間を行く)
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(↑トレイルに出てしまった)
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(↑ハーフドームへのトレイル)

 当初、このトレイルに出たのが間違いだったことに気付かず、そのままトレイルを歩いて行ってしまう。幅の広い平たんな道から樹林帯の登り坂になったところで、さすがにおかしいと思い、改めて地図を見ると、ハーフドームへの一般登山道を歩いていることが分かった。すぐに引き返す。アプローチ道からトレイルに合流したところに戻る。遠くにハーフドームが見える。トレイル側からアプローチ道への入口は知っていないとまず分らないだろうが、私は先ほど出てきたばかりなので分かっている。結果的に翌日は谷間の道を選ばずに、リバティーキャップを東に回り込んだここからアプローチ道に入ったので、この入口の場所を確認できたのは良かった。目印らしいものは何もないからだ。
 アプローチ道に引き返すと、谷間の方ではなく、小さな水たまりのようなものを渡るとロストレイクに出た。ハーフドームを望む湿原のような池だった。なおも明瞭な道を行くと、道は右手に上がっていき、ケルンが積まれた岩がちの中を行くようになる。ハーフドームの基部に向かって登って行く感じだ。高度を上げていくと、後方の風景が開けてくる。ロストレイクも眼下に見える。アプローチがスラブ帯を左へとトラバースするところに至った。時刻は午後1時半。そろそろ帰ろうと決めていた時間だ。アプローチはこのトラバースを越えてハーフドームを回り込んでいけばよいのだろうと考え、偵察はここで終えることにした。下山を開始し、ロストレイクを過ぎたところで、谷間の道への入口を探ってみたが見つけられない。不明瞭な道から明瞭な道に出るのは容易でも、その逆は難しい。谷間の道へと戻るのはやめて、当初間違えたトレイルへと出る。それからトレイルに沿ってネバダ滝方面へと帰ることにした。

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(↑ロストレイクとハーフドーム)
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(↑ハーフドーム基部を登る)
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(↑後方を望む)

 午前中歩いていきた道を引き返していくと観光客も増えてきた。ヴァーナル滝を過ぎる。とにかく暑い。周遊バスのバス停まで戻ってきて、ちょうどやって来たバスに乗ってキャンプ4に戻ったのが16時過ぎ。車がなかったのでしばらく待っていると、ハウスキーピングからT橋さんが戻ってきた。今度は私が車でハウスキーピングへ行きシャワーを浴びてくる。
スーパーで買い出しをしてキャンプ4に戻る途中、道端に人だかりがあったので、車を停めて行ってみると道路脇の草むらの中に熊が1頭いた。レンジャーの人達が観光客をあまり熊に近づかないように止めている。熊は草むらの中にいるので背中くらいしか見えなかった。リスは岩場にもキャンプ4にもどこにでもたくさんいるが、熊は早々目撃する機会はないようで、ヨセミテ滞在中、私が熊を見たのはこの一度きりだった。

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(↑ネバダフォール)
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(↑熊がいた)

■06.23(月) スネークダイクSnake Dike 5.7R/ハーフドームhalf Dome (8,836ft・2,693m) Southwest Face

 前日の私一人でもアプローチ偵察に基づいて、今日はハーフドームを登りに行く。スネークダイクというハーフドーム南面にある8ピッチのルートを登って、ハーフドームの山頂に至る。スネークダイクそのものは取付から山頂台地の下半分だけのようで、傾斜が緩くなった上半分はほぼ歩いて登れるようだ。
 前日の偵察で歩いているようにアプローチが非常に長いのでそれが一つ目のポイントだ。もう一つはトポ図を見ると分かるのだが、5.3とか5.4といった易しいグレードとはいえ途中ボルトが1つだけとかものすごくランナウトすることだ。ルート名どおりダイクが続くセクションはクラックではないので、カムをきめられるわけではない。
 このことはまた触れるとして、長い一日となることを考え、5時にキャンプ4を出発し、車道終点にあるトレイル入口の駐車場を歩き始めたのは5時20分頃。朝早いので昨日のような大勢の観光客でごった返してはいないが、一般登山道からハーフドームを目指すらしい人達がすでに歩いている。ヴァーナル滝、ネバダ滝とゆっくりと歩いていく。昨日確認しておいたトレイルからアプローチ道への入口を入ると向こう側にハーフドームが聳えている。ロストレイクを経て、基部を上へと登って行くと、前日偵察を打ち切ったところにたどり着いた。ここから左に回り込むようにスラブ帯をトラバースして行く。廊下状になっていて歩けるのだが、ちょっと一見怖い。岩場のトラバースを終えると、はるか頭上にドーム南面が迫って見える。ダイクらしきものがのっぺりした岩の表面に血管のように何本も走っているのが見える。あれのどれかを登るのだろう。
 さて、スネークダイクの取付に向かうべく、踏み跡らしきところをたどって行くと、基部を左に巻き気味に登って行く。やがてドーム基部にたどり着く。トポ図と照らし合わせて、それらしきラインに目をつける。ここまで来る途中、昨夜ビバークしたらしい2人組が寝ているところを通り過ぎた。彼らも登るのだろう。彼らはまだここにやって来ない。支度を済ませて、T橋さんのリードで登攀を開始する。しかし、トポにあるクラックと違って、クラック幅の広い大フレークをたどって行くと、あまりにもクラックが大きくなり行き詰まってしまう。間違ったところに取り付いてしまったのかもしれない。T橋さんが人の声がすると言うので、ビレイを解いて私が右に回り込むように見に行くと、我々が取付いたところよりもずっと斜度が緩いところを2パーティーが登り始めているではないか。はやり間違っていたのだ。下から近づいて行った時にはおそらく見えていたはずなのに、どういうわけかもっと左側に取り付いてしまったのだ。
 T橋さんに下降してもらい、仕切り直すことにする。先行Pの2組目のリードが登り始めているところだったので、しばらく待つ。見ていると、ランナウトするスラブを直上してからハング状の下を左に大きくトラバースするところがさらにランナウトして悪いみたいだ。

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(↑ロストレイクからハーフドームを望む)
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(↑ヨセミテではトカゲをよく見た)
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(↑岩場のトラバース)
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(↑ハーフドーム南面を見上げる)
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(↑あのしわしわの一つがスネークダイクか)

★スネークダイク
 1P目。T橋さんのリードで仕切り直しのスネークダイク登攀開始。最初のスラブは後半部分はハング下に取り付くのにランナウトする。そこでスリングを長めにとってカムでランナーを取る。それからハング下を左にトラバるのだが、先行Pはスラブを通って行ったが、T橋さんはハング下のクラックをしゃがみ込むアンダー持ちで通過して行った。それから回り込むように右上する大フレーク状を登り途中カムでピッチを切った。
 フォローで私の続くが、トラバースが悪いのなんの。ハング下のクラックは浅くて十分に指が入らない。足は何もないスラブにスメアリング。T橋さんはこんなところをよく行ったものだ。私は先行Pと同様少し下のラインからスラブをトラバース。これだって、分かりやすいホールドなどはなくフォローでも怖いのなんの。少し行くとガバ穴があるのでそれが取れると一安心だ。

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(↑スネークダイク1P目を登るT橋さん)
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(↑ハングの下のトラバースが悪い。先行Pが見える)
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(↑左へのトラバースを終えると右上していく)

 2P目は私のリード。カムをきめながら右上していったが、カムを使い過ぎて手持ちが足りなくなり、途中のボルト支点でピッチを切ることにした。本当はさらに右上したところが2P目の終了点なので、後半はT橋さんがリード。
 先行Pのずっとリードしている男性が何だかとても遅いので、我々はずっと待たされる。登る速度は普通なのだが、終了点に着いてからフォローの女の子を引き上げるまでのセットがもたもた非常に遅い。何をやっているのだか。

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(↑2P目後半を行くT橋さん)
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(↑先行P)
 3P目、私のリード。スラブ帯を左にトラバースしていよいよダイクに取り付くピッチ。ダイクにたどり着くまでのこれまた怖いトラバースでは途中のピンは一つだけ。ダイクにたどり着いたところに2つ目のボルト。これだけでそれぞれ10mくらいの間隔か。いよいよダイクを辿る。幅数10㎝のガタガタした形状がのっぺりしたハーフドームの岩の面に背骨が浮き上がるようにまっすぐ上に伸びている。そのガタガタをたどって行くのだ。3P目は5.4というグレード。10mくらい登ったところで3つ目のピンがあり、さらに終了点までは20mくらいランナウトしただろうか。長さの感覚がよく分らなくなってくる。5.4というグレードだから普通に登っていればまず落ちないのだろうが、落ちた時のことを考えると、このランナウトの距離では無事では済まないだろう。持参したロープはダブルロープ1本のみ。20mランナウトして落ちたら切れてしまうのでは?と思ってしまう。

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(↑3P目フォローのT橋さん)

 4P目は5.4のダイクをひたすら直上。リードのT橋さんは、20mくらい登ったところでボルトでランナーを取り、さらに20m登って終了点へ。

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(↑4P目を登るT橋さん)
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(↑T橋さんと先行P)
 5P目は私。右寄りにトラバースしてフレークでカムを取る。久しぶりにカムが使えた。さらに5.3のダイクを辿る。以降は5.3からさらにグレードが易しくなってくる。私がリードして8P目を終えたのは大きな凹角状の中。明確なルートの終了点というものはないようだが、あとはずっと易しくなってドーム山頂に至るはずだ。斜めの凹角状の中にいたので頭上の岩を越えた先が見えない。T橋さんがそのままロープで確保されて登って行く。T橋さんは疲労気味。8Pを終えてから、さらに3P分ロープを伸ばして登って行くが、登れば登るほど斜度が緩くなってきて、前かがみになれば手を使わずに歩いて行けるくらいになる。木のあるところでロープを解くことにした。先行Pはまだロープを伸ばしているので途中で追い抜いた。さらに前にいたはずのパーティーはとっくに登り終えているのだろう。あとはハーフドーム山頂まで歩いていくだけだ。クライミングシューズのままでは足が痛くなってきたので、私は途中でアプローチシューズに履き替える。T橋さんもその後履き替える。T橋さんが疲労気味だったので、私が持参したエネルギー補給のジェルをあげる。これで少しは疲労が抑えられるかも。

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(↑5P目フォローのT橋さん)
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(↑何P目だったか、フォローの私)
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(↑山頂へと歩いていく)
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(↑後方の眺め)

 だだっ広いハーフドーム山頂に出る。先行Pと我々以外誰もいなかった。時刻は午後4時くらいだったろうか。降り口のワイヤーハシゴに向かうらしき2人の姿が見えたくらいだ。日中は大勢の登山者でごったがえしているのだろうか。山頂は広い丘状が2つあって、向こう側のほうが高いようなので行ってみる。西側は絶壁だ。遠くからハーフドームを見ると半球をすぱっと半分に切ったような形をしているがその切った面だ。こうしてハーフドームの山頂に立つことができた。やった。よい眺めだ。

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(↑山頂の台地)
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(↑西側は断崖)
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(↑私。山頂にて)

 さて、これから長い長い下山が待ち受けている。2つの丘の鞍部から高いほうの丘を東側に回り込むとワイヤーハシゴの降り口があった。ドームの急な岩壁に延々と取り付けられたもので、一般登山道を登ってきた登山者はここを通って山頂に登るのだ。ここ一カ所しかないので、登りと下りは狭いワイヤーハシゴの中ですれ違っていくのだろうか。それにしても急なので、ワイヤーをつかみながらクライムダウンする感じだ。万一手を離せば、真下まで落っこちるだろう。我々が通った時には父娘がいただけなので、その父親が遅かったので途中で追い越させてもらったけれど、大勢の人が取付いているときに誰かが落ちたら将棋倒しどころの惨事では済まなさそうだ。我々はヴィアフェラータのようにワイヤーにセルフビレイを取りながら降りた。

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(↑ここからワイヤーハシゴを降りる)
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(↑写真横向き)
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(↑ワイヤーハシゴを降り切って、振り返る)
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(↑ハーフドームと私)

 ワイヤーハシゴを下り終えると岩場から樹林帯に入る。樹林帯の下り道がこれまた長い。ずっと歩いて、朝にアプローチ道に入った平たん路に出た。あとは朝歩いてきたトレイルをたどるだけなのだが、延々と歩いて駐車場に帰着したのは20時半。日が長いので暗くなる前に下山できたのは良かったけれど、本当に長かった。15時間行動はしんどい。
 シャワーを浴びて買い物を済ませ、すっかり暗くなったキャンプ4に戻って野菜炒めを作る。明日は再びレスト日とすることにして、私は一人でトゥオルミに山登りに行くことにした。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー04 ●06.20カシードラルピーク/トゥオルミメドウズ、06.21ファイブオープンブックス・ジェネレータークラック

■06.20(金) カシードラルピークCathedral Peak (10,940ft・3,335m) Southeast Buttress 5.6(5P)/Tuolumne Meadows

 一度くらいはトゥオルミに登りに行こうとT橋さんと話していたのだが、カリービレッジの登山用品店で買ったトゥオルミ版のスーパートポを見ていて、カシードラルピークというのを見つけた。この山のサウスイーストバットレスという5ピッチのルートを登ると山頂に着くらしい。グレードも5.6と易しいし。標高は10,940フィート。3,335mということで南アルプスの北岳よりも高い。マルチピッチノルートを登って山頂に登り詰めることができるということで、標高で言ったら北岳バットレス第四尾根を登るより勝っている(?)ワケだ。
 明るくなり出した頃にキャンプ4を出発。トゥオルミまでは距離が長く結構時間がかかるためだ。2時間はかからないけれど1時間半以上はかかる。これまで給油していなかったのでガソリンの残量が少ない。ヨセミテでの給油のことは後で書く。
 途中、テナヤ湖で車を降りたが結構肌寒い。ヨセミテバレーより1,000mくらい標高が高いからだろう。やがて湿原状に拓けた場所に着いた。道路際に車がたくさん泊まっている。カシードラルピークの登山口だ。このほんの少し先にトゥオルミメドウズのビジターセンターなどがある。カシードラルピークへの登山口であるだけでなく、延々とシエラネバダ山脈を通っているらしいジョンミュアトレイルJMTが通っているので、それを辿って行くらしきグループも支度をしていた。

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(↑テナヤ湖)
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(↑カシードラルピークへの登山口。JMTも通っているので人が多い)

 我々も歩き始める。ロープは軽量化のためダブルロープ1本のみ。最初しばらくはJMTを歩いていく。足の速いハイカーが追い抜いていく。やがて左へと分かれるクライマー道へと入る。こちらも幅は少し狭くなるものの明瞭な道だ。

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(↑歩き始めてすぐの標識)
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(↑JMTから左のクライマー道へと入る)

 左手遠方に岩峰を頂く岩山が見えるがこれはカシードラルピークではない。これらを見ながらトレイルを歩いていく。1時間くらい歩いたところでいったん休憩。さらに歩くと右手奥にカシードラルピークが見えてくる。尖った峰で、あれを登るのだ。ぐんぐん近づいていき、やがてサウスイーストバットレスの基部に着いた。見上げるとすでに登っている人たちがいる。取付いている人たちがいるので、ラインは一目瞭然。すでに3,000mを越えた標高のはずだ。歩いている最中は少し空気の薄さを感じだ。ここまで2時間弱かかった。

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(↑クライマー道のようす)
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(↑これはカシードラルピークではない)
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(↑カシードラルピークが見えてきた)
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(↑裸地化するのでやたらあちこち歩くなとの注意書き)
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(↑カシードラルピークが近づいてくる)
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(↑サウスイーストバットレスへ)
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(↑サウスイーストバットレス取付から見上げる)
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(↑後方の眺め)
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 まばらな樹林を抜けた取付きは虫が多かった。登り始めてしまえば虫はいなくなるが、手早く登攀の支度をする。1P目、私がリード。スラブ状から大フレークへ。2P目はT橋さんリード。

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(↑1P目フォローのT橋さん)
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(↑2P目リードのT橋さん)
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(↑ますます眺めがよくなる)

 3P目は私のリードでテラスに出ると先行Pに追い付いた。フォローのT橋さんをビレイしていると、下から登ってくる男性がいる。T橋さんを追い越しみるみる近づいてくる。フリーソロだった。先行Pのさらにその前のパーティーがなかなか進んでいないのか、このテラスで長いこと待たされた。横になって寝る。本当に居眠りした。ようやく先行Pが登り出し、我々も動き出す。4P目の出だしはチムニーで、T橋さんがリード。カムを使い過ぎたとのことで、途中でピッチを切り、4P目後半は私がリード。さらに5P目も私がリードし、頂上直下へ。すでに15時を回っている。頂上の岩塔は狭いため、先行Pが登って降りてくるまでしばらく待つ。

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(↑3P目フォローのT橋さん)
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(↑すると男性が一人登ってくる)
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(↑フリーソロだった)
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(↑4P目の出だし、ザ・チムニーを登るT橋さん)
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(↑頂上の岩塔。中央の9mほどの岩塔を登ると山頂だ)
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(↑山頂からの眺め。きれい。写真中央の岩塔はウエストピラー)
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 しかし、我々は急ぐ必要があった。詳しい理由は後述するが、19時までにガソリンを給油しないといけないからだ。それくらい車のガソリン残量が少ない。岩塔は30フィートらしい。これを登って、T橋さんにフォローで登ってもらたら、そのまますぐにクライムダウンしてもらった。私も降りる。とにかくカシードラルピークと登頂できたのは良かった。
 岩を西側に回り込み下っていくと、先行Pが広い斜面で懸垂下降していた。彼らがそのロープを使ってよいと言うので、ありがたく懸垂下降させてもらった。急いでいるので助かる。彼らのあとを追うように、岩場を再び東側に回り込む。これは先行Pがいなかったら見つけられなかったかもしれない。そうすると取付へと下って行く踏み跡があるので、どんどん下って行く。取付から朝歩いてきたトレイルへ。早足で下山していく。下山は朝よりもずっと早く歩けた。これならガソリンスタンドの時間に間に合いそうだ。

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(↑懸垂下降する先行P)
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(↑岩場を回り込んで取付き側へ)
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 登山口に帰着し車に乗る。途中、ハーフドームを望むビュースポットに寄り、120号線のヨセミテバレーとトゥオルミ方面が分岐するところにあるガソリンスタンドに到着したのは18時半。

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(↑オルムステッドポイントからハーフドームを望む)

 ここのガソリンスタンドは24時間やっているらしく、19時を過ぎても給油の機械でクレジットカードが使えるらしい。ただし、機会に書いてあるのを読むと、どうやらシェブロンだとか石油会社の提携カードでないと使えないらしい。なので、昨年T橋さんがここに来たときはカードが使えなかったのだ。19時までなら店舗に人がいて、そこで普通にクレジットカードを受け付けてくれる。まずは車を停めた機械の番号を告げて、支払う金額を告げる。満タンとか給油の量を言うわけではないらしい。今回は50ドルとした。そうして機会に戻り、プレミアム、レギュラー、ディーゼルと3つのボタンがあるのでプレミアムを選ぶ。ノズルを車の給油口に突っ込み給油すると、メーターが50ドルに達したところで止まる。つまり、レジで油種を告げる必要はなく、油種は少しずつ値段が違うワケだが、それに応じて指定した金額に達すると給油が止まるのだ。
 多めの金額を言ってカードで支払い、指定した金額になる前に満タンになった場合は、再びレジに行けば返金してくれるらしい。なので、満タンにしたい場合は最初多めに言ったほうがよいのだろう。朝は8時だったか9時になるとお店が開く。
 後日、私は再びトゥオルミに行って分かったのだが、トゥオルミメドウズにもガソリンスタンドがあった。営業時間は分らないけれど、カシードラルピークの登山口から少し先に走ればスタンドがあったのだ。
 50ドルでは満タンにならなかったけれど、ヨセミテバレーに帰る。シャワーを浴びて、買い出し後キャンプ場へ。

■06.21(土) Five Open Books,ジェネレータークラックGenerator Crack 5.10c/Generator Station

 クライミング7日目。連日登っているけれど、風邪も治ったことだしレストしたいという感じはしない。といっても前日はよく歩いたので今朝はゆっくりめ。6泊したキャンプ4をいったん離れるため、テントを撤収してから、歩いてヨセミテフォールを見に行く。大きく2段に分かれた滝が奥のほうに見える。ブライダルヴェールフォールもそうだが、秋になると水が涸れてしまうそうだ。ヨセミテに10日以上滞在したが、帰る頃には心なしか最初見たときよりも水量が減ったような気がする。

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(↑ヨセミテフォール)

★ファイブオープンブックス
 それから近くのファイブオープンブックスへ。樹林帯を登ると、暑い岩場に出た。見上げる岩は、斜めに大きな凹角がいくつか並んでいるらしい。本を開いたような形が5つ並んでいるからこの名前なのだろうが、下から見るとよく分らない。きれいに屏風状になっているわけではなかった。ひどく暑いしすっきりしたクラックがあるワケではないので、とりあえずThe Cavernesというルートの1P目のみ登ることにした。少し本チャン的なルートだった。バックロープを引っ張っていくのを忘れてしまったので、T橋さんにフォローで登ってもらい、2本を連結して懸垂下降。ここで登ったのはこの1本だけ。

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(↑The Cavernes)

★ジェネレータークラック
 キャンプ4に戻って、今度はジェネレータークラックのあるジェネレーターステーションというエリアに行くことにした。T橋さん曰く、ここは日陰なのだという。バレーの下流のほうに行くと、道路脇の下側に大岩があり、真ん中にすっぱりとワイドクラックが走っている。その脇に車を停めると、奥に発電所が見えた。文字どおり発電所エリアだ。この大岩はこのジェネレータークラックというワイドクラック1本だけしかないが、これをやるだけでも十分に価値があるクラックとのこと。まずはトップロープを張る。車を停めた道路側から傾斜の緩い岩を登って行くと、クラックの脇にボルトが2本あるので、それでトップロープをかけ、川側にロープを降ろす。駐車スペースにクライムダウンし、クラックの取付きは岩に沿って少し降りると着く。アプローチは極めて近い。
 見上げるクラックは、大岩を絶ち割ったように見事に走っている。前半はオフィドゥス、上部は身体がすっぽり入るチムニーだ。ほかに誰も来ていないので気兼ねなくTr.でトライできる。
 出だしがいきなり歯が立たない。取付きにある木を踏み台にして少し上がると、クラックに膝まで入ったのでそこからじりじりと登って行く。縁にあるガバホールドまでたどり着くだけでも大変だ。やがて体がすっぽり中に入る。中に入ってからも前と後ろの壁に腕や背中も使ってにじり上がっていく。芋虫のようにゼンドウ運動しているようだ。汗だくになる。チムニーは奥に入ると少し広くなっていて、身動きがとりやすい。何とか大岩のリップにたどり着いた。
 T橋さんも1回トライ。私はさらに2回もやったのだが、1回1回が疲れる。私が3回目を登り終えた頃に2人組がやってきた。これで終わりにするつもりだったので、入れ替われてちょうど良かった。

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(↑ジェネレータークラックは駐車スペースのあるこちら側から登ってTr.を張れる)
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(↑そばにある発電所)
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(↑岩を回り込んで、ジェネレータークラックを見上げる)
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(↑ジェネレータークラックをTr.で登る私)

 トップロープを反対側から回収してカリービレッジへ。今夜は1週間ぶりに再びカリービレッジに泊まるのだが、泊まるのは1泊だけ。明日朝はまた早くからキャンプ4の受付に並ぶ。休憩施設に行くとWifiがつながった。初めてつながった。貯まっていたメールをチェックする。しかし再び接続できなくなった。どうも、完全にWifiが使えないわけではなく、どういうワケか極めて通信状態が不安定なようだ。シャワーは、ハウスキーピングに行く必要がなく、ここのシャワー棟へ。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー03 ●06.17セントラル・ピラー・オブ・フレンジー、06.18エルキャピタンベース、06.19クッキークリフ

■06.17(火) セントラル・ピラー・オブ・フレンジーCentral Pillar of Frenzy 5.9(5P)/Middle Cathedral Rock

 毎日晴れて、日差しに当たると非常に暑い。風邪の症状はほぼ治ったという感じ。クライミング3日目の今日は、ミドルカシードラルにあるセントラル・ピラー・オブ・フレンジーという5ピッチのルートに行く。T橋さんは昨秋2ピッチ目まで登っているという。
 昨夜はどういうわけかあまり寝付けなかった。グラノーラとサンドイッチの朝食を済ませ6時にキャンプ場を発つ。道路脇に駐車スペースからトレイルに入りカラビナマークのある道標から踏み跡を登ると明るく開けたミドルカシードラルの取付に出る。見上げる岩壁は巨大だ。基部に沿って歩くとここを登れと言わんばかりの大きな凹角が現れ、これがフレンジーだと分かった。我々がこのルートの登攀を終えて、懸垂下降で取付に降り立つ頃になって後続Pが登り始めていたけれど、今は我々以外誰もいない。奇数ピッチをT橋さん、偶数ピッチを私がリードすることにして、7時半に登攀開始。夏至に近いこの時期は真上から陽が当たるが、この時間はまだ凹角部分は日陰だ。

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(↑岩場への入り口にはこういったカラビナマークの道標がある)
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(↑大きな松ぼっくり)
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(↑フレンジーの取付)
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(↑対岸のエルキャピタンを望む)
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(↑エルキャピタンの岩壁。中央の長靴型の白い岩が、ブーツテラスというそうで、ノーズのルート中にありレストできるそうだ)

 1P目、T橋さんのリード。5.9。大きな凹角の中を登って行く。壁が大きいので距離感が分かりづらいが、このピッチだけでも30m以上あるようだ。1P目終了点に出る手前辺りで少し時間がかかっているようで、そこに核心部分があるようだ。フォローで続く。今回のルートは懸垂下降で取付に戻るので、下山用のアプローチシューズは持たない。その分荷物が少なくて済むので、2人分の飲み物などを1つのザックにまとめて、フォローが背負って登ることにした。カムは、3P目でオフィドゥスがあるということで、5番6番のキャメも用意して、これらは1P目では必要ないのでザックに入れておいた。そうして登って行くと、終了点の手前のチムニー状のところで、背中のザックが岩に当たって身動きが取りづらくなり、さらにチムニー奥にきまったカムを回収するのも大変になり、ここではやむなくテンションして回収した。そのチムニーから左上に回り込むように終了点のテラスに上がるところがワルいようだ。昨秋、順番待ちのため下から先行Pを眺めていたT橋さんは、先行Pがこの辺りで苦戦していたのを知っていたそうだが、今回T橋さんはノーテンで抜けていた。

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(↑フレンジー1P目をリードするT橋さん)
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 2P目は私のリード。5.9。ザックがないと軽い。最初はフィンガーサイズで、やがてハンドサイズになる。私には気が抜けないピッチではあるのだが、日本で付け焼刃的にでも練習したジャミングがそのまま再現できるピッチという感じで気持ち良く登れた。

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(↑2P目をリードする私。写真横向き)
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(↑登るにつれて、エルキャピタンの眺めがよくなる)

 3P目、T橋さん。5.8。易しいハンドジャムから小ハングを乗っ越す。その先はオフィドゥスというほどの幅はなく、4番キャメがよくきまるサイズ。よって、このルートでは5番6番のキャメは不要だった。

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(↑3P目をリードするT橋さん)
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(↑左上へとハングを越えていく)

 4P目、私。5.8。2P目より易しく快適に登れる。ピッチ長さは短め。

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(↑4P目をリードする私。写真横向き)
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 5P目、T橋さん。5.9。ガタガタしたところから小ハングを越える。その先はフィンガー。
 こうして1P目のフォローのテンションを除き、ノーテンで無事に登攀終了。

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(↑5P目をリードする私)
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(↑下を見下ろす)
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(↑ますますいい眺め。写真横向き)

 このルートは懸垂下降のボルト支点がしっかりあるとのことだが、同ルートを下降するワケではない。同ルート下降もできるだろうけれど。懸垂下降では私が先行して降りて行くようにした。
最初、壁に向かって左下に向けて下りていくのだが、スーパートポにあるとおり最初は140ftの下降。左下に見える斜めの凹角に沿って降りていくと、向こう側にボルトラインが見えてきて、その下端に懸垂支点がある。2回目の懸垂は120ftとあり、我々は60mロープなので途中の支点を通過して、トポの樹木マークのある支点まで下降した。実際には今は木がない。3回目はトポによると地上まで115ftとあるが、ロープを垂らしてみると地上に届かないことが判明。ある程度下降したところで壁を眺めまわしたところ、偶然左下のほうにボルトが光っているのを発見できた。この支点はスーパートポに記載されていないが、この支点がなかったら進退窮まっていたところだ。ということで4回の懸垂で地上に戻る。
 取付に戻ると、他パーティーたちがフレンジーに取り付いていた。1~2P目あたりだけを登っているようだ。休憩してから車に戻る。まだまだ時間があるけれど、今日のクライミングはこれで終えることにして、カリービレッジへ。相変わらずWifiがつながらない。レストラン棟に行ってアイスクリームを食べる。登り終えてのアイスは格別おいしい。周回バスに乗ってビジターセンターに行く。絵はがきを買って、近くの郵便局からエアメールを出した。バスでカリービレッジに戻ってから、あとは車でハウスキーピングのシャワー、スーパーの買い出しと済ませ、キャンプ4に戻って野菜スープを作ってビールを飲む。ヨセミテでのキャンプ生活も慣れてパターンができてきた。

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(↑カリービレッジでアイスクリーム♪)
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(↑キャンプ4のベンチでポトフを作る)
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■06.18(水) モビーディックMoby Dick 5.10a(2P)・サッカラークラッカーSacherer Cracker 5.10a/El Capitan Base

 クライミング4日目。今日はエルキャピタンの基部にあるクラックを登りに行く。7時半にキャンプ場を発ち、エルキャピタンベースへ。道路脇の駐車スペースに車を停め、草むらの中の踏み跡を入っていくと、エルキャピタン基部へのトレイルへと続く。途中、立札があり、イーストバットレス方面のトレイルは落石のため通行止めと書いてあった。全13Pで5.10bのイーストバットレスを登るのは私には難しいけれど、通行止めということでどのみち登りに行くことは当面できないというワケだ。
 巨大なエルキャピタンを見上げると、ノーズに取り付いている人達が見える。延々と何十ピッチも登って行くわけだ。すごい。登るのに標準で3日はかかるとT橋さんは言っていたけれど、これを2時間台で登ってしまう人もいるのだからとてつもないことだ。
基部を左に回り込むように登って行くと、サラテの取付があり、2人組が1P目に取り付いていた。リードがアブミを出している。しかし他には誰もいないようだ。

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(↑エルキャピタンの基部へ)
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(↑ノーズを登っているパーティーがいる)
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(↑荷揚げしている)
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(↑ノーズを登り始めたP)
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(↑サラテの取付きを登るパーティー)

★モビーディック
 我々はまずモビーディック2Pを登ることにした。T橋さんは1P目のみ登っているということで、ここは私がリードすることにした。しかし、出だしのフィンガーが難しくて歯が立たない。チョンボしてここを抜けると、あとは何とか粘ってノーテンで終了点へ。チョンボしたフィンガーのあとは、ハンドからフィストサイズになり、さらにフィストもきまらなくなってきて手の甲と甲を合わせたリービテーションで登って行った。カムをきめる時だけはりーびを解いて片腕を広いクラックに突っ込んだ。
 2P目はT橋さんのリード。直上から左上にトラバースするように登って行く。向こう側に懸垂1回で降りられた。

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(↑モビーディックを見上げる)

★サッカラークラッカー
 基部の斜面を登って行き、サッカラークラッカーへ。T橋さんはサッカラーにトライせず、私だけトライすることにした。5番や6番といった大きなカムもどっさりぶらさげて登り始める。出だしのオフィドゥスからして難しかったのだが、個々はなんとか抜けられた。そこから板状につられて右上してしまい、途中で間違っていたことに気付く。クライムダウンするとサッカラーのクラックがあった。取付側からだと、サッカラーのクラックが死角になって見えないのだ。このクラックの出だしのフィンガーがワルく、チョンボして抜ける。サッカラーが上に行くにつれてクラックの幅が広がってくるのだが、途中のハンドジャムがバチ効きのところだけは快適に行けた。3番キャメがきまる幅が延々と続いていて、ここでは3つくらい3番がほしいところだが、残りが2つしかなかったので、チョンボしてずらしながら登って行った。さらに4番サイズになるのだが、チョンボだらけで登って行く。最後は6番サイズのワイド。ワイドの部分の下部こそ6番がきまるが、少し上になるとスカスカできまらない。下にきめた6番をつかみながら上に伸びあがってリップを取ると終了点に乗り上がれた。ふう、やれやれ。懸垂下降。
 しばらく休憩してから、ロープ2本つないだままTr.で前半のフィンガー~ハンド部分をやってみる。Tr.だとノーテンでいけた。ロープの結び目がビレイやーの確保器のところに来たところで終える。

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(↑サッカラークラッカーの取付)
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(↑サッカラークラッカーを見上げる。こちら側からだとクラックが隠れて見えづらい)

 T橋さんが、La Cosita,Right 5.9をリード。出だしの岩がつるつるで滑るようだ。フォローで私も登って、反対側に懸垂で降りる。今日はここまで。アプローチを引き返すと、モビーディックを登っている人たちがいた。
 ハウスキーピングでシャワー、カリービレッジでアイスを食べ、スーパーで買い出しして、夕食は各自適当に食べて済ませた。私は肉を買ってフライパンで焼く。

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(↑アプローチの途中の注意書き)
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(↑イーストバットレスへのトレイルは落石で通行止めらしい)
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■06.19(木)  アウターリミッツOuter Limits 5.10a(1P目)/Cookie Cliff
 クライミング5日目。今日はクッキークリフへ。ヨセミテバレーをずっと下流側に走った140号線沿いにある岩場だ。スーパートポの地図では、Pat and Jackエリアと140号線の公園入口に近いArch Rockエリアとの中間あたりのように描かれているが、実際はパットアンドジャック側にずっと近い。道端に崩れたような大岩がいくつもあるあたりの奥にある岩壁だ。
 8時にキャンプ4を出発する。ここの岩場はとにかく暑い。少し上がったところにあるトレイルの右奥にある広場状の木陰に荷物を広げる。まずは取付きが木陰となっているエネマThe Enemaの1P目5.7を2人それぞれ登る。凹角の内側がダブルクラックとなっている。
 他のルートはカンカンに陽が当たっているのでしばらく昼寝して過ごす。昼頃、私はクッキーライトサイドThe Cookie,Right Sideの1P目 5.8を登ることにした。ここも取付きは木陰だからだ。出だしはフィンガー、チムニー状から頭上のハングを乗っ越すと奥のほうに残置スリングとリングがある。オンサイト。

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(↑クッキークリフ)
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(↑エネマを登るT橋さん)
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(↑クッキーライトサイドを登る私。写真横向き)
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 お昼をずっと回って、岩場の2階部分もようやく日陰になっただろうということで、目当てのアウターリミッツに行く。見上げるクラックがきれいに上に走っている。このクラックの右側は大きく崩れたようになっていて、ここにもルートがあるようだ。
 T橋さんがアウターリミッツにトライするが途中でテンション。長いルートのためカムが足りなくなり、ロープを垂らしてもらいカムをあげた。テンションを交えながらもT橋さんがトップアウト。フォローで私も続くと何とかノーテンで登れた。T橋さんがいったん懸垂下降して、上で私がビレイしながらもう一度T橋さんが登った。
 私もリードしても良かったかもしれないけれど、今日のクライミングはこれでお終い。木陰の荷物を片づけていると、2人組が登りにやって来た。これくらいの時間に来るのが正解なのだろう。それまでは陽が当たって暑すぎる。
 ハウスキーピングでシャワーを浴びて、夕食はカリービレッジでピザを食べた。

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(↑アウターリミッツを見上げる)
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(↑アウターリミッツを登るT橋さん)
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(↑ピザ。カリービレッジにて)

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー02 ●06.15チャーチボウル、06.16ナットクラッカーほか

06.15()  ビショップテラスBishops Terrace 5.8(2P)/チャーチボウルChurch Boul

★キャンプ4

 前日にヨセミテ入りした我々はいよいよ今日からクライミングを開始するのだが、今日はその前にキャンプ4のテントサイトを確保しなければならない。前日カリービレッジのキャビンに泊まった我々は、まだ暗い4時過ぎに起き出して、車でキャンプ4に向かった。キャンプ4の受付に到着したのはようやく夜が明けだした5時。まだ誰も来ていないので一番乗りだ。

 キャンプ4は予約できないキャンプ場で、当日並んで利用を申し込むことになっている。一人15ドルと安い。受付開始は8時半とある。受付小屋の前には、子供も含め泊まる者全員がここに並べと書いた掲示がある。小屋にはこの日空くであろう人数も書いてあった。この日は100人とある。つまり、並んでいる人数を見て、自分の分も確保できそうか見るためにも、全員が並んでないといけないのかもしれない。

 利用したことのある人の話では、とにかく早く並んだほうが良いということで、その人は5時に並んでもぎりぎりだったという。いつの頃の話しかは分らないけれど、後述すると思うが、我々が訪れた今回は、どの岩場に行っても他に誰も会わないということが多く、ヨセミテを訪れているクライマーは少ない印象だった。昨年9月に来たT橋さんによると順番待ちになるほど混雑している岩場も多かったという。

 それもあってか、キャンプ4の受付でもそんなに血眼になって急がなくても大丈夫そうだ。我々の後に2組目が来たのは5時半。以降はぽつぽつと列が伸びていったようだ。受付開始まで、我々は地面にシートを敷いて寝袋に包まって寝ることにした。それにしても寒い。私は風邪をひいているせいかもしれないが、外で寝袋に包まるだけでは寒くて仕方がない。それでも寝袋がないよりははるかに暖かい。後日、T橋さんに聞くと、翌日以降の暖かさに比べて、この日の朝は少し気温が低かったようだ。

 体調不良の私はとにかく横になって過ごす。8時前に起き出すと、50人くらいが並んでいた。コーヒーを飲んだりしていると、係員の女性がやって来て、数字の書かれた整理券を配った。そして8時半になると受付の窓を開けた。ヨセミテでこの前に泊まっていないかと聞いてきて、あとは人数、連泊数、テント数を答えて、車のカギを見せる。今回は前半でまず6泊することにしている。テントはそれぞれ個人用を持ってきているので2張り。テントに結び付けておく札と車の室内に掲示する札を渡される。一人15ドルなので、計60ドルを現金で支払う。選んだサイトはトイレ棟に近いところで、フードボックスも決まった物があてがわれる。

 こうしてキャンプ4のテントサイトを確保できた。まだ朝で、前の人達がテントを張っているので、我々のテントは夕方張ることにして、いったんカリービレッジに戻る。キャビンに残しておいた荷物を撤収して、管理棟に鍵を返す。

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(↑キャンプ4の受付小屋)
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(↑テントサイトのようす)
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(↑テントサイトにあるボルダー)
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(↑有名なミッドナイトライトニング)

★チャーチボウルChurch Bowl

 さて、キャンプサイトも確保できたことだし、いよいよヨセミテでのクライミング開始だ。とはいえ私の体調は相変わらず悪い。まずはヨセミテの岩場に慣れようということで、T橋さんのススメでアプローチ至近のチャーチボウルに行くことにした。

 道路脇の駐車場は陽が当たって暑い。そこから樹林のすぐ向こうに岩壁がある。本当に取付きが近い。取付き付近は虫が多く、すぐに肌を刺してくるので虫除けの薬や蚊取り線香が必要だ。

 

 まずはT橋さんのススメで、エリア左端にあるBlack is Brown5.8をリードしてみることにした。カムをたくさんぶら下げて登り始める。風邪をひいていなければおそらく何でもなく登って行けるのだろうが、身体を持ち上げていく一つ一つの動作が重い。それでもなんとか耐えて登っていくが、陽差しが暑い。だんだんと気分が悪くなってきた。息が上がるし、ホールドを持つ手が痺れてくるような感じだ。貧血のような症状だろうか、クラクラしてきた。30mほど登っただろうか、終了点まで10mを切ったあたりで、それまでよりムーブが少し難しそうなところにさしかかった。さらに頭がクラクラしてきて、ここの突破がおよそ思い切れずテンションしてしまう。ヨセミテ登り染めはオンサイトならず。休んでから残りを登ろうかとも考えたけれど、ビレイしているT橋さんの指示に従って、カムを残してそのままロワーダウンした。うう、情けない。

 その後、T橋さんが私が登ったところまでトップロープ状態で登って、残りもリードして終了点へ。終了点でT橋さんがセカンドビレイして、私はフォローで登った。ロープに吊られているというのもあるけれど、ノーテンで登れた。それでも身体が重い。T橋さんが引っ張っていったバックロープとメインロープを結んで懸垂下降をセットする。

 今回用意した2本のロープは径が異なるので、ダブルフィッシャーマンズノットで結び、両側を末端処理する方法を取った。径が異なるロープを結ぶ機会がこれまでまずなかったので、そういえば連結はどうするのが正しいのかなとは思っていたのだが、ツアー出発前に読んだ山岳雑誌・岳人にたまたまこのことが載っていたので、それに従ったワケだ。というわけで今回は、このダブルフィッシャーマンズノットを何度も結んだので、これまでほとんどやったことがなかったこの結びがすっかり身に着いた感じだ。

 終了点にある立木に残置のスリングとラッペルリングがあり、懸垂下降1回で取付きに戻る。

 

 休憩後、エリア右端にあるビショップテラスBishops Terrace 5.8という2ピッチのルートを登ることにした。昨秋T橋さんは、カムで支点を作ってビレイするという想定をしていなかったそうで、マルチピッチルートでも、下降支点のある1ピッチ目だけを登ってばかりいたそうだ。今回はとにかくマルチピッチに登りたいとのこと。私もマルチピッチには行きたいので、まずは2ピッチだけとはいえこのルートを登ることにした。

 1P目は私のリード。グレードは5.7。先ほどのように貧血になることはなく、途中でカムをいくつかきめて支点ビレイをセットした。2P目はT橋さんのリード。終盤のダブルクラック部分が5.8のグレードらしい。2ピッチを登り終えると、素晴らしい眺めが広がった。ハーフドームも近く見える。ボルト支点があり、懸垂下降1回で取付きへ。

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(↑チャーチボウルの駐車場から対岸の岩場を望む)
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(↑チャーチボウルの岩場)
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(↑ビショップテラスを見上げる)

 初日のクライミングはここまで。売店はカリービレッジにもあるが、ヨセミテバレーでもっとも大きなスーパーに買い出しに行く。ここにはほぼ毎日買い物に出かけた。夜10時まで営業しているみたい。ポリタンクの飲料水や野菜などを買い込む。それからキャンプ4に戻ってテントを設営し、ベンチに座って夕食を作った。今夜はポトフを作った。あとパスタを茹でる。私が日本からコンソメと塩、コショウを持ってきていたのでそれを使う。絶不調だった私も食欲が回復してきた感じ。水道はトイレ棟の中に流しが一つだけある。それからその近くに水飲み場が一つあるだけ。それらの水を使って飲んでいる人たちもいるみたいだが、我々は買った水を飲んだ。翌日の出発も早いので早々にテントに入って寝る。

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(↑テントを張る)

06.16() ナットクラッカーNutcracker 5.9var.(5P)Manure Pile ButtressSwan Slab

 クライミング2日目。今日は人気ルート、ナットクラッカーを登りに行く。5時前に起き出して、私はグラノーラにミルクをかけた朝食。まだ朝早かったため、ナットクラッカーのあるマニュアパイルバットレスに至る駐車場への入口ゲートが閉まっていた。道路脇の駐車スペースに停める。ゲート先の駐車場はすぐそこだ。さらに駐車場から数分歩くと、岩場の取付きに至る。この岩壁はエルキャピタンの右下にあるといった感じだ。着いたところはアフターシックスがあるところで、フードボックスがある。ナットクラッカーはさらに右に行ったところだ。行くと、木の生えた凹角状を登り始めているパーティーがいた。これがナットクラッカーのオリジナルラインの1P5.6だ。

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(↑岩場へ)

 

★ナットクラッカー

 先行Pがいたので、我々はもう少し右からスタートするバリエーションラインから取付くことにした。こちらのほうが面白いのだという。5.9。風邪気味の私は完全に治ったとはいえないが、前日までよりはずっと回復した感じだ。

 人気ルートで混雑すると聞いていたので早く来たが、先行P1組だけで、我々が支度をしている間も後続Pが来るということはなかった。前にも書いたが、この時期は9月よりはずっと空いているらしい。

 全5ピッチ中、奇数ピッチを私、偶数ピッチをT橋さんがリードすることにした。1P目。台状を上がったところから、フィンガークラックが始まるのだが、この出だしがちょっとワルい。右寄りから取付くが登れないのでクライムダウンし、今後はクラック左のフェイスも使いながら行くと越えることができた。ほっ。上に行くにつれハンドクラックになりラクになる。大きな木を支点にしてピッチを切る。2P目、T橋さんリード。気を抜けて右上する。大テラスに出てピッチを切れるのだが、その手前の木陰でピッチを切る。3P目。大テラスからシンハンドくらいのクラックを辿る。1P目よりずっと易しく感じ快適に登って行ける。残置スリングとラッペルリングあり。4P目。先行Pに追い付く。白人の初老夫婦。出だし、彼らは左のバリエーションラインから登っていたが、T橋さんは右から登って行く。途中で合流し、先行Pがいるため小ルーフ下のピッチ支点より少し下でピッチを切る。下方の大テラスで待っていた後続Pも我々が動き始めたのを見て登り始める。5P目。小ハングを左に回り、凹状を少し上がり右上のリップガバを取りマントル。その少し先はランナウト気味となり右上の水平クラックへ。その先、凹みの続くクラックとフェイスを使い直上し、終了点の台地に出る手前左に回り込んで上に抜ける。上は広くて平ら。良い眺めだが、陽差しが暑い。フォローのT橋さんをビレイしているといきなり鼻血が出てきた。まだ体調は回復しきっていないらしい。後続Pがさっさと登ってきて下山していった間、登攀を終えた私は少し横になって休む。そのうち鼻血も止まったので、アプローチシューズに履き替える。後方の岩場に入ると、森の中へと続く下降路があるので、懸垂する必要がない。

 こうして人気ルートのナットクラッカーを登り終える。1P目の最初は戸惑ったけれど、あとは快適に登ることができた。人気ルートだというのが分かる。

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(↑ナットクラッカーオリジナルラインを登る先行P)
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(↑ナットクラッカーバリエーションライン)
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(↑バリエーションライン1P目を登る私)
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(↑同)
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(↑2P目を登るT橋さん)
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(↑3P目フォローのT橋さん)
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(↑4P目を登るT橋さん)
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(↑5P目を登る私。写真横向き)
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(↑大テラスから対岸のカシードラルを望む)
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(↑左の凹角がアフターシックス、右の白いクラックがアフターセブン)

 

 岩場基部に戻って、私はアフターセブンの1P5.7を登る。主にハンドジャムだがフィンガーもある。バックロープと結んで懸垂下降。

 T橋さんがC.S.Concerto1P5.6を登る。途中、ランナウトするスラブがちょっと怖い。私がフォローで続く。

 マニュアパイルバットレスから撤収し、カリービレッジの休憩所に行くが、Wifiがつながらない。これまでもつながらなかったのだが、管理棟に行くと、故障中との張り紙があった。ネット接続ができないとメールチェックもできないので不便だ。

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(↑ヨセミテフォール)
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(↑教会)
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(↑カリービレッジの駐車場からハーフドームを望む)

 

★スワンスラブ

 キャンプ4に戻って、歩いてスワンスラブに行ってみる。公園状に広く平たんな中に傾斜の緩い岩場があり、ルートもごく短い。私はまずGrants Crack5.9を登る。フィンガーのサムカムがきまる。オンサイト。続いて、トポ本にF番とある名無しルートUnnamed Crack5.9もオンサイト。出だしのフィンガーが核心。T橋さんはここでは登らず。

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(↑スワンスラブのようす)

 

 18時を過ぎたので、ハウスキーピングキャンプ場へ行き、シャワーを浴びることにする。キャンプ4にはシャワーがないので、ここハウスキーピングに行くわけだが、シャワーを利用するのに本当はもちろん利用料がかかる。キャンプ場宿泊者は別棟でタオルを借りているようだが、タオルの用意がある我々はその必要がない。コインランドリーのあるシャワー施設の入口は、人のいる受付があるのだが、いつもいるわけではないし、いてもあまり厳格にお金を徴収していていない。午後の一時期は利用できない時間があるみたい。ということで、我々は何食わぬ顔で入って受付前を素通りしてシャワー室に入っていった。時間帯によっては順番待ちになる。特に女性は時間がかかるので列が長い。後日、午後の受付再開直後に利用したT橋さんはその時だけ利用料(5ドル)を支払ったそうだが、私は滞在中10回くらい利用したが結局一度もお金を払うことはなかった。内緒です。

 でも、コインランドリーはお金を入れないと洗濯機が動いてくれないのできちんとお金が必要だ。3日に一度くらいコインランドリーを利用し、この日は初めての利用だ。洗濯機は一回1.25ドルで、25セント硬貨が5枚必要だ。洗濯機に衣類を放り込み、洗剤を入れてコインを入れる。温度ごとに分かれているらしいボタンを適当に押すと動き出す。基本的に30分。洗剤を売る機械もあって、一つ75セントなので25セント硬貨が3枚必要。スライドする金属板にコイン3枚を入れて押し込んで引き抜くと、下の受口にプラスチックケースに入った液体洗剤が出てくる。

 乾燥機もある。25セントで10分間稼働。10分だけだとまだ濡れているけれど、2枚入れて20分間回すとほとんど乾いてくれた。わずかに湿っている厚手の服は、キャンプ場に持ち帰って木に渡した紐に吊り下げてしばらく干せば寝る前にはすっかり乾いてくれた。ということでコインランドリーを利用する際は25セント硬貨がたくさん必要だ。

 

 洗濯もしたのですっかり遅くなってしまい、スーパーで買い出しをしてから、キャンプ場でサンドイッチを手早く作って食べる。

アメリカ ヨセミテ クライミングツアー01 ●準備、06.14出国~ヨセミテ入り

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 アメリカのヨセミテYosemiteでクライミングをしてきた。ヨセミテは言わずと知れたクライマーの聖地。風光明媚なところなので観光客も多いところだが、有名なハーフドームHalf Domeやエル・キャピタンEl Capitanを筆頭に、一度は訪れてみたいとクライマーならば誰もが思う憧れの岩場だ。私は訪れるのはもちろん初めて。

 

 私の海外でのクライミングは、以下のとおりタイ・プラナンから始まり今回のヨセミテまで、この3年半の間に9回行ったことになる。

 2010年暮れ  タイ・プラナン

 2011年夏   カナダ・スコーミッシュ

 2011年暮れ  タイ・プラナン再訪

 2012GW  イタリア・スペルロンガ

 2013年冬   スペイン・エルチョロ&コスタブランカ、ポルトガル

 20135月  韓国・禅雲山(ソヌンサン)

 201312月  中国・桂林・陽朔

 20142月  トルコ・アンタルヤ&オリンポス

 20146月  アメリカ・ヨセミテ

 

 

■準 備

○ヨセミテ行きの決定

 今回のヨセミテツアーの同行者はT橋さん。かじる程度にしかやっていない私と違い、T橋さんはクラックを登り込んでいて、昨年9月にもヨセミテを訪れているそうだ。T橋さんとは、2010年暮れのタイ・プラナン、昨年の韓国と中国ツアーにも同行している。

 今春、そのT橋さんと話していて、どこか海外の岩場に行こうということになった。行き先としてギリシャ・カリムノスなども挙がったけれど、せっかくだからクラックを登りに行こうということになった。できれば今年もヨセミテに行けたらと考えていたというT橋さんの希望に沿うし、私もこの超有名な岩場を訪れてみたいと思っていた。

 ここのところの私は、四国・大堂海岸や三重の名張に行ったり、城ヶ崎に何度か行ったりと、クラックをやる機会が以前より増えてきたものの、天下のヨセミテに行ってそれなりに登れるなんてワケはないことは分かっている。

 それでも、自分の力量のことはともかくとして、この機にヨセミテに行っておく意味はあると考えた。海外ツアーなどは特にそうだけど、こういう機会を一度逃すとこの先再び行ける機会が訪れるとは限らないからだ。

 

○行動日程の考え

 行くと決めてしまえば、そのあとの行動は比較的早い。T橋さんは時間の自由がきくので、行く時期を6月頃に定めて、私の勤め先の休暇取得を6月後半の2週間に決めた。T橋さんのアドバイスから、6月もあまり早いとヨセミテバレーは朝晩冷え込む一方、7月になるとかなり暑くなるそうで、それも踏まえた日程だ。

 T橋さんともメールで相談しながら、インターネットであれこれ調べて、つぎのとおりの日程を立てた。その上でこのあとに書く予約の手配を進めていった。

 

◇移動

 航空会社はアシアナ航空とした。

日本出国は6/14()9:00出発の便。羽田HNDからソウル経由のサンフランシスコSFO行き。

 経由地のソウルでは、金浦(キンポ)空港GMPの到着で、シスコ行きは仁川(インチョン)空港ICNから出発するので、両空港間を鉄道で移動する。乗り継ぎ時間が約5時間もあるので移動には十分な時間だ。

 シスコには日付変更線を越えて同日10:45到着。空港でレンタカーを借りて、この日の午後はヨセミテを目指し車を走らせる。予約済みのカリービレッジにチェックイン。

 東京からシスコへの直行便もあるが、経由便よりも値段が高いうえ、シスコ到着が夕方のため結局シスコに1泊してから翌日ヨセミテを目指すことになる。そのため、長時間のフライトを終えてすぐにヨセミテまで数百㎞の運転はラクではないだろうけれど、このようにした。

 ヨセミテでは13泊するが、ヨセミテ国立公園内では連続しての宿泊は7泊が上限という規則がある。このことについては後で触れる。

 ヨセミテで13泊して、6/27()朝にヨセミテを発ちシスコに戻る。この日は市内のホテルで1泊し、翌6/28()12:40出発の便でシスコを発つ。日付変更線を越えた6/29()、経由地のソウルでは、帰路は到着出発とも仁川空港。成田空港NRT21:00到着。

 

◇宿泊

 宿泊先については、私の理解不足もあり、確定させるまでに予約とキャンセルを何度も行い、結果的に手間がかかった。その経緯は長くなるのでここでは書かないが、最終的にはヨセミテ到着日の6/147泊目の6/21にカリービレッジCurry Villageに泊まることにした。ホテルのような建物ではなく、テント型キャビンというテント生地のバンガローの中にベッドがある代物だ。当初は、滞在中ずっとカリービレッジに泊まることにして、その予約も済ませたのだけれど、1泊あたり14,000円くらいして2人で割っても7,000円もするということで、宿泊代がバカにならない。それに泊まったことのある人の話だと、火を使って調理もできないし、トイレ・シャワーも結局は共同なので、テント泊するのとあまり変わりなく思えてきた。

 

 ヨセミテには13泊する予定なのだが、前述したとおり規則で連続7泊を超えてはいけないらしい。滞在するホテルやキャンプ場を変えた場合、連続7泊を超えているかどうやって分かるのか知らないが、少なくとも同じホテルではマズいらしい。カリービレッジを含むヨセミテ内の宿泊をまとめて受け付けてるらしいサイトがあって、そこにメールで問い合わせて、同じ宿に連続7泊を超えることはダメだという返事があり、ようやく理解できた。同じ宿をチェックアウトして、すぐにチェックインし直すというもの不可だ。

 当初カリービレッジに連続13泊の予約をしたものの、前述の理由なども勘案して、到着初日と7泊目の予約を残して、あとはキャンセルした。キャンセルした日はキャンプ4の受付に早朝から並んでテントサイトを確保する腹積もりだ。キャンプ4はこれまた名前の知られたキャンプ場だ。

 ツアーから帰った今だから分るけれど、同じ施設に連続7泊を超えて泊まることはできないけれど、前述したようにヨセミテバレーに13泊したので、厳格に運用されているわけではないことが分かる。カリービレッジはともかく、キャンプ4では7泊した後の朝に再び並べばまた7泊できそうだ。我々は間にカリービレッジ1泊を挟んだけれど。

 

○予約

 今回、航空券や宿泊先などの手配は基本的にすべて私がやった。一昔前ならば街中のH.I.S.JTBに行ってお願いしていたものだけれど、今はインターネットで検索して簡単に予約できてしまう。

 今回もエクスペディアExpediaとかブッキングドットコムBooking.comといったオンライン旅行代理店のサイトから予約をした。エクスペディアは航空券も宿泊施設もどちらの予約もできるけれど、ブッキングドットコムは宿泊施設だけみたい。なので、今回はエクスペディアのほうを多く利用した。

 航空券は必ずしもこれらを通さずに、昨年のスペインツアーの際は、エールフランスのサイトから直接予約したし、今年2月のトルコツアーの際はトルコ航空のサイトから済ませた。

 ブッキングドットコムは、3年前にカナダ・スコーミッシュに行った際にホテルの予約で利用したのが初めてだった。

 今回、現地出国前日のシスコ市内の宿泊も予約しておいたほか、レンタカーも予約しておいた。航空券はエクスペディアから予約した。経路は前述したとおり。

 

○トポ本

 ヨセミテ行きを決めた時点で、トポ本を取り寄せた。スーパートポSUPERTOPOのうちYosemite Valley Free Climbsというヨセミテ版があって、シングルピッチからマルチピッチまで紹介されていて、一般のクライマーが見るには十分なルートが載っているという位置づけらしい。

 ヨセミテ入りした日に、カリービレッジにある登山用品店でトゥオルミ版のスーパートポを買った。これは後日トゥオルミのカシードラルピークを登りに行く際などに大いに役立った。

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(↑スーパートポ2冊。写真横向き)

○装備

 国際運転免許証やアメリカのESTA(電子渡航認証システム)も忘れずに済ませておく。

 装備としては、今回キャンプするのでテントや寝袋、調理器具など、普段の海外ツアーよりも荷物がずいぶんと多い。北米路線は23㎏までの荷物を2個預けられるとはいえ、運ぶのは大変なのだから持って行くものを吟味した。

 そして、クライミング装備として、今回何が重いかというとカムだ。2人でキャメロットの4番までを2セットずつの計4セット、5番と6番は1セットずつの2セットを持って行くことにした。実際、これをすべて持って登るなんてことはもちろんなかったけれど。あと、ナッツなど。

 ロープは60mのシングルロープとダブルロープを1本ずつ。30mを越える懸垂下降を要するルートでは、ダブルロープをバックロープとして引っ張っていくことにした。また、マルチピッチルートなどで、登攀終了後歩いて下降できるところでは、ロープ1本だけで登った。

 ほかにもいろいろ考えて持って行った装備はあるけれど、書き切れないので省略。

 

 

06.14() 出国~ヨセミテ入り

 朝、羽田空港の出発ロビーでT橋さんと待ち合わせする。私は前日に突然風邪をひいたようで、はっきり言って体調が悪い。悪寒が走る。その前の日、勤め先の席が近い者が、家族から風邪をうつされたみたいだとか言ってマスクをしていたのだが、もしかしたらその男が風邪のウイルスを撒き散らしていたのかもしれない。なんて迷惑なヤツだ。そんな絶不調の私だが、もちろんアメリカに行かないワケにはいかない。風邪は現地で治すことにしよう。

 アシアナ航空でまずは経由地のソウルへ。到着した空港は金浦空港で、サンフランシスコ行きの便は仁川空港からなので、一度韓国に入国することになる。金浦空港内の地下鉄改札口に行くが、乗車券を買うのに韓国通貨ウォンが必要だ。A-rexという両空港とソウル市内を結ぶ鉄道があり、乗車料金は一人当たり3,650ウォンのほかデポジットとして500ウォンで、2人で計8,200ウォンが必要だ。近くにあったATM10,000ウォン分のキャッシングをして、乗車券を購入。金浦空港からインチョン空港までは意外と時間がかかり、鉄道には30分ほどは乗っていただろうか。デポジット1,000ウォンを忘れずに受け取り、出発ロビーに行くとダンキンドーナツのお店があったので、ここで残ったウォンをきれいに使い切った。

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(↑金浦空港の地下鉄改札)

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(↑インチョン空港のダンキンドーナツにて)

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 私は体調が悪いので、待合のベンチでとにかく横になって休む。サンフランシスコ行きの便に乗り込むが、エコノミークラスなので当然座席は狭く、10時間以上の搭乗は本当にツラい。風邪をひいているので尚更だ。腰が痛くて仕方がない。お金があればビジネスクラスに座れるものを。

 長くツラいフライトを終え、日付変更線を越えた同日午前10時半頃にサンフランシスコ国際空港に着陸。私はアメリカ本土を訪れるのは初めてだ。昔サイパンに行ったことがあるだけ。北米大陸としては3年前にカナダのスコーミッシュを訪れているけれど。

 空港内のモノレールに乗りレンタカー棟へ。モノレールを降りると目の前がレンタカー会社の受付だ。予約しておいたのはアラモのCクラスのコンパクトカー。係員の女性に、車の大きさはスモールだと言われ、荷物はどのくらいあるのだと聞かれてザックなどを指し示した。車のサイズが小さめなのは予約した時点で承知していたことだけれど、日本語設定してくれたカーナビを受け取ってレンタカーの駐車場に行くと、別の女性係員が示した車は日産のマキシマ。ずいぶん立派な車だ。トランクも広いので2人の荷物は全部収まった。

 受付の人が車種をグレードアップしていたことを理解していなかったのは私の語学力不足のせいで、その分の追加料金はしっかり請求されたけれど、大きな車に乗れたから仕方ない。保険はフルカバーで、ガソリンは満タン返しする必要は無し。

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(↑日産マキシマ)

 カーナビをヨセミテにセットして、まずは私の運転で出発。オートマで、もちろん左ハンドル。今回のツアー中、ヨセミテに向かう途中を除きずっと私がハンドルを握った。アメリカの交通ルールを事前にちょっと調べたところでは、特に右折禁止の表示がない限り、赤信号でも一時停止後、左からの車に注意しながら右折してしてしまって構わないとのこと。これはヨーロッパでも無いルールでは。あと、日本のように鉄道踏切で一時停止すると、後続車に追突されるので、止まらずにそのまま通過すること。道路の途中で左折するために対向車と対面する左折用レーンがあるそうだ。

 空港から出るとすぐに高速道路だ。といっても有料ではなく、日本でいうところの高速道路の造りだ。しかし、片側だけでも45車線もある。その道路に乗って南に向かう。それからサン・マテオ橋というサンフランシスコ湾に架かる橋の一つを渡って大陸側へ。580号線に入って東へと向かう。枯草ばかりが生えた丘陵地帯をずっと抜けていく。途中の出口を適当に降りると、飲食店やコンビニ、ガソリンスタントがあったりする。丘陵地帯を抜け、途中の街に寄って、サブウェイに入った。日本にも出店しているサブウェイには行ったことはないけれど、パン切りナイフで開いたパンに、レタスやハムをあれこれと盛ってもらうのだが、明らかに日本のものよりもデカい。値段は7ドルくらい。とても食べきれないので店内で半分だけ食べて、残りは夕食に回すことにした。

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(↑サブウェイにて)

 ここからT橋さんに運転を変わってもらい、120号線を走っていく。途中、私は居眠りをいていたのだが、山間部の道をぐんぐんと上がっていき、ヨセミテ国立公園の4つある入口の一つに着いた。道中、道路わきの樹林は山火事の跡が残り、茶色く焼けた木々が延々と続いていた。T橋さんによると昨年ヨセミテで山火事があったそうだ。公園の入り口では入園料を支払う必要があるのだが、昨年ヨセミテに来たT橋さんが1年間有効のパスを持ってきていたので、それを示して入れた。

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(↑ヨセミテ国立公園のゲート)

 ここから再び私が運転。入口を通過しても山火事の跡が残っている。走っていくと、トゥオルミメドウズとの分岐があり、角にガソリンスタンドがあるようだ。なおも走ると、ビュースポットがあり、車を降りて見ると、遠くにハーフドームが見えた。いよいよヨセミテバレーに入っていく。ヨセミテバレーに入っていくと、ブライダルヴェールフォールが見えてきた。そして圧巻のエルキャピタンが目に飛び込んできた。大きい。ヨセミテバレーの平らな谷底から一気に1,000mもぶっ立っている大岩壁だ。ノーズはどれだろう。その先にはヨセミテフォールが見える。観光客がたくさんいて、道端に車を停めている。

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(↑遠くにハーフドームが見える)
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(↑ブライダルヴェールフォール)
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(↑エルキャピタン)
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(↑ヨセミテフォールとマーセド川)

 こうして今夜の寝床となるカリービレッジに到着。18時頃。明るいうちに到着できてよかった。でも、この季節20時でもまだ明るく、20時半前後から少しずつ暗くなってくるという感じだったので、まだまだ明るい時間なのだ。たくさん車が停まっている駐車場はほとんと満車状態。ここは以後いつ来ても車で埋まっている。ハーフドームがずっと近くに見える。

 フロントの建物に行き、チェックインして鍵を受け取る。ここには1泊だけして、明日は早朝からキャンプ4の受付に並ぶことにしている。観光客がたくさんいる売店のある建物へ。土産物や食料品を売る売店と、それに隣接する登山用品店に寄る。登山用品店ではクライミングギアもたくさん売っていた。ガスカートリッジやトゥオルミ版のスーパートポを買った。シャワー棟でシャワーを浴びて、テント型キャビンの中で、昼間残したサンドイッチを食べてビールを飲む。室内での飲食が良いのかどうかちょっと微妙だが、各キャビンの外にはフードボックスがあるので、匂いのする物は必ず皆ここに閉まっておく。ここに入れておかないと熊が来て荒らされる恐れがあるそうだ。調理は禁止だ。

 移動の疲れと翌朝早起きすることから、そうそうに寝ることにした。それに私は風邪気味なのだ。しかし何はともあれ、ここまで順調にヨセミテに来ることができて良かった。

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(↑カリービレッジ)
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(↑テント型キャビン)
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海外クライミングツアー 一覧

 海外でのクライミングは、以下のとおりタイ・プラナンを皮切りに前回のトルコまで、3年間強で8回行った。

(1) 2010年末   タイ・プラナン

(2) 2011年夏   カナダ・スコーミッシュ

(3) 2011年末   タイ・プラナン再訪

(4) 2012年GW  イタリア・スペルロンガ

(5) 2013年冬   スペイン・エルチョロ&コスタブランカ (&ポルトガル)

(6) 2013年5月  韓国・禅雲山(ソヌンサン)

(7) 2013年12月  中国・桂林・陽朔

(8) 2014年2月  トルコ・アンタルヤ&オリンポス

 そこで、備忘録的にこのブログに載せたページのリンクをまとめておく。

(1) 2010年末 タイ・プラナン

タイ・プラナン クライミング旅行記① (出発編)

タイ・プラナン クライミング旅行記② (12/24 初日はDiamond Cave)

タイ・プラナン クライミング旅行記③ (12/25 One-Two-ThreeからThe Keep)

タイ・プラナン クライミング旅行記④ (12/26 Dum's KitchenからTon Sai Wall and Roof)

タイ・プラナン クライミング旅行記⑤ (12/27 Happy Island)

タイ・プラナン クライミング旅行記⑥ (12/28 Tyrolean WallからFire Wall)

タイ・プラナン クライミング旅行記⑦ (12/29  Ton Sai Wall and RoofからCat Wall)

タイ・プラナン クライミング旅行記⑧ (12/30  Wees Present Wall)

タイ・プラナン クライミング旅行記⑨ (12/31  Pra-Nang Beach、そして帰国の途へ)

 

 

(2) 2011年夏 カナダ・スコーミッシュ

 

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記① (出発編)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記② (7/28 ミュリンMurrin)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記③ (7/29 再びミュリンMurrin)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記④ (7/30 チェアカマスCheakamus Canyon)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記⑤ (7/31 観光後、再びチェアカマスCheakamus Canyon)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記⑥ (8/1 サンクチュアリThe Sanctuary)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記⑦ (8/2 三度目のチェアカマスCheakamus Canyon)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記⑧ (8/3 ウィスラー見物後、ノルディックロックNordic Rock)

カナダ・スコーミッシュ クライミング旅行記⑨ (8/45 バンクーバーを発ち、帰国)

 

 

(3) 2011年末 タイ・プラナン再訪

 

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記① (出発~12/23 初日はチロリアンウォールやネストへ)

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記② (12/24 トンサイで「Ton Sai Love Story7bにトライ開始)

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記③ (12/25 タイワンドウォールのマルチピッチ[前編])

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記④ (12/25 タイワンドウォールのマルチピッチ[後編])

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記⑤ (12/26 ダムズキッチンやファイヤーフォールへ)

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記⑥ (12/27 キープほか)

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記⑦ (12/28 ピピ島)

タイ・プラナン再訪 クライミング旅行記⑧ (12/29 最終日「Ton Sai Love Story7b(5.12b) RP そして帰国)

 

 

(4) 2012GW イタリア・スペルロンガ

 

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー① (4/27 現地入り)

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー② (4/28 いざ、アレナウタの大ケイブへ)

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー③ (4/29 クライミング2日目)

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー④ (4/30 ローマ観光)

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー⑤ (5/1 クライミング3日目)

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー⑥ (5/2 クライミング4日目、5/3 再びローマへ)

イタリア・スペルロンガ クライミングツアー⑦ (5/4 クライミング最終日、そして帰国の途へ)

 

 

(5) 2013年冬 スペイン・エルチョロ&コスタブランカ (&ポルトガル)

 

スペイン クライミングツアー _01 準備編

スペイン クライミングツアー _02 (1/25 スペインへ)

スペイン クライミングツアー _03 (1/26 エルチョロ・アルベルコネスEl ChorroAlbercones)

スペイン クライミングツアー _04 (1/27 デスプロミランディアDesplomilandia)

スペイン クライミングツアー _05 (1/28 エルチョロ・マキノドロモ El ChorroMakinodromo)

スペイン クライミングツアー _06 (1/29 ポルトガル ローシャ・ダ・ペニャPORTUGAL / Rocha da Pena)

スペイン クライミングツアー _07 (1/30 デスプロミランディアDESPLOMILANDIA再訪)

スペイン クライミングツアー _08 (1/31 エルチョロ・マキノドロモEl ChorroMakinodromo再訪)

スペイン クライミングツアー _09 (2/1 コスタブランカCosta Blancaへ移)

スペイン クライミングツアー _10 (2/2 セーリャSellaTecho del Rino)

スペイン クライミングツアー _11 (2/3 ガンディアGandia)

スペイン クライミングツアー _12 (2/4 セーリャSell再訪)

スペイン クライミングツアー _13 (2/5 フォラダForada)

スペイン クライミングツアー _14 (2/6 アルカラリAlcalali、ペニャ・ローハPena Roja)

スペイン クライミングツアー _15 (2/7 Penon de Ifac見物、Sierra de Toix偵察、アルテアAltea)

スペイン クライミングツアー _16 (2/8 ガンディアGandia再訪)

スペイン クライミングツアー _17 (2/911 グラナダ観光~帰国)

 

 

 

(6)   2013年5月 韓国・禅雲山(ソヌンサン)

 

韓国 禅雲山(ソヌンサン)クライミングツアー

 

 

(7) 201312月 中国・桂林・陽朔

 

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 1

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 2

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 3

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 4

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 5

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 6

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 7

中国 桂林・陽朔クライミングツアー 8

 

(8) 20142月 トルコ・アンタルヤ&オリンポス

 

トルコ アンタルヤ・オリンポス クライミングツアー01 (準備、アンタルヤ13日目)

トルコ アンタルヤ・オリンポス クライミングツアー02 (アンタルヤ49日目)

トルコ アンタルヤ・オリンポス クライミングツアー03 (オリンポス3日間~イスタンブール観光3日間~帰国)

トルコ アンタルヤ・オリンポス クライミングツアー03 (オリンポス3日間~イスタンブール観光3日間~帰国)

2014.2.1()2.16()

 トルコTurkeyのアンタルヤAntalyaとオリンポスOlymposでクライミングをして、最後にイスタンブールIstanbulを観光してきた。

 ツアーも後半。突然体調不良になり、移動先のオリンポスでは軽めにクライミング。T沢さんと解散後は、一人イスタンブールに移動し、数日市内を観光してから帰国した。

■オリンポス1日目(2/10) オリンポスへ移動

 曇天。体調は最悪。下痢気味だし悪寒が続いている。今日はアンタルヤからオリンポスに移動することになっている。オリンポスの宿の人が車でここまで迎えに来てくれる予定だ。10時に来ることになっているので、荷物をまとめてバンガローを引き払い、管理棟で朝食を食べながら待つことにする。

 しかし、体調不良というより病気といえる私は荷物を背負って管理棟までのわずかな距離を歩くだけでもツラい。まったく食慾は無いのだが、フルーツとヨーグルトが盛られたミューズリーだけ注文した。それを数口食べると吐き気をもよおしたので、いったんバンガローで横になろうと席を立ち上がったら、立ち眩みがして床にへたり込んでしまった。しばらくして立ち上がりよろよろとバンガローへと歩く。

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(↑朝食のミューズリー)

 少し落ちつたところで管理棟に戻り、チェックアウトのためT沢さんとそれぞれ支払いを済ます。9泊分と朝夕の食事、ビール、初日の送迎代、シャツ19ユーロと合わせて、私の分は375ユーロ。カードは不可なので、270ユーロ分をユーロ紙幣で払い、残りはトルコリラで払った。325TL

 なんとかミューズリーを完食。正露丸を飲んだおかげか、お腹がキリキリと痛むのは続いているのだが、トイレに行きたいという感じではない。ヘンな感じだ。

 10時にオリンポスからの迎えが来た。車はルノー・カングー。私が前乗っていた車はルノー・ルーテシアRSだったので、何でもない大衆車の一つなのだが、乗れるのはちょっと嬉しい。体調は最悪なので、喜べる気分では無いが。足に力が入らず、荷室にザックを入れると、後部座席にへたり込むように座った。

 T沢さんはジョシトの宿の人に別れの挨拶をしてきてくれたようだが、立ち上がるのも億劫は私は車内でぼーっとする。

 車のことをちょっと書くと、当然と言うか見かけた車はヨーロッパのメーカーのものが多かった。ルノーを始めとするフランス車が多かったかな。ルノーとシトロエンが比較的多く、プジョーは少なめ。イタリアのフィアットもプントなどよく見かけた。

 途中、ATMと食品スーパーに寄ってもらい、2時間以上かかって12時過ぎにオリンポスの宿に到着。

 

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(↑カラフルなATM)
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(↑アンタルヤ市街)

 現地に近づくにつれて路面が濡れており、雨後のようだ。舗装道路から、わずかに最後はダート道を走ると、泊まる宿Kadirs Tree Houseがある。海岸線から1.5kmほど中に入ったところで、海に向か沿道には他にも簡素な宿やレストランが並んでいるらしい。今はシーズンではないので閉まっているところが多いみたい。

 ツリーハウスの宿は木造で、遊園地の冒険アトラクション風というか何だかそういう感じの建物だ。到着した時は小雨が降っていた。宿のすぐ近くにある岩壁も濡れている。

 案内された部屋は、ゲイクバイリのバンガローよりも簡素というか、停電しなかったのは良かったけれど、洗面所が狭かった。シャワーのお湯は安定せず、狭いのでトイレも濡れてしまう。壁が薄いせいか、隣りの宿泊客の声や物音がほとんど丸聞こえだ。と書くと、普通の人が泊まるには不向きだが、気にしないバックパッカーやクライマーなら値段も安いのでいちおうおススメ。前に書いたトポ本の裏表紙に載っている宿だ。


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(↑Kadirs Tree House。以下も)

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(↑受付)

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(↑クライミングボードも)

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 お昼時だったので食堂でスープを出してくれた。食堂ではWi-fiがばっちり繋がる。以前体調が悪いためすぐに部屋に戻りベッドに横になる。雨は止んだみたいだが、出歩く元気はまるで無い。そのまま数時間眠った。目覚めた後も起き上がる気力が無いので、だらだらと横になって過ごす。

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(↑お昼に飲んだスープ)

 アンタルヤで9日間連続で登り続けたせいか、ここにきてどっと疲れが出たのかもしれない。今日は移動日だし、雨で岩場も濡れてしまっているから、結果的にちょうどレスト日となった。元気だったら、間違いなく午後はどこかの岩場に登りに行っていただろうけれど。

 アンタルヤにいる間から少しずつ読み進めていた文庫本も読み終わった。荻パン近くの古本屋で買った「還るべき場所」(笹本稜平著・文春文庫)

 午後の間、T沢さんの姿が無かったのだが、夕食の時間の前に帰ってきた。聞くと、海岸線まで歩いて見に行ったとのこと。途中に入場料を取る遺跡を通過するらしい。

 18時から夕食。ピラウやパンは選ばすに、スープやサラダばかり食べる。ほんの少しだけ食欲が戻ったけれど、以前具合が悪いので部屋に戻るとシャワーも浴びずに寝る。

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(↑この日の夕食)

■オリンポス2日目(2/11) CENNET

 部屋の外を見ると靄がかかっているけれど空は晴れている。お腹はまだ少し痛むけれど、正露丸のおかげか昨日以降トイレに込むようなことはない状態。長く寝たせいか悪寒もずいぶんと治まった。でも本調子にはほど遠い。クライミングできるのも今日明日だけなので、登っても易しめのルートで流す程度かな。

 8時から朝食。量は控えめでもそれなりに食べられた。やはり復調して来てはいるようだ。T沢さんによると、今日はデンマーク人の女性と一緒に登りに行くと言う。昨日私が寝込んでいる間に、T沢さんが声をかけておいたらしい。今日も私が床に伏していた場合に備えて、T沢さんがナンパしておいたそうだ。さすがT沢さん、抜け目がない。名前はメッテさん。

 海岸沿いにあるCENNETというエリアを目指す。ジェネットと読むそうだ。メッテさんはこの岩場の行き方を知っているそうなので、後をついて行く。川沿いのダート道を歩いて行く。途中、小さな橋を渡り、前日T沢さんが入場料を払ったという遺跡の入口が見えてくる。すると、メッテさんは遺跡を囲うフェンスを避けるように河原沿いに下りていく。こうすれば入場料を払わずに通り過ぎることができる。これで5TL節約だ。

 アヒルのいる河口近くで、右岸から左岸へと靴を脱いで浅い川を渡渉すると海岸線に出る。北の方に雪を頂いた山が眺められる。オリンポス山(TAHTALI DAĞI 標高2,366)だ。

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(↑メッテさんとT沢さん)
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(↑遺跡の中を歩く)

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(↑岩場への途中からビーチを見下ろす)

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(↑オリンポス山)
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(↑岩場が見えてきた。写真横向き)

 小石の海岸線から城跡のある樹林帯の中の踏み跡へと入って行く。これは知っている人と来ないと分からないだろう。少し登ると地中海を見下ろすようにCENNETがある。未だ体調の悪い私はここまでT沢さんにロープを持ってもらった。

 T沢さんによると、開拓者がCENNETの岩場を見つけたことで、ここオリンポス一帯の岩場を開拓するきっかけとなったらしい。岩は垂直にすっぱりと断ち割ったような垂壁で、コルネはほとんど発達しておらず、穴を伝うようなルートが多いみたい。ここも石灰岩。

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 調子が悪いと言いながら、まずは私から登る。トップロープにしてメッテさんも登り、最後にT沢さんがフラッシュ。

CENNET CEHENNEM 5.11d(7a) [P.144 4] 2RP

 続いてトライしたルートは出だしが少しワルいものの、終盤の核心ができずにオンサイトならず。メッテさんもトップロープでトライするも、なかなかキビしいようだ。手指が痛くなったとのことで、メッテさんはここで切り上げて海岸で過ごしてから宿に戻るらしい。2便目では確実にRP。

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(↑メッテさんとビレイするT沢さん)

 調子が以前悪いので今日はここまで。小石の海岸線に出ると、海を眺める観光客が他にも何人のいたので、我々も座って海を眺めて過ごす。アンタルヤから持ってきたパンが残っていたので、千切りながらアヒルにあげるとたくさん集まってきた。そういえば、アンタルヤの岩場にも小鳥がいて、T沢さんによるとコマドリらしく、この鳥もパンほしさに近くまで寄って来たものだ。

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(↑アヒルにパンを上げる私)

 今日はきちんとシャワーを浴びて、洗濯もする。残りの日数と着替えの量を考えると、今後はもう洗濯はしないで済みそうだ。夕食は前夜以上に多く食べられた。

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(↑川沿いにある岩場。写真横向き)
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(↑ツリーハウス外観)
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■オリンポス3日目(2/12) VADI

 晴れ。アンタルヤにいた時に比べたら身体は重いけれど、前日よりはさらに回復してきた感じだ。今日もメッテさんを加えた3人で岩場に行く。今日は宿に近いVADIというエリア。

 小さな赤い橋を渡り、別の宿の脇を抜け、ブッシュ帯の中にある小さなケルンを目印に登っていくと着く。南面して陽が当っていてとても暑い。今回のツアーでクライミングできるのも今日が最終日だ。アンタルヤでは9日間、移動日を挟んで、オリンポスでは今日を含め2日間、計11日間登ったことになる。

 今回のツアーで、私は昨日までに5.11a以上のルートを37本登っていたので、今日はイレブンを3本登って40本とすることにした。

 以下のとおり5.11台を3本登って、余った時間は今ツアー初めて5.10台を触って2本登った。ぎっくり腰からずいぶんと復調してきたT沢さんはこの日は6便出していた。メッテさんは私やT沢さんが登って張ったトップロープで、前日以上に精力的に登っていた。デンマークは平らな国土だそうで、山らしい山が無いそう。

DEATHOX 5.11a(6b+)[P.135 16] OS

KLR 650 5.11a(6b+)[P.135 5] OS

YÜKSEK IŞLER 5.11b(6c)[P.135 11] OS

ORGANIK KÖFTE 5.10c(6a+)[P.135 13] OS

BLACK HOLE SUN 5.10c(6a+)[P.135 15] OS

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(↑メッテさんとビレイするT沢さん。写真横向き)

 こうしてトルコでのクライミングを終えた。昨冬のスペインと異なり、アンタルヤでは合宿のような滞在型だったので、登り過ぎて体調を崩すくらいたくさん登れた。T沢さんは途中ギックリ腰を発症してしまい大変だったと思う。

 オリンポスでの最後の夕食は、さらに食が進んだ。明日は早朝に宿を発ってアンタルヤに戻ることになっている。T沢さんとはアンタルヤで解散することになっていて、私はイスタンブールに飛んで、数日、市内観光してから週末に日本に帰る予定だ。T沢さんはトルコ国内の観光地巡りを再開して、まずはアランヤという街を目指すらしい。

 翌朝、アンタルヤの空港から私の搭乗する便が8:30発とのことで、1時間前の7時半の空港到着を目指して、オリンポスの宿をまだ暗い5時半に発つことにした。来た時と同様、宿の人の車で送ってもらうのだ。

■イスタンブール観光1日目(2/13)

 5時に起き出して、時間通り5時半にルノー・カングーで宿を発つ。運転する宿の人が結構スピードを出していたようで、途中警察に止められてしまった。スピード違反で捕まってしまったようだ。

 そんなこともあったけれど、夜が明ける頃アンタルヤの市街に入る。アランヤに向かうT沢さんは、空港に向かう途中のバス停で降りることになった。ここでT沢さんとはお別れ。握手を交わす。この先もお互いそれぞれ道中気を付けることを願う。

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 7時頃にアンタルヤの空港に到着。定刻より少し早く離陸すると、10時前にはイスタンブールのアタトュルク国際空港に着く。晴れている。アンタルヤよりは少し気温が低いけれど、東京よりはずっと暖かい感じだ。

 ネット(ブッキングドットコム)で予約しておいたホテルは、スルタンアフメット地区という旧市街にある。観光名所のスルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)やアヤソフィア、トプカプ宮殿などがある、イスタンブールの観光名所の中心地近くだ。

 イスタンブールの中心市街は、ものすごく大まかにいうと黒海とマルマラ海を結ぶボスポラス海峡を挟んで、西のヨーロッパ側と東のアジア側にわかれている。中心市街には地下鉄やトラムが走っているし、ヨーロッパ側とアジア側はフェリーで頻繁に行き来できる。また、昨秋開通したばかりのマルマライ線という地下鉄がボスポラス海峡の海底を走っており、それでも行き来できる。

 そのヨーロッパ側は、金閣湾を挟んで南と北にわかれており、両側をつなぐガラタ橋はサバサンドで知られる。橋の南側はエミノニュEminönüといい、国鉄スィルケジ駅Sirkeciが近く、ここからマルマライ線にも乗れる。

 重いザックを下ろしたいので、まずはホテルを目指す。地下鉄(メトロMetro M1)と路面電車(トラムヴァイTramvay T1)を乗り継いでいく。空港のメトロ駅の改札口でチケットを買う。一律料金で3TL。ジェトンJetonというコイン型のチケットだ。トラムに乗り換える際にもまたジェトンが必要になるので2枚買っておく。M1線に乗り、乗換駅のゼイティンブルヌ駅Zeytinburnuで降り、地上を走るT1線へ。ホームで待っていると男性が声をかけてきた。韓国から来たそうだ。ロッククライミングをやっていて、昨年は韓国のソヌンサン(禅雲山)に行ったことを伝えた。

 T1線に30分ほど揺られる。車窓からは賑やかなイスタンブールの街並みが見える。人も車も多い。

 

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(↑アタトュルク空港のメトロ改札口)
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(路線図とジェトン)
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(メトロM1線)
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(↑税てぃんぶるぬ駅でトラムT1線に乗り換える)

 スルタンアフメット駅Sultanahmetで降りると、イスラム風の大きな建物が眺められる。スルタンアフメット・ジャーミィSultanahmet Camii。ブルーモスクの名で知られる建築史に必ず出てくる有名なイスラム建築の一つだ。尖塔ミナーレ(ミナレット)が建物を囲むように建っている。

 ブルーモスクと向かい合うように、アヤソフィア博物館Ayasofya Müzesiがある。ビザンチン時代から今に残るこれまた有名な建物だ。

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(↑ブルーモスク)
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(↑アヤソフィア)
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 これらに目を奪われながら歩いてホテルを目指す。当然観光客がたくさんおり、日本人の観光客もいた。焼き栗やパンを売る屋台もある。ブルーモスクの南側、多くの小さなホテルが並ぶ中に、アプリコットホテルというこれまた小さな宿があった。あまりにも目立たないので、最初は通り過ぎてしまい、他のホテルの人に場所を教えてもらって初めて通り過ぎていたことに気づいた。

 まだ正午前だったけれど、チェックインして3階の部屋に通してもらえた。朝食付き2泊で54ユーロ。ここももちろんWi-fiがつながる。これまで泊まっていたバンガローに比べたら、テレビもあるし洗面所も広いし立派な部屋だ。

 シャワーを浴びてから、少ない荷物でホテルを出る。

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(泊まったアプリコットホテル外観)
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(↑部屋の様子)

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○トプカプ宮殿Topukapi Sarayi

 日本人旅行者の定番本「地球の歩き方」を参考に、時間のかかりそうなところから観て回ることにした。ということで、まずはこれまた有名なトプカプ宮殿へ。入場料は25TL。宮殿敷地内にはさらにハレムがあり、ここで別途15TL。中庭を囲むように建物が建っていて、多くの部屋を見学して回っていると足が疲れてくる。

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○アヤソフィア博物館Ayasofya Müzesi

 トプカプ宮殿を出て、隣りにあるアヤソフィアに入る。25TL。内部の壮大なドーム空間を眺める。内部の壁の装飾は痛んでいるところが多く、ドーム内半分ほどでは天井まで届くような高い足場が組まれ、修復中のようだ。石畳のスロープ状階段を上がれば2階にも上がれる。

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 2つの施設を立て続けに見て疲れたのでいったんホテルに戻る。再び外出し、屋台で売っている焼き栗(100g 5TL)を食べてからヒッポドロームという広場に並ぶオベリスクを見てから、ブルーモスクへ。

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(↑テオドシウス1世のオベリスク)
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(↑コンスタンティヌス7世のオベリスク)

○スルタンアフメット・ジャーミィ(ブルーモスク)Sultanahmet Camii

 ブルーモスクは外観も壮麗だが、ドーム内部の装飾も見事だった。観光客は随時入れるわけではないようで、日に3回ほどの決められた時間に並んで入るようだ。私が行った時は運よくちょうど入場開始時刻だったようで、列に並んですぐに入れた。入口では履物を脱ぐ。中ではイスラム教徒の人達がお祈りをささげていた。写真は撮影可。フラッシュも禁止されていない。

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○地下宮殿Yerebatan Sarnici

 地下宮殿も見ておこうと思い歩いていたら、トルコ人の男性が話しかけてきて、入口はあそこだと教えてくれた。さらに、どこから来たのだとか話しているうちに、レザージャケットを売っているが見ないかと言ってきたところで、話を打ち切って地下宮殿へ。10TL。地上の入口から地下への階段を下りていくと、薄暗い中にライトアップされた林立する支柱が浮かび上がっており、水面が広がっていた。水面の上に造られた見学通路を歩き、奥の方にあるメドゥーサの首の石造を見る。それ以外にはあまり見どころは無いので外に出る。

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(↑地下宮殿入口)
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○グランドバザールKapali Çarşi

 地下宮殿を出てから街中を西の方に適当に歩くうちに、いくつもの店舗が並ぶ屋内市場のようなところに着いた。どうやらここがグランドバザールらしい。同じような貴金属店などがたくさんあって、人もとても多い。グランドバザールは相当に広いらしいが、すでに歩き疲れていたので、賑やかな様子を眺めながら途中まで歩いて外に出た。

 グランドバザールを出たところで、レストランの客引きに引き止められ、ここで食べることにした。焼いた肉を薄焼きパンで巻いたもので、街中の店頭でよく売っているものだ。これも何とかケバブなのかな。言われるままに入店してしまって、店頭で売っているものよりちょっと割高だったけれど、これ一つ食べただけでお腹がいっぱいだ。

 食べ終わるとすっかり暗くなっていたので、疲れたことだしホテルに帰ることにした。ブルーモスク方面に向かって適当に歩いて行き、途中見つけた食品スーパーに入って、お土産用にチョコレートなどを買う。

■イスタンブール観光2日目(2/14)

 ホテルの朝食は8時から。ごく小さなホテルなので、入口とフロントと食堂はほとんど一緒だ。ミューズリーやチーズ、フルーツ、パンなどが用意されていて、ゲイクバイリの宿で食べていた朝食と同じようなものだ。コーヒーを飲みながらパンをついつい食べ過ぎてしまう。外を見ると、夜のうちに雨が降ったのか路面が濡れているが、すでに雨は上がったようだ。

○国立考古学博物館Arkeoloji Müsesi

 今日はガラタ橋方面に行ってみるつもりなのだが、その前にトプカプ宮殿に近い国立考古学博物館に行ってみる。古代東方博物館を含めいつくかの建物に分かれており、すべての展示品をじっくり見ていたら相当時間がかかるだろう。建物の一部は改装中だった。装飾タイル博物館は、いくつもある小部屋にぽつんとわずかな展示品が置かれているだけで、使われていない展示棚などがたくさんあって、展示品の数に対して無駄に広い感じ。そういえば、博物館の内部には警備する人達がいるのだけれど、こんなに必要なのかと思うほど多くの警備員が退屈そうに座っている。

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 考古学博物館を出てから、トラムが走る道に沿って歩き、スィルケジ駅へ。

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(↑国鉄スィルケジ駅)

 改札口のようなものはなく、入って停車中の列車を撮影する。近くにある中央郵便局といった感じの大きな建物の郵便局へ。郵便博物館のようなものが併設されていたので一応見学しておく。無料だけれど受付でパスポートを預ける。

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(↑郵便局)

 イェニ・ジャーミィYeni Camiiの外観を眺めながらエジプシャンバザールMisir Çarşisiを見る。香辛料などがたくさん売っていた。

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(↑イェニ・ジャーミィYeni Camii)
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(↑エジプシャンバザールMisir Çarşisi)

 それからガラタ橋Galata Köprüsüへ。地下道を通って橋のたもとへ。この辺りは地名なのかエミノニュEminönüといって、アジア側などへのフェリー発着場になっている。橋は2層になっていて、下やたもとでは、名物サバサンドを売っているけれど、まだお腹は空いていないので食べるのは後にしよう。

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(ガラタ橋)
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 たくさんの釣り人が糸を垂れるガラタ橋の上を歩いて新市街側へ。新市街には建物群の上にガラタ塔が建っているのが見える。新市街側も振り向いた旧市街側も、町並みがエキゾチックだ。人も多くて活気がある。

 ガラタ橋を渡って、急坂を登っていく。途中で絵葉書を買いながらガラタ塔へ。

○ガラタ塔Galata Kulesi

 塔の展望台への入場料は19TL。高い。1,000円近くする。地球の歩き方には11TLとあったので、値上げしたようだ。値段を知って躊躇している観光客もいた。エレベータと階段で展望台へ。展望台は塔の上部の外周にテラス状にあるのだが幅が狭く、観光客がぎゅう詰めになってゆっくり巡りながら360度の展望を見る。展望は確かに素晴らしい。金角湾やボスポラス海峡方面。大きなモスクが並ぶ旧市街などの街並みを眺めながら一周する。でも1,000円は高いだろ。

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(↑ガラタ塔が見える)
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(↑ガラタ塔。写真横向き)
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(↑ガラタ塔からの展望)
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 ガラタ橋のたもと近く、路地を入ったところに目立たないように郵便局があったので、先ほど買った絵葉書を日本に向けて出しておく。たしか2.3TLくらい。郵便局を出たところで、ザクロジュースを売る屋台があったので飲んでみる。搾りたてのザクロ果汁が美味しい。1TL

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(↑ザクロジュース)

 ガラタ橋を渡り返して旧市街側へ。橋の下に並ぶレストランや接岸した船など、サバサンドを売るがたくさんあって大勢の観光客が食べているので、私も食べることにした。上げたサバと野菜をパンではさんだもので6TL。サバサンドはバルック・エキメッキBalik Ekmek。バルックは魚のことらしい。エキメッキはパン。

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(↑サバサンドを作る船が並んでいる)
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(↑サバサンドを作っている様子)
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(↑サバサンドはこういう食べ物)

 さて、これからアジア側に行くことにした。あらかじめネットで調べておいたのだが、イスタンブールにクライミングジムがあるらしいので行ってみようと思っていた。そのため、この日は朝ホテルを出る際にリュックにクライミングシューズとチョークバック、着替えを入れておいたのだ。

 場所はアジア側のカドゥキョイKadiköyという街にあるようだ。ガラタ橋のたもとエミノニュの船着場からはボスポラス海峡を隔てたカドゥキョイへのフェリーが頻繁に出ている。乗船料は3TL。メトロや新設されたマルマライ線があるとはいえ、地元の人にとってもヨーロッパ側とアジア側を結ぶ主要な交通手段のようだ。

 乗船してしばらくすると出発する。頻繁に出ているので、一つ乗り遅れてもすぐに次の船に乗って待っていれば良い。

 カモメがたくさん飛んでいる。海上から眺める市街地の眺めがすばらしい。

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 カドゥキョイの街に着き、調べておいた地図を頼りにクライミングジムへ。ジムはすぐに見つかった。名前はボルダーイスタンブールBoulder istanbul。市街地の中のごく小さなビルの1階にある。シャッターが上がっていて、ガラス戸の入口があって、中の照明は点いているのだが、ドアに鍵がかかっている。ガラス越しに中を覗いてみるが人いる様子がしない。呼び鈴を押したりノックしてもやはり反応が無い。調べた限り金曜日は12時から開いているはずなのだが、おそらく客が来ないので店員が出かけて留守なのかもしれない。いつ帰って来るかも分からないので、諦めて帰ることにした。わざわざヨーロッパからアジアまで来たというのに残念。

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(↑クライミングジム外観)

○スュレイマニエ・ジャーミィSüleymaniye Camii

 再びフェリーに乗ってエミノニュに戻る。歩いてスュレイマニエ・ジャーミィへ。これも見事なモスクだ。ブルーモスクもそうだが入場料は取られない。寄付の受付はするらしい。

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○シェフザーテバシュ・ジャーミィŞehzadebaşi Camii

 ヴァレンス水道橋近くにあるモスクにも寄ってみた。話しかけてきたトルコ人男性によると、イスタンブールで最も古いモスクの一つらしい。

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○ヴァレンス水道橋Valens Su Kemerleri

 石造の大きな水道橋の遺構で2層のアーチが並んでいる。地上のアーチの下は道路がくぐっていたり、駐車場になっていた。

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 今日も一日歩き回ったので足が疲れてきた。水道橋から南下して大通りに出る。昨日も食べたケバブの薄焼きパン巻きを食べるとそれだけで満腹。アクサライ駅Aksarayでトラムに乗りスルタンアフメット駅で下車。ライトアップされたブルーモスクを脇に見て、売店でビールを買ってホテルに帰る。

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■イスタンブール観光3日目(2/15)

 トルコ滞在も今日まで。深夜の便で日本に帰る予定だ。外を見ると雨が降っていた。8時から朝食。またしっかり食べてしまった。雨が降っているし、市内の目ぼしい観光名所はだいたい見て回ってしまったので、今日はもう長々と歩き回るつもりはない。そういう意味で時間はあるので、昨日行けなかったカドゥキョイのクライミングジムにはもう一度行ってみよう。

 朝食を済ませ、部屋でしばらく過ごしてからチェックアウトする。夕方18時頃に戻って来るので、それまでザックを預かってもらうようお願いしてホテルを出る。弱い雨が降っているので傘を差したけれど、こちらの人はこれくらいの雨ではわざわざ傘を差さないようだ。雨模様のせいか、一昨日昨日に比べると寒い。それでも帰国後の東京よりは暖かかったけれど。

 スィルケジ駅に向かって歩いて行く。風が吹いたりすると傘が煽られるし、少しずつ雨足も弱まってきたので傘をたたむ。駅やガラタ橋周辺を歩いたけれど、外にいても寒いのでアジア側に行くことにした。フェリーには乗ったので、今度は昨秋開通したばかりの地下鉄マルマライ線Marmarayで行ってみる。スィルケジ駅構内に入ると、右の方にあたかも最近できたという感じの地下鉄出入り口があり、人が出入りしている。エスカレーターで地下に下りると改札口がある。3TL

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(↑スィルケジ駅校内のマルマライ線入口)
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 さらにエスカレーターで延々と地下に降りていく。都営大江戸線のようだ。そういえば、この地下鉄建設には日本の大手ゼネコンも参加していて、駅の壁面に掲げられていた看板にはその会社のマークも載っていた。車両は韓国製。車内にその旨のプレートが貼られているので分かる。

 海底トンネルを通っているはずだが、暗いトンネル内を走っているうちにボスポラス海峡をくぐり抜けてしまう。アイルルックチェシメAyrilikçeşme駅で降りると、カルフールの大きな店舗があった。昨年スペインでも行ったけれど、世界各地に展開している大型ショッピングセンターらしい。ここでチョコレートのほか、レンズ豆を1㎏買った。レンズ豆のスープの作り方など知らないけれど。

○クライミングジム・ボルダーイスタンブールBoulder istanbul

 スーパーを出てから、昨日入れなかったクライミングジム・ボルダーイスタンブールに向かって市街地の中を歩いて行く。港から坂道を上がった先にはお店や人の多い賑やかな通りがあった。

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(↑カルフール)

 ジムは今度は開いていた。中に入ると受付に女性が一人いて、その奥ボルダリングウォールエリアになっているようだ。一回利用は14TL。スペースは想像通り広くはなく、荻パン1階よりさらに狭くしたくらい。テープの貼られた課題はほとんどなく、日本のジムのように壁を埋め尽くすようにグレード分けされた課題が設定されているワケではなかった。その時登っていたカップルも適当にホールドを選んでワシワシ登っているだけだった。

 地下に下りると、更衣スペースとトイレがある。ここで着替えて1階に戻る。Wi-fiがつながるのでスタッフの女性にパスワードを教えてもらった。

 まずは適当にアップする。ほかにも数人がやってきた。自分がいた2時間半ほどの間、最大で67人程度だったかな。流行っている感じはしない。

テープが貼られた課題はほとんどないので、それらを登ったあと、前傾壁で自分で課題を作ることにした。最初に作ったのは3級くらい。それなりにムーブがあって、日本のジムで設定しても良さそうな出来栄えにはなったかな。つぎに作ったのは23級くらい。普段ジムで自分が登っている上限よりは、作れただけあって少し易しいはず。これもムーブがあって内容的には良さげ。作ったと言っても、テープを貼ったわけではないので、私の頭の中だけにある課題だけれど。こんな感じでだらだらと過ごしてからジムを出る。

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(↑ボルダーイスタンブールBoulder istanbul)
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(↑地下の更衣室)
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フェリーでエミノニュに戻ることにした。フェリーに乗る前に、小腹が空いたのでドーナツ形のゴマ付きパン、スィミットSimitを買う。街中にはこのパンを売る屋台がたくさんあって、だいたい1TL。トルコのパンは美味しい。イスタンブール滞在中は、レストランに入ってしっかりたくさん食べるということはしなかった。屋台などでの買い食いで結構お腹がいっぱいになってしまう。寒いのでフェリーの中でチャイÇayを飲む。これも1TL。砂糖を入れて。


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エミノニュから歩いてホテルに戻る頃にはちょうど18時になった。帰国便の出発時刻は日付を回った深夜なので、まだまだ時間はあるのだが、重いザックを背負って歩き回るのは大変なので、早々と空港に行くことにした。

トラムとメトロを乗り継いでアタトュルク空港に着く。チェックインの受付まで居眠りしたり、出発までも待合スペースでだらだらと過ごす。身体が疲れていないワケはないのだ。

日付を回って成田に帰る便が出発。狭いエコノミークラスで長時間座っているのはツラい。足を下に下ろしているとだるくなるので、前の壁に当てて足を持ち上げて浅い眠りについたり。2回の食事では最後のトルコビール・エフェスを味わう。成田に着いたのは、時差7時間を取り戻すように2/16()夜。スカイライナーに乗り、電車を乗り継ぎ半月ぶりに帰宅。今回、なかなか時差ボケが克服できず、つぎの土曜日頃まで、深夜になるまでなかなか寝付けない状態が続いた。

 

こうしてトルコのクライミングツアーを終えた。アンタルヤでは車での移動が無く一か所にずっと滞在していたので、昨年のスペインの時よりもたくさん登れたのは良かった。イスタンブールの観光もできたし。T沢さんはまだまだトルコ国内を観光中だ。お疲れさまでした。

トルコ アンタルヤ・オリンポス クライミングツアー02 (アンタルヤ4~9日目)

2014.2.1(土)~2.16(日)  

 トルコTurkeyのアンタルヤAntalyaとオリンポスOlymposでクライミングをして、最後にイスタンブールIstanbulを観光してきた。  

 ここではアンタルヤでの4~9日目の記録を書く。

■アンタルヤ4日目(2/4) ALABALIK

 晴れ。今日はアラバリクというエリアに行く。アラバリクは魚のマスの意。上の車道にでるダート道の途中から南東へとブッシュ帯の中の明瞭な道に入る。ここをしばらく歩く。途中、ヤギ飼いが連れたヤギ達に会う。トポ本では途中からアラバリクの岩場へ直接降りる場所に至ることもできるみたいだけれど、そのまま歩いて東側の集落内の道に出た。

 台地状の上を歩いて岩場へと降りていくのだが、ちょっと迂回したけれどこのほうが間違いがない。道の終点にはフィッシュレストランと言うのがあった。マスらしき魚を養殖しているプールがいくつかあり、レストランがある。岩場の名前がこれが由来のようだ。

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(↑ダート車道からアラバリクへの山道入口の目印)
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(↑フィッシュレストランはこの奥にある)
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(↑岩場はこの先)

 レストランのあるところから岩場に至る途中を歩いていたところ、T沢さんが突然ギックリ腰を発症してしまった。身体が固まったように痛くて動けないようだ。下手に座り込むことも困難なようだ。しばらく様子を見る。T沢さんはとてもクライミングできる状態ではないので、翌日をレスト日に考えていたのを急きょ強制的にレストすることになった。少しするとビレイくらいはできるとのこと。でも午後1時には切り上げたいとのことから、それまでの2時間半ほどで登ることにした。

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(↑アラバリクの岩場)
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(↑写真横向き)

 ここの岩場も南面していて暑い。左奥にはALABALIK BALKONというエリアも続いているようだ。バルコンで登るらしいクライマーが一組くらい来ていた。

 イレブン前半のルートばかり立て続けに登ることにした。

・HALVA 5.11a(6b+) [P.113 №12] OS

・KELEBE Ğ IN R Ü YASI 5.11b(6c) [P.113 №10] OS

 ハング下を右トラバースして、さらに直上する見栄えのするルート。トラバース部分に固定ヌンチャクがかかっているので、これを利用すれば自分でかけたヌンチャクの回収が楽になる。ルートは一見難しそうにも見えるが登ってみるとガバばかりで、とにかくガバホールドをぐいぐいと右上していくのが楽しいおススメのルートだ。

・ALABALIK 5.11b(6c) [P.113 №5] OS

 ハング越えが楽しいルート。

・MAA CROOB 5.11b(6c) [P.113 №14] OS

 カチ数手があり気が抜けない。他のエリアよりも気持ちカラめか。

・AKINTIYA KARSI Y Ü ZMEK 5.11b(6c) [P.113 №13] OS

 長いルート。

 約束通り13時に岩場を離れる。フィッシュレストランを覗く。値段は高い。アンタルヤの街から来たのだろうか、トルコ人の家族連れがレストランに何組かやって来ていた。

 腰痛のT沢さんは早く歩けないので、一足先に私はバンガローに帰る。自分の荷物を置いて、ブッシュ帯の道を走って戻ったけれど、どこで行き違ってしまったのかT沢さんと会えず。私はそのまま車道を経てバンガローに再び戻るとT沢さんも帰ってきた。ブッシュ帯の途中で行き違ったようだ。

 まだ陽が高いので洗濯をしてから管理棟の食堂へ。午後3時からビールを飲む。夕食までの時間にさらにワインを飲み、夕食時にまたビール。この日はちょっと飲み過ぎ。

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(↑この日の夕食)

■アンタルヤ5日目(2/5) MEVLANA

 晴れ。T沢さんはギックリ腰のため今日もビレイのみ。2日目に行ったポセイドンの2つ右隣りあるメブラーナというエリアに行くことにした。ここも南面していて本当に暑い。小さな子供を連れた家族連れのクライマーが多い。オーストリアから来たという人もいた。左隣りのOTTOMAN(オスマン帝国のことらしい)というエリアのほうが人が多かった。

・TENTEN KONGLOMERA’DA 5.11b(6c) [前半のみ] [P.77 №17] OS

 延長すると7cのルート。前半のみ登る。

・M Ü REN 5.12a(7a+) [P.77 №6] RP

 ミューレン。終盤2つあるコルネの間をよじ登り終了点に至る。この最後がけっこう悪くオンサイトならず。

・BARTABAS 5.11d(7a) [P.77 №10] OS

 トポ本の76ページの写真のルート。下部の凹みの右側から取り付き、中盤の凹みの中央から左上に抜けていくルートなのだが、このハング越えが楽しい。3つ星といって良いおススメの好ルート。

・T Ü RKIYE’YE 5.12a(7a+) [P.77 №13] 5×

 前半に核心部が2箇所あるルート。最初の核心は右上ホールドを下り、その下のフットホールドに右足ハイステップで乗り込み、左足はフラッギングすると頭上左側のごく薄いコルネを左手ガストンで取れ、乗り上がって頭上の穴を取りに行くのが私のムーブ。これは繰り返すうちに普通にできるようになった。

 苦手だったのがその先のパートで、右上にある指1本の深いポケットに人差し指を入れていたのだがそれに耐えられずテンションを繰り返す。

 これができずにすぐに下りるので短い間隔でトライを出せたのだが結局登れず。同時にトライしていた女性が2便でRPしたので、最後にヌンチャクを回収してもらった。この日は登れなかったものの後日9日目に再訪した際にようやくRPできたのは良かった。

 前日は早めに上がったこともあり、またこの日もT沢さんが登らなかったことから、私はちょっと登り過ぎた感じでヨレヨレ。夕食の30分前に食堂に行き、まず一杯。夕食時にもまた一杯飲んだ。エフェスが美味しい。

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(↑この日の夕食)

■アンタルヤ6日目(2/6)  TURKISH STANDARD SA Ğ (RIGHT)、RIGHT CAVE、LEFT CAVE SA Ğ (RIGHT)

 晴れ。今日は宿のすぐ裏手にある岩場に行く。宿から本当に近いので休憩にすぐに戻れる。この日から様子を見ながらT沢さんがクライミングに復帰。

○TURKISH STANDARD SA Ğ (RIGHT)

・ADKA Ö ZLEM 5.11a(6b+) [P.100 №8] OS

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(↑復帰したT沢さん)

○RIGHT CAVE ・NEMO 5.12a(7a+) [P.101 №3] 2RP

 ターキッシュスタンダードエリアのすぐ隣りのエリア。このルート、出だしのホールドが小さくてテンションしてしまったが、すぐに下りてやり直したらそのまま登れた。難しいのは出だしだけなのだ。

・MAYMUN SALINCA Ğ I 5.12c(7b+)[P.101 №4] 3×(敗退)

 今回唯一トライした5.12cのルート。前半のハング越えがパワフルで悪く、何度かトライしてそれらしいムーブを見つけられつつあったけれどすでにヨレヨレで断念。上部もランナウト気味で怖く、ヌンチャクを回収。今回手を付けて登れなかったルートの一つ。

 午前中、T沢さんも5.8と5.10aのルートを登る。かぶったルートで無理はできないが、ごく易しいルートから身体を慣らしていくようだ。

 一度宿に戻り1時間ほど休んで15時頃から再開。今度は近いエリアのうち西寄りのエリアに行く。

○LEFT CAVE SA Ğ (RIGHT)

・SULTANAHMET 5.11a(6b+) [P.97 №1] OS

 スルタンアフメットというルート名。イスタンブールにあるブルーモスクの名前のルートということで、登っておくことにした。 T沢さんもフラッシュ。調子が上がってきたようだ。

・ROCKET MAN 5.11c(6c+) [P.97 №3] 2RP

 ハング下まではガバでぐいぐい登れる。ハング下から左の凹角に抜けるところがちょっと細かく窮屈。

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(↑コマドリの仲間)
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(↑レフトケイブの遠景)
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(↑キャンプ場にはキャンパスボードも。写真横向き)

 この日もたくさん登ってヨレヨレだ。夕食はレンズマメのスープが出た。メルジメッキ・チョルバス。メルジメッキはレンズマメのこと。トルコ料理の定番らしい。魚も美味しかった。

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(↑この日の夕食)
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(↑魚)

■アンタルヤ7日目(2/7) TREBENNA WEST ORTA(MIDDLE)

 晴れ。3日目に行ったトレベンナに再び行く。岩場に着くと他にもクライマーがいるが全員男。前回はカップルが多かったが。

・ARKADAN 5.11a(6b+) [P.108 №19] FL

 前回T沢さんが登ったルートでアップ。

・FLOWER TOWER 5.12a(7a+) [P.108 №21] 3RP

 前半は5.10a。後半のハング帯には固定ヌンチャクがかかっている。ハング越えの際のガバのホールドが遠くてパワフルで、5.12aが甘いとは言えないルート。左後ろにあるルーフ下のガバをガストンで取ったり、そこからハングの抜け口先のガバが遠くて足を突っ張って目いっぱい手を伸ばしたり、両足を切って、抜けた先で落ちそうなキョンをしたりと、とにかく腕力を使った。少しでもリーチを稼げるようにハング下のホールドを保持する位置を修正しながら、3便目でようやく登れた。もうヨレヨレ。隣りに見える8a+のルートはもっと大変そうだ。

・TRIOLOGIE 5.11a(6b+) [前半のみ][P.108 №23] FL

 前半で肋骨状というか、斜めに立てかけたような柱状を辿るルート。延長すれば7aのルートなのだが、もうヨレてるので前半のみ登る。少しずつ調子が上がってきたT沢さんも肋骨部分のみ登った。

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(↑T沢さん)
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(↑私。写真横向き)
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(↑肋骨状の岩を登るT沢さん。写真逆横向き)
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(↑買ったシャツ)

 岩場からの帰り道にキノコを見つけた。キノコに詳しいT沢さんによるとムラサキシメジらしいとのこと。夕食はヒヨコ豆とラム肉のスープ、ヨーグルトの冷製スープ、ピラウ。

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(↑この日の夕食)

■アンタルヤ8日目(2/8) DRAGON

 晴れていたけれど夕方には少し雲が出た。日本では記録的な大雪に見舞われているらしい。スマホを持って行ったので、Wi-fiでネットにつなげられるのだ。これまで7日間連続で登っているので、さすがに身体がガタついてきた感じ。目ぼしいエリアにはひと通り訪れた感じだし、アンタルヤで登るのは明日までで終盤の様相なので、あとはまだ行っていないエリアを拾うように行ってみることにした。マーラに隣接するドラゴンというエリアに行く。ここも陽当りが良く暑い。子供連れのクライマーも来ていた。

・BANANA MONSTER 5.11a(6b+) [P.60 №10] OS

 32mある長いルート。

・LIFE IS GOOD 5.11b(6c) [P.60 №1] OS

 左上して終了点直下がちょっとワルいルート。

・DRAGON FLY 5.11d(7a) [P.60 №8] 2×(敗退)

 板状のコルネの右側を辿るのはレイバックしたりと比較的登りやすいのだが、コルネ上端を乗っ越すのが、ホールドが細かくとても悪い。コルネ右側からコルネ中央を抱くように行くはずなのだが、2便出してもここを越えられず諦める。ワルいとはいえ5.11dが登れないとは疲れが相当溜まってきているのかも。

・SCHACH MATT 5.11a(6b+) [P.60 №6] FL

 全長40mのルート。持参した70mロープでぎりぎり足りた。ガバをぐいぐい登っていくルートで、それなりにムーブもあり3つ星といえる好ルートだ。

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(↑ドラゴンエリア)
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(↑まさに幕岩)

 夕食は鶏肉とピラウ、サラダ。これだけで満腹になりパンはほとんど食べず。

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(↑ビールはエフェス)
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(↑この日の夕食)

■アンタルヤ9日目(2/9) OTTOMAN、MEVLANA

 朝のうちは晴れていたけれど山に雲がかかって終日曇り空となった。アンタルヤでのクライミングは今日が最終日。行き先はぎっくり腰でT沢さんがビレイだけに行ったメブラーナと隣接するオスマン。隣同士のエリアなので行き来するのは簡単だ。南面していて晴れていると暑いのだが、この日は曇っていたので過ごしやすい。

○OTTOMAN

・I’MPIRE CONTRE ATTAQUE 5.11a(6b+) OS

 2011年版にトポ本には掲載されておらず、2013年のアップデート版に記載されている新しいルート。№13「MARMARA」というルートと№14「L’EMPIRE OTTOMAN」の間に新設された2本のうち右側のルート。新しいせいか、岩がちょっと脆い感じ。

○MEVLANA

・T Ü RKIYE’YE 5.12a(7a+) [P.77 №13] 通算7RP

 前回5便出して登れず仕舞いだったルート。このエリアに再訪したからには登っておかないと。前回1本指ポケットホールドを人差し指で耐えられなかったのだが、最終便で下から突き上げるように親指を入れて掌で挟み込むと意外と良いことが分かっていた。  まずはヌン掛けを兼ねて1便目。ホールドを思い出したので、2便目で確実にレッドポイント。敗退していたルートが一つ減らせたのは良かった。

○OTTOMAN ・ALA DAĞLAR 5.11b(6c) [P.75 №6] OS

 ルートを見上げると中盤の岩が白っぽいルート。白いルートと呼ぶことにした。35mの長いルートで、延々と登るだけでも登り甲斐があって楽しい。T沢さんも登る。ごく弱い雨がパラついてきたのでシューズも脱がずにすぐにもう1本登ることにした。

・RIGOLOS 5.11b(6c) [P.77 №8] OS

 白いルートに対して、全体に赤みがかった岩を登るので、赤いルートと呼ぶことしした。これも35mと記載されているが、終了点はもっと高く、赤い部分を30mほど登って途中の灌木の左側をさらに登る40mはありそうなルート。70mロープでは一度でロワーダウンできないため、途中、ケミカルのボルトにロープを直掛けして下りた。雨はごく弱いので登るのにはまったく支障なかった。

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(↑T沢さん)
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(↑白いルート(左)と赤いルート(右))
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(ジョシトのキャンプサイト)
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 こうして9日間のアンタルヤでのクライミングを終える。本当によく登ったものだが、このツケがこの日の夜から私を襲うことになる。

 17時に宿に行き、T沢さんがメールチェックすると、オリンポスの宿から返事が来ていた。明日朝にここまで迎えに来てもらうことになっていて、その再確認のために数日前からメールしていたのだが一向に返事が無かった。今回はレンタカーではなく送迎車をお願いしているので、きちんと迎えに来てくれないとその後の予定が狂ってしまうのだ。これでひと安心だ。アンタルヤでの最後の夜と言うことでビールを2杯飲む。T沢さんは3杯飲んでいたかな。夕食はピーマンの肉詰めなど。

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(↑この日の夕食)

 夜中、お腹が痛みだしてきた。食事が悪かったはずはないのだが、何回もトイレに立つ。足先が温かくならず、続々と背中に悪寒が走る。どういうわけか急激に体調が悪くなってきた。腹下しか、風邪なのか。ガタガタと震えながら布団に包まって朝が来るのを待つ。 

トルコ アンタルヤ・オリンポス クライミングツアー01 (準備、アンタルヤ1~3日目)

2014.2.1(土)~2.16(日)
 トルコTurkeyのアンタルヤAntalyaとオリンポスOlymposでクライミングをして、最後にイスタンブールIstanbulを観光してきた。
 海外でのクライミングは、以下のとおりタイ・プラナンを皮切りに今回のトルコまで、この3年間強に8回行ったことになる。
 ・2010年末   タイ・プラナン
 ・2011年夏   カナダ・スコーミッシュ
 ・2011年末   タイ・プラナン再訪
 ・2012年GW  イタリア・スペルロンガ
 ・2013年冬   スペイン・エルチョロ&コスタブランカ (&ポルトガル)
 ・2013年5月  韓国・禅雲山(ソヌンサン)
 ・2013年12月  中国・桂林・陽朔
 ・2014年2月  トルコ・アンタルヤ&オリンポス

■準備
 昨冬スペインに一緒に行ったT沢さんと、また海外にクライミングに行こうという話しを昨年10月頃から始めた。
 甲府幕岩に通うため泊まっていた某山荘で過ごす夜、T沢さんが世界各地のクライミングエリアの資料を持ってきてくれて、それこそ地球儀をぐるぐる回すように行き先をどこにするか何度もあれこれ相談した。
 旅慣れたT沢さんが、気候や交通、宿泊などいろいろと判断材料を示してくれる。あれこれ計画を考える準備段階のワクワク感も旅の魅力の一つだ。行き先がトルコに固まったのは11月に入ってからだ。
そういえば、T沢さんからスペインツアーの話しが出たのも、その前の秋の甲府幕岩でのことだった。

 トルコの相談をしている頃、私はすでに昨年12月の中国・桂林ツアーの予定が決まっていたのだが、こちらはO野さんが航空券やホテルの手配をまとめてやってくれたので、私は準備らしいことは何もしなかった。
 一方、トルコについてはT沢さんが現地の宿にメールで問い合わせてくれたりするものの、往復の便がT沢さんと別々になる見込みのため私も自分の航空便を調べたりと、出発が目前に近づいてきた中国よりもその先のトルコのほうが気になって仕方なかった。
 さらに、中国ツアー出発の前週にようやくレッドポイントできるまでは、トライしていた甲府幕岩の「ア・ラ・ポテト」5.13aのことでも気を揉んでいた。これを読んでいる人には、「おいおい、ちゃんと仕事してるの?」と言われそうだ。

 トルコのアナトリア半島(小アジア)の南部にアンタルヤAntalyaという海沿いの街がある。有名なリゾート地らしい。そこから内陸側に30㎞ほど西に行ったところにGeyikbayiriというところがあり、今回目指す岩場はそこだ。ゲイクバイリといった感じで発音するみたい。
 アンタルヤから70㎞ほど南に行った海沿いにオリンポスOlymposという街があって、やはり岩場があるのでそこにも数日訪れることにした。

 計画段階での行動概要は以下のとおり。
 私の日程は1/31夜出国の2/1~2/16の半月間で、現地アンタルヤ空港でT沢さんと待ち合わせて、アンタルヤとオリンポスの岩場でクライミングする。T沢さんと解散した後は一人イスタンブールに移動し、市内を観光してから日本に帰る予定だ。
 一方のT沢さんは、一足先の1/16日本を発ちトルコへ。各地を観光しながら巡り2/1に私と待ち合わせ、2週間弱私とクライミングして解散した後は、再び各地を巡り日本に帰るのは3/6の予定だ。長い。つまり昨年のスペインツアーの時と同様、T沢さんとは現地集合の現地解散だ。
 私はイスタンブール直行便のあるトルコ航空にした。T沢さんはいろいろ安いチケットを探して、最終的にアエロフロート航空にしたそうだ。
 持参するロープはT沢さんの70mシングルロープ1本だけなので、年始の伊豆城山に一緒にった時に私が預かっておく。T沢さんが、私より一足先に出発してトルコを巡る間はクライミングをするわけではないので、余計な荷物は減らしておくためだ。
 トルコに行く方針が決まった頃に、私はトルコの岩場のトポ本を事前にネットで注文して取り寄せておいた。A ROCK CLIMBING GUIDE TO ANTALYAというトポ本で、アンタルヤのほかオリンポスの岩場のトポも載っている2011年のものだ。また、アンタルヤの岩場については、その後追加されたエリアやルート、グレードが改訂されたルートが、泊まった宿JO.SI.TO GUEST HOUSEのサイトにアップデート版として載っていた。

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 アンタルヤのGeyikbayiriでは前述の宿に9泊し、続くオリンポスではKadir’s Tree Houseという宿に3泊した。どちらもT沢さんが日本からメールで予約してくれた。

 そうこうするうちに、T沢さんが一足早く日本を発ちトルコに向かった。フェイスブックでその動向を見たところによると、イスタンブールで数日観光してから、小アジアのエーゲ海側に沿ってチャナッカレやイズミルなどを南下し、私が日本を発つ前にはアンタルヤに到着していた。T沢さんとはアンタルヤの空港で待ち合わせることになっている。
 トルコ観光中のT沢さんから、トルコで会った人へのお土産用としておせんべいを渡したいという連絡があったので、南部せんべいなどをいくつか買っておいた。

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 なお、トルコ語の地名やルート名などについては、英語にはないトルコ語独自のアルファベットは表現しきれないので、英語のアルファベットにしておく。


■アンタルヤ1日目(2/1) 現地入り~SARKIT SAĞ(RIGHT)、MAĞARA
 1/31(金)夜、仕事から帰宅してシャワーを浴びてすぐに家を出て、成田空港に向かう。22:30出発の便だが、定刻より30分早く出発することになったらしい。離陸後、日本時間では深夜だけれど最初の食事が出てくる。ビールを飲む。当然エコノミークラスなのだが、狭い座席ではぐっすり寝られず。
 トルコは日本と時差7時間遅れ。イスタンブール到着の2時間ほど前に再び食事が出て、未明にイスタンブールのアタトュルク到着。国内線ターミナルに移動し、定刻の朝6時半にアンタルヤに向けて発つ。機内で軽食が出る。
 7:45にアンタルヤに到着。成田で預けたザックを受け取り、外に出るとT沢さんが待っていた。天気は晴れ。T沢さんに聞いていたとおり、東京ほど寒くない。むしろ暖かく感じるくらいだ。

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 お願いしていた宿の人が車で迎えに来てくれていた。トルコの通貨トルコリラTLを両替えしたかったので、途中でATMに寄ってもらい、カードでキャッシング。手数料を考えれば、両替えするよりカードで借りたほうがずっとお得だ。
 今回の旅行の最後にイスタンブール市内を観光して回ったのだが、街中のあちこちにATMがあるので、わざわざ日本円をトルコリラに両替えするするよりも、その都度少額ずつキャッシングしたほうが余計に両替えしてリラを余らせることもない。
 途中でオレンジとトマト、イチゴもたくさん買う。ゲイクバイリGeyikbayiriに滞在中、日中の行動食はほとんどパンとこれらで済んでしまった。

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 アンタルヤの街はトルコの中でも有名なリゾート地らしく、宿の人の話だと人口200万人もいるそうだ。10時前にはゲイクバイリでの拠点となる宿ジョシトJO.SI.TO GUEST HOUSEに到着。こぎれいなキャンプサイトにいくつかバンガローがある。管理棟には食堂があり、朝晩の食事はそこで食べる。これから9日間ここに滞在して周辺の岩場を登るのだ。
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(↑JI.SI.TOのキャンプサイト)
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(↑バンガロー)
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(↑管理棟兼食堂)
 予めトポ本の写真を見ていたので、何となくイメージはできていたのだが、ゲイクバイリの岩場は、段丘状の崖になった部分にクライミングルートがたくさん作られている。その崖のうちメインセクターは南面した東西2kmも続く幕岩だ。まさにアンタルヤ幕岩といった感じ。甲府幕岩とはその規模がケタ違いだ。宿のジョシトから見ると北側に上がったところにあり、アンタルヤの街から上がってくる車道に面した形だ。メインセクターは、名前が付されたエリアにいくつも区切られている。岩質は石灰岩。岩壁が凹んだ洞窟状のところにはもちろんかぶったルートが多い。
 ジョシトのすぐ北側にもメインセクターよりはずっと小規模ながら岩場がある。宿から極めて近いため、日中休憩に宿に戻れる。
 ほかにもジョシトとそのそばを流れる小川を挟んだ南側にあるトレベンナTREBENNAというエリアがある。北面なので終日日陰で寒いのだが、ここの岩の形状はピカイチだ。メインセクター以上に洞窟状に抉れており、棒状というか柱状に地面から洞窟天井まで立ち上がる岩もいくつもある。そんなところにルートが作られているので、上に登っていくと急激にハング越えになる。ゲイクバイリに来たら絶対に行くべきエリアだ。初日に行ったメインセクターから対岸に位置するように見え、遠目にもその立体的な形状が分かるので、ここにはぜひ行きたくなったものだ。
 ほかにも南東側にあるアラバリク(魚のマス)という岩場もある。どこもジョシトから歩いて行けてしまう。つまりジョシトはこれらの岩場の真ん中に作ったワケだ。

 欧米からのクライマーがたくさん滞在していたが、それでも今は最盛期のシーズンではないらしい。1月は比較的雨が多いようだが、2月になると降水量も1月よりは減るらしい。我々が滞在した9日間は結局雨に降られて登れないということはなかった。仮に降ったとしても、かぶったエリアに行けば登れるだろうけれど。
 雨が降らないので乾燥している。朝晩は冷えるのでダウンがあったほうが良いが、晴れた日に南面したエリアにいると陽射しで暑いくらいで、私は上半身裸になって登ることも多かった。12月に行った中国桂林みたいな感じ。終日日陰のトレベンナはさすがにそんなことはなく、ダウンが必要で岩も冷たい。冷たいと言っても、二子で焼き石を握りながら登ることに比べたら何でもない。
 これが春に行けばさらに降水量は少なくなるのだろうが、おそらく暑過ぎるのではないだろうか。アンタルヤの街で海水浴ができるかもしれないけれど。我々は9日間ずっとジョシトに滞在していたのだが、アンタルヤの街のホテルからレンタカーで通ってくるクライマーもいた。閑散期なのでホテルも安いようだ。
 連日晴れてくれるので、服はこまめに洗濯すれば日中登りに出かけている間に乾いてくれる。荷物をなるべく減らしたかったので着替えの数も少なめにして行ったので。
 ジョシトの支払いは基本ユーロだが、トルコリラも可。カードは不可とのこと。支払いはチェックアウト時にまとめて払った。宿泊代や食事代、お酒代、送迎代、売っていたシャツ代などを注文時にその都度、受付にある台帳の個人ごとのページにスタッフが印を付けておくのだ。管理棟ではWi-fiがつながる。

 ジョシトの食事のことも書いておく。結論から言うととても美味しかった。朝食は8時からで、我々はいつもトルコ風朝食(ターキーズブレックファスト)というのを選んで食べていたので、これは毎日同じ。4ユーロ。トマトやチーズ、オリーブ、パンとヘルシーだ。それにコーヒー。パンはおかわりできる。トルコのパンは美味しいとT沢さんに予め聞いていたけれど、確かに美味しくて本当にたくさん食べたものだ。余ったパンはこっそり持ち帰って行動食にしたし。

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(↑朝食)

 朝食時に、その日の夕食を注文しておく。だいたい8ユーロで18時から。食事はおそらく近くの集落に住んでいるだろうトルコ人のおばさん達が作ってくれているようだ。というワケで、イスタンブールに行ってからあれこれ食べようと思っていたトルコ料理をジョシト滞在中に堪能できた。夕食は毎日同じということはなく、定番のレンズマメのスープ(メルジメッキ・チョルバス)やヒヨコ豆のスープも出てきたし、肉料理やサラダ風などいろいろな料理が一皿に盛られて出てくる。ご飯モノはピラウというらしく、ご飯がある時はお腹がいっぱいになってパンが食べきれないくらいだ。イスタンブールでは結局買い食いで済ましていたので、ここジョシト滞在中にトルコの料理を最も味わうことができた。
 この辺りは岩場ばっかりで、産業と言っても、ヤギ飼いがいたり、オレンジの木がたくさん生えているくらいしか私には想像できない。それを我々のような外国人がわざわざやって来て、滞在してお金を落としていくのだから、スタッフはヨーロッパ人でも、調理や清掃などに従事することで地元の雇用にも貢献しているようだ。

 さて、チェックインを済ませ、予約しておいたバンガローに荷物を運び込む。我々のバンガローはツインベッドでトイレ・シャワー付き。もっと小さなバンガローは寝室のみで、トイレ・シャワーは、テント泊者が利用する共同施設となる。水は湧水があって飲料できるとのことで、ペットボトルの水を買う必要がないのは良かった。水筒があればよい。
 なぜか我々が泊まったバンガローのみたびたび停電になったのには困ったけれど、もちろん電気は通じている。
 イチゴを食べながらトポ本を開き、初日の今日行く岩場をT沢さんと相談する。私は予めトポ本を見ていたので、かぶったルートのありそうなエリアにだいたい目星を付けておいた。まずはメインセクターにあるサーキットSARKITのうち壁が凹んだ感じらしい 右側SAĞ (RIGHT)に行くことにした。
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(↑SARKITとMAĞARA)

○SARKIT SAĞ (RIGHT)
 宿からメインの車道に出てから、左に向かう。東西に長いメインセクターのうちサーキットは西寄りにある。車道からブッシュ帯を上がった上方に幕岩が延々と続いている。トポ本を眺めながら各エリアを同定しつつ歩いて行く。サーキットらしいエリアが見えてきてので、適当なところからブッシュ帯に入って行く。それらしい踏み跡はあるノアが、見通しは比較的良いので適当にエリアを目指して行けばたどり着けるだろう。しかし、生えている木の葉や茎が固くとがっているので、それが肌に当ると痛いのなんの。歩く時は長袖長ズボンがベター。
 初日は、ここの岩に慣れるためもあり5.11台前半を登るくらいにした。私は5.11a以上をたくさん登りたかったので、オリンポスでのクライミング最終日を除き、アップを含め5.10台以下のルートに登ることはしなかった。昨年のスペインツアーの時もそうだったけれど、日本の岩場のグレーディングに比べたら、ここアンタルヤのルートも甘く感じるので、アップでも私にはちょうど良かった。でも、中には日本のルートと比べても決して甘いとは思えないルートもあったけれど。
 個々のルートはともかく、スペインに限らずこれまで訪れた海外の岩場で、日本よりも概してカラいと言える岩場はなかったので、思うに日本のグレーディングが他よりキビしめなのかも。ただ、私がトライする辺りのルートがそうなだけであって、もっと高難度のものや逆に易しいものは変わらないのかもしれないけれど。

 岩場は陽が当って暑い。大穴の中に5.11台前半が3本並んでいたので左から順に登ることにした。
 各ルートのナンバーやページ数、グレードは前述のトポ本による。OSはオンサイト、FLはフラッシュ、RPはレッドポイント。
・SAXAFON 5.11a(6b+)[P.53 №37] OS
・SIRDAN DOLMASI 5.11a(6b+)[P.53 №38] OS
・RETSA 5.11b(6c) [P.53 №39] OS
T沢さんもSAXAFONをフラッシュ。隣接するMAĞ ARAに場所を移すことにした。?の文字は発音しないらしく、マーラと読むそうだ。

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(↑SARKITで登る私。写真横向き)

○MAĞARA
 マーラも洞窟状になった壁だ。
・IN ORDAN 5.11c(6c+) [P.55 №17] 2RP
 後半のコルネを伝うところが核心で、残念ながらオンサイトできず。
・MIM ISĞINDA YEMEK(SOL/LEFT) 5.11a(6b+) [P.55 №13] OS
 洞窟状の奥にあるルートで暗い。下から見上げてもボルトが見えないので、登りながらボルトを探した。

 こんな感じで初日から5本も登れたのは良かった。タイ・プラナンのように、石灰岩の大きなコルネをぐいぐいと登っていくルートが多くて楽しい。薄曇りになってきて涼しくなってきた。16時を過ぎた頃切り上げることにした。陽が陰ると寒くなってくる。バンガローに戻ってシャワーを浴びてから管理棟の食堂へ。トルコ料理の夕食は美味しいし、量が多いので満腹になる。パンもたくさん食べた。ビールも美味しい(2ユーロ)。ビールはトルコの銘柄エフェスEFES。すっきりした味わいで日本で飲むビールと変わらない感じ。
 満腹になってアルコールも入ると、機内で寝つけなかったこともあり急激に眠くなってきた。バンガローに戻るとそのままベッドになだれ込む。
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(↑この日の夕食)

■アンタルヤ2日目(2/2) POSEIDON
 10時間以上寝て、寝不足は解消できた。朝食はチーズやトマト、茹で卵などがのった皿にパンが添えられる。美味しい。ゆっくりと準備してバンガローを出る。天気は薄曇り気味。今日はメインセクターのうち、東寄りにあるエリアの一つポセイドンに行ってみることにした。トポ本の写真を見た感じでは、ここも洞窟状になっているようだ。
 車道に出てからアンタルヤ側にしばらく歩いて、途中からブッシュ帯の踏み跡に入って行く。近くには別のキャンプ場もあり、そこからもアクセスできるようだ。
・TAKOZ 5.11a(6b+) [P.74 №10] OS
・NEPTUNE 5.12b(7b) [P.74 №6] 2RP
 洞窟のルーフ下をトラバースして、ハング下の抜け口の一手が遠くて核心部となる。そういう意味ではお買い得。ヌンチャクの回収は大変だけれど、登って楽しいおススメのルート。今回最初の5.12台ルート。
・OKTOS 5.12a(7a+) [P.74 №12] OS
 右寄りの洞穴の右側側壁から登るルート。下部はカンテ右に乗っ越すところがちょっとワルい。上部はガバだけれど、長いのでヨレてくる。耐えて登り続けたらオンサイトできた。やった。
・DEMAVEND 5.11b(6c )[P.74 №7] OS
 洞窟内の中央部を登るルート。ルーフにいたるところで終了。
・BAGDAD CAFE 5.11b(6c) [P.74 №2] OS

 ということで、この日も5本登れた。宿に戻ってシャワーを浴びてトルコ料理の夕食という生活パターンが続く。昨冬行ったスペインツアーは、レンタカーでの移動と岩場探しに労を費やしたが、それと比べると今回は滞在型なので合宿といった感じだ。
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(↑ポセイドン)
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(↑T沢さん)
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(↑ロワーダウンする私。写真横向き)

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(↑この日の夕食)

■アンタルヤ3日目(2/3) TREBENNA WEST ORTA(MIDDLE)
 晴れ。洗濯する。この日の朝食のパンはゴマをまぶしたものでこれまた美味しい。今日は初日に望見してぜひ行ってみたいと思っていたトレベンナに行く。ジョシトの裏手にある小川を渡るのだが、初めて行くので岩伝いに渡れるところが分かりづらい。適当に渡った先に続く踏み跡を辿ると、岩場の基部を道が続いている。下部の岩場を通り過ぎ、アプローチ道を上に上がるとゲイクバイリ随一の立体的な形状をした岩場に出る。北面していて終日日陰なので寒い。ダウンが必要だ。これまで訪れたエリアよりもずっと深く抉れた洞窟状で、柱状に足元から洞窟天井まで独立して立つ岩が何本もある。こんな形状がどうしたら形成されるのだろうか。ゲイクバイリに来たら必ず行っておくべきエリアだ。5.13台のルートもいくつもあるけれど、私には1~2日のトライで登れるワケはないので、5.12台前半をトライする。垂直部を登った下部部分だけでルートをいったん区切ってグレードが付けられているルートもいくつもあるが、さらに延長してハング部分を越
えると当然グレードが上がる。ここに来たらハングを越えるルートをぜひやらないと。
 他にも数組のパーティーがいた。
・GREEK GIFT 5.12b(7b) [P.106 №4] 2RP
 トポ本の109ページの写真のルートなだけあって、3つ星と言っても良いおススメのルートだ。写真は柱状になった下部のアプローチともいえる部分で、核心はその先のハング越え。右側の岩壁との狭部に入り、少しフェイスを登ると終了点。
・FREEDOM IS A BATTLE 5.11d(7a) [前半のみ] [P.108 №20] OS
 終盤、コルネを左に回り込むのだが、所見ではホールドが見えず落ちそうで怖い。延長すると8a+のルート。
・RATTLESNAKE SALOON 5.12b(7b) [P.106 №5] 3RP
 先ほど登ったグリークギフトの右向かいにあるルート。前半はコルネの左側から登るので易しい。中盤からコルネに出て、終盤の1本コルネをピンチしながら登るのが核心で、すでにヨレヨレ。
 ムーブは分かっても2便目も終盤で力尽きる。最後のトライと決めた3便目は前便よりも余力を残しながらRPできた。

 T沢さんもこの日5.11aを2本完登。夕食はポテトとムラサキタマネギ、ナスとひき肉の炒め物など。毎食美味しい。部屋に戻って、T沢さんが買っておいたワインを飲むとすぐに眠くなってしまう。クライミングの疲れもあるが、まだ時差ボケの余韻が残っているのか、4日目くらいまでは就寝時間が早かった。翌朝まで10時間くらい寝るので睡眠時間はたっぷりある。

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(↑トレベンナ遠望)
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(↑こんな感じ)
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(↑この日の夕食)

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